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第7章 背面軍の奮闘と熊本城完全解囲
第4話
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話がまたも相前後する。
その頃、別府晋介と辺見十郎太は、熊本城攻防戦等により消耗した西郷軍の兵員を補充するため、3月から鹿児島に戻って募兵していたが、中々上手くいってはいなかった。
鹿児島以外では、鹿児島全てが、西郷軍一色であったかのように見られがちだが、実際には、鹿児島全てが、西郷軍一色であったわけではなかったからだ。
例えば、大久保利通と共に東京に残って政府の一角を占める鹿児島出身者の支持者もいるし、かなり減っていたとはいえ、今でも島津久光の威光に従う者もいたのだ。
特に、島津久光と西郷隆盛は、知る人ぞ知る犬猿の仲である。
そして、島津久光は、西郷軍の挙兵に際し、局外中立ともいえる立場をとって、その周囲も同調した。
更に西郷に心服していた者から、真っ先に西郷軍に志願していた。
そのために、別府や辺見が西郷軍の募兵をしても、今の鹿児島に残っている者は、反西郷とまでは言わないまでも非西郷の者が多かったことから、募兵に応じる者は少なかった。
そのために、西郷軍の兵員補充はままならなかったのである。
そういったことから、微罪の者の刑を免ずる代わりに、西郷軍の兵に志願させる等の非常手段まで講じて、別府と辺見は、何とか2000名余りの兵を整えた。
その兵を率いて、別府らが、鹿児島から熊本へ向かおうとしたところに、背面軍が八代に上陸し、八代港等が陥落したとの急報が入ったのだ。
別府らは自らが集めた兵をもって、急きょ八代港の奪回を図ることになった。
人吉まで別府らが進んだところ、そこには、西郷軍に協力を申し出た熊本出身の宮崎一郎が、協同隊を率いて待っていた。
宮崎は協同隊と共に山鹿方面で戦っていたが、西郷軍司令部の命令により、山沿いの間道を通って、別府らの援軍に来たのである。
地元ということもあり、地理に詳しい宮崎に先導させて、別府らは人吉から八代港に向かった。
「さすがにある程度は防備を固めているな」
八代港近辺まで進軍すると、背面軍が防備を固めているのが、辺見に見えた。
それを見た辺見は、背面軍の防備を見て呟いた。
「しかし、八代港を奪還しないと西郷さんが危ない。
そして、八代港を奪還すれば、背面軍は袋の鼠になる」
八代港を守備する背面軍は、当初は、別働第3旅団から派遣された2個中隊に過ぎなかったが、西郷軍接近の情報を得たことにより、別府らが迫る頃には、1個大隊余りに増強されていた。
4月4日から、球磨川沿いに攻撃を始めた西郷軍は、辺見を先鋒にして八代港を目指した。
辺見は猛将である。
背面軍の射撃の弾雨の中を、辺見は先陣を切って突撃し、背面軍の陣地に真っ先に躍り込む等して奮闘し、6日には八代港まで西郷軍は、指呼の間に達した。
だが、それはある意味、背面軍の罠に掛かった上での進撃であった。
「突撃馬鹿が」
辺見を先鋒とする西郷軍の猛攻を見た川路利良別働第3旅団長は、鼻を鳴らしながら言った。
「あいつらは、側面ががら空きになりつつあるのに気づいとらん。
目を覚まさせてやる」
川路は、熊本城救援に向かわせていた部隊から援軍に来た1個大隊を迂回させ、西郷軍の側面に突撃させたのだ。
八代港まで後一歩と考えていた西郷軍は、予期せぬ側面から突撃に壊乱状態に陥った。
「しまった」
辺見自身が慌てふためく始末だった。
「ここは退却してください。殿を務めます」
宮崎が辺見を懸命に諌めて退却させたが、自らは戦死した。
別府も、また重傷を負った。
ここに八代港攻防戦は一時、背面軍が勝利を収めた。
だが、背面軍も主力を熊本城救援に向かわせていたために守勢を執らざるを得ず、これ以降、八代港攻防戦は、ほぼ睨み合いのまま、しばらくは膠着状態に陥った。
