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第一章
決勝戦
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しばしの休憩を挟んで、決勝は、わたしと “カース・メソッド” のパーティとの対戦になる。
後ろに控えている、パーティメンバーの女の人が、選手の腕に補助魔法でブーストを掛けている、とは思うのだけど、今回は、禁止事項になっていないので反則とも言えない。
自分の腕にブーストをかければいいのかな? とも思ったけれど、コータの反応からして、慣れていないのに、いたずらにブーストをかけても、逆効果になるのかもしれない。
魔法に関しては、まだ全然、駆け出しの初心者だから、慎重にした方がいいだろうな。
結局、具体的な方針も決められないままに、決勝戦が始まろうとしていた。
「それでは只今から、栄えある決勝戦を行います。 まずは、予選から勝ち抜いてきた冒険者パーティ “カース・メソッド”ぉぉぉぉぉー !! 」
おおおおおぉぉぉおぉぉぉぉー!
観客達の盛り上がりが、凄い事になっている。
「対するは主催者特権でのシードか、と思いきや、実力もしっかりあるぞ! 期待のルーキー“ファリニシュ・ファミリア”ああああぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁ !!! 」
うぉぉおおおおぉおぉぉぉおぉぉぉぉ !!!
審判員が煽りまくってる、いい加減にして欲しい。
こんなに熱狂させて、大丈夫なんだろうか。
対戦するのは、初戦からずっと変わらず、あの細身の男だった。
アームレスリング台に、お互い腕を乗せ手を組み合う。
チラリと、相手方陣営の後ろの方を見ると、補助魔法を掛けているであろう女性冒険者と目が合う。
ちょっと焦ったように目を逸らされたが、絶対、同じ手でくるよね。
組み合った手の上に審判員の手が乗って、掛け声と共に、離される。
「ファイッ !!」
最初はあっけないほどに、相手の腕がぎりぎりの所まで押し倒されるが、あと数ミリの所で踏み止まっている、そこからはテコでも動かない感じだ。
また、大逆転劇を演出しているのかもしれない。
しばらく、そのまま膠着が続いた後、急激に相手の力の入れ加減が変化する。
今度は逆に、私の手の甲が台すれすれまで押し倒されるが、ぎりぎりで持ち応える。
ちらり、と女性冒険者を見ると、今度は目を逸らさない、じっと挑発的な目線でこちらを見てくる。
口元では、また何か唱えだしている。
対戦相手の男の顔は見ずに、後ろの女性冒険者と見つめ合ったまま、じりっ、じりっっ、と腕の角度を上げて行く。
向こうの女性は、段々と青ざめた顔色になっている気はするが、まだ、口元でなにか唱え続けている。
すると、
「 うぅぅぅぅ 」
対戦相手の男が、低く呻き出した。
一瞬、女から目線を外して男の方を見ると、顔面が赤黒くなり、脂汗が大量にしたたり落ちている。
(え? やばくない?)
でも、相手の力の入れ加減は変わらないので、ここで、わたしが力を抜いてもかえって危険な状態だった。
(このまま、押し切っていくしかない)
と、思った次の瞬間に、あっけなく相手の手の甲が台についた、と、同時にわたしの右手が審判員に高々と掲げられる。
観客の大歓声の中、それを上回る大きな異常な音が響き渡る。
ビシィッッッ !!!
ビシィッッ !
その音と共に、対戦していた細身の男の絶叫が耳を貫く。
「ぎいやあぁぁぁぁぁぁぁぁあぁ!!腕がぁぁあぁ! 俺の腕がぁぁっぁぁ!!!」
右腕を押さえながら叫んでいるが、その右腕は大きく膨れ上がり、赤黒く変色している。
さっきから異常な破裂音がしているのは、その腕からだ。
ビシィッッ !
