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同級生ルート
1-07_僕を見てくれていた人
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今日は小田島さんの家にいくことになっている。
髪を切ってくれるらしい。
最近忙しくて髪を切るのは後回しになっていたのでいい機会だと思った。
バイト代もあらかた例のプレゼントにつぎ込んだのでお金はほとんど残ってない。
タダで切ってくれるというのは魅力的な提案だった。
「じゃ、いこっか」
小田島さんが、教室で腕を組んできた。
「え、えっと、うん・・・」
「えへへ」
照れ笑いを向けてくる小田島さん。
まさか帰りがけ一緒に行くことになるとは思っていなかった。
てっきり、お店の場所を聞いてそこに行くものだとばかり・・・
小田島さんは男女とも友達が多いので、ATフィールド(心の距離)が狭い。
腕を組むのも普通のスキンシップなのかもしれない。
ただ、僕はちょっと、いや、かなり落ち着かない。
ウルハとも腕なんて最近は組んでないのに。
こうして彼女と腕を組んでいると目立ってしまう。
しかも、彼女はかなりかわいい方の部類なので、クラス内でも男子に人気がある。
無駄に嫉妬の対象になるからやめて(汗)
どぎまぎしながら、小田島さんに連れられて、彼女の家の美容院に向かった。
下駄箱で靴を履き替えて、その後も小田島さんは腕を組んできた。
これって普通?
女友達だったら分かるけど、もしかして、僕って男とも思われてない?
時々、僕の肘に彼女の胸が当たって、すごく気になるんだけど、女子って気にならないの!?
色々話してはいるけど、全く内容が頭に入ってこない。
「上を30ミリ、横と前は10ミリカットでお願いします」
「そんな工業製品みたいな切り方しないよ~、ウケるー」
美容院に着いて、僕は椅子に座っている。
お店は今日お休みらしく、小田島さんが直々に切ってくれるらしい。
同級生が髪を切るって・・・不安だ。
「ユカがかっこいいと思う髪型にしちゃいます!」
小田島さん、下の名前は『ユカ』なのか。
「マジかぁ~」
「あ、心配してるぅ?大丈夫だもん!パパとママは私がカットしてるもんっ!」
『もんっ』て可愛いな。
ウルハは死んでもそんな事言わないから新鮮。
「あ、笑った!ひどぉ。信じてないなぁ~!」
「いやいや。信じてる、信じてる」
「に、2回言ったなぁ・・・見てろぉ」
小田島さんはとても愉快な人だった。
さすがクラスの人気者だ。
しかも、カットがうまい!
クシを通したり、カットしたり、少し頭を触られたり、知っている人が髪を切ってくれるのって新鮮だった。
異性にこんなに頭を触られることなどない。
なんか勝手に親近感を持ったというか、仲良くなった気になっていた。
「葛西くん、頭の形が良いんだよね。ずっと気になってたの」
「頭の形・・・そんな風に人を見たことがなかったよ」
「なんだろ、職業病?仕事じゃないけど。つい、人の頭の形を見ちゃうの」
髪を切ってくれながら会話もできる。
少なくとも僕から見たらプロと変わらないくらいの余裕が感じられた。
「へー、よく誰かの切るの?」
「うーん、パパとママとたまにスタッフの人のを切らしてもらう感じ」
「へー、知ってる人に髪を切ってもらうのってなんか新鮮だよ」
「私も同級生切るの初めて。なんかエロいよね」
そういうこと言われて、僕はどう答えたらいいのか・・・
「ふふ・・・葛西くん、顔真っ赤」
「だって・・・」
「えへへ、意識してくれた?」
「そりゃあ・・・」
「だったら嬉しいな・・・はい!出来上がり!どう!?」
後ろは広げるタイプの鏡を持って後頭部も見えるようにしてくれている。
「おお!マジこれ!?いいよ!」
すごくうまくカットされていた。
普通にカットと言うよりは、毎回ここで切りたいくらいだった。
耳の上はいつも短くしたいのだけれど、刈上げで青くなるのは躊躇してしまう。
いい具合の長さで横を切ってくれる店はあまりなかったのだ。
「ホント!?よかった」
「葛西くん髪伸びるの早いみたいだから、2週間に1度くらい切るとほんとはいいんだよ」
「そんなとこまで見てるんだ・・・もうプロだね」
小田島さんが耳元に口を近づけて、鏡越しに僕の目を見ながら言った。
「好きじゃないとそんなに見ないよ」
「え!?」
カットだよね!?
