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本編
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城の執務室では今日もラファエルが、周りにいる者達が思わず手を差し伸べたくなるような、美しい涙をポロポロこぼして泣いていた。
「どうして僕は、パティに捨てられたんだろう…」
そう呟く彼は、本当にその言葉がぴったりなほど、捨てられた子猫のような表情をしている。
妖精の国ルミナスの中でも極めて少ない純血のエルフの王太子ラファエルは、絹糸のような白金色の長い髪に、澄んだ空のように明るい水色の瞳。
どんな優秀な画家でもその繊細でガラス細工のような美しさは描き表せないと言われるほど、神秘的な美しさの麗人だ。
そのラファエルをこんなにも悲しませたのは、今はどこに行ってしまったのか分からない、元婚約者パトリシア公爵令嬢…。
パトリシアは、エルフの血が薄いという以外はパーフェクトな女性だった。
美しく優しく聡明。誰が見ても彼女以上に王太子妃に相応しい女性はいなかった。
対するラファエルは、その恩恵の全てを美しさに注ぎ込んだと言っても過言ではなく、他は至って凡庸な王子だった。
だからこそ、そんなラファエルを支えるため優秀なパトリシアが婚約者に選ばれたのだが…。
「僕は生涯パティしか愛さないと誓ったのに…やっぱり短命なのを気にしていたのかな…」
まだうっすら涙を浮かべ、上目遣いで問い掛けてくるラファエルは、とても50歳を超えていると思えない愛らしさだ…。
エルフは寿命が長く500歳以上、長い者は1000歳以上生きるものもいる。その代わりに子供が生まれにくい。
ラファエル自身、王と王妃が200歳を過ぎてからやっと授かった唯一の王子だった。
そういう環境の中、純粋なエルフは自然と淘汰され、他の種族と婚姻する者が増えていった結果、今では100%純系なエルフは王家の三人と、王弟だけになってしまった…。
ただ王弟の妻ナレッサもエルフではないけれど、ダークエルフと呼ばれる種族で寿命はエルフと変わらず…そんな王弟夫妻には二人の子供達がいた。
長女のアレクシアは、褐色の肌に艷やかな黒髪とタンザナイトのような紫色の瞳が美しいセクシー美女で、騎士団長であるライオン獣人の夫との間には可愛い2人の娘と3人の息子がいる。
長男のアレクサンダーは、同じく褐色の肌に艷やかな黒髪、タンザナイトの瞳、そして背が高くとても逞しい体格の美丈夫だ。
アレクシアとアレクサンダーは、両親からの良いとこどりで…艷やかな黒髪と滑らかな褐色の肌、俊敏な身体を母から、魅惑的なタンザナイトの瞳とその整った容姿、優れた頭脳を父から受け継いでいた。
妖精の国ルミナスの王であるガブリエルは、そのカリスマ性で国を率いる名君だったが、二人の父親であり、王弟のウリエルはその優秀な頭脳を活かし、宰相として兄を支えている。
アレクサンダーもいずれラファエルが王位を継いだ時は、その隣で彼を支えていきたいと思っていた。
20歳年上のアレクサンダーは、今も最愛の従兄弟が生まれた時のあの喜びを忘れない…。
純血のエルフとは、こんなに光り輝く美しい存在なのだと感動し、自分が絶対に何者からも守ると誓った。
そんな愛しいラファエルが、今は毎日嘆き悲しみ暮らしている…。
(パトリシアとは馬が合わなかったけれど、ラファエルのことは大切にしているように見えたから、その存在を認めていたのに…)
パトリシアはラファエルより更に年下の25歳だった。妖精としては、まだまだヒヨッコの年齢だけれど、彼女は人族の血が濃く、その寿命がたった200歳程しかないので生き急ぐように大人びていた。
そんな彼女は、25歳上のラファエルを出来の悪い弟のように可愛がり甘やかしていた。
そしてラファエルより更に20歳も年上のアレクサンダーに対しては…
『彼はいずれラスボスとなってラファエル様を裏切る存在だから、絶対信用してはダメよ…』
なんて…あり得ないことを言う腹立たしい者だったけれど…ラファエルのことは本当に大切にしていたのに…
そういえば…
『ラファ様には、いずれ運命の人が現れるの。だから私はそれまで彼を守る中継ぎのような存在なのよ…』
と理由の分からないことも言っていたな…。
そして彼女が暗い顔をするようになったのは、あのアリスとかいう胡散臭い人族の娘が現れてからのことだった…。
自分をこの妖精の国ルミナスを救うために異世界から召喚された聖女だと自称していたけれど…我が国はそんなもの召喚していないし、彼女の言うように子供が生まれなくなって困っている…なんて事実もなかった。