音が鳴る度に男の体は跳ね上がり、凄まじい痛みに絶叫し続ける。
その後ろでは、パーティメンバーの女が涙を流しながら
「ごめんっ、ごめんなざい。 だっで、あのおんなが、あだじを、あおっでくるがらぁ」
こちらも泣き喚いていて、手が付けられない。
結局、ギルド派遣の警備員と、“カース・メソッド”の他の男性メンバーが、喚く2人を教会へと運んでいった。
あまりの事態にシンとしていた観客達に、審判員がこう言った。
「 “カース・メソッド” は、選手の腕にブーストをかけておりました。 あの症状は、腕に過剰にブーストし過ぎたのでしょう。 今回は魔法が禁止事項に入っていなかった為、反則ではありませんが、勝敗の結果が付いてからの自爆である為、勝者は “ファリニシュ・ファミリア” に、変わりはありません。 おめでとう! 」
改めて、大歓声に包まれる。
わたしはといえば、勝った喜びよりも、ちょっとびっくりで引いている。
ブースト怖い。
過剰ブーストであんな事になるなんて、コータが焦って拒否する訳だ。
自分に試さなくって良かった。
と言うか、今回の決勝よりも、準決勝のオランウータンの獣人のお姉さんとの対戦の方が、よっぽど大変だったな。
そんな事を思っていると、人混みの中から
「マナっ!」
「マナちゃん~!」
と、コータやミミア、リム、イシュリーが、わたしに抱きついてくる。
「わぁぁ~、マナちゃん、ほんとうに優勝だよぉ~」
ミミアとリムは、泣きべそをかいていた。
「みんな……」
まだ、呆然としているわたしに、コータが話しかける。
「な、あれヤバイだろ? ブーストのかけ過ぎでああなんの、俺、前にも見た事あんだよ。 筋肉とか腱とか、耐えらんなくなって弾け跳ぶ音らしいぜ、あれ。 おっかねぇだろ?」
筋肉とか腱とか、はじけとぶって……、わたしは、うんうん頷く。
おっかねぇなんてもんじゃない。
「自分で自分にかけるとかなら、まだ加減も出来るんだろうけど。 興奮状態で他人に掛けるとなると、よっぽど、信頼関係にあるとか、熟練してるとかじゃなきゃ無理だよな」
うんうん、頷きながら、あれ? 自分で自分にかける分には良かったのか、そっか、やっぱり今度、練習しておこう。
そんなやり取りをして、勝利を喜んでもらっていると、水を差す嫌~な声が聞こえてきた。
「おいおい、優勝したんだから、ますます俺らに慰謝料だなぁ」
「賞品を売っ払って、可哀想な俺らに治療費よこせや!」
あー。
忘れてたけど、こいつ等まだいたんだ。
仕方ない、これだけの力があるよ、と見せてあげても、こうして絡んでくるのだから、相手をするしかないのだろう。
「ちょ、マナちゃん危ないよ~」
ミミアが、止めてくれようとするが、ここで、しっかり解決しないと、この分じゃ、いつまでも付きまとわれそうだもんね。
「大丈夫だから」
と制して、2人組の所へ近づく。
「おうおう。 頼むぜぇー、痛ぇんだからよぉ」
「誠意、見せてくれやぁー」
丸っきり、カタギの人ではない言い様だなあ。
「あの、お怪我されてるんでしたら、わたし、回復させて頂きますけど」
「あぁ? そんなんいらねぇんだよ! 俺らは、慰謝料よこせっつってんの!」
「いえ、遠慮なさらずに。 まだ、駆け出しで不慣れですが、回復魔法の講義も、ちゃんと受けてきましたので」
そう言いながら、男達の怪我してる、という足を魔力で探ってみるが、いまいち、壊れている箇所が分からない。
でもまぁ、包帯をしている辺りを、回復すればいいのだろう、と、喚いている男達の声を無視して、回復をかけてあげる。
すると。
「お、おい。 何しやがった?」
「え? 回復魔法ですけど?」
「余計な事、すんなって言ったよな? 俺、言ったよな?」
そう言っている間にも、男達の包帯が、ぶちぶちと千切れだす。
あれ?
わたし、間違えちゃった?
