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その扉の先は7
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「おい、桜庭。」
「......ん?」
愛先輩と錦のバトルを見ていた俺に、少しの吐息。
小声で名前を呼びながら、俺の袖の端をくいくいと引っ張る会長に振り返る。振り返りながらーー、
え、ちょっとまって。なに、それ。
真面目な顔でなにやってんの。
なにその、可愛い動き。
と思ったけれど、口には出さない。
こんなこと思ったなんて知られたら引かれかねない。
「こいつらがバカやってる内に廊下に出るぞ。愛に捕まったらめんどくせぇ。」
「あ、うん。分かった。」
一つ頷き、会長の手を握りなおす。途端、ぽっ、と赤くなった耳に口元が緩むのが止められない。
愛先輩と錦の横を静かに歩いて、廊下に出る。会長と手を繋いでいた方の右手。
いきなり離れた会長の手に、残念な気持ちになりながら小さく息をはく。その時、
............え。なにこれ。
冷静になって見えたのは、生徒会室を取り囲むように、ずらりと並ぶ生徒たち。
少し様子がおかしいな、と観察してみればすごく嬉しそうな子、大量の涙をながしながらこちらを見ている子もいる。
なにこれ。全く状況がつかめ......、ーーあれ。
「............。」
ふと目についた、新聞のような紙に視線が釘付けになる。
それは会長も同じ様で、二人無言のままこの状況を整理する。
あれは、この学園の校内新聞ではなかっただろうか。
その月の行事や、行われた行事の結果。なにか重大なことでも起これば、1日に何号でも印刷される新聞。
それがどうして今?
そこまで考えて去年同室者だったやつの顔が浮かぶ。
そうだ。悠のやつ、さっき生徒会室でカシャカシャと不気味な音を鳴らしていた。その後、なぜか一瞬居なくなってて、......まさか。
「......犬飼か。」
会長の声に、大きく頷く。怒りや恥ずかしさやらで、引いていった熱がまたもや復活しそうだ。
「あの、」
「ぇ?」
生徒たちの集団のなかから一人、見覚えのある顔。
たしか会長の親衛隊の子だった気がする。
小さく震える左手には、あの新聞が握られている。きっと、あることないこと書かれているんだろうなぁ、と思いつつ身体を引いて会長の肩を押す。
会長を前に押し出す形で、自分は後ろに。二人のやりとりを見守ろうとしていた矢先。あのっ、っと。
2回目の呼び声に、後ろから顔を出す。
「あ、あのっ! ぼくっ、会長様ではなくて桜庭様にお話があってっ。」
「え、あ......うん。」
てっきり会長に用事があると思っていたから、驚きつつ足を動かす。
会長の視線が一瞬、頼りなく揺れたのが見えてこの先の展開が予想できてしまった。
「あの、」
親衛隊とは、その人を崇拝する者。その人を尊敬する者。その人を守りたい者。その人が好きな者。
そんな人たちが入る組織で、その人たちは皆一様にその人が好きで。見返りを求める者。そうでない者。そんな違いはあっても、その人を大事に思っているこは変わらない。
だから。
彼が俺の目の前に立っている理由も、その身体が震えている理由も、いまにもこぼれ落ちそうな涙を目にいっぱい浮かべている理由も。
分かる気がした。
「......ん?」
愛先輩と錦のバトルを見ていた俺に、少しの吐息。
小声で名前を呼びながら、俺の袖の端をくいくいと引っ張る会長に振り返る。振り返りながらーー、
え、ちょっとまって。なに、それ。
真面目な顔でなにやってんの。
なにその、可愛い動き。
と思ったけれど、口には出さない。
こんなこと思ったなんて知られたら引かれかねない。
「こいつらがバカやってる内に廊下に出るぞ。愛に捕まったらめんどくせぇ。」
「あ、うん。分かった。」
一つ頷き、会長の手を握りなおす。途端、ぽっ、と赤くなった耳に口元が緩むのが止められない。
愛先輩と錦の横を静かに歩いて、廊下に出る。会長と手を繋いでいた方の右手。
いきなり離れた会長の手に、残念な気持ちになりながら小さく息をはく。その時、
............え。なにこれ。
冷静になって見えたのは、生徒会室を取り囲むように、ずらりと並ぶ生徒たち。
少し様子がおかしいな、と観察してみればすごく嬉しそうな子、大量の涙をながしながらこちらを見ている子もいる。
なにこれ。全く状況がつかめ......、ーーあれ。
「............。」
ふと目についた、新聞のような紙に視線が釘付けになる。
それは会長も同じ様で、二人無言のままこの状況を整理する。
あれは、この学園の校内新聞ではなかっただろうか。
その月の行事や、行われた行事の結果。なにか重大なことでも起これば、1日に何号でも印刷される新聞。
それがどうして今?
そこまで考えて去年同室者だったやつの顔が浮かぶ。
そうだ。悠のやつ、さっき生徒会室でカシャカシャと不気味な音を鳴らしていた。その後、なぜか一瞬居なくなってて、......まさか。
「......犬飼か。」
会長の声に、大きく頷く。怒りや恥ずかしさやらで、引いていった熱がまたもや復活しそうだ。
「あの、」
「ぇ?」
生徒たちの集団のなかから一人、見覚えのある顔。
たしか会長の親衛隊の子だった気がする。
小さく震える左手には、あの新聞が握られている。きっと、あることないこと書かれているんだろうなぁ、と思いつつ身体を引いて会長の肩を押す。
会長を前に押し出す形で、自分は後ろに。二人のやりとりを見守ろうとしていた矢先。あのっ、っと。
2回目の呼び声に、後ろから顔を出す。
「あ、あのっ! ぼくっ、会長様ではなくて桜庭様にお話があってっ。」
「え、あ......うん。」
てっきり会長に用事があると思っていたから、驚きつつ足を動かす。
会長の視線が一瞬、頼りなく揺れたのが見えてこの先の展開が予想できてしまった。
「あの、」
親衛隊とは、その人を崇拝する者。その人を尊敬する者。その人を守りたい者。その人が好きな者。
そんな人たちが入る組織で、その人たちは皆一様にその人が好きで。見返りを求める者。そうでない者。そんな違いはあっても、その人を大事に思っているこは変わらない。
だから。
彼が俺の目の前に立っている理由も、その身体が震えている理由も、いまにもこぼれ落ちそうな涙を目にいっぱい浮かべている理由も。
分かる気がした。
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