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12.これは恋じゃない
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勇気さんに支えられるようにして、マスターが祥太朗さんの部屋に入ったのが午後十五時を過ぎた辺り。
結果は陽性、予想通りだったけれどマスターはとても落ち込んでいた。
「んじゃ、バイト行ってくる。もうちょいしたら、洸太朗が帰ってくると思うし、祥太朗も残業なしで帰ってくるって。それまで、風ちゃんに任せておいて平気? 涼真、薬のせいで熟睡してるみたいだけど」
「大丈夫です。気を付けて行ってきてくださいね」
「じゃあ、涼真のことよろしく~!」
手を振り、笑顔で勇気さんが玄関を出て行くのを見送った後でしゃがみ込む。
非常にマズイ気がしてる。いや、マズイ気しかしない。
さっきから止まらない寒気、喉の痛み、頭痛。
まるで、まるで、私も……。
確かにマスターと一番長く一緒にいたのは私だ。
潜伏期間も考えると金曜日、土曜日も一緒にいたし、今回は日曜日も、そして。
事故……。
とにかく、他の人にうつさないように、手洗いや消毒をしたら夕飯の支度をしても平気だろうか?
今日のおかずは鮭を焼くつもりだったから、それでマスターのご飯も雑炊にしようかな。
で、いただいたスープと、お店から持ってきた自家製ドレッシングでサラダを作って。
そうだ、カボチャはどうしようかな。
喉が苦しくてゴホンと咳き込んだら、止まらなくなる。
立ち上がるのが辛い。
ペタンと腰を降ろして、体育座りのまま、膝に顔を埋めた。
寒いなあ、とっても寒い……。
震えながら目を瞑ったら、昔のことを思い出す。
中学校三年生の時、インフルエンザにかかったら、叔母さんと叔父さんは旅行に行ってしまった。
あたりまえだけど、うつるのが嫌だったみたい。
一人でベッドの中で、震えが収まるのを待った。
病院にも行けず、ただうずくまっていた。
おばあちゃん、助けて――。
泣きながら、誰もいない家でつぶやいて三日目、ようやく起き上がれた頃に、叔母夫婦は家に戻ってきた。
どこかの温泉地で買った、まんじゅうの箱だけが部屋に差し入れられた。
寒い、助けて、寒いの、とっても。
「大丈夫?」
誰かの声が、温もりがした。
お願い、助けて、とっても寒い。
その温もりにギュッとしがみついたら、抱きしめ返してくれる優しい腕に運ばれる、そんな夢を見た。
額に触れた誰かの体温。
温もりにぼんやりと覚醒し始める。
ゆっくりと開いたら、私の額に置かれた手の主が、薄明りに照らされていた。
気遣わしげに私を見下ろしていた人は――。
「祥太朗さん……?」
「ごめん、起こしちゃった?」
「いいえ、あ、の」
ここは私が使っている部屋で、自分が布団に寝ているのはわかる。
だけど、どうして祥太朗さんがここにいるのだろうか?
その理由がわからなくて、記憶を辿る。
今日は確か、マスターがインフルエンザになり、勇気さんと病院に付き添って、榛名家に三人で戻ってきた。
そこまでは覚えているけれど……。
「私、なんで……?」
「覚えてない? 帰ってきたら吉野さん玄関で倒れるように寝てて、めっちゃ震えてて高熱で。焦った、どうしようかと思った」
朧げに思い出すのは、誰か優しい手が私を抱きしめて運んでくれた夢……、あれ? 夢!?