彼女が自称する17歳(本当はパトリシアより年上の27歳)という年齢を信じていたラファエルは、幼い子供が一生懸命お話を作って話しているのだと思い、笑顔で相手をしてあげていた。
それをパトリシアは勘違いしたようだ…。
その後、虚言で人々を惑わした罪でアリスは国外追放になったけれど…。
~・~・~・~・~
でも…パトリシアが一方的に婚約破棄して行方を眩ませた時…正直俺はこれで良かったと思った…。
今でさえこんなに悲しみに暮れているラファエルが、これから先、人生を共にしたパトリシアに先立たれた時には、後を追おうとしたかもしれない…。
それほどにラファエルは情にもろく、優しい…。
パトリシアは人族の血が濃いから、あと200年も生きられないだろう…。
エルフの寿命は1000年近くあるというのに…。
俺なら…エルフとダークエルフの子で同じ寿命を持つ俺なら、ずっとラファエルに寄り添ってやれるのに…。
ふとそんな思いが脳裏をよぎってしまった…。
そうしたら、今まで気づかないふりをしてきたラファエルに対する想いが次から次へと溢れ出て…抑えきれなくなって…
気がつけば…ラファエルを抱きしめていた…。
「アレクどうしたの?」
自分の腕の中にすっぽり収まり、まだ涙目のまま見上げてくるラファエルは、破壊的に愛らしい…。
「俺がラファの側にずっといるから…
隣でずっと君が悲しまないように守るから…俺と結婚しよう」
「アレク…僕、男だよ?」
突然の告白に戸惑いながらも、激しく拒絶することもないラファエルに、これなら押せば行ける!!と思ったアレクサンダーは、とにかく情に訴え、押しに押した…。
「知ってる…それでもラファ以外じゃ駄目なんだ…」
「男同士だと…僕もアレクも後継者が生まれないよ?」
「大丈夫。アレクシアのところは子沢山だから、いざとなったら養子にもらえばいい。でも俺達にはまだまだ時間があるから、その間に男同士でも子供ができる方法を考えるから」
「確かにシアのところは子供達がいっぱいいるし、あの夫婦ならまだまだ子供が増えそうだけれど…」
「ラファがどうしても自分の子供が欲しいなら、がんばって男同士でも子供が生める魔法を生み出すよ!!俺がそういうの得意なのは知ってるだろ?
大丈夫、500年もあればきっとできるよ!!」
という具合でそれから20年ほどかかって口説き落として結婚し、さらに150年後には男同士で子供が生める魔法も発明した…。
~・~・~・~・~
その頃、遠く離れた国では…
「あ~あ、だから彼はラスボスだから気をつけてと言ったのに…とうとう捕まっちゃったか…」
妖精の国ルミナスで、王とその王配の間に待望の王子が生まれた…という記事が載った新聞を、ベッド脇のサイドテーブルに置いた。
「おばあちゃん、どうしたの?」
ララは祖母が泣きそうな…嬉しそうな…複雑な表情で新聞を読んでいたから、どんな記事が載っていたのか気になって尋ねると…
「私のね…初恋の王子様が、とうとう執念深い魔王に囚われたという記事が載っていたの…」
「それって…王子様は大丈夫なの?」
「世界中で一番安全で幸せな檻に囚われただけだから、大丈夫よ…」
「だからおばあちゃん、そんな複雑な表情をしてたのね…でも、初恋の王子様だなんて…聞いたらおじいちゃんが嫉妬して、お墓から出てきそう…」
「そうね…あの人は本当にヤキモチ焼きだったから…」
夫は完全な人族だったから、年相応に老けていくのに、妖精の血が入った私が老化し始めたのは夫が亡くなってからだった…。
いつまでも娘のような私に、他の男性が言い寄ってくるのを、夫はムキになって蹴散らしていたな…。
私は、若い夫も年老いた夫も変わらず愛していたけれど…不安だったのかもしれない。
それは、私がラファ様に対してずっと抱えていた悩みだから、気持ちは分かる…。
結局アリスのことは切っ掛けで、本当はいつまでも変わらず美しいラファ様の隣で、自分だけがどんどん年老いていくことが耐えられなかったのかもしれない…。
そして、サミエルが亡くなった後、一人でこんなにも淋しい思いをして…こんな思いをラファ様に何百年もさせずにすんで良かったと思った。
アレクサンダー様は魔王だけれど、ラファ様には優しいし、何より同じように年をとり、一緒に同じ時を過ごすことができる…。
ラファ様のために、男同士で子供を産む魔法まで発明したあの執念…。
悔しいけれど完敗だな…前世からの推しだったのに…。
そして、私は…もう少しでやっと夫のところに旅立てる。
『自ら命を断てば、生まれ変われないから、次の世でまたお前と一緒になれないだろ?』
って、あなたが言うから、がんばって生きたわよ。
そろそろお迎えに来てくれてもいいでしょ?