包帯が千切れた後には、足の肉が、ぶくぶくとせり上がり盛り上がり、足の太さが、もう3倍位にはなってしまった。
どうしよう。
焦っていると、後ろからポンと肩を叩かれる。
振り向くと、アームレスリングの審判員をやってくれていた男性が、笑顔でこう言った。
「あれは、過剰修復が起こっている状態だね。 奴等、本当は怪我なんかしていなかったらしい」
「え、そうなんですか?」
「うん。 怪我もない健康な肉体に回復魔法を掛けると、ああなる事があるんだが。 君は、魔力が大きいようだね」
「はぁ。 あの、大丈夫なんでしょうか?」
「なに、教会で余分に出来た部分を、削ぎ落してもらえば良かろう。お前達、そこの、うるさい2人を教会に運んでやれ」
そう言って、ギルドからの派遣警備員の方に指示を出す。
「はっ、分かりました、ギルド長」
喚く2人は、有無を言わさず運ばれて行く。
「あの、ギルド長って…」
「うん? あぁ、言ってなかったかな? これは失敬。 私が、ハンブルの町の冒険者ギルド、ギルドマスターのハインツだ。 よろしく、ルーキーのお嬢さん」
「ギルドマスター。 ……あ、あのこちらこそ、この度は、このような突然の催しにも拘わらず、ご協力頂きまして、ありがとうございます」
「はははっ、いやいや。 楽しい祭りになったし、町も今日だけで、かなりの活性化が見られた。 儲けも多かったんじゃないかな? こちらこそ感謝だよ」
「はぁ、そう言って頂けると……」
「それに、さっきの奴らだが、私の顔を知らないようだったからね。 よそからの流れ者なんだろう。 この町の治安の為にも、少し痛い目をみてくれて良かったよ」
そう言って、にこやかな笑顔を向けて下さる。
まさか、審判員がギルドマスターだったなんて、思いもよらなかったよ。
改めて見ると、ギルドマスターのハインツさんは、なかなかの美丈夫な中年、という感じ。
年の頃は、50代半ば位だと思うのだが、体つきが筋肉質で、いわゆる中年太りとは無縁なタイプだ。
肌は浅黒く、若い頃は、さぞやオモテになったのだろうなぁ、という甘いマスク。
声は、低いバリトンで、よく通る。
でも、さっきまで観客を煽りまくっていた所を見ると、結構な、チョイ悪系なのかもしれない。
そうして、一連の騒ぎが終息したかに思えた時、また新たな問題がやって来た。
その人は、羽飾りのついた帽子を目深にかぶり、長いマントを羽織っていた。
ごった返す人の波を、優雅にかき分け、ひよどり亭に入ってくる。
いや、自然と周囲の人が男を避けて、道が勝手に出来ている。
「このたびは、栄えあるアームレスリング大会の優勝、誠におめでとうございます。 いや素晴らしい。 つきましては我が主より、優勝した冒険者パーティを、今夜のディナーにご招待したいと、招待状を持参した次第でございます」
「あ、ありがとうございます。 あの主様とは、どなたの事で?」
「失礼、申し遅れました。 わたくしは、当ハンブル領の領主でいらっしゃいますスタフォード男爵閣下の家臣、ミゲルと申します」
「ハンブルの領主さま……」
「はい、我が主スタフォード男爵閣下は、このたびの大会に非常に関心を持たれまして、ぜひ、優勝者である “ファリニシュ・ファミリア” の皆様の健闘を称え、労いたいと仰せでございまして。 パーティメンバーの皆様、全員でいらして頂きたいとの、たってのお言葉でございます」
やばい、忘れてた、犬大好き領主様。
アニタさんに、気を付けた方がいいって言われてたのに、どうしよう、わたし、こんなに目立つことしちゃったよ、やばい。
「あ、あのパーティメンバー全員で、とおっしゃられましても、人間のメンバーは、わたしだけでして……」
途中で、言葉をひったくられる、
「存じておりますとも。 他のメンバーの方は、可愛らしい犬達だとか、我が主様は大の犬好きでいらっしゃいますので、どうぞお気になさらずに、是非にお連れ下さい。 お会い出来ますのを、大層、楽しみにされておられますので」
あぁ、もう退路を断たれたかもしれない。
領主様の招待では、こんな大勢の前で、お断りするのも失礼だろう。
仕方ない、どうなるものか行ってやろうじゃないか。
「分かりました。 では、今夜お伺いさせていただきます」
「さようでございますか、ありがとうございます。 こちらが招待状となっておりますので、お受け取りください。 どうぞ気負わずにいらしていただきたいと、主も申しておりましたので、では、夕刻6時には迎えの馬車が、こちらに参るよう手配しておりますので、よろしくお願いいたします」
