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第一章「もう一つの昨日」
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「ネコちゃん、大丈夫? ケガしてない? どこか痛いところはない?」
上着の中に手を入れて抱き上げた黒ネコちゃんは、怪我はなさそうだった。
良かったと笑ったわたしの顔を見上げて、『ニャアン』と黒ネコちゃんが鳴いた瞬間、首輪についている石が青白く光った。
昨日は赤く光ったのに――?
「今日は助けてくれて、ありがと」
黒ネコちゃんは、ハッキリと人間の言葉でわたしに向かってそう言った……?
気がする? いや、そんなわけないじゃん!
「ヒューガ……、今ネコちゃん、しゃべった? しゃべったよね?」
いつまでも、答えてくれないヒューガを見たら、なぜか石みたいに固まっている。
ヒューガ? ヒューガってば?
尻もちをついた姿勢のまま、動かず、まばたきもしないままのヒューガの目の前でヒラヒラと手を振ってみたけど反応がない。
「ヒューガ! ねえ、ヒューガってば! どうしたの? ねえ、なんで動かないの? なんで――?」
いくら普段かわいげがなくなって、幼なじみだもん。
尻もちをついた衝撃でヒューガの心臓止まっちゃった、とか?
いやだ、そんなのって、そんなのって!!
「ヒューガ――! 死なないで、お願い、ヒューガ!」
黒ネコちゃんを放り投げ、ヒューガの肩を持ち、泣きながら揺さぶろうとしたわたしの耳に、
「死んでない、死んでない。ちょっと時間を止めてるだけだし。今、この世界で動いているのは、ボクとキミだけだよ? あ、ボクね、今疲れてるから、三分ほどしか時間が止められないかも。手短に説明したいんだけど、いい?」
ちょんとわたしのヒザに手? いや、前足? を置いた黒ネコちゃんが、やはり人間の言葉を話している。
……、なに、これ……?
「もしもーし? ねえ、ボクの声、聞こえてる?」
「き、聞こえてます、はい」
怖くなって、ついつい敬語になってしまうわたし。
人の言葉を話すネコなんて見たことがないんだもの!
もしかして……、ネコのお化け!?
「聞こえてるなら、良かった。じゃあ、昨日からのこと、説明するね」
「やだ、なんか怖いので! 説明いりません」
聞くのが怖い。
だってネコが人間の言葉を話して、ヒューガは石みたいに固まっている。
というか、よく見たら車も歩いている人も、全部止まってる。
動いているのは、わたしとこのお化けネコだけのような……?
わたしだけが別の場所に飛ばされちゃったみたい。
上着の中に手を入れて抱き上げた黒ネコちゃんは、怪我はなさそうだった。
良かったと笑ったわたしの顔を見上げて、『ニャアン』と黒ネコちゃんが鳴いた瞬間、首輪についている石が青白く光った。
昨日は赤く光ったのに――?
「今日は助けてくれて、ありがと」
黒ネコちゃんは、ハッキリと人間の言葉でわたしに向かってそう言った……?
気がする? いや、そんなわけないじゃん!
「ヒューガ……、今ネコちゃん、しゃべった? しゃべったよね?」
いつまでも、答えてくれないヒューガを見たら、なぜか石みたいに固まっている。
ヒューガ? ヒューガってば?
尻もちをついた姿勢のまま、動かず、まばたきもしないままのヒューガの目の前でヒラヒラと手を振ってみたけど反応がない。
「ヒューガ! ねえ、ヒューガってば! どうしたの? ねえ、なんで動かないの? なんで――?」
いくら普段かわいげがなくなって、幼なじみだもん。
尻もちをついた衝撃でヒューガの心臓止まっちゃった、とか?
いやだ、そんなのって、そんなのって!!
「ヒューガ――! 死なないで、お願い、ヒューガ!」
黒ネコちゃんを放り投げ、ヒューガの肩を持ち、泣きながら揺さぶろうとしたわたしの耳に、
「死んでない、死んでない。ちょっと時間を止めてるだけだし。今、この世界で動いているのは、ボクとキミだけだよ? あ、ボクね、今疲れてるから、三分ほどしか時間が止められないかも。手短に説明したいんだけど、いい?」
ちょんとわたしのヒザに手? いや、前足? を置いた黒ネコちゃんが、やはり人間の言葉を話している。
……、なに、これ……?
「もしもーし? ねえ、ボクの声、聞こえてる?」
「き、聞こえてます、はい」
怖くなって、ついつい敬語になってしまうわたし。
人の言葉を話すネコなんて見たことがないんだもの!
もしかして……、ネコのお化け!?
「聞こえてるなら、良かった。じゃあ、昨日からのこと、説明するね」
「やだ、なんか怖いので! 説明いりません」
聞くのが怖い。
だってネコが人間の言葉を話して、ヒューガは石みたいに固まっている。
というか、よく見たら車も歩いている人も、全部止まってる。
動いているのは、わたしとこのお化けネコだけのような……?
わたしだけが別の場所に飛ばされちゃったみたい。
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