カットのことだよね!?
すぐ僕は誤解するから。
そう分かっていても、意識せずにはいられなかった。
「ねえ、葛西くん、まだ時間大丈夫?」
小田島さんが首にかける布みたいなのを片付けながら聞いてきた。
「あ、うん」
別に帰ってもすることなど特にない。
時間があると強烈な羞恥心にヤられそうになるだけ。
「ジュースあるからさ、ちょっと部屋でお話しない?」
「あ、うん・・・」
部屋!?
小田島さんの部屋!?
美容室にいるので、なんとなく忘れてたけど、ここ小田島さんの家じゃん!
部屋って、彼女の部屋!?
女の子の部屋!?
小田島さんの部屋は2階。
廊下を歩いていると、お母さんに会ってあいさつされてしまった。
美容室をやっているからか、髪は染めた感じで、見た目にも若い。
小田島さんのお姉さんと言ったら、通用してしまうかもしれない。
ちゃんと挨拶をすることで、『変なことをしに来た間男的なやつじゃないですよぉ』とアピールした。
そして通された小田島さんの部屋。
美容院とはまた違って、甘いようなにおいがして、それだけで女の子の部屋だと感じられた。
ウルハの部屋よりもぬいぐるみとか多くて、ピンクを基調としている。
壁のハンガーにはさっきまで小田島さんが着ていた制服がかけられていて、なんかエロかった・・・
「ジュース持ってくるね。そこ座ってて」
小田島さんがジュースを取りに行ってしまった。
ベッドの横に小さな丸テーブルがあり、そこを指されたので、ちょこんと床に座る。
クラスメイトの女の子の部屋に一人・・・
なんか、もう、どうしようもない、『イケないことしてる感』が半端なかった。
小田島さんは、コーラを持ってきてくれて、小さな丸テーブルの向かいに座った。
それからしばらく他愛もない話をした。
「ユカね、葛西くんとゆっくり話してみたかったんだ」
「え?そうなの?僕、忙しかったからねぇ」
「それもだし、会長と付き合ってたから・・・」
「ああ・・・」
嫌なことを急に思い出した。
テンションが下がるのが自分でもわかった。
「あ、ごめ・・・そうじゃなくて、葛西くん魅力的だからね?」
小田島さんが丸テーブルを避けて、膝をついたままこっちに近づいてくる。
(ガンッ・バシャ―)
テーブルにぶつかりコーラがこぼれた。
「あ・・・」
コーラも気になるけど、小田島さんの顔がめちゃくちゃ近い。
目があって2人とも固まってしまった。
次の瞬間、小田島さんが静かに目を閉じた。
え?
ええ?
これってどういう意味!?
ま、まさか、キス!?
キスじゃないよね!?
そう思いながらも、僕は小田島さんの唇に吸い寄せられるようにキスをした。
唇を重ねるだけの短いキス。
でも、これが僕にとってのファーストキスだろう。
心臓がどきどきうるさい。
指が震えているのが分かる。
小田島さんは、『あ、コーラが・・・』と言ってテーブルを拭いている。
表情は見えないけれど、耳まで真っ赤だから照れているのが分かった。
「へへ・・・絨毯まで染みちゃった・・・ママに怒られるかも」
「あ、なんかごめん」
「キス・・・しちゃったね♪」
「う、うん・・・」
「うはっ、テレる・・・これヤバイ!でも・・・その・・・ずっと葛西君のこと、遠くから見てたから」
小田島さんの方をちらりと見たら、小田島さんもこっちを見ていた。
「多分、今しかチャンスないと思ったの!葛西くんはねぇ、そのままだったら、絶対そのうち復縁しちゃう!」
そんなわけがない。
ウルハには完全に否定されてしまったのだから。
そんな未来は存在しないのだ。
「ユカだったら、絶対葛西くんを楽しくさせるから!」
僕のことをそんな風に言ってくれる人がいるなんて・・・
なんだか、すごく嬉しい気持ちになった。
「でさ、さっそくだけど、明日、私とデート・・・しない?いや、しませんか?」
何故敬語!?
