【BL】新人ダメ営業マンはスパダリ社長に溺愛される【完結】

衣草 薫

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第八章 彼の気持ち(蒼side)

41.麗夜さんの秘密

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 僕は目からぽろっと涙がこぼれた。
「そんな優しくされたら僕、勘違いしちゃいます……」

 僕を本気で愛してくれるわけない人なのに、僕の方はいつの間にか麗夜さんのことが本気で好きになってしまっていた。
 だってこんなふうに僕がピンチの時に颯爽と現れて助けてくれるような人、他にいない。麗夜さんと一緒にいると楽しいし、ものすごく安心できる。両親を失ってから僕はずっと寂しかったのだ。
 だから遊ばれているだけ、麗夜さんからしたら面白い存在なんだと思うと胸が張り裂けそうなほど切ない。

「蒼……」
 麗夜さんは僕の涙を指先で払ってくれた。
 涙でにじんだ視界の向こうに麗夜さんが困ったように笑っている。そう、こんなふうに泣いたって困らせるだけだ、下手すれば捨てられちゃう……。そう思ったのに涙は止まらない。

 深夜の冷たい風が吹き抜けて、僕たちは身を震え上がらせた。
「俺のうちに来て。蒼に聞いてほしい話があるんだ……」
 彼に肩を抱かれて車の助手席に座った。

***

 豪華なタワーマンションの麗夜さんの自宅へ着いた。車の中でも駐車場から部屋まで移動する間も僕は黙って彼に着いて行った。
「恥ずかしい話をしてしまおうかな、本当は蒼には言わないでおきたかったんだけど……」
 彼は広いリビングにある、大きな棚の扉を開けた。

 中にはたくさんの太い筒状のものが並べられている。コップかタンブラー、花瓶かなと思うようなそれらをよく見ると、なんとなくいかがわしいアイテムなんじゃないかと気づいた。あからさまなデザインじゃないから単体で置かれていれば何かのインテリアかと思うようなものだけど、これだけ同じ形状のものが陳列されていると、そういうことに疎い僕でもこれはきっとオナホールなんじゃないかとわかる。
 未開封の品のパッケージに書かれている「リアルなアナルセックスの感触」の文字を見つけて、僕は頬がカアッと熱くなって目を逸らした。

「ふふ、俺の秘密のコレクションってわけじゃないからそんな顔しないで。これは全部うちの会社の製品なんだ」
 まあどっちでも同じか、と言いながら麗夜さんは筒の一つを手に取った。
「製品のサンプル、昔は家で使うのが楽しみだったんだけどね。実はここ最近のものはずっと未開封なんだ……」
 そう言って彼が手に取った製品は確かにパッケージに包まったままだった。

「どうして……?」
「実は俺、蒼と出会う少し前にEDになっちゃったんだ」
「ED?」
 EDって勃起不全ってこと? そんなはずはない、麗夜さんは最初に会った日もバキバキに勃起した大きな性器で僕のことを犯したじゃないか。
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