そう一気にまくし立てると、カウンターにいたアニタさんを一瞥して、こう付け足した。
「女将、本日、ここでの以降の飲み代は領主様が持つ。 後で、請求書を持って来るように。 皆様、楽しいひとときをお邪魔して申し訳なかった、存分に祝われよ」
そうして、踵を返すと、来た時と同じように、人の波を優雅に分けながら外へ出て行った。
その場に居合わせた客達は、ますます盛り上がって、盛大に酒盛りを始めている。
これは、ミミア達の休みは完全に潰れちゃうな。
しかし、そんな心配は、すぐに杞憂に終わる。
何と、ひよどり亭のエールの在庫が、早々に底をついたのだった。
こうなると、もう仕方がないので、
「後は、外で飲んどくれ」
と、アニタさんは、お客を追い出しにかかる。
結局、最後まで愚図っていた客も、ギルドマスター達に連れられて外に出て行った。
そうして、コータ達とアニタさんとわたし、6人が店に残ったのだが、そこで初めて気付いた、
「お昼、食べてない」
「本当だ~、お腹空いた~」
アニタさんは、もうへとへとで動く気力もないようなので、コータが外の交易ギルドが出している屋台から、色々な食べ物を買ってきてくれる。
「これが焼きそばで、こっちがオムライスだって。 あと飲み物は、米麹の甘酒だってさ、ノンアルコールなのに、酒って変だよな」
そう言いながら、焼きそばとオムライスを3個ずつ、甘酒は、紙コップに入っているのを6個、次々にテーブルに並べる。
ぐったりと、椅子に座り込んでいたみんなも、途端に楽しそうに食事を始める。
「へぇ、この焼きそばの味付けは、なかなかいいね」
などと、アニタさんも興味深げに食べている。
「マナちゃん、こっちの串焼き、味付けなしで焼いてもらったから、後で犬達にやって」
「ありがとう、あのコ達の分までなんて、コータって、本当に気が利いてて優しい」
素直に、感謝の言葉が出たのだが、コータは照れてしまったようだ。
「や、そんな言うほどじゃないっつーか。 大した事ないし」
「コータ、顔赤い~」
目ざとく、リムにからかわれる。
「んな事よりさ、さっきのあれ、領主のディナーに招待っての」
「あ~」
「あれね~」
「やっぱり、ヤバそうだよね?」
みんな、一斉に頷く。
「アニタさんにも、気を付けた方がいいって言ってもらってたのに、すっかり忘れて目立つ事しちゃったから」
「あの、絡んで来てた奴等に関係してんだろ、今回の、一大イベント」
「うん。 実は、昨日ハクが、あいつらに蹴られちゃって。 怪我とかは、なかったんだけど、今後手を出されないように、舐められない為にはどうしたらいいかなって、考えた結果の今日のこれだったんだけど」
「あ~、なるほどな」
「結局、領主様の目を引く事になっちゃって、本末転倒だね」
「いや、まぁ、結果的に悪い奴らは、痛い目見て終わったんだし、そう悲観的になる事もねんじゃね?」
「領主様に、ワンちゃんをねだられても、突っぱねればいいだけじゃないかな~」
「とりあえず、明日には、ここを発つ予定な訳だし、今日のディナーとやらを乗り切れば、いいだけじゃね?」
「そうかな? そうだよね。 領主様だって、いくら犬好きとは言え、無理矢理、人の犬を取り上げるまではしないよね」
そこで、みんなの視線が、アニタさんに集まる。
「どうだろうね。 そこまでの無体を働いたって話は、今まで聞いた事がないけれど。ただ、気に入った犬には、金に糸目は付けないだとか、よその国の犬を譲ってもらうのにかなり粘ったとか、色々噂は聞くからねぇ。 あの犬達は、本当に珍しくて特別だから、どうしても欲しいって言い出しそうな気もするねぇ」
「法的には、どうなんでしょう?」
法律が守ってくれるなら、領主が、いくら言っても突っぱねればいいだけだ。
「それはもちろん、持ち主が、うんと言わなけりゃ、無理矢理、取り上げるなんてこた、ありえないけどねぇ」
「ですよね。 それなら、わたし頑張ります」
そうして、遅い昼食を取った後、コータが買って来てくれた、味付けなしの串焼きのお肉を持って、部屋に戻った。
犬達は、あの大騒ぎの中でも、お利口で待っていたのに、ご飯が遅くてちょっとご立腹だ。
(おそいー、おなかすいたー)
抗議のココの声に、
「ごめん、ごめん。 串焼きのお肉もらったから、さ、食べて」
と、お皿に、お肉を外して載せてあげる。
載せた先から、パクパクと、あっという間にみんな完食してしまった。
(おいしかったから、ゆるす)
良かった、機嫌が直ったみたい。
「あのね、今日の夜、ご飯を食べに領主様の所に、みんなで行かなきゃいけなくなったの」
(ふーん、ご飯くれるならいいんじゃない?)