「もしかして、私をここに運んでくれたのって祥太朗さんですか!?」
繋がってきた記憶に焦り、ガバリと起き上がった瞬間、猛烈な咳に襲われる。
「大丈夫? 吉野さん!!」
必死に私の背中をさする手に首を振る。
「うつります、うつりますから」
「まあ、もうそれ覚悟。涼真のこと、吉野さんにばっか任せてらんないよなって思ってさ。家族が具合悪いからって、今週いっぱい有給もらってきたんだ、使いどころなかったし丁度いいでしょ?」
クスクス笑う祥太朗さんの優しさに、申し訳なくて、座ったまま布団を頭から被って咳き込んだ。
「あ、パジャマは桃ちゃんが着替えさせたから。俺じゃないからね?」
その言葉に今更自分がパジャマなことに気づき驚く間もなく、着替えさせてくれたのが桃ちゃんだと知り心底ホッとした。
この貧相な体を祥太朗さんに見られたくない。
「マスターの様子は、どうですか?」
「さっき、起きて吉野さんが作ってくれてたお粥食べてまた寝たよ。薬効いてきたみたい。あ、明日朝一で吉野さんも病院だからね?」
「いえ、大丈夫、です」
「全然大丈夫じゃないじゃん、手冷たいしまた熱上がってくるところだと思うよ」
布団を掴んでいた私の手に触れる体温。
「寒いでしょ?」
ほら、布団に入ってと私を寝かせてくれる祥太朗さんを見ていたら、涙がポロポロ零れる。
「苦しい? 大丈夫?」
私が泣いていることに気づいて、涙を拭ってくれる祥太朗さんに首を振る。
優しくしてくれて、ありがとうございます、そう言いたいのに喉の奥の痛みが、言葉さえ詰まらせる。
ただただ泣きじゃくる私を困ったように見下ろしながらも、子供をあやすように優しく頭を撫でてくれた。
ゆっくり、ゆっくり目を閉じながら、その手を掴む。
行かないで、側にいて、今だけでいいですから――。
その温もりに甘えるように、いつしかまた眠りに落ちた。
インフルエンザの脅威は、みるみるうちに榛名家を呑み込んで行った。
マスター、私、その二日後に祥太朗さん、その日の夕方に桃ちゃんと洸太朗くん、そして最後に美咲さんにうつる。
「ちょ、なんで俺だけかからん!!」
勇気さんが不服そうな顔をしていたけれど、その免疫力の高さに感謝しまくり。
勇気さんは、全ての買い物をしてくれて、全員を病院に連れて行き、更にバイトやバンド練習までしていたというタフさに驚いた。
三日目から起き上がれるようになったマスターが、今度は皆のご飯係を担い、その翌日から私もそちら側に加わる。
「どうですか? ご飯、食べれそうですか?」
トントンとノックした祥太朗さんのお部屋。
「起きてるよ、大丈夫」
中からの返事にドアを開けると、部屋の隅にもう一組の畳まれた布団が見えた。
結局、祥太朗さんが勇気さんの部屋に泊まったのは二晩だけ、インフルエンザにかかった日から自室に戻って今はマスターと同部屋だった。
マスターが作ってくれた鍋焼きうどんとお薬を手に部屋を開けたら、起き上がり熱を測っているところ。
ピピピッという音で終了した体温計を私に見せてくれる。
「三十七度五分、もうちょっとですね」
一緒に持ってきた蒸しタオルを手渡すと、ありがとうと顔や首筋を拭き出す。
「ごめんね、まだ吉野さんや涼真だって完治してないだろうに」
「大丈夫です、祥太朗さんと桃ちゃんにうつしたのは絶対私だし。いっぱいお世話してもらった気がするんで、今度は私が」
小さな折り畳みテーブルを組み立てうどんとお水をのせる。
「いただきますっ」
テーブルの前に座り手を合わせた祥太朗さんが、うどんをすする。
朝のお粥は喉が痛いって残してたけど、うどんはどうだろう?
食べやすいだろうか?
じっと食べるのを見ていたら、箸を止めて私を見る祥太朗さんが、クスリと笑った。
「めっちゃ観察されてる?」
「い、いえ、あの、食欲とか、喉の痛みとか気になって、つい」
「わかるわかる、俺も吉野さん今日は昨日より食べれるかな? 何なら食べられるかな? って気になったもん」
「そう、だったんですか?」
「アイスが食べたいって泣いたの覚えてる?」
「え?」
「あと、悲しい、寂しいってずっと俺の手握ってた」
「ええ!?」
嘘、ですよね?
嘘だと言って?
すがるような私の目を見て、祥太朗さんが噴き出した。
「冗談」
「で、ですよね」
「さーて、どっちでしょう?」
ハハッと笑って、目を細め、またうどんをすする祥太朗さんから目を逸らす。
薄ぼんやりとよみがえってきた記憶の中で、祥太朗さんにアイスを食べさせてもらった気が……、あ、れ?