「僕と・・・?」
「うん!もちろん!」
明日は休みだし特に予定がない。
参考書でも買いにいこうと思ってたけど、特に明日である必要はない。
なんならAmazonで買ってしまえば手間も減る。
「行こうか!」
「ホント!?」
ウルハ以外の子とデートは初めてだった。
なんか緊張するなぁ。
「じゃ、さ、どこ行きたい?」
「え、今決めるの?」
「あれ?嫌だった?」
いや、そうじゃないけど、どこに行くかはいつもは僕が考えていた。
一緒にどこに行くか考えるなんて新鮮だ。
そして楽しいそう!
僕も提案してみよう。
「初めてだしさ、遊園地はどうかな?」
「ああ、それいい!超行きたい!」
小田島さんは、一瞬、ふと気づいたみたいな表情をした。
「でも、ちょっと遠いから、最初は近場でどうかな?」
「近場?」
「うん、近くのショッピングモールの映画館で映画とかは?デートっぽく恋愛映画みたいなのは!?」
「あ、いいかも」
「そしてね、映画を見たあと、カフェでその映画の話をするの!」
「うわっ、楽しそう!そして、デートっぽい!」
「その後、ショッピングモールのお店を一緒に見て回るの」
「うわ、それ、絶対楽しいやつ!その案を採用します!」
「やったー!」
両手をあげて喜んでくれる小田島さん。
なんか、素直っていうか、可愛いなぁ。
クラスで人気なのも理解できる。
「可愛くしていくね。楽しみにしててね」
やばい。
今の一言は僕の心を鷲掴みだ。
これまであんまり気にしたことなかったけど、小田島さん可愛いなぁ
こんな子とデートできなんて、失恋しても悪いことばかりじゃないな。
幼馴染にフラれてうじうじしているのもかっこ悪いかもしれない。
明日は、思いっきり楽しんでみようと思う。
髪を切ってくれるらしい。
最近忙しくて髪を切るのは後回しになっていたのでいい機会だと思った。
バイト代もあらかた例のプレゼントにつぎ込んだのでお金はほとんど残ってない。
タダで切ってくれるというのは魅力的な提案だった。
「じゃ、いこっか」
小田島さんが、教室で腕を組んできた。
「え、えっと、うん・・・」
「えへへ」
照れ笑いを向けてくる小田島さん。
まさか帰りがけ一緒に行くことになるとは思っていなかった。
てっきり、お店の場所を聞いてそこに行くものだとばかり・・・
小田島さんは男女とも友達が多いので、ATフィールド(心の距離)が狭い。
腕を組むのも普通のスキンシップなのかもしれない。
ただ、僕はちょっと、いや、かなり落ち着かない。
ウルハとも腕なんて最近は組んでないのに。
こうして彼女と腕を組んでいると目立ってしまう。
しかも、彼女はかなりかわいい方の部類なので、クラス内でも男子に人気がある。
無駄に嫉妬の対象になるからやめて(汗)
どぎまぎしながら、小田島さんに連れられて、彼女の家の美容院に向かった。
下駄箱で靴を履き替えて、その後も小田島さんは腕を組んできた。
これって普通?
女友達だったら分かるけど、もしかして、僕って男とも思われてない?
時々、僕の肘に彼女の胸が当たって、すごく気になるんだけど、女子って気にならないの!?
