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第一章
8話 ③消失
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「——くん、ゔぉんゔぁーとくん……」
ん? オロ……ク?
泣いているオロクの声にフッと意識が戻って、目をぱちぱちと瞬かせる。あの真っ白天幕のベッドの上か?
俺の胸に縋り付いているオロクの頭を撫でると、ビクッと震えてバッとオロクが顔を上げた。
「ゔぉ、ゔぉんゔぁーと……く?」
「おぅ、どうした? そんなに泣きじゃくってよ」
目を真っ赤に腫らしたオロクが額を合わせてくる。何も言わずにぽろぽろ俺の上に涙を降らせるのをじっと見つめ返す。
泣くほど悲しんでくれて嬉しいとは思うけど、ほんとにかわいいって思うことねえな……。姫野恋でもねえなら誰の感情だったんだ?
「……ヴォンヴァートくん、もう前のヴォンヴァートくんとは違うの?」
「…………ああ。お前にくっつかれてもドキドキしねぇし」
「もう、いないんだね」
潤んだ声にハッとする。俺はオロクとまた会ったような気がしてるけど、向こうにとっては俺はもう別人なんだ。
「ヴォンヴァートくん……ヴォンヴァートくんっ」
分離する前の俺を呼ぶ声と同じ声で名前を呼び続ける。意識が薄れる前に聞こえた泣き叫んでいた声とこの声が重なる。
「いやだよ……ヴォンヴァートくん、消えないで……戻ってきてよ、ごめん、ごめん……ヴォンヴァートくんっ、ヴォンヴァートく……」
「オロク、あいつが誰を好きだったかは俺も分からねぇけどさ……これだけは分かってる。あいつはお前が泣くのは嫌だった」
オロクの涙を拭ってやるけど、オロクは目も鼻も頬も真っ赤にして泣きじゃくる。俺の胸に縋ってくるオロクの背中を、ぽんぽんと叩き続ける。
「ヴォンヴァートくん、大好きだよ……ヴォンヴァートくんっ、好きなんだ……愛してるんだ……っ」
「きっと戸惑うよ」
「好きだ……好き、ヴォンヴァートくん……」
「オロク……泣かないでくれよ」
こいつが求めるヴォンヴァートが分からねぇけど、前の俺だったらどう答えるのか想像しながら答えてやる。
「ごめんね、ヴォンヴァートくん……俺が、俺が止めてれば……わがまま、もっと……言ってれば……君はいなくならなかったのに……っ」
「オロク……俺は責めてねぇよ」
「もっと、一緒にいたかった……愛してるんだ、ヴォンヴァートくん」
オロクの悲痛な声の振動が胸に伝わってくると、ぎゅっと胸が締め付けられて涙が溢れてくる。そんなに好きでいてくれてたのか、オロク……。
「ありがとう、オロク。お前が好きになってくれて嬉しかった」
「ヴォンヴァートