幼馴染の生徒会長にポンコツ扱いされてフラれたので生徒会活動を手伝うのをやめたら全てがうまくいかなくなり幼馴染も病んだ

猫カレーฅ^•ω•^ฅ

文字の大きさ
4 / 22
崩壊の始まり

04_変わる生徒会

しおりを挟む
■葛西ユージの視点
生徒会の仕事の引継ぎが出来ていないのが気になるな・・・

でも、役員ですらない僕が生徒会室に入ることは、ウルハが許さないだろう。
何となくだけど、『会計ソフト』が気になる。

実はあれ、3つのアプリを使ってエクセルにまとめるようにしたソフトだ。
一から作り上げるのは高校生の僕にはハードルが高すぎた。

そこで、フリーのOCRソフト(文字読み取りソフト)を使って、レシートの文字を読み取り、フリーの家計簿ソフトにデータを送るようになっている。
データ自体はクラウドにアップロードするようになっているのだが、2つの弱点があった。

1つ目、レシートの画像データもクラウドにアップロードするので、容量がいっぱいになったら新しく取り込めないこと。
2つ目は、各フリーソフトがアップデートされたら、手元のエクセルのマクロを修正しないといけない場合があること。


要するに、『時々面倒を見ないと拗ねるソフト』と言う感じだろうか。





エクセルの入力は、生徒会の誰でもできるようになったので、問題ないが、マクロは扱える人がいなかった。
そのため、もしもの時にために『引継ぎ資料』を作成していた。

来年、再来年になっても、マニュアルに沿って作業するだけで、マクロの知識なしにアップデートできるようにしているのだ。



元々は、『勘定科目』が難しいというところから始まったアプリだった。

例えば、『水』を買ったとしても、1本だと生徒会のためのもので、『福利厚生費』となる。
しかし、10本も買うときは、各部活への差し入れなどになるため『接待費』として計上する必要があった。

そのため、品目、量、時期などの情報を元に自動的に勘定科目を決定する命令をエクセル内に作った。
これにより2人工 (1人分の作業量で2日分)の節約に成功したものだ。

生徒会のみんなには伝えたのだけれど、覚えていなさそう・・・
まあ、困ったら聞きに来てくれるよね・・・





■中野ウルハの視点
生徒会室では、ほんの少しだけ、ほんの小さな問題が起きた。

経費の帳簿ソフトが壊れたのだ。
いつもは、1ヶ月分のレシートをスキャナに並べて、ボタンポンで帳簿になっていた。

しかし、このソフトが壊れたので、手作業でやる必要がある。
1ヶ月分となると、人ひとりが2日から3日、手を取られるだろう。

入力はエクセルだから、それほど難しくない。
ただ、生徒会では文房具など、安価なものをたくさん買う。
厳密には寄付なのだが、それはここではどうでもいい。
それら1つ1つの勘定科目を決めるのに時間がかかるのだ。

過去の帳簿を参考に、判断するので、1行ずつ入力、資料チェック・・・の繰り返しとなる。
いつものソフトは、過去のデータが蓄積されているらしく、スキャナで撮れば自動で勘定科目まで入力されていた。
しかも、その精度98%だったので完全に頼りきりだったのだ。