色々話してはいるけど、全く内容が頭に入ってこない。
「上を30ミリ、横と前は10ミリカットでお願いします」
「そんな工業製品みたいな切り方しないよ~、ウケるー」
美容院に着いて、僕は椅子に座っている。
お店は今日お休みらしく、小田島さんが直々に切ってくれるらしい。
同級生が髪を切るって・・・不安だ。
「ユカがかっこいいと思う髪型にしちゃいます!」
小田島さん、下の名前は『ユカ』なのか。
「マジかぁ~」
「あ、心配してるぅ?大丈夫だもん!パパとママは私がカットしてるもんっ!」
『もんっ』て可愛いな。
ウルハは死んでもそんな事言わないから新鮮。
「あ、笑った!ひどぉ。信じてないなぁ~!」
「いやいや。信じてる、信じてる」
「に、2回言ったなぁ・・・見てろぉ」
小田島さんはとても愉快な人だった。
さすがクラスの人気者だ。
しかも、カットがうまい!
クシを通したり、カットしたり、少し頭を触られたり、知っている人が髪を切ってくれるのって新鮮だった。
異性にこんなに頭を触られることなどない。
なんか勝手に親近感を持ったというか、仲良くなった気になっていた。
「葛西くん、頭の形が良いんだよね。ずっと気になってたの」
「頭の形・・・そんな風に人を見たことがなかったよ」
「なんだろ、職業病?仕事じゃないけど。つい、人の頭の形を見ちゃうの」
髪を切ってくれながら会話もできる。
少なくとも僕から見たらプロと変わらないくらいの余裕が感じられた。
「へー、よく誰かの切るの?」
「うーん、パパとママとたまにスタッフの人のを切らしてもらう感じ」
「へー、知ってる人に髪を切ってもらうのってなんか新鮮だよ」
「私も同級生切るの初めて。なんかエロいよね」
そういうこと言われて、僕はどう答えたらいいのか・・・
「ふふ・・・葛西くん、顔真っ赤」
「だって・・・」
「えへへ、意識してくれた?」
「そりゃあ・・・」
「だったら嬉しいな・・・はい!出来上がり!どう!?」
後ろは広げるタイプの鏡を持って後頭部も見えるようにしてくれている。
「おお!マジこれ!?いいよ!」
すごくうまくカットされていた。
普通にカットと言うよりは、毎回ここで切りたいくらいだった。
耳の上はいつも短くしたいのだけれど、刈上げで青くなるのは躊躇してしまう。
いい具合の長さで横を切ってくれる店はあまりなかったのだ。
「ホント!?よかった」
「葛西くん髪伸びるの早いみたいだから、2週間に1度くらい切るとほんとはいいんだよ」
「そんなとこまで見てるんだ・・・もうプロだね」
小田島さんが耳元に口を近づけて、鏡越しに僕の目を見ながら言った。
「好きじゃないとそんなに見ないよ」
「え!?」
カットだよね!?
カットのことだよね!?
すぐ僕は誤解するから。
そう分かっていても、意識せずにはいられなかった。
「ねえ、葛西くん、まだ時間大丈夫?」
小田島さんが首にかける布みたいなのを片付けながら聞いてきた。
「あ、うん」
別に帰ってもすることなど特にない。
時間があると強烈な羞恥心にヤられそうになるだけ。
「ジュースあるからさ、ちょっと部屋でお話しない?」
「あ、うん・・・」
部屋!?
小田島さんの部屋!?
美容室にいるので、なんとなく忘れてたけど、ここ小田島さんの家じゃん!
部屋って、彼女の部屋!?
女の子の部屋!?