「うん、ただね。 その領主様が、すごく犬が好きな人で、もしかしたら、みんなを欲しいって言うかもしれなくて」
(え? やだ)
3匹揃って、露骨に、いや~な顔になる。
「うんうん、もちろん、わたしも嫌だよ。 だから、ご飯は食べに行くけど、そういう話になったら、ちゃんと断るから」
(ならいいよ。 ごはん、おいしいの出してくれるといいね)
「そうだね」
犬達は、ご飯に気がいってしまったのか機嫌が良くなった。
さて、そのディナーに何を着て行けばいいだろう。
後ろに控えている、パーティメンバーの女の人が、選手の腕に補助魔法でブーストを掛けている、とは思うのだけど、今回は、禁止事項になっていないので反則とも言えない。
自分の腕にブーストをかければいいのかな? とも思ったけれど、コータの反応からして、慣れていないのに、いたずらにブーストをかけても、逆効果になるのかもしれない。
魔法に関しては、まだ全然、駆け出しの初心者だから、慎重にした方がいいだろうな。
結局、具体的な方針も決められないままに、決勝戦が始まろうとしていた。
「それでは只今から、栄えある決勝戦を行います。 まずは、予選から勝ち抜いてきた冒険者パーティ “カース・メソッド”ぉぉぉぉぉー !! 」
おおおおおぉぉぉおぉぉぉぉー!
観客達の盛り上がりが、凄い事になっている。
「対するは主催者特権でのシードか、と思いきや、実力もしっかりあるぞ! 期待のルーキー“ファリニシュ・ファミリア”ああああぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁ !!! 」
うぉぉおおおおぉおぉぉぉおぉぉぉぉ !!!
審判員が煽りまくってる、いい加減にして欲しい。
こんなに熱狂させて、大丈夫なんだろうか。
対戦するのは、初戦からずっと変わらず、あの細身の男だった。
アームレスリング台に、お互い腕を乗せ手を組み合う。
チラリと、相手方陣営の後ろの方を見ると、補助魔法を掛けているであろう女性冒険者と目が合う。
ちょっと焦ったように目を逸らされたが、絶対、同じ手でくるよね。
組み合った手の上に審判員の手が乗って、掛け声と共に、離される。
「ファイッ !!」
最初はあっけないほどに、相手の腕がぎりぎりの所まで押し倒されるが、あと数ミリの所で踏み止まっている、そこからはテコでも動かない感じだ。
また、大逆転劇を演出しているのかもしれない。
しばらく、そのまま膠着が続いた後、急激に相手の力の入れ加減が変化する。
今度は逆に、私の手の甲が台すれすれまで押し倒されるが、ぎりぎりで持ち応える。
ちらり、と女性冒険者を見ると、今度は目を逸らさない、じっと挑発的な目線でこちらを見てくる。
口元では、また何か唱えだしている。
対戦相手の男の顔は見ずに、後ろの女性冒険者と見つめ合ったまま、じりっ、じりっっ、と腕の角度を上げて行く。
向こうの女性は、段々と青ざめた顔色になっている気はするが、まだ、口元でなにか唱え続けている。
すると、
「 うぅぅぅぅ 」
対戦相手の男が、低く呻き出した。
一瞬、女から目線を外して男の方を見ると、顔面が赤黒くなり、脂汗が大量にしたたり落ちている。
(え? やばくない?)
でも、相手の力の入れ加減は変わらないので、ここで、わたしが力を抜いてもかえって危険な状態だった。
(このまま、押し切っていくしかない)
と、思った次の瞬間に、あっけなく相手の手の甲が台についた、と、同時にわたしの右手が審判員に高々と掲げられる。
観客の大歓声の中、それを上回る大きな異常な音が響き渡る。
ビシィッッッ !!!
ビシィッッ !
その音と共に、対戦していた細身の男の絶叫が耳を貫く。
「ぎいやあぁぁぁぁぁぁぁぁあぁ!!腕がぁぁあぁ! 俺の腕がぁぁっぁぁ!!!」
右腕を押さえながら叫んでいるが、その右腕は大きく膨れ上がり、赤黒く変色している。
さっきから異常な破裂音がしているのは、その腕からだ。
ビシィッッ !
