ハピネコは、ニャアと笑う

東 里胡

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第四章「らしくない、ヒューガ」

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 ヒューガから二日も連続で話しかけられるなんて、めずらしい。
 だけど何も言いださないから、こっちから聞いてみることにした。

「昨日の校外学習のこと? もしかして、ヒューガってば工場跡地の歴史調べてないの? ミサキちゃん、めちゃくちゃ怒るよ! 学校についたら、一緒に調べよう」
「い、いや、そうじゃなくってさ」
「うん?」

 校外学習の話じゃないの?
 違うと首を振ってから、しばらく難しい顔をしていたヒューガが決心したようにわたしを見た。
 

「知り合いの人が、ネコを拾ったんだ」
「ネコ……」

 そういえば、昨日の朝もヒューガとネコの話をしたっけ。
 もっと言うとその前日はチロルを拾ったんだから、最近ヒューガとはネコの話ばかりしていた。

「どうも、そのネコがさ……体が弱ってるみたいで、飯食わないんだって」
「病院は? 連れて行ったのかな?」
「いや、その、病院にはまだ行ってない……って」
「ええ? ねえ、その人に伝えて! 病院連れて行ってって。ちゃんとどこが悪いのかお医者さんに診てもらわないと」
「そうなんだけどさ」

 悔しそうに唇をかんだヒューガがわたしから目を反らした。

「金、かかるって言ってただろ? そんな金ないし」
「え?」
「い、いや、知り合いの人がさ、そんなにお金持ちじゃないからって。なあ、なんか薬とか、どっかに売ってたりしないかな。ご飯さえ食えれば少しは元気になるんじゃないかって思うんだけど」
「う~ん……、ケガとかしてたりしない?」
「足、引き摺ってたかも」
「だったら、やっぱり病院だよ!」
「……、やっぱ、そうだよな」

 困ったような顔でうなずき、クルリとわたしに背中を向けて歩き出すヒューガはなんだか元気がない気がする。



 案の定、その日の校外学習の予習時間もボーッとしてるヒューガに対し、ミサキちゃんからは手厳しい言葉が並べられた。

「だからさ? こーんな薄っぺらい調べもので工場跡地の歴史なんか伝わると思う?って聞いてるの」
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