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幕間 その頃のあの人達は(アール視点)
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(アール視点)
届いたばかりの木箱が数個並んでいる。箱には、割れ物注意という張り紙が。
主はその箱を見て、恍惚とした表情を浮かべていた。
「アール、見て! 注文していたものやっと届いたよー。ガラスで有名なダーニン国産の研究器具。あー、予算増えて良かったぁ。これでもっと研究がはかどるよ!」
主はそう叫ぶように告げると、屈み込んで僕のことを抱き締めた。
弾んだ声音と同様に表情も緩んで嬉しさを全身で噛みしめているようだ。
「よかったですね、主。主が嬉しいと僕も嬉しいです」
「ありがとう」
ティアナ様がハーブ問題を解決してくれたお蔭で、浮いた予算が研究費へとまわされることに。
早速、主は研究所の皆に欲しい物を聞き、研究器具の追加を発注。
それがたった今届いたのだ。
これもティアナ様がハーブ問題を解決してくれたお蔭。
主の生家である侯爵家は代々強い魔力保持者ばかりで、主も例外ではなく高魔力保持者。
でも、主は王宮魔術師の資格は持っているが、自分の好きな研究者の道へと進んだ。
新薬を開発し医療の未来に貢献している主を僕は誇りに思うし大好き。
なので、これからもお菓子を作ったり、環境を整えたりサポートしていきたい。
「こんにちはー。お二人ともお元気ですか?」
「「……!?」」
突然降り注ぐように届いた第三者の言葉に、僕達は振り返った。
すると、エメラルドを溶かしたように鮮やかな緑色をした髪を持つ青年の姿があった。
絹のようにサラサラとしている髪を一つに纏め、丸眼鏡越しに筆で描いたようなすっとした瞳と視線が絡んだ。
彼は僕と同じように執事服を纏っている。
「ミト様」
僕が挨拶をすれば、彼はにこりと微笑んだ。
彼はミト様。
侯爵家の当主……つまりフーリデ様のお父様の使い魔で、僕よりもずっと上の先輩だ。
「ミト、驚かせないでよ。気配が全くなかったから驚いたよ」
「坊ちゃま、申し訳ありません。人の姿はあまり慣れてなくて……」
「いつも鷹の姿だもんね」
「えぇ、ですから、地上を歩いているのが落ち着かないんですよね。私は普段高い所にいますので。ほら、鷹だけに」
「「……」」
ミト先輩は時々、ダジャレを言う時があった。
顔を引き攣らせている主の隣で、僕はどう反応して良いのかわからず、いつも固まってしまう。
大先輩に笑ったら失礼だって思う反面、ミト様の主である侯爵様はいつも笑っていらっしゃるし。笑った方が正解なのだろうか?
「せっかく、人間の姿はカッコイイのに……」
「えー、坊ちゃん。私のことをカッコイイって思って下さっていたんですかぁ? 嬉しいですね。早速、マスターにお知らせしなきゃ。あっ、でもその前に用事を済ませましょう」
ミト様は手にしていた手紙を差し出した。
「これは?」
「エタセルのパーティーの招待状です。侯爵家もお誘いを受けていたんですよ。マスターが参加予定だったのですが、今回はぎっくり腰で不参加なので」
「えっ、ご当主様は大丈夫なのですか!?」
「大丈夫ですよ。寝返りうつのが大変そうですけど」
「ぎっくり腰って魔女の一撃って言われているんだっけ?」
「えぇ。横向きが楽のようで休まれております。坊ちゃまもお気を付けて下さいね。年齢関係なく誰でもなりますからね。ですから、今回は侯爵家代表して参加して下さい」
「どうして僕?」
「エタセルはハーブが有名だからじゃないですかね。パーティーにかこつけて色々見て来いってことなのかもしれません。実はマスターは坊ちゃんのこと認め初めているんですよ。坊ちゃん、所長になってからずっと頑張ってきましたから。アールもよく主を支えてくれていますし」
ミト様は僕へと手を伸ばして頭を撫でてくれた。
「……そっか。じゃあ、行ってこようかな。ティア嬢とも会いたいし。アールも一緒に行こう?」
「はい!」
ティアナ様とお会いするのは楽しみだし、エタセルにも行ったことがないからどんな国なのかワクワクする。
それに、主と二人で遠出なんで久しぶりだ。
――さて、家に戻ったら早速準備をしないと!
