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姉妹の三日間
外食へ!
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「お姉ちゃん、戸締りしたー?」
玄関で、靴をトントンとしながら呼びかけた。
「したよ」
台所から声が飛んでくる。
そして、ドタドタと慌ただしく、黒いワンピースを見に纏ったお姉ちゃんがやってきた。
すごい清楚系女子って感じだ。
それに比べて私は、少し派手かな。
白いブラウスにベビーピンクの長スカート。
髪にちょこんと青いリボンも付けてみた。
いや、めっちゃ派手だろ。今気づいたわ。
なぜ着替えている時に気がつかなかったのか。
服はもうしょうがないとして、リボンの必要性を感じない。
これはデートに行く時とかにつけるとしよう。
ということは、一生このリボンを付けることはない。
さよなら私の青リボン。
靴箱の上にリボンを置いた。
「よし! 行こう! 歩きだよね? というか、私自転車ないし」
「うん。それで」
ドアを開けて、出発した。
なんだか遠足みたいだ。
「てんちゃん。なんだか楽しそうだね」
「まぁね~」
ドアの鍵をガチャリと閉めながら、微笑みながらそう言ってくる。
お姉ちゃんの雰囲気が、なんだか家の時とはまた違う。
大人びている、13歳の少女とは思えない。そんな感じだ。
スマホの地図を見ながら目的地のファミレスを探す。
……まぁ、割と近い。目的地までの距離は、1.5キロと表示されていた。
ここの住宅街を抜けたすぐそこにあるようで、まぁ、暗くなっても街灯があるので安全そうだ。
だけど、もう辺りは暗くなりかけている。
もう十数分もすれば、太陽は沈みそうだった。
「てんちゃん。地図見なくても、私場所わかるから大丈夫だよ。立ち止まってないで早くいこ、暗いのあまり好きじゃないしさ」
「あ、うん。そうだね。いこいこー」
と言って、肩を並べて歩き出す。
お姉ちゃんは少々早歩き気味だった。
「お姉ちゃん。服、似合ってるね」
「ありがと。いつも大体この服と、もう一個の服を使い回してる感じ」
「あんまこだわってない割には、すごい着こなしてる感あるよ」
「どうも。だけど、てんちゃんも似合ってる」
その返答に、心の中で「ありがとう」と呟く。
「そ、そうかな? ちょっと派手目なの選んじゃって。少し恥ずかしいかも」
「リボン付けたままだったら、もっと可愛い」
「恥ずいから付けません!」
と、ふと。
私は、気になったことをお姉ちゃんに問うてみる。
「……そ、そういえばさ。お姉ちゃんって学校には行ってないんでしょ?」
「うん」
「今度から中二だけど、まだ行く気ない?」
「うん。行かない」
「なんで?」
「なんとなく。不登校ってそういうもんだと思う。一度、不登校になったら復帰なんてそうそう無理。ましてや、義務教育だから、家で勉強してるってことにすれば、先生だって無理に学校行かせたりなんてしない」
希望を失っているような発言だった。
不登校のきっかけはやはり、母親の死、なのだろうけど。
「そうかな。学校だって楽しいと思うけど」
「私、中学校は入学式しか行ってない。友達だっていないし……」
「じゃあ、私が友達になろっか?」
「それはダメ」
……え?
ダメ。なの?
そんなに頑なに学校に行きたくないのか。
「……えっと、私じゃお姉ちゃんの側にいる資格ってないのかな?」
「いや、そういうことじゃなくて。てんちゃんはもっと──」
そこまで言って、お姉ちゃんは言葉を止めた。
少なくとも、否定的な言葉がその後に続くとは思えなかった。
「もっと」なんなのだろうか。続きを教えて欲しい。
ダメ、と言われたから嫌われたのかと思って、一瞬あせってしまった。
なぜ私は、こんなにも安心しているのだろうか。
玄関で、靴をトントンとしながら呼びかけた。
「したよ」
台所から声が飛んでくる。
そして、ドタドタと慌ただしく、黒いワンピースを見に纏ったお姉ちゃんがやってきた。
すごい清楚系女子って感じだ。
それに比べて私は、少し派手かな。
白いブラウスにベビーピンクの長スカート。
髪にちょこんと青いリボンも付けてみた。
いや、めっちゃ派手だろ。今気づいたわ。
なぜ着替えている時に気がつかなかったのか。
服はもうしょうがないとして、リボンの必要性を感じない。
これはデートに行く時とかにつけるとしよう。
ということは、一生このリボンを付けることはない。
さよなら私の青リボン。
靴箱の上にリボンを置いた。
「よし! 行こう! 歩きだよね? というか、私自転車ないし」
「うん。それで」
ドアを開けて、出発した。
なんだか遠足みたいだ。
「てんちゃん。なんだか楽しそうだね」
「まぁね~」
ドアの鍵をガチャリと閉めながら、微笑みながらそう言ってくる。
お姉ちゃんの雰囲気が、なんだか家の時とはまた違う。
大人びている、13歳の少女とは思えない。そんな感じだ。
スマホの地図を見ながら目的地のファミレスを探す。
……まぁ、割と近い。目的地までの距離は、1.5キロと表示されていた。
ここの住宅街を抜けたすぐそこにあるようで、まぁ、暗くなっても街灯があるので安全そうだ。
だけど、もう辺りは暗くなりかけている。
もう十数分もすれば、太陽は沈みそうだった。
「てんちゃん。地図見なくても、私場所わかるから大丈夫だよ。立ち止まってないで早くいこ、暗いのあまり好きじゃないしさ」
「あ、うん。そうだね。いこいこー」
と言って、肩を並べて歩き出す。
お姉ちゃんは少々早歩き気味だった。
「お姉ちゃん。服、似合ってるね」
「ありがと。いつも大体この服と、もう一個の服を使い回してる感じ」
「あんまこだわってない割には、すごい着こなしてる感あるよ」
「どうも。だけど、てんちゃんも似合ってる」
その返答に、心の中で「ありがとう」と呟く。
「そ、そうかな? ちょっと派手目なの選んじゃって。少し恥ずかしいかも」
「リボン付けたままだったら、もっと可愛い」
「恥ずいから付けません!」
と、ふと。
私は、気になったことをお姉ちゃんに問うてみる。
「……そ、そういえばさ。お姉ちゃんって学校には行ってないんでしょ?」
「うん」
「今度から中二だけど、まだ行く気ない?」
「うん。行かない」
「なんで?」
「なんとなく。不登校ってそういうもんだと思う。一度、不登校になったら復帰なんてそうそう無理。ましてや、義務教育だから、家で勉強してるってことにすれば、先生だって無理に学校行かせたりなんてしない」
希望を失っているような発言だった。
不登校のきっかけはやはり、母親の死、なのだろうけど。
「そうかな。学校だって楽しいと思うけど」
「私、中学校は入学式しか行ってない。友達だっていないし……」
「じゃあ、私が友達になろっか?」
「それはダメ」
……え?
ダメ。なの?
そんなに頑なに学校に行きたくないのか。
「……えっと、私じゃお姉ちゃんの側にいる資格ってないのかな?」
「いや、そういうことじゃなくて。てんちゃんはもっと──」
そこまで言って、お姉ちゃんは言葉を止めた。
少なくとも、否定的な言葉がその後に続くとは思えなかった。
「もっと」なんなのだろうか。続きを教えて欲しい。
ダメ、と言われたから嫌われたのかと思って、一瞬あせってしまった。
なぜ私は、こんなにも安心しているのだろうか。
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