王様のナミダ

白雨あめ

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風紀室と会長

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「会長。」

「なんだ。」

「コーヒー零れてるよ。」

「え、あつ......!」

もくもく、といかなくとも、ゆらゆらと湯気を上げるコーヒー片手に、ソファーへ腰かける。
目の前でインスタントコーヒー相手に悪戦苦闘している会長を眺めがら、近くのタオルに手を伸ばす。

「会長、これ使って。」

「あ、あぁ。」

タオルを受け取る会長の柔らかそうな金髪が揺れる。どこか外国の血が入っているらしい、と噂で聞いた。会長とそういう個人的な話はしたことはないが、会長の噂は耳をふさいでいても聞こえてくるほどに多いのだ。
ばつの悪そうにそれを受け取り、そっぽを向く会長に苦笑が漏れる。

「火傷してない? 大丈夫?」

なぜか目を合わせようとしない会長へ、そっと声をかける。机に置いたコーヒーへ利き手の右を伸ばす。
本当に会長には申し訳ないことをした。会長は何も悪くない。ドアの裏候補のなかに、会長を入れていなかった俺が悪かったのだ。
あの夢のせいか、会長の姿にかなり驚いてしまった。

会長には言わないけど、おかげで机の角で打ち付けた腰が、まだ痛む。

「あ、あぁ。問題ない。」

「ならよかった。」

「あぁ。」

勝手に風紀室に入った負い目があるのかなんなのか今日の会長はとても静かだ。いつもはもっとぐわーって感じで話すのに。

会話が終わって、落ちるのは沈黙。

「あー、えーっと。」

きまずい。
普段、会長とは事務的な会話しかしないせいか、思うより会話が進まない。
それに今日、あんな夢を見たせいでなんとなく会長の顔を直視できない。
なんだか、自分が悪いことをしているような気分になってくる。

そんなことを考えつつ、何気なく室内に視線をめぐらす。風紀室内は今日も、綺麗好きな長のおかげで、病的までの清潔さを保っている。ありがたいといえばありがたいが、素直に感謝するきになれないのはどうしてか。幼馴染の顔が頭をよぎる。
そういえば、あいつ遅いな。と、考えたとき。


ガチャリ。ドアの開く音。


「あ?」


パタパタ、という足音と一緒に風紀委員長藤間 冬至、登場。



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