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犬猿の仲の2人2
しおりを挟むだが、いくら待っても罵声のひとつもとんでこない。
「............。」
いい加減不審に思い、ちろりと目だけで会長の姿を確認してみれば、なぜか会長は普段から鋭い目付きをもっと鋭くさせ、一身に冬至のいる方向を睨んでいた。
え、あれ。
これ、どういう状況だろう。
流石の冬至もその剣幕に圧され気味なのか、生徒たちの間で冷静沈着と呼び声高い彼から、珍しく戸惑いの感情が伝わってきた。
「あ、あの。......会長?」
たまらず顔を上げ、目の前の彼に声をかける。
だが、彼は俺の声が聞こえていないのか、こちらを見る様子もない。いや、この距離で聞こえていないわけがないだろう。意図的に無視されているとしか思えないが。
いまだ伺えるのは、その美形といわれる横顔だけ。
「会長。」
もう一度、会長に声をかけながらその視線を目で追ってみれば、やはりというかなんというか。やはり、冬至に行き着いた。
「冬至......。」
この状況をどうするのか。
そんな意味をこめて呼んだ彼の名に、なぜか会長が反応した。
その鋭い刃物のような目を引っ込め、ソファーから腰を上げる。
俺が手渡した書類をそのまま器用に丸めると、冬至にもう一睨みお見舞いし、風紀室を出ていこうとする。
「あっ、会長!」
その背中に、なぜか呼び止めるような言葉を吐いてしまい、一瞬後悔。
だが、あの会長が俺の言葉で自分の意思を変えるはずがないと瞬時に思い直し、そのまま、ドアの方へ足を進める彼の背中を見送ったつもりだったが。
え。
会長がとまってしまった。
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