ハピネコは、ニャアと笑う

東 里胡

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第二章「知らない昨日の続き」

2-11

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「今、アイルを探しているのは研究所の人間たちなんだ。不良品になってしまったアイルを回収しようとしてるんだよ。アイルの危険な行動に気づいた研究所の人間に追われて、彼女がこの時代に逃げ込んだ。そこまではわかってるんだ」
「アイルちゃんが、不良品?」
「そうだよ。だからボクは、研究所の人間より前に、アイルを探し出して説得するためにやってきたんだ。ボクら、ずっと友達だったから」

 アイルちゃんのことを、チロルがなぜ不良品と呼ぶのか、それは話してくれなかったけれど、本当に心配していることだけは、その目を見ればわかった。
 
「メイ、お願いだよ。アイルを探すのを手伝ってほしいんだ」
「いいよ。でも、どうやって探すの? 心当たりはある?」
「近くにいるのはわかるんだ。アイルの匂いがするから」

 丁度その時、玄関のドアが開く音がしてママの、「ただいまあ」と、いう声が聞こえた。

「メイ、ボクが話すのは君とだけだからね? わかってる?」
「わかってるよ」
「じゃあ、いいよ。ニャァン」

 よく理解できました、とでも言いたげに、チロルはわたしの腕から飛び出るとママの元にスタスタ歩いていく。

「あらあ、チロルってば、ママのこと迎えにきてくれたの? お腹すいたよねえ、どれがいいかな?」

 両手いっぱいに猫砂や餌を抱えたママが嬉しそうに笑ってる。
 ミイが亡くなった時、ママもいっぱい泣いていた。
 もうペットが亡くなるのを見るのは辛いから、と今まで動物番組すら見ないようにしていたのに……。
 ミイが使っていたお茶碗に、チロル用に買ってきた餌をおく。
 ニャウニャウと泣きながら食べているチロルを、目を細めてうれしそうに眺めているママ。

「ニャウン?」

 見られていることに気づいたチロルが顔をあげると、ママがよしよしとやさしく頭をなでる。

「チロルは、かわいいなあ。本当にかわいい」

 ミイのことも、いつもそうしてかわいがっていたもんね。
 チロルは、そんなママの顔を不思議そうにながめていたけど、ピンク色にポワンと石が光ったのを、わたしは見たよ。
 その石は、本当に人間の幸せでチャージされるのかな?
 もしかして、チロルが人間のよろこぶ顔を見て嬉しくなると光るんじゃない?
 なんとなく、そう思った。
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