ハピネコは、ニャアと笑う

東 里胡

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第六章「博士の遺言」

6-14

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「まあ、私自身も研究に没頭したかったというのもありますし、前の所長は元々祖父とは気が合わなかったけれど、人類の未来についてを第一に考えていただけですから。ですが、いいですか、西方くん! 私が所長となったからには、今後の研究所の在り方、ハッピーペットたちの未来についても考えを改めたいと思っています。わかりましたね」
「うっ、はい! 勝手なことをしてしまい、大変申し訳ございませんでした」

 西方さんは、今更思い出したように白衣の中に石と拳銃をしまいこんだ。
 わたしとヒューガもそれを見てようやく安心したようにため息をつく。

「えっと、ヒューガくんとメイさん、ですね?」
「あ、はい!」

 博士に名前を呼ばれ、背筋を伸ばすとわたしたちの方に近寄ってきて。
 ヒューガの腕の中に、アイルちゃん。
 わたしにはチロルを手渡してくれた。

「どうか、この子たちを、この世界でかわいがっていただけないでしょうか?」
「え?」

 チロルとわたし、アイルちゃんとヒューガ、皆で顔を合わせながら目をパチパチさせて博士をみあげた。

「だって、ホラ、あなた達は、ここにいた方が幸せなんでしょう?」
「博士、いいの? ホントにアタシもチロルもこの世界にいていいの?」
「ええ、ただし」

 ただし、と言って黙ってしまった博士がアイルちゃんとチロルの首輪を交互に見る。
 まさか、首輪を外せって、こと……?
 不安そうなわたしに気づいた博士が笑いだす。

「違いますよ、メイさん。このままのハッピーペットであるこの子たちを受け入れてほしいのです。幸せチャージはこの子たちが生きていく上で必要なものですから」

 博士の言葉に安心して、わたしもヒューガも座り込んでしまった。

「ただ、一つ条件があるのです。そんなに難しいことではありませんよ」

 ウィンクした博士の説明に、わたしたちは何度も何度もうなずいた。
 だって誰も傷つかないし、それでいて誰もが幸せな提案をしてくれたんだもの。
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