届いたばかりの木箱が数個並んでいる。箱には、割れ物注意という張り紙が。
主はその箱を見て、恍惚とした表情を浮かべていた。
「アール、見て! 注文していたものやっと届いたよー。ガラスで有名なダーニン国産の研究器具。あー、予算増えて良かったぁ。これでもっと研究がはかどるよ!」
主はそう叫ぶように告げると、屈み込んで僕のことを抱き締めた。
弾んだ声音と同様に表情も緩んで嬉しさを全身で噛みしめているようだ。
「よかったですね、主。主が嬉しいと僕も嬉しいです」
「ありがとう」
ティアナ様がハーブ問題を解決してくれたお蔭で、浮いた予算が研究費へとまわされることに。
早速、主は研究所の皆に欲しい物を聞き、研究器具の追加を発注。
それがたった今届いたのだ。
これもティアナ様がハーブ問題を解決してくれたお蔭。
主の生家である侯爵家は代々強い魔力保持者ばかりで、主も例外ではなく高魔力保持者。
でも、主は王宮魔術師の資格は持っているが、自分の好きな研究者の道へと進んだ。
新薬を開発し医療の未来に貢献している主を僕は誇りに思うし大好き。
なので、これからもお菓子を作ったり、環境を整えたりサポートしていきたい。
「こんにちはー。お二人ともお元気ですか?」
「「……!?」」
突然降り注ぐように届いた第三者の言葉に、僕達は振り返った。
すると、エメラルドを溶かしたように鮮やかな緑色をした髪を持つ青年の姿があった。
絹のようにサラサラとしている髪を一つに纏め、丸眼鏡越しに筆で描いたようなすっとした瞳と視線が絡んだ。
彼は僕と同じように執事服を纏っている。
「ミト様」
僕が挨拶をすれば、彼はにこりと微笑んだ。
彼はミト様。
侯爵家の当主……つまりフーリデ様のお父様の使い魔で、僕よりもずっと上の先輩だ。
「ミト、驚かせないでよ。気配が全くなかったから驚いたよ」
「坊ちゃま、申し訳ありません。人の姿はあまり慣れてなくて……」
「いつも鷹の姿だもんね」
「えぇ、ですから、地上を歩いているのが落ち着かないんですよね。私は普段高い所にいますので。ほら、鷹だけに」
「「……」」
ミト先輩は時々、ダジャレを言う時があった。
顔を引き攣らせている主の隣で、僕はどう反応して良いのかわからず、いつも固まってしまう。
大先輩に笑ったら失礼だって思う反面、ミト様の主である侯爵様はいつも笑っていらっしゃるし。笑った方が正解なのだろうか?
「せっかく、人間の姿はカッコイイのに……」
「えー、坊ちゃん。私のことをカッコイイって思って下さっていたんですかぁ? 嬉しいですね。早速、マスターにお知らせしなきゃ。あっ、でもその前に用事を済ませましょう」
ミト様は手にしていた手紙を差し出した。
「これは?」
「エタセルのパーティーの招待状です。侯爵家もお誘いを受けていたんですよ。マスターが参加予定だったのですが、今回はぎっくり腰で不参加なので」
「えっ、ご当主様は大丈夫なのですか!?」
「大丈夫ですよ。寝返りうつのが大変そうですけど」
「ぎっくり腰って魔女の一撃って言われているんだっけ?」
「えぇ。横向きが楽のようで休まれております。坊ちゃまもお気を付けて下さいね。年齢関係なく誰でもなりますからね。ですから、今回は侯爵家代表して参加して下さい」
「どうして僕?」
「エタセルはハーブが有名だからじゃないですかね。パーティーにかこつけて色々見て来いってことなのかもしれません。実はマスターは坊ちゃんのこと認め初めているんですよ。坊ちゃん、所長になってからずっと頑張ってきましたから。アールもよく主を支えてくれていますし」
ミト様は僕へと手を伸ばして頭を撫でてくれた。
「……そっか。じゃあ、行ってこようかな。ティア嬢とも会いたいし。アールも一緒に行こう?」
「はい!」
ティアナ様とお会いするのは楽しみだし、エタセルにも行ったことがないからどんな国なのかワクワクする。
それに、主と二人で遠出なんで久しぶりだ。
――さて、家に戻ったら早速準備をしないと!
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