音が鳴る度に男の体は跳ね上がり、凄まじい痛みに絶叫し続ける。
その後ろでは、パーティメンバーの女が涙を流しながら
「ごめんっ、ごめんなざい。 だっで、あのおんなが、あだじを、あおっでくるがらぁ」
こちらも泣き喚いていて、手が付けられない。
結局、ギルド派遣の警備員と、“カース・メソッド”の他の男性メンバーが、喚く2人を教会へと運んでいった。
あまりの事態にシンとしていた観客達に、審判員がこう言った。
「 “カース・メソッド” は、選手の腕にブーストをかけておりました。 あの症状は、腕に過剰にブーストし過ぎたのでしょう。 今回は魔法が禁止事項に入っていなかった為、反則ではありませんが、勝敗の結果が付いてからの自爆である為、勝者は “ファリニシュ・ファミリア” に、変わりはありません。 おめでとう! 」
改めて、大歓声に包まれる。
わたしはといえば、勝った喜びよりも、ちょっとびっくりで引いている。
ブースト怖い。
過剰ブーストであんな事になるなんて、コータが焦って拒否する訳だ。
自分に試さなくって良かった。
と言うか、今回の決勝よりも、準決勝のオランウータンの獣人のお姉さんとの対戦の方が、よっぽど大変だったな。
そんな事を思っていると、人混みの中から
「マナっ!」
「マナちゃん~!」
と、コータやミミア、リム、イシュリーが、わたしに抱きついてくる。
「わぁぁ~、マナちゃん、ほんとうに優勝だよぉ~」
ミミアとリムは、泣きべそをかいていた。
「みんな……」
まだ、呆然としているわたしに、コータが話しかける。
「な、あれヤバイだろ? ブーストのかけ過ぎでああなんの、俺、前にも見た事あんだよ。 筋肉とか腱とか、耐えらんなくなって弾け跳ぶ音らしいぜ、あれ。 おっかねぇだろ?」
筋肉とか腱とか、はじけとぶって……、わたしは、うんうん頷く。
おっかねぇなんてもんじゃない。
「自分で自分にかけるとかなら、まだ加減も出来るんだろうけど。 興奮状態で他人に掛けるとなると、よっぽど、信頼関係にあるとか、熟練してるとかじゃなきゃ無理だよな」
うんうん、頷きながら、あれ? 自分で自分にかける分には良かったのか、そっか、やっぱり今度、練習しておこう。
そんなやり取りをして、勝利を喜んでもらっていると、水を差す嫌~な声が聞こえてきた。
「おいおい、優勝したんだから、ますます俺らに慰謝料だなぁ」
「賞品を売っ払って、可哀想な俺らに治療費よこせや!」
あー。
忘れてたけど、こいつ等まだいたんだ。
仕方ない、これだけの力があるよ、と見せてあげても、こうして絡んでくるのだから、相手をするしかないのだろう。
「ちょ、マナちゃん危ないよ~」
ミミアが、止めてくれようとするが、ここで、しっかり解決しないと、この分じゃ、いつまでも付きまとわれそうだもんね。
「大丈夫だから」
と制して、2人組の所へ近づく。
「おうおう。 頼むぜぇー、痛ぇんだからよぉ」
「誠意、見せてくれやぁー」
丸っきり、カタギの人ではない言い様だなあ。
「あの、お怪我されてるんでしたら、わたし、回復させて頂きますけど」
「あぁ? そんなんいらねぇんだよ! 俺らは、慰謝料よこせっつってんの!」
「いえ、遠慮なさらずに。 まだ、駆け出しで不慣れですが、回復魔法の講義も、ちゃんと受けてきましたので」
そう言いながら、男達の怪我してる、という足を魔力で探ってみるが、いまいち、壊れている箇所が分からない。
でもまぁ、包帯をしている辺りを、回復すればいいのだろう、と、喚いている男達の声を無視して、回復をかけてあげる。
すると。
「お、おい。 何しやがった?」
「え? 回復魔法ですけど?」
「余計な事、すんなって言ったよな? 俺、言ったよな?」
そう言っている間にも、男達の包帯が、ぶちぶちと千切れだす。
あれ?
わたし、間違えちゃった?