推しが無事幸せになるのも見届けたし、そろそろ良いよね…。
「おばあちゃん…寝てるの?また夕飯の時にお越しに来るね…」
~・~・~・~・~
『初恋はラファエル様だったけれど…一生に一度の本気の恋の相手はサミエル…あなただったのよ』
『当たり前だろ?冒険者としても夫婦としても、お前のパートナーは今までもこれからもずっと俺だけだ…』
■□■□■□■□
お読みいただきありがとうございます。
補足としまして、この話の設定は全くのオリジナルです。
ラファエル、アレクサンダー 寿命千歳
パトリシア(ミックス) 寿命200歳
サミエル(人族) 寿命100歳
初対面時
アレクサンダー50歳(見た目17歳)
ラファエル30歳(見た目年齢10歳)
パトリシア5歳(見た目年齢5歳)
婚約破棄時
アレクサンダー70歳(見た目20歳)
ラファエル50歳(見た目年齢17歳)
パトリシア25歳(見た目年齢17歳)
「どうして僕は、パティに捨てられたんだろう…」
そう呟く彼は、本当にその言葉がぴったりなほど、捨てられた子猫のような表情をしている。
妖精の国ルミナスの中でも極めて少ない純血のエルフの王太子ラファエルは、絹糸のような白金色の長い髪に、澄んだ空のように明るい水色の瞳。
どんな優秀な画家でもその繊細でガラス細工のような美しさは描き表せないと言われるほど、神秘的な美しさの麗人だ。
そのラファエルをこんなにも悲しませたのは、今はどこに行ってしまったのか分からない、元婚約者パトリシア公爵令嬢…。
パトリシアは、エルフの血が薄いという以外はパーフェクトな女性だった。
美しく優しく聡明。誰が見ても彼女以上に王太子妃に相応しい女性はいなかった。
対するラファエルは、その恩恵の全てを美しさに注ぎ込んだと言っても過言ではなく、他は至って凡庸な王子だった。
だからこそ、そんなラファエルを支えるため優秀なパトリシアが婚約者に選ばれたのだが…。
「僕は生涯パティしか愛さないと誓ったのに…やっぱり短命なのを気にしていたのかな…」
まだうっすら涙を浮かべ、上目遣いで問い掛けてくるラファエルは、とても50歳を超えていると思えない愛らしさだ…。
エルフは寿命が長く500歳以上、長い者は1000歳以上生きるものもいる。その代わりに子供が生まれにくい。
ラファエル自身、王と王妃が200歳を過ぎてからやっと授かった唯一の王子だった。
そういう環境の中、純粋なエルフは自然と淘汰され、他の種族と婚姻する者が増えていった結果、今では100%純系なエルフは王家の三人と、王弟だけになってしまった…。
ただ王弟の妻ナレッサもエルフではないけれど、ダークエルフと呼ばれる種族で寿命はエルフと変わらず…そんな王弟夫妻には二人の子供達がいた。
長女のアレクシアは、褐色の肌に艷やかな黒髪とタンザナイトのような紫色の瞳が美しいセクシー美女で、騎士団長であるライオン獣人の夫との間には可愛い2人の娘と3人の息子がいる。
長男のアレクサンダーは、同じく褐色の肌に艷やかな黒髪、タンザナイトの瞳、そして背が高くとても逞しい体格の美丈夫だ。
アレクシアとアレクサンダーは、両親からの良いとこどりで…艷やかな黒髪と滑らかな褐色の肌、俊敏な身体を母から、魅惑的なタンザナイトの瞳とその整った容姿、優れた頭脳を父から受け継いでいた。
妖精の国ルミナスの王であるガブリエルは、そのカリスマ性で国を率いる名君だったが、二人の父親であり、王弟のウリエルはその優秀な頭脳を活かし、宰相として兄を支えている。
アレクサンダーもいずれラファエルが王位を継いだ時は、その隣で彼を支えていきたいと思っていた。
20歳年上のアレクサンダーは、今も最愛の従兄弟が生まれた時のあの喜びを忘れない…。
