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第四十話 フィナーレ
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「――【過剰結実】」
アリアが叫ぶ。その瞬間。
地下水路の最深部、儀式の祭壇に置かれた『豊穣の種火』が黄金色の光を爆発させたように噴き出した。
それはノアの力ではない。
アリアの定義によって、本来の力をその何百倍もの規模で強制的に解放させられた、種火自身の力だった。
ドォォォンッ。
地下水路全体を揺るがす轟音が響き渡る。
リーダー格の男は、そのあまりに純粋であまりに強大な豊穣のエネルギーの奔流に、なすすべもなかった。
「ぐ……あ……あああああッ!?」
彼の存在と彼が行っていた「強奪」という邪悪な儀式は「与え、育む」という豊穣の概念とは、完全に真逆の相容れない理だった。
彼は爆風に吹き飛ばされたのではない。
あまりに純粋であまりに強大な「生」の概念の奔流に、彼の「死」と「破壊」を望む存在そのものが耐えきれず、上書きされ崩壊していく。
彼の体はまるで役目を終えたかのように、内側から砕け散り黄金色の光の中へと溶けて消えた。
そして暴走した黄金色の光は、行き場を求めて地下水路の天井を突き破り、一本の巨大な光の柱となって夜空へと駆け上がっていった。
アリアの「天へと芽吹かせる」という的確な定義が、その破壊的なエネルギーのベクトルを上空へと向けさせていた。
ノアたちの足元はただ温かい光に満たされるだけで、その奔流の根元にいたノアたちが無事だったのはひとえに彼女の知性のおかげだった。
◆◆◆
その頃、地上の広場は絶望と混乱に包まれていた。
祭りのフィナーレである『天への種蒔き』の中止が告げられ、街の人々はただ呆然と、静まり返った夜空を見上げていた。
だが、その時だった。
「「「―――!!!」」」
誰かの驚きの声が波のように広がっていく。
人々が見上げる夜空の中心から突如、巨大な黄金色の光の柱が天に向かって伸び上がったのだ。
そしてその光は、夜空の最も高い場所で弾けた。
それは無数の黄金色の流星群となって、ミストラルの街に降り注いだ。
まるで夜空に、黄金色の麦畑が生まれたかのように。
一年で最も美しい、奇跡の光景。
「『天への種蒔き』だ……!」
「ああ……! なんて、なんて美しいんだ……!」
広場は割れんばかりの歓声に包まれた。
誰も、その光が、自分たちの知らない地下での死闘の末に生まれたものだとは知る由もない。
◆◆◆
「……やった……」
地下水路で、アリアは気を失ったノアを抱きしめながら安堵の息をついた。
クローナは呆然とした顔で、天井に開いた大穴から見える黄金色の光を見つめている。
「……あいつ、本当に……」
彼女は気を失ったままのノアを見つめ、心からの尊敬を込めてそう呟いた。
盗賊団が遺した祭壇には、力を使い果たし今はただ穏やかに輝くだけの『豊穣の種火』が確かに残されていた。
ミストラルの街を救った三人の若者たちの孤独な戦いは、今、終わりを告げた。
アリアが叫ぶ。その瞬間。
地下水路の最深部、儀式の祭壇に置かれた『豊穣の種火』が黄金色の光を爆発させたように噴き出した。
それはノアの力ではない。
アリアの定義によって、本来の力をその何百倍もの規模で強制的に解放させられた、種火自身の力だった。
ドォォォンッ。
地下水路全体を揺るがす轟音が響き渡る。
リーダー格の男は、そのあまりに純粋であまりに強大な豊穣のエネルギーの奔流に、なすすべもなかった。
「ぐ……あ……あああああッ!?」
彼の存在と彼が行っていた「強奪」という邪悪な儀式は「与え、育む」という豊穣の概念とは、完全に真逆の相容れない理だった。
彼は爆風に吹き飛ばされたのではない。
あまりに純粋であまりに強大な「生」の概念の奔流に、彼の「死」と「破壊」を望む存在そのものが耐えきれず、上書きされ崩壊していく。
彼の体はまるで役目を終えたかのように、内側から砕け散り黄金色の光の中へと溶けて消えた。
そして暴走した黄金色の光は、行き場を求めて地下水路の天井を突き破り、一本の巨大な光の柱となって夜空へと駆け上がっていった。
アリアの「天へと芽吹かせる」という的確な定義が、その破壊的なエネルギーのベクトルを上空へと向けさせていた。
ノアたちの足元はただ温かい光に満たされるだけで、その奔流の根元にいたノアたちが無事だったのはひとえに彼女の知性のおかげだった。
◆◆◆
その頃、地上の広場は絶望と混乱に包まれていた。
祭りのフィナーレである『天への種蒔き』の中止が告げられ、街の人々はただ呆然と、静まり返った夜空を見上げていた。
だが、その時だった。
「「「―――!!!」」」
誰かの驚きの声が波のように広がっていく。
人々が見上げる夜空の中心から突如、巨大な黄金色の光の柱が天に向かって伸び上がったのだ。
そしてその光は、夜空の最も高い場所で弾けた。
それは無数の黄金色の流星群となって、ミストラルの街に降り注いだ。
まるで夜空に、黄金色の麦畑が生まれたかのように。
一年で最も美しい、奇跡の光景。
「『天への種蒔き』だ……!」
「ああ……! なんて、なんて美しいんだ……!」
広場は割れんばかりの歓声に包まれた。
誰も、その光が、自分たちの知らない地下での死闘の末に生まれたものだとは知る由もない。
◆◆◆
「……やった……」
地下水路で、アリアは気を失ったノアを抱きしめながら安堵の息をついた。
クローナは呆然とした顔で、天井に開いた大穴から見える黄金色の光を見つめている。
「……あいつ、本当に……」
彼女は気を失ったままのノアを見つめ、心からの尊敬を込めてそう呟いた。
盗賊団が遺した祭壇には、力を使い果たし今はただ穏やかに輝くだけの『豊穣の種火』が確かに残されていた。
ミストラルの街を救った三人の若者たちの孤独な戦いは、今、終わりを告げた。
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