主人公の義弟兼当て馬の俺は原作に巻き込まれないためにも旅にでたい

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光の国に転生した闇属性の俺!?

85)使い魔5

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「うう、お前たちの言っていることは信じられないんだぞ。また僕っちのことを騙してごーもんする気なんだ!!」

悪魔はもう何も信じられないとでもいうように泣きじゃくっている。そんなに相性の悪い魔力はまずいのだろうか。

「ごめんね。君に嫌な思いをさせるつもりはなかったんだ。君が美味しいと言ってくれた魔力をあげるから受け入れてくれないかな?」

「うっ美味しい…?」

俺は小さい子供をあやすように語りかける。少しずつ落ち着いてきた悪魔は『美味しい魔力』に食いついてきた。そうだよな。今でも悪魔の魔力は少しずつ減ってきている。

「君をこの世界に留めておくためなんだ。いいかな?」

「うん…一度だけだぞ」

「ありがとう」

すると、悪魔は抵抗を止め、額をこちらに向けてきた。俺は悪魔の額に手を当てて魔力を流し込む。

(どのくらいだ?さっき取られた分もあるし…できてもあと少しだけだな)

悪魔の表情は穏やかで、俺の魔力を受け入れてくれているのがわかる。でも俺はさっき悪魔の封印を解いた時に魔力がごっそり持ってかれているからあまり多くの魔力は与えることができない。そっと悪魔の額から手を離す。

「んう…もう終わり…?」

「さっき君の封印を解くときにかなり魔力を使っちゃって今はこの位しかあげられないんだ。ごめんね」

悪魔は涙目でもっと魔力が欲しいと訴えてくる。普段であれば魔力は有り余っているのだが、今はこれ以上あげるとまた父の前で倒れてしまいかねない。もし俺が倒れてしまえば契約どころの話ではなくなるだろう。

「もし僕と契約してくれたら、これから君に僕の魔力を上げるよ。どうかな?僕と契約しない?」

「する!!僕っちお前の魔力が気に入った!」

「そんなに簡単に決めていいの!?」

さらっと決めすぎてつい本音が口から出てしまった。そんなに簡単に人間と契約してもいいものなんだろうか。こっちとしてはスムーズにことが進んだ方が楽ではあるが…

「ん?お前が「契約しない?」って言ってきたんじゃないか。僕っちにとって人間の一生なんて一瞬のことだし、お前といると面白いことがたくさん起こりそうだしな。せいぜいシェイド様を退屈させないでくれよ」

多分これが本来の悪魔の性格なんだろう。イキイキしている。縄に縛られているままでは契約を進めることができないため、陛下に縄を解くようにお願いする。そばで見ていた騎士たちが悪魔の縄を解いてくれた。

「じゃあ、魔法契約を今からするから暴れないでね」

「お前、さっきから僕っちのことを子供扱いしているな。まあ今は目を瞑っといてやる。僕っちは優しいからな」

「ふふ、ありがとう」

リュミ騎士団の中の職業を全部制覇した俺はモンスターテイマーという職業ももちろんレベルカンストまでプレイ済みだ。きっとゲームと同じようにすれば大丈夫だろう。さあ、悪魔との契約を始めよう。

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