「直せないの?」

会計の佐藤くんに訊ねてみた。

「これ、ユージ先輩のお手製なんです。ユージ先輩じゃないと・・・そうだ!呼びましょう!」

「・・・ユージはもう、ここには来ないわ」

「え?」

「別れたもの」

「ええ!?そうなんですか!?」


生徒会室がざわついた。
噂になっていて、一部の人間は知っていたみたいだが、公言したことで驚かれてしまった。

「そ、それでも、生徒会役員であることには違いないでしょう!仕事は仕事でやってもらいましょう!」

「彼は元々生徒会役員でもないのよ」

「は!?そうなんですか?!」

「俺、実はユージ先輩が副会長なんじゃないかって思ってました!」

「いや、副会長でしょ!」

「副会長は元々あなたよ、向園くん」

「あ!?そう言えば・・・」

「会長!ユージ先輩にお願いしましょう!」

「いやよ!絶対いや!」


突き放した相手に、早速頭を下げに行くとか・・・絶対に嫌!
私のプライドが許さなかった。

「(おい、お前行ってこい!)」

「(頼むぞ!ユージ先輩だったら、頼めば絶対やってくれるから!)」





■葛西ユージの視点
放課後にやることがないって新鮮。
バイトも辞めたし。
ゆっくり帰るか。

「ユージ先輩!」

放課後の教室に生徒会役員の佐藤くんが飛び込んできた。

「あ、佐藤くん。どうしたの!?」

「経費計算ソフトが壊れて!」

ああ、そろそろかと思ってた。
あれは、市販のソフトふたつを積み合わせて、画面周りだけエクセルで作ったなんちゃってソフトだ。

「でも、僕が行くと・・・ウルハはややこしくなるよ?」

「このままじゃ3日は手がかかるし、結局年度末に手書きで決算しないといけないんです!」

「ああ、そりゃあ大変だ。」

家計簿ソフトは決算書類も自動作成だったから、それを手作業でやるとなると下手したら1か月かかるかもしれない。

「あの、すいません、お願いします!」

頭を下げられたら断れない。
僕は生徒会じゃないけど、後輩の頼みだ。
どうせ暇だし行ってみるか。



佐藤くんと一緒に恐る恐る生徒会室に。
ウルハを見るのも何となく久しぶりのような気がする。

「ごめん、邪魔かと思ったんだけど、引き継ぎ用のファイルの場所間くらい教えておこうかと・・・」

それを見たら、ソフトも簡単に直せるんだけど・・・
生徒会室の前に来ているが、入り口でウルハに止められた。

「要らないわ!あんたの助けなんて要らないのよ!」

ファイルの場所を説明したのだが、彼女はそのファイルを床に叩きつけたので、ファイルの中の紙が散らばった。



紙を集めるのは大変だろうけど、これでみんなファイルの存在を思い出しただろう。
なんとか引き継げただろう・・・
そう信じたい。

生徒会役員たちの手によっての修復を期待する。



僕が生徒会室を去ろうとした時だった。

「会長!ウインドウズアップデートが出ました!更新していいですか?」

「早くしなさい!」

ウルハが答えていた。

「あ、今回のアップデートは一応バックアップしてからのほうが・・・」

「うるさいわね!無関係な人間は生徒会室に来ないで!」

反射的に答えてしまったが、きつく言われ、僕は生徒会室を後にした。
やっぱり、スマートには解決することが出来なかった・・・



「会長!パソコンが起動しなくなりました!」

「なんでそんなことになるの!?いっつも使ってるでしょ!?」

「アップデートとかはいつもユージ先輩が・・・」

「俺達、普段スマホかタブレットしか使わないからパソコンは苦手で・・・」


ダメだ・・・アップデートのときはバックアップしようね。
心の中で思ったけれど、ウルハの状態を見たら、もはや口も手も出せない。
今度こそ、生徒会室を後にした。

データ自体はクラウドに上がっているから全損ではないが・・・

「ダメです!」

「パソコンが壊れました!起動しません!」

ドアは開いていたので、廊下まで声は聞こえていた。

「手書きに移行よ!元々手書きだったんだから、何の問題もないでしょう!」

「それだと今季のもの全部やり直しということに・・・」

「パソコンが壊れたのだからしょうがないでしょ!?」

一応ダメ元で・・・引き返して生徒会室の入り口でウルハに声をかける。

「あのー・・・」

「あんたは黙ってて!今忙しいから、部外者は出ていってちょうだい!」

ぴしゃり言われてそのまま帰った。

引継ぎファイルもあるし、生徒会の人たちは優秀だから大丈夫だよね・・・?
不安はあるものの、もう僕には何もできないのだと思った。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

そんなに嫌いなら、私は消えることを選びます。

秋月一花
恋愛
「お前はいつものろまで、クズで、私の引き立て役なのよ、お姉様」  私を蔑む視線を向けて、双子の妹がそう言った。 「本当、お前と違ってジュリーは賢くて、裁縫も刺繍も天才的だよ」  愛しそうな表情を浮かべて、妹を抱きしめるお父様。 「――あなたは、この家に要らないのよ」  扇子で私の頬を叩くお母様。  ……そんなに私のことが嫌いなら、消えることを選びます。    消えた先で、私は『愛』を知ることが出来た。

妹に婚約者を取られてしまい、家を追い出されました。しかしそれは幸せの始まりだったようです

hikari
恋愛
姉妹3人と弟1人の4人きょうだい。しかし、3番目の妹リサに婚約者である王太子を取られてしまう。二番目の妹アイーダだけは味方であるものの、次期公爵になる弟のヨハンがリサの味方。両親は無関心。ヨハンによってローサは追い出されてしまう。

結婚記念日をスルーされたので、離婚しても良いですか?