純血のエルフとは、こんなに光り輝く美しい存在なのだと感動し、自分が絶対に何者からも守ると誓った。
そんな愛しいラファエルが、今は毎日嘆き悲しみ暮らしている…。
(パトリシアとは馬が合わなかったけれど、ラファエルのことは大切にしているように見えたから、その存在を認めていたのに…)
パトリシアはラファエルより更に年下の25歳だった。妖精としては、まだまだヒヨッコの年齢だけれど、彼女は人族の血が濃く、その寿命がたった200歳程しかないので生き急ぐように大人びていた。
そんな彼女は、25歳上のラファエルを出来の悪い弟のように可愛がり甘やかしていた。
そしてラファエルより更に20歳も年上のアレクサンダーに対しては…
『彼はいずれラスボスとなってラファエル様を裏切る存在だから、絶対信用してはダメよ…』
なんて…あり得ないことを言う腹立たしい者だったけれど…ラファエルのことは本当に大切にしていたのに…
そういえば…
『ラファ様には、いずれ運命の人が現れるの。だから私はそれまで彼を守る中継ぎのような存在なのよ…』
と理由の分からないことも言っていたな…。
そして彼女が暗い顔をするようになったのは、あのアリスとかいう胡散臭い人族の娘が現れてからのことだった…。
自分をこの妖精の国ルミナスを救うために異世界から召喚された聖女だと自称していたけれど…我が国はそんなもの召喚していないし、彼女の言うように子供が生まれなくなって困っている…なんて事実もなかった。
彼女が自称する17歳(本当はパトリシアより年上の27歳)という年齢を信じていたラファエルは、幼い子供が一生懸命お話を作って話しているのだと思い、笑顔で相手をしてあげていた。
それをパトリシアは勘違いしたようだ…。
その後、虚言で人々を惑わした罪でアリスは国外追放になったけれど…。
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でも…パトリシアが一方的に婚約破棄して行方を眩ませた時…正直俺はこれで良かったと思った…。
今でさえこんなに悲しみに暮れているラファエルが、これから先、人生を共にしたパトリシアに先立たれた時には、後を追おうとしたかもしれない…。
それほどにラファエルは情にもろく、優しい…。
パトリシアは人族の血が濃いから、あと200年も生きられないだろう…。
エルフの寿命は1000年近くあるというのに…。
俺なら…エルフとダークエルフの子で同じ寿命を持つ俺なら、ずっとラファエルに寄り添ってやれるのに…。
ふとそんな思いが脳裏をよぎってしまった…。
そうしたら、今まで気づかないふりをしてきたラファエルに対する想いが次から次へと溢れ出て…抑えきれなくなって…
気がつけば…ラファエルを抱きしめていた…。
「アレクどうしたの?」
自分の腕の中にすっぽり収まり、まだ涙目のまま見上げてくるラファエルは、破壊的に愛らしい…。
「俺がラファの側にずっといるから…
隣でずっと君が悲しまないように守るから…俺と結婚しよう」
「アレク…僕、男だよ?」
突然の告白に戸惑いながらも、激しく拒絶することもないラファエルに、これなら押せば行ける!!と思ったアレクサンダーは、とにかく情に訴え、押しに押した…。
「知ってる…それでもラファ以外じゃ駄目なんだ…」
「男同士だと…僕もアレクも後継者が生まれないよ?」
「大丈夫。アレクシアのところは子沢山だから、いざとなったら養子にもらえばいい。でも俺達にはまだまだ時間があるから、その間に男同士でも子供ができる方法を考えるから」
「確かにシアのところは子供達がいっぱいいるし、あの夫婦ならまだまだ子供が増えそうだけれど…」
「ラファがどうしても自分の子供が欲しいなら、がんばって男同士でも子供が生める魔法を生み出すよ!!俺がそういうの得意なのは知ってるだろ?
大丈夫、500年もあればきっとできるよ!!」
という具合でそれから20年ほどかかって口説き落として結婚し、さらに150年後には男同士で子供が生める魔法も発明した…。
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その頃、遠く離れた国では…
「あ~あ、だから彼はラスボスだから気をつけてと言ったのに…とうとう捕まっちゃったか…」
妖精の国ルミナスで、王とその王配の間に待望の王子が生まれた…という記事が載った新聞を、ベッド脇のサイドテーブルに置いた。
「おばあちゃん、どうしたの?」
ララは祖母が泣きそうな…嬉しそうな…複雑な表情で新聞を読んでいたから、どんな記事が載っていたのか気になって尋ねると…
「私のね…初恋の王子様が、とうとう執念深い魔王に囚われたという記事が載っていたの…」
「それって…王子様は大丈夫なの?」
「世界中で一番安全で幸せな檻に囚われただけだから、大丈夫よ…」
「だからおばあちゃん、そんな複雑な表情をしてたのね…でも、初恋の王子様だなんて…聞いたらおじいちゃんが嫉妬して、お墓から出てきそう…」
「そうね…あの人は本当にヤキモチ焼きだったから…」
夫は完全な人族だったから、年相応に老けていくのに、妖精の血が入った私が老化し始めたのは夫が亡くなってからだった…。
いつまでも娘のような私に、他の男性が言い寄ってくるのを、夫はムキになって蹴散らしていたな…。
私は、若い夫も年老いた夫も変わらず愛していたけれど…不安だったのかもしれない。
それは、私がラファ様に対してずっと抱えていた悩みだから、気持ちは分かる…。
結局アリスのことは切っ掛けで、本当はいつまでも変わらず美しいラファ様の隣で、自分だけがどんどん年老いていくことが耐えられなかったのかもしれない…。
そして、サミエルが亡くなった後、一人でこんなにも淋しい思いをして…こんな思いをラファ様に何百年もさせずにすんで良かったと思った。
アレクサンダー様は魔王だけれど、ラファ様には優しいし、何より同じように年をとり、一緒に同じ時を過ごすことができる…。
ラファ様のために、男同士で子供を産む魔法まで発明したあの執念…。
悔しいけれど完敗だな…前世からの推しだったのに…。
そして、私は…もう少しでやっと夫のところに旅立てる。
『自ら命を断てば、生まれ変われないから、次の世でまたお前と一緒になれないだろ?』
って、あなたが言うから、がんばって生きたわよ。
そろそろお迎えに来てくれてもいいでしょ?
推しが無事幸せになるのも見届けたし、そろそろ良いよね…。
「おばあちゃん…寝てるの?また夕飯の時にお越しに来るね…」
~・~・~・~・~
『初恋はラファエル様だったけれど…一生に一度の本気の恋の相手はサミエル…あなただったのよ』
『当たり前だろ?冒険者としても夫婦としても、お前のパートナーは今までもこれからもずっと俺だけだ…』
■□■□■□■□
お読みいただきありがとうございます。
補足としまして、この話の設定は全くのオリジナルです。
ラファエル、アレクサンダー 寿命千歳
パトリシア(ミックス) 寿命200歳
サミエル(人族) 寿命100歳
初対面時
アレクサンダー50歳(見た目17歳)
ラファエル30歳(見た目年齢10歳)
パトリシア5歳(見た目年齢5歳)
婚約破棄時
アレクサンダー70歳(見た目20歳)
ラファエル50歳(見た目年齢17歳)
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