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第7章 背面軍の奮闘と熊本城完全解囲
第2話
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この時、僅か1日で八代市を制圧した背面軍の士気は高かった。
この勢いで、甲佐へ川尻へ更に熊本城へ、と背面軍は進撃して、4日もあれば熊本城は救援できるのではないか、西郷軍の主力が田原坂へ向かっている以上、八代から熊本への路はそう困難ではあるまい、そんな楽観的な見方さえ背面軍の一部にはある程だった。
だが、八代を奪われた西郷軍は当然、即座に反撃を開始した。
熊本から40キロも離れてはいない、ということは、裏を返せば、1日もあれば、西郷軍は強行軍により、熊本城攻囲軍から背面軍阻止の部隊を差し向けられるということでもあったのだ。
「さすがに簡単には、我々を熊本城へは進ませてくれないか」
滝川充太郎少佐は、そう呟いていた。
3月20日早朝から、熊本城救援に進軍した背面軍の先鋒に、第2海兵大隊は充てられていた。
そして、早速、第1の関門となる氷川まで、第2海兵大隊は進軍を果たしたのだが。
氷川対岸に西郷軍は、滝川少佐がざっと見たところでも、1000名余りの部隊を展開して、背面軍を阻止しようとしていた、という事態が起こっていたのだ。
「艦砲射撃の支援を仰げれば楽なのだが、
さすがに海岸からこれだけ離れていては艦からの直接照準が出来ず、無理もいいところだからな」
滝川少佐は、そうも呟いて、部下を散開させて攻撃準備を整えた。
第2海兵大隊だけでは、1000名にも満たないが、後続の部隊を含めれば2倍近い。
西郷軍がこれに対応しようとすれば、どうしても部隊配備が薄くなるところが出てくる。
更に、こちらが攻勢であるというのも有利な点だった。
相手の弱点を探って、その弱点に、自分達は攻撃を集中できる。
陸軍の砲兵が、氷川対岸に展開する西郷軍に、直接砲撃を浴びせる。
それによって、西郷軍がひるんだところに、氷川の渡渉が少しでも楽なところを探りながら、第2海兵大隊は、氷川の渡渉を開始した。
湿気に極めて弱い海兵隊のシャスポー銃は、本体も弾薬も濡らすのは厳禁といってよい。
第2海兵大隊の一部の部隊が、掩護射撃を展開している間に、残りの部隊は銃や弾薬箱を濡らさないように、懸命に努力しながら、氷川を渡河していく。
渡河を果たした部隊が、西郷軍に突撃を開始した。
激闘数刻、その間に第2海兵大隊以外の背面軍の諸部隊も、徐々に氷川の渡河を果たし出した。
更に、渡河を果たした部隊、特に第2海兵大隊は、氷川の西郷軍の防衛線を、徐々に崩壊させだした。
こういった状況に鑑み、西郷軍は氷川での背面軍の阻止は困難、と判断したのか、退却を開始した。
「全力で追撃しろ」
この状況から、そう滝川少佐は部下を鼓舞したが、西郷軍も阻止に必死である。
それに西郷軍の援軍等も、滝川少佐らには正確につかめておらず、気になるものだった。
そういったことから、第2海兵大隊の追撃は、砂川へたどり着く前の中途半端な段階ではあったが、中止せざるを得ない状況になり、20日の夕暮れを迎えることになった。
「背面軍が、熊本への進撃を果たし、熊本城を解放するには、もっと増援が絶対にいるな。
どれだけの兵力を、背面軍に回してくれるのやら」
3月20日の夜、滝川少佐は、そう独り言を言っていた。
それに滝川少佐には、気になることがもう1つあった。
熊本方面のみならず、鹿児島方面からも西郷軍が投入されるのではないか、ということである。
もし、そうなったら、背面軍が逆に西郷軍によって挟撃されるという事態が生じてしまう。
「さて、どちらが先になるかな。
我々に増援が駆けつけるのが先か、それとも、西郷軍の鹿児島方面からの援軍が駆けつけるのが先か。