包帯が千切れた後には、足の肉が、ぶくぶくとせり上がり盛り上がり、足の太さが、もう3倍位にはなってしまった。
どうしよう。
焦っていると、後ろからポンと肩を叩かれる。
振り向くと、アームレスリングの審判員をやってくれていた男性が、笑顔でこう言った。
「あれは、過剰修復が起こっている状態だね。 奴等、本当は怪我なんかしていなかったらしい」
「え、そうなんですか?」
「うん。 怪我もない健康な肉体に回復魔法を掛けると、ああなる事があるんだが。 君は、魔力が大きいようだね」
「はぁ。 あの、大丈夫なんでしょうか?」
「なに、教会で余分に出来た部分を、削ぎ落してもらえば良かろう。お前達、そこの、うるさい2人を教会に運んでやれ」
そう言って、ギルドからの派遣警備員の方に指示を出す。
「はっ、分かりました、ギルド長」
喚く2人は、有無を言わさず運ばれて行く。
「あの、ギルド長って…」
「うん? あぁ、言ってなかったかな? これは失敬。 私が、ハンブルの町の冒険者ギルド、ギルドマスターのハインツだ。 よろしく、ルーキーのお嬢さん」
「ギルドマスター。 ……あ、あのこちらこそ、この度は、このような突然の催しにも拘わらず、ご協力頂きまして、ありがとうございます」
「はははっ、いやいや。 楽しい祭りになったし、町も今日だけで、かなりの活性化が見られた。 儲けも多かったんじゃないかな? こちらこそ感謝だよ」
「はぁ、そう言って頂けると……」
「それに、さっきの奴らだが、私の顔を知らないようだったからね。 よそからの流れ者なんだろう。 この町の治安の為にも、少し痛い目をみてくれて良かったよ」
そう言って、にこやかな笑顔を向けて下さる。
まさか、審判員がギルドマスターだったなんて、思いもよらなかったよ。
改めて見ると、ギルドマスターのハインツさんは、なかなかの美丈夫な中年、という感じ。
年の頃は、50代半ば位だと思うのだが、体つきが筋肉質で、いわゆる中年太りとは無縁なタイプだ。
肌は浅黒く、若い頃は、さぞやオモテになったのだろうなぁ、という甘いマスク。
声は、低いバリトンで、よく通る。
でも、さっきまで観客を煽りまくっていた所を見ると、結構な、チョイ悪系なのかもしれない。
そうして、一連の騒ぎが終息したかに思えた時、また新たな問題がやって来た。
その人は、羽飾りのついた帽子を目深にかぶり、長いマントを羽織っていた。
ごった返す人の波を、優雅にかき分け、ひよどり亭に入ってくる。
いや、自然と周囲の人が男を避けて、道が勝手に出来ている。
「このたびは、栄えあるアームレスリング大会の優勝、誠におめでとうございます。 いや素晴らしい。 つきましては我が主より、優勝した冒険者パーティを、今夜のディナーにご招待したいと、招待状を持参した次第でございます」
「あ、ありがとうございます。 あの主様とは、どなたの事で?」
「失礼、申し遅れました。 わたくしは、当ハンブル領の領主でいらっしゃいますスタフォード男爵閣下の家臣、ミゲルと申します」
「ハンブルの領主さま……」
「はい、我が主スタフォード男爵閣下は、このたびの大会に非常に関心を持たれまして、ぜひ、優勝者である “ファリニシュ・ファミリア” の皆様の健闘を称え、労いたいと仰せでございまして。 パーティメンバーの皆様、全員でいらして頂きたいとの、たってのお言葉でございます」
やばい、忘れてた、犬大好き領主様。
アニタさんに、気を付けた方がいいって言われてたのに、どうしよう、わたし、こんなに目立つことしちゃったよ、やばい。
「あ、あのパーティメンバー全員で、とおっしゃられましても、人間のメンバーは、わたしだけでして……」
途中で、言葉をひったくられる、
「存じておりますとも。 他のメンバーの方は、可愛らしい犬達だとか、我が主様は大の犬好きでいらっしゃいますので、どうぞお気になさらずに、是非にお連れ下さい。 お会い出来ますのを、大層、楽しみにされておられますので」
あぁ、もう退路を断たれたかもしれない。
領主様の招待では、こんな大勢の前で、お断りするのも失礼だろう。
仕方ない、どうなるものか行ってやろうじゃないか。
「分かりました。 では、今夜お伺いさせていただきます」
「さようでございますか、ありがとうございます。 こちらが招待状となっておりますので、お受け取りください。 どうぞ気負わずにいらしていただきたいと、主も申しておりましたので、では、夕刻6時には迎えの馬車が、こちらに参るよう手配しておりますので、よろしくお願いいたします」
そう一気にまくし立てると、カウンターにいたアニタさんを一瞥して、こう付け足した。
「女将、本日、ここでの以降の飲み代は領主様が持つ。 後で、請求書を持って来るように。 皆様、楽しいひとときをお邪魔して申し訳なかった、存分に祝われよ」
そうして、踵を返すと、来た時と同じように、人の波を優雅に分けながら外へ出て行った。