その頃、別府晋介と辺見十郎太は、熊本城攻防戦等により消耗した西郷軍の兵員を補充するため、3月から鹿児島に戻って募兵していたが、中々上手くいってはいなかった。
鹿児島以外では、鹿児島全てが、西郷軍一色であったかのように見られがちだが、実際には、鹿児島全てが、西郷軍一色であったわけではなかったからだ。
例えば、大久保利通と共に東京に残って政府の一角を占める鹿児島出身者の支持者もいるし、かなり減っていたとはいえ、今でも島津久光の威光に従う者もいたのだ。
特に、島津久光と西郷隆盛は、知る人ぞ知る犬猿の仲である。
そして、島津久光は、西郷軍の挙兵に際し、局外中立ともいえる立場をとって、その周囲も同調した。
更に西郷に心服していた者から、真っ先に西郷軍に志願していた。
そのために、別府や辺見が西郷軍の募兵をしても、今の鹿児島に残っている者は、反西郷とまでは言わないまでも非西郷の者が多かったことから、募兵に応じる者は少なかった。
そのために、西郷軍の兵員補充はままならなかったのである。
そういったことから、微罪の者の刑を免ずる代わりに、西郷軍の兵に志願させる等の非常手段まで講じて、別府と辺見は、何とか2000名余りの兵を整えた。
その兵を率いて、別府らが、鹿児島から熊本へ向かおうとしたところに、背面軍が八代に上陸し、八代港等が陥落したとの急報が入ったのだ。
別府らは自らが集めた兵をもって、急きょ八代港の奪回を図ることになった。
人吉まで別府らが進んだところ、そこには、西郷軍に協力を申し出た熊本出身の宮崎一郎が、協同隊を率いて待っていた。
宮崎は協同隊と共に山鹿方面で戦っていたが、西郷軍司令部の命令により、山沿いの間道を通って、別府らの援軍に来たのである。
地元ということもあり、地理に詳しい宮崎に先導させて、別府らは人吉から八代港に向かった。
「さすがにある程度は防備を固めているな」
八代港近辺まで進軍すると、背面軍が防備を固めているのが、辺見に見えた。
それを見た辺見は、背面軍の防備を見て呟いた。
「しかし、八代港を奪還しないと西郷さんが危ない。
そして、八代港を奪還すれば、背面軍は袋の鼠になる」
八代港を守備する背面軍は、当初は、別働第3旅団から派遣された2個中隊に過ぎなかったが、西郷軍接近の情報を得たことにより、別府らが迫る頃には、1個大隊余りに増強されていた。
4月4日から、球磨川沿いに攻撃を始めた西郷軍は、辺見を先鋒にして八代港を目指した。
辺見は猛将である。
背面軍の射撃の弾雨の中を、辺見は先陣を切って突撃し、背面軍の陣地に真っ先に躍り込む等して奮闘し、6日には八代港まで西郷軍は、指呼の間に達した。
だが、それはある意味、背面軍の罠に掛かった上での進撃であった。
「突撃馬鹿が」
辺見を先鋒とする西郷軍の猛攻を見た川路利良別働第3旅団長は、鼻を鳴らしながら言った。
「あいつらは、側面ががら空きになりつつあるのに気づいとらん。
目を覚まさせてやる」
川路は、熊本城救援に向かわせていた部隊から援軍に来た1個大隊を迂回させ、西郷軍の側面に突撃させたのだ。
八代港まで後一歩と考えていた西郷軍は、予期せぬ側面から突撃に壊乱状態に陥った。
「しまった」
辺見自身が慌てふためく始末だった。
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別府も、また重傷を負った。
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だが、背面軍も主力を熊本城救援に向かわせていたために守勢を執らざるを得ず、これ以降、八代港攻防戦は、ほぼ睨み合いのまま、しばらくは膠着状態に陥った。
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