それによって勝負が決まるな」
滝川少佐は考え込まざるを得なかった。
この勢いで、甲佐へ川尻へ更に熊本城へ、と背面軍は進撃して、4日もあれば熊本城は救援できるのではないか、西郷軍の主力が田原坂へ向かっている以上、八代から熊本への路はそう困難ではあるまい、そんな楽観的な見方さえ背面軍の一部にはある程だった。
だが、八代を奪われた西郷軍は当然、即座に反撃を開始した。
熊本から40キロも離れてはいない、ということは、裏を返せば、1日もあれば、西郷軍は強行軍により、熊本城攻囲軍から背面軍阻止の部隊を差し向けられるということでもあったのだ。
「さすがに簡単には、我々を熊本城へは進ませてくれないか」
滝川充太郎少佐は、そう呟いていた。
3月20日早朝から、熊本城救援に進軍した背面軍の先鋒に、第2海兵大隊は充てられていた。
そして、早速、第1の関門となる氷川まで、第2海兵大隊は進軍を果たしたのだが。
氷川対岸に西郷軍は、滝川少佐がざっと見たところでも、1000名余りの部隊を展開して、背面軍を阻止しようとしていた、という事態が起こっていたのだ。
「艦砲射撃の支援を仰げれば楽なのだが、
さすがに海岸からこれだけ離れていては艦からの直接照準が出来ず、無理もいいところだからな」
滝川少佐は、そうも呟いて、部下を散開させて攻撃準備を整えた。
第2海兵大隊だけでは、1000名にも満たないが、後続の部隊を含めれば2倍近い。
西郷軍がこれに対応しようとすれば、どうしても部隊配備が薄くなるところが出てくる。
更に、こちらが攻勢であるというのも有利な点だった。
相手の弱点を探って、その弱点に、自分達は攻撃を集中できる。
陸軍の砲兵が、氷川対岸に展開する西郷軍に、直接砲撃を浴びせる。
それによって、西郷軍がひるんだところに、氷川の渡渉が少しでも楽なところを探りながら、第2海兵大隊は、氷川の渡渉を開始した。
湿気に極めて弱い海兵隊のシャスポー銃は、本体も弾薬も濡らすのは厳禁といってよい。
第2海兵大隊の一部の部隊が、掩護射撃を展開している間に、残りの部隊は銃や弾薬箱を濡らさないように、懸命に努力しながら、氷川を渡河していく。
渡河を果たした部隊が、西郷軍に突撃を開始した。
激闘数刻、その間に第2海兵大隊以外の背面軍の諸部隊も、徐々に氷川の渡河を果たし出した。
更に、渡河を果たした部隊、特に第2海兵大隊は、氷川の西郷軍の防衛線を、徐々に崩壊させだした。
こういった状況に鑑み、西郷軍は氷川での背面軍の阻止は困難、と判断したのか、退却を開始した。
「全力で追撃しろ」
この状況から、そう滝川少佐は部下を鼓舞したが、西郷軍も阻止に必死である。
それに西郷軍の援軍等も、滝川少佐らには正確につかめておらず、気になるものだった。
そういったことから、第2海兵大隊の追撃は、砂川へたどり着く前の中途半端な段階ではあったが、中止せざるを得ない状況になり、20日の夕暮れを迎えることになった。
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どれだけの兵力を、背面軍に回してくれるのやら」
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それに滝川少佐には、気になることがもう1つあった。
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もし、そうなったら、背面軍が逆に西郷軍によって挟撃されるという事態が生じてしまう。
「さて、どちらが先になるかな。
我々に増援が駆けつけるのが先か、それとも、西郷軍の鹿児島方面からの援軍が駆けつけるのが先か。
それによって勝負が決まるな」
滝川少佐は考え込まざるを得なかった。
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