「あ、食べ終わったら、お薬飲んで寝て下さいね。桃ちゃんと洸太朗くんのとこ行ってきます」
あわてて逃げた私は、なんだかまた熱が上がってきたくらい耳まで熱くて。
パタンと戸を閉めてから、ズルズルと崩れた。
私の唇の端から垂れたアイスを、誰かの体温がなぞる。
……、待って? 夢、だよね? 夢だ、きっと……。
結果は陽性、予想通りだったけれどマスターはとても落ち込んでいた。
「んじゃ、バイト行ってくる。もうちょいしたら、洸太朗が帰ってくると思うし、祥太朗も残業なしで帰ってくるって。それまで、風ちゃんに任せておいて平気? 涼真、薬のせいで熟睡してるみたいだけど」
「大丈夫です。気を付けて行ってきてくださいね」
「じゃあ、涼真のことよろしく~!」
手を振り、笑顔で勇気さんが玄関を出て行くのを見送った後でしゃがみ込む。
非常にマズイ気がしてる。いや、マズイ気しかしない。
さっきから止まらない寒気、喉の痛み、頭痛。
まるで、まるで、私も……。
確かにマスターと一番長く一緒にいたのは私だ。
潜伏期間も考えると金曜日、土曜日も一緒にいたし、今回は日曜日も、そして。
事故……。
とにかく、他の人にうつさないように、手洗いや消毒をしたら夕飯の支度をしても平気だろうか?
今日のおかずは鮭を焼くつもりだったから、それでマスターのご飯も雑炊にしようかな。
で、いただいたスープと、お店から持ってきた自家製ドレッシングでサラダを作って。
そうだ、カボチャはどうしようかな。
喉が苦しくてゴホンと咳き込んだら、止まらなくなる。
立ち上がるのが辛い。
ペタンと腰を降ろして、体育座りのまま、膝に顔を埋めた。
寒いなあ、とっても寒い……。
震えながら目を瞑ったら、昔のことを思い出す。
中学校三年生の時、インフルエンザにかかったら、叔母さんと叔父さんは旅行に行ってしまった。
あたりまえだけど、うつるのが嫌だったみたい。
一人でベッドの中で、震えが収まるのを待った。
病院にも行けず、ただうずくまっていた。
おばあちゃん、助けて――。
泣きながら、誰もいない家でつぶやいて三日目、ようやく起き上がれた頃に、叔母夫婦は家に戻ってきた。
どこかの温泉地で買った、まんじゅうの箱だけが部屋に差し入れられた。
寒い、助けて、寒いの、とっても。
「大丈夫?」
誰かの声が、温もりがした。
お願い、助けて、とっても寒い。
その温もりにギュッとしがみついたら、抱きしめ返してくれる優しい腕に運ばれる、そんな夢を見た。
額に触れた誰かの体温。
温もりにぼんやりと覚醒し始める。
ゆっくりと開いたら、私の額に置かれた手の主が、薄明りに照らされていた。
気遣わしげに私を見下ろしていた人は――。
「祥太朗さん……?」
「ごめん、起こしちゃった?」
「いいえ、あ、の」
ここは私が使っている部屋で、自分が布団に寝ているのはわかる。
だけど、どうして祥太朗さんがここにいるのだろうか?
その理由がわからなくて、記憶を辿る。
今日は確か、マスターがインフルエンザになり、勇気さんと病院に付き添って、榛名家に三人で戻ってきた。
そこまでは覚えているけれど……。
「私、なんで……?」
「覚えてない? 帰ってきたら吉野さん玄関で倒れるように寝てて、めっちゃ震えてて高熱で。焦った、どうしようかと思った」
朧げに思い出すのは、誰か優しい手が私を抱きしめて運んでくれた夢……、あれ? 夢!?