小田島さんの部屋は2階。
廊下を歩いていると、お母さんに会ってあいさつされてしまった。
美容室をやっているからか、髪は染めた感じで、見た目にも若い。
小田島さんのお姉さんと言ったら、通用してしまうかもしれない。
ちゃんと挨拶をすることで、『変なことをしに来た間男的なやつじゃないですよぉ』とアピールした。
そして通された小田島さんの部屋。
美容院とはまた違って、甘いようなにおいがして、それだけで女の子の部屋だと感じられた。
ウルハの部屋よりもぬいぐるみとか多くて、ピンクを基調としている。
壁のハンガーにはさっきまで小田島さんが着ていた制服がかけられていて、なんかエロかった・・・
「ジュース持ってくるね。そこ座ってて」
小田島さんがジュースを取りに行ってしまった。
ベッドの横に小さな丸テーブルがあり、そこを指されたので、ちょこんと床に座る。
クラスメイトの女の子の部屋に一人・・・
なんか、もう、どうしようもない、『イケないことしてる感』が半端なかった。
小田島さんは、コーラを持ってきてくれて、小さな丸テーブルの向かいに座った。
それからしばらく他愛もない話をした。
「ユカね、葛西くんとゆっくり話してみたかったんだ」
「え?そうなの?僕、忙しかったからねぇ」
「それもだし、会長と付き合ってたから・・・」
「ああ・・・」
嫌なことを急に思い出した。
テンションが下がるのが自分でもわかった。
「あ、ごめ・・・そうじゃなくて、葛西くん魅力的だからね?」
小田島さんが丸テーブルを避けて、膝をついたままこっちに近づいてくる。
(ガンッ・バシャ―)
テーブルにぶつかりコーラがこぼれた。
「あ・・・」
コーラも気になるけど、小田島さんの顔がめちゃくちゃ近い。
目があって2人とも固まってしまった。
次の瞬間、小田島さんが静かに目を閉じた。
え?
ええ?
これってどういう意味!?
ま、まさか、キス!?
キスじゃないよね!?
そう思いながらも、僕は小田島さんの唇に吸い寄せられるようにキスをした。
唇を重ねるだけの短いキス。
でも、これが僕にとってのファーストキスだろう。
心臓がどきどきうるさい。
指が震えているのが分かる。
小田島さんは、『あ、コーラが・・・』と言ってテーブルを拭いている。
表情は見えないけれど、耳まで真っ赤だから照れているのが分かった。
「へへ・・・絨毯まで染みちゃった・・・ママに怒られるかも」
「あ、なんかごめん」
「キス・・・しちゃったね♪」
「う、うん・・・」
「うはっ、テレる・・・これヤバイ!でも・・・その・・・ずっと葛西君のこと、遠くから見てたから」
小田島さんの方をちらりと見たら、小田島さんもこっちを見ていた。
「多分、今しかチャンスないと思ったの!葛西くんはねぇ、そのままだったら、絶対そのうち復縁しちゃう!」
そんなわけがない。
ウルハには完全に否定されてしまったのだから。
そんな未来は存在しないのだ。
「ユカだったら、絶対葛西くんを楽しくさせるから!」
僕のことをそんな風に言ってくれる人がいるなんて・・・
なんだか、すごく嬉しい気持ちになった。
「でさ、さっそくだけど、明日、私とデート・・・しない?いや、しませんか?」
何故敬語!?
「僕と・・・?」
「うん!もちろん!」
明日は休みだし特に予定がない。
参考書でも買いにいこうと思ってたけど、特に明日である必要はない。
なんならAmazonで買ってしまえば手間も減る。
「行こうか!」
「ホント!?」
ウルハ以外の子とデートは初めてだった。
なんか緊張するなぁ。
「じゃ、さ、どこ行きたい?」
「え、今決めるの?」
「あれ?嫌だった?」
いや、そうじゃないけど、どこに行くかはいつもは僕が考えていた。
一緒にどこに行くか考えるなんて新鮮だ。
そして楽しいそう!
僕も提案してみよう。
「初めてだしさ、遊園地はどうかな?」
「ああ、それいい!超行きたい!」
小田島さんは、一瞬、ふと気づいたみたいな表情をした。
「でも、ちょっと遠いから、最初は近場でどうかな?」
「近場?」
「うん、近くのショッピングモールの映画館で映画とかは?デートっぽく恋愛映画みたいなのは!?」
「あ、いいかも」
「そしてね、映画を見たあと、カフェでその映画の話をするの!」
「うわっ、楽しそう!そして、デートっぽい!」
「その後、ショッピングモールのお店を一緒に見て回るの」
「うわ、それ、絶対楽しいやつ!その案を採用します!」
「やったー!」
両手をあげて喜んでくれる小田島さん。
なんか、素直っていうか、可愛いなぁ。
クラスで人気なのも理解できる。
「可愛くしていくね。楽しみにしててね」
やばい。
今の一言は僕の心を鷲掴みだ。
これまであんまり気にしたことなかったけど、小田島さん可愛いなぁ
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