その場に居合わせた客達は、ますます盛り上がって、盛大に酒盛りを始めている。
これは、ミミア達の休みは完全に潰れちゃうな。
しかし、そんな心配は、すぐに杞憂に終わる。
何と、ひよどり亭のエールの在庫が、早々に底をついたのだった。
こうなると、もう仕方がないので、
「後は、外で飲んどくれ」
と、アニタさんは、お客を追い出しにかかる。
結局、最後まで愚図っていた客も、ギルドマスター達に連れられて外に出て行った。
そうして、コータ達とアニタさんとわたし、6人が店に残ったのだが、そこで初めて気付いた、
「お昼、食べてない」
「本当だ~、お腹空いた~」
アニタさんは、もうへとへとで動く気力もないようなので、コータが外の交易ギルドが出している屋台から、色々な食べ物を買ってきてくれる。
「これが焼きそばで、こっちがオムライスだって。 あと飲み物は、米麹の甘酒だってさ、ノンアルコールなのに、酒って変だよな」
そう言いながら、焼きそばとオムライスを3個ずつ、甘酒は、紙コップに入っているのを6個、次々にテーブルに並べる。
ぐったりと、椅子に座り込んでいたみんなも、途端に楽しそうに食事を始める。
「へぇ、この焼きそばの味付けは、なかなかいいね」
などと、アニタさんも興味深げに食べている。
「マナちゃん、こっちの串焼き、味付けなしで焼いてもらったから、後で犬達にやって」
「ありがとう、あのコ達の分までなんて、コータって、本当に気が利いてて優しい」
素直に、感謝の言葉が出たのだが、コータは照れてしまったようだ。
「や、そんな言うほどじゃないっつーか。 大した事ないし」
「コータ、顔赤い~」
目ざとく、リムにからかわれる。
「んな事よりさ、さっきのあれ、領主のディナーに招待っての」
「あ~」
「あれね~」
「やっぱり、ヤバそうだよね?」
みんな、一斉に頷く。
「アニタさんにも、気を付けた方がいいって言ってもらってたのに、すっかり忘れて目立つ事しちゃったから」
「あの、絡んで来てた奴等に関係してんだろ、今回の、一大イベント」
「うん。 実は、昨日ハクが、あいつらに蹴られちゃって。 怪我とかは、なかったんだけど、今後手を出されないように、舐められない為にはどうしたらいいかなって、考えた結果の今日のこれだったんだけど」
「あ~、なるほどな」
「結局、領主様の目を引く事になっちゃって、本末転倒だね」
「いや、まぁ、結果的に悪い奴らは、痛い目見て終わったんだし、そう悲観的になる事もねんじゃね?」
「領主様に、ワンちゃんをねだられても、突っぱねればいいだけじゃないかな~」
「とりあえず、明日には、ここを発つ予定な訳だし、今日のディナーとやらを乗り切れば、いいだけじゃね?」
「そうかな? そうだよね。 領主様だって、いくら犬好きとは言え、無理矢理、人の犬を取り上げるまではしないよね」
そこで、みんなの視線が、アニタさんに集まる。
「どうだろうね。 そこまでの無体を働いたって話は、今まで聞いた事がないけれど。ただ、気に入った犬には、金に糸目は付けないだとか、よその国の犬を譲ってもらうのにかなり粘ったとか、色々噂は聞くからねぇ。 あの犬達は、本当に珍しくて特別だから、どうしても欲しいって言い出しそうな気もするねぇ」
「法的には、どうなんでしょう?」
法律が守ってくれるなら、領主が、いくら言っても突っぱねればいいだけだ。
「それはもちろん、持ち主が、うんと言わなけりゃ、無理矢理、取り上げるなんてこた、ありえないけどねぇ」
「ですよね。 それなら、わたし頑張ります」
そうして、遅い昼食を取った後、コータが買って来てくれた、味付けなしの串焼きのお肉を持って、部屋に戻った。
犬達は、あの大騒ぎの中でも、お利口で待っていたのに、ご飯が遅くてちょっとご立腹だ。
(おそいー、おなかすいたー)
抗議のココの声に、
「ごめん、ごめん。 串焼きのお肉もらったから、さ、食べて」
と、お皿に、お肉を外して載せてあげる。
載せた先から、パクパクと、あっという間にみんな完食してしまった。
(おいしかったから、ゆるす)
良かった、機嫌が直ったみたい。
「あのね、今日の夜、ご飯を食べに領主様の所に、みんなで行かなきゃいけなくなったの」
(ふーん、ご飯くれるならいいんじゃない?)
「うん、ただね。 その領主様が、すごく犬が好きな人で、もしかしたら、みんなを欲しいって言うかもしれなくて」
(え? やだ)
3匹揃って、露骨に、いや~な顔になる。
「うんうん、もちろん、わたしも嫌だよ。 だから、ご飯は食べに行くけど、そういう話になったら、ちゃんと断るから」
(ならいいよ。 ごはん、おいしいの出してくれるといいね)
「そうだね」
犬達は、ご飯に気がいってしまったのか機嫌が良くなった。
さて、そのディナーに何を着て行けばいいだろう。
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