「もしかして、私をここに運んでくれたのって祥太朗さんですか!?」
繋がってきた記憶に焦り、ガバリと起き上がった瞬間、猛烈な咳に襲われる。
「大丈夫? 吉野さん!!」
必死に私の背中をさする手に首を振る。
「うつります、うつりますから」
「まあ、もうそれ覚悟。涼真のこと、吉野さんにばっか任せてらんないよなって思ってさ。家族が具合悪いからって、今週いっぱい有給もらってきたんだ、使いどころなかったし丁度いいでしょ?」
クスクス笑う祥太朗さんの優しさに、申し訳なくて、座ったまま布団を頭から被って咳き込んだ。
「あ、パジャマは桃ちゃんが着替えさせたから。俺じゃないからね?」
その言葉に今更自分がパジャマなことに気づき驚く間もなく、着替えさせてくれたのが桃ちゃんだと知り心底ホッとした。
この貧相な体を祥太朗さんに見られたくない。
「マスターの様子は、どうですか?」
「さっき、起きて吉野さんが作ってくれてたお粥食べてまた寝たよ。薬効いてきたみたい。あ、明日朝一で吉野さんも病院だからね?」
「いえ、大丈夫、です」
「全然大丈夫じゃないじゃん、手冷たいしまた熱上がってくるところだと思うよ」
布団を掴んでいた私の手に触れる体温。
「寒いでしょ?」
ほら、布団に入ってと私を寝かせてくれる祥太朗さんを見ていたら、涙がポロポロ零れる。
「苦しい? 大丈夫?」
私が泣いていることに気づいて、涙を拭ってくれる祥太朗さんに首を振る。
優しくしてくれて、ありがとうございます、そう言いたいのに喉の奥の痛みが、言葉さえ詰まらせる。
ただただ泣きじゃくる私を困ったように見下ろしながらも、子供をあやすように優しく頭を撫でてくれた。
ゆっくり、ゆっくり目を閉じながら、その手を掴む。
行かないで、側にいて、今だけでいいですから――。
その温もりに甘えるように、いつしかまた眠りに落ちた。
インフルエンザの脅威は、みるみるうちに榛名家を呑み込んで行った。
マスター、私、その二日後に祥太朗さん、その日の夕方に桃ちゃんと洸太朗くん、そして最後に美咲さんにうつる。
「ちょ、なんで俺だけかからん!!」
勇気さんが不服そうな顔をしていたけれど、その免疫力の高さに感謝しまくり。
勇気さんは、全ての買い物をしてくれて、全員を病院に連れて行き、更にバイトやバンド練習までしていたというタフさに驚いた。
三日目から起き上がれるようになったマスターが、今度は皆のご飯係を担い、その翌日から私もそちら側に加わる。
「どうですか? ご飯、食べれそうですか?」
トントンとノックした祥太朗さんのお部屋。
「起きてるよ、大丈夫」
中からの返事にドアを開けると、部屋の隅にもう一組の畳まれた布団が見えた。
結局、祥太朗さんが勇気さんの部屋に泊まったのは二晩だけ、インフルエンザにかかった日から自室に戻って今はマスターと同部屋だった。
マスターが作ってくれた鍋焼きうどんとお薬を手に部屋を開けたら、起き上がり熱を測っているところ。
ピピピッという音で終了した体温計を私に見せてくれる。
「三十七度五分、もうちょっとですね」
一緒に持ってきた蒸しタオルを手渡すと、ありがとうと顔や首筋を拭き出す。
「ごめんね、まだ吉野さんや涼真だって完治してないだろうに」
「大丈夫です、祥太朗さんと桃ちゃんにうつしたのは絶対私だし。いっぱいお世話してもらった気がするんで、今度は私が」
小さな折り畳みテーブルを組み立てうどんとお水をのせる。
「いただきますっ」
テーブルの前に座り手を合わせた祥太朗さんが、うどんをすする。
朝のお粥は喉が痛いって残してたけど、うどんはどうだろう?
食べやすいだろうか?
じっと食べるのを見ていたら、箸を止めて私を見る祥太朗さんが、クスリと笑った。
「めっちゃ観察されてる?」
「い、いえ、あの、食欲とか、喉の痛みとか気になって、つい」
「わかるわかる、俺も吉野さん今日は昨日より食べれるかな? 何なら食べられるかな? って気になったもん」
「そう、だったんですか?」
「アイスが食べたいって泣いたの覚えてる?」
「え?」
「あと、悲しい、寂しいってずっと俺の手握ってた」
「ええ!?」
嘘、ですよね?
嘘だと言って?
すがるような私の目を見て、祥太朗さんが噴き出した。
「冗談」
「で、ですよね」
「さーて、どっちでしょう?」
ハハッと笑って、目を細め、またうどんをすする祥太朗さんから目を逸らす。
薄ぼんやりとよみがえってきた記憶の中で、祥太朗さんにアイスを食べさせてもらった気が……、あ、れ?
「あ、食べ終わったら、お薬飲んで寝て下さいね。桃ちゃんと洸太朗くんのとこ行ってきます」
あわてて逃げた私は、なんだかまた熱が上がってきたくらい耳まで熱くて。
パタンと戸を閉めてから、ズルズルと崩れた。
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