秋月一花
恋愛
 本日、結婚記念日を迎えた。三周年のお祝いに、料理長が腕を振るってくれた。私は夫であるマハロを待っていた。……いつまで経っても帰ってこない、彼を。  ……結婚記念日を過ぎてから帰って来た彼は、私との結婚記念日を覚えていないようだった。身体が弱いという幼馴染の見舞いに行って、そのまま食事をして戻って来たみたいだ。  彼と結婚してからずっとそう。私がデートをしてみたい、と言えば了承してくれるものの、当日幼馴染の女性が体調を崩して「後で埋め合わせするから」と彼女の元へ向かってしまう。埋め合わせなんて、この三年一度もされたことがありませんが?  もう我慢の限界というものです。 「離婚してください」 「一体何を言っているんだ、君は……そんなこと、出来るはずないだろう?」  白い結婚のため、可能ですよ? 知らないのですか?  あなたと離婚して、私は第二の人生を歩みます。 ※カクヨム様にも投稿しています。

三度裏切られたので堪忍袋の緒が切れました

蒼黒せい
恋愛
ユーニスはブチ切れていた。外で婚外子ばかり作る夫に呆れ、怒り、もうその顔も見たくないと離縁状を突き付ける。泣いてすがる夫に三行半を付け、晴れて自由の身となったユーニスは、酒場で思いっきり羽目を外した。そこに、婚約解消をして落ちこむ紫の瞳の男が。ユーニスは、その辛気臭い男に絡み、酔っぱらい、勢いのままその男と宿で一晩を明かしてしまった。 互いにそれを無かったことにして宿を出るが、ユーニスはその見知らぬ男の子どもを宿してしまう… ※なろう・カクヨムにて同名アカウントで投稿しています

妹に婚約者を奪われたけど、婚約者の兄に拾われて幸せになる

ワールド
恋愛
妹のリリアナは私より可愛い。それに才色兼備で姉である私は公爵家の中で落ちこぼれだった。 でも、愛する婚約者マルナールがいるからリリアナや家族からの視線に耐えられた。 しかし、ある日リリアナに婚約者を奪われてしまう。 「すまん、別れてくれ」 「私の方が好きなんですって? お姉さま」 「お前はもういらない」 様々な人からの裏切りと告白で私は公爵家を追放された。 それは終わりであり始まりだった。 路頭に迷っていると、とても爽やかな顔立ちをした公爵に。 「なんだ? この可愛い……女性は?」 私は拾われた。そして、ここから逆襲が始まった。

余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめる事にしました 〜once again〜

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【アゼリア亡き後、残された人々のその後の物語】 白血病で僅か20歳でこの世を去った前作のヒロイン、アゼリア。彼女を大切に思っていた人々のその後の物語 ※他サイトでも投稿中

あ、すみません。私が見ていたのはあなたではなく、別の方です。

秋月一花
恋愛
「すまないね、レディ。僕には愛しい婚約者がいるんだ。そんなに見つめられても、君とデートすることすら出来ないんだ」 「え? 私、あなたのことを見つめていませんけれど……?」 「なにを言っているんだい、さっきから熱い視線をむけていたじゃないかっ」 「あ、すみません。私が見ていたのはあなたではなく、別の方です」  あなたの護衛を見つめていました。だって好きなのだもの。見つめるくらいは許して欲しい。恋人になりたいなんて身分違いのことを考えないから、それだけはどうか。 「……やっぱり今日も格好いいわ、ライナルト様」  うっとりと呟く私に、ライナルト様はぎょっとしたような表情を浮かべて――それから、 「――俺のことが怖くないのか?」  と話し掛けられちゃった! これはライナルト様とお話しするチャンスなのでは?  よーし、せめてお友達になれるようにがんばろう!

元カノが復縁したそうにこちらを見ているので、彼の幸せのために身を引こうとしたら意外と溺愛されていました

おりの まるる
恋愛
カーネリアは、大好きな魔法師団の副師団長であるリオンへ告白すること2回、元カノが忘れられないと振られること2回、玉砕覚悟で3回目の告白をした。 3回目の告白の返事は「友達としてなら付き合ってもいい」と言われ3年の月日を過ごした。 もう付き合うとかできないかもと諦めかけた時、ついに付き合うことがてきるように。 喜んだのもつかの間、初めてのデートで、彼を以前捨てた恋人アイオラが再びリオンの前に訪れて……。 大好きな彼の幸せを願って、身を引こうとするのだが。

処理中です...