主人公の義弟兼当て馬の俺は原作に巻き込まれないためにも旅にでたい

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光の国に転生した闇属性の俺!?

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「おかあしゃま、ぼく街にしょっぴんぐに行きたいです!」

「あらあら、ママにお願いなんて珍しいわねぇ。欲しいものでもあるのかしら」

「実はおにいしゃまの誕生日プレゼントをまだ準備できていないのでしゅ」

外に行くには理由が必要だ。兄の誕生日プレゼントを用意していないのは事実だが、あわよくば新しい魔導書やいいアイテムを手に入れることが出来るかもしれない。

「だからお母様にお願いしたのね?大丈夫よ~♡お兄様にはしっかり内緒にしとくからね♡」

「ありがとうございましゅ!では早速外出の準備を…」

「あら?お外には出ないわよ?」

「え?」

「お買い物をする時は商人をお家に呼んで買うのよ?お外は危ないでしょ?」

「はは、そ、そうですよね」

(そ、そんなぁ~やっと外に出れると思ったのに~)

なんと、貴族は家に人を呼んで買い物をするのが一般的だそう。俺はこのまま外の世界を知らないまま死にそうで少しゾッとする。だ、大丈夫だ。俺がまだ小さいから外に出られないだけで、大きくなれば好きに外に出して貰えるようになるはず…きっと…。

ーそれから数日後、家の前にたくさんの馬車が並んでいた。今日は兄が父と一緒に領地経営のため出向いているのだ。そういうことも考えてくれた母に感謝だ。

「さあさあナハトちゃん。何から見ようかしら?♡お洋服?魔法具?なんでもあるわよ~」

「こ、こんなに良いんですか?」

「良いのよ~。全然我慢しなくていいわよ~」

「じゃあ…」

それから洋服屋ら魔道具やら文房具を色々見る。せっかく兄にプレゼントを用意するなら忘れられない位いい物にしたい。あの兄のいつも余裕のある顔を崩してみたい。

色々見ていてもあまりピンと来ない。どれを買ったとしても公爵家の息子からしたらなんでも手に入れる事のできそうな物ばかりだと思ってしまうのだ。3歳の体力だとそろそろヘトヘトになりそうだ。

「…これは何?」

ふと、目を引く魔道具があった。ペンダントのようだが、なにか物足りない。

「こちらは魔力を込めることで初めて完成するペンダントでございます。例えばこちらのペンダントに私の風属性の魔力を込めたとします。ナハト様、こちらを持っていただけますか?」

「うん」

商人からペンダントを受け取るとそのペンダントは風属性のような…緑色にほんのりと光っていた。

「わ、これすごいね」

「それだけではございません。こちらのペンダントを少し強めに握りしめてくださいませ」

商人の言うようにギュッとペンダントを握りしめてみる。するとぽわぽわとペンダントが光出して周囲に風が吹く。

「わあ、気持ちいい」

「そうでしょう?ですが、そちらはあと3回ほど使えば効果は消えてしまいます」

(確かに、ペンダントの光が弱まっている気がする)

「ですが、何度も魔力の補充をすれば使えるようになります」

これ、凄くいいのではないか?自惚れすぎかもしれないが俺の事大好きな兄がとても喜びそうだ。

「おかあしゃま、僕…」





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