義姉妹百合恋愛

沢谷 暖日

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姉妹の三日間

お姉ちゃんの空寝

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 何が起こるというわけでもなく、私は不意に目を覚ました。
 覚醒しきってない頭を回し、今の状況を確認する。
 テレビ正面のソファーに背もたれして眠っていたようだ。
 隣を見れば、お姉ちゃんがいて、私の方にもたれかかりながらスースーと可愛らしいいびきを立てていた。

 ……確か、お姉ちゃんにハグされて。
 そのあと。……普通に眠っていたのか。
 私が寝たのを見て、このソファーにもたれさせてくれたのかな。

 窓の外に目をやると、この向きにまで傾いた太陽の光が部屋に差し込んでいた。
 部屋の中は、薄暗い。
 つけっぱなしになっていたテレビが、この部屋の光源となっていた。

「お姉ちゃん」

 頭だけをお姉ちゃんの方へ向け、そう呼びかけてみる。
 反応は無い。まぁ、起こす理由も無いし、このまま寝かせておこう。

 ……。
 お姉ちゃんに目が釘付けになる。
 こうして、まじまじと見つめるのも初めてだ。
 美人だ。髪も綺麗なロング。

 無意識に私のボブの髪に手ぐしを入れてみる。
 少しカサついていた。
 流れるように、お姉ちゃんの髪にも手ぐしを入れる。
 サラサラだった。

 どんなシャンプー使ってるんだろ。
 かすかに良い匂いもする。
 顔の形も整っている──って、あれ?
 なんかお姉ちゃん、顔赤くなってる?
 ちょい待って。この人寝たふりしてる。

「お、お姉ちゃん! い、今、髪触ったのに特に深い意味があったわけではなくて、ただ単に綺麗だなと思って、私の髪の毛の質感と比べようと触っただけですから!」

 お姉ちゃんが何かを言ってくる前に、慌てて言い訳をする。
 言い訳というか、事実なのだけど。

 お姉ちゃんは目をつぶったまま、少し恥ずかしそうにしながら頷いた。

「何で寝たふりなんて、してたの?」
「い、いや。何でだろ。……てんちゃんのこと見つめてたら起きちゃったから、反射的に眠ってしまったというか」
「んぁ。そ、そうなんだー。なんで見つめてたの?」
「美人だなって」
「んぁぁ」

 お姉ちゃんは、なんでこう、心に効く言葉を使うのが得意なのだろうか。
 私も、仕返ししてみよう。

「お、お姉ちゃんの方が美人だけどね」

 そう言うと、お姉ちゃんは目をパッチリと開き、顔をずいとこちらに近づけた。

「美人、というより、てんちゃんは可愛いよね」
「んぁぁぁ」

 慣れないことはするもんじゃない。
 すぐに反撃を喰らってしまった。
 お姉ちゃんから身を引く。

「そ、そうだ! お姉ちゃん! お腹空かない?」
「話題転換が何の脈絡もないけど」
「き、気のせいだよ」
「気のせいではないと思うけど。まぁ……お腹は空いたかな。なんか用意があるの?」
「ないけど、お母さんが、今夜は外食しておいでだって。この辺りってなんかお店ある?」
「ファミレスがあるよ。徒歩二十分くらいのところに。私ちょくちょくそこに行ってる」
「じゃあ、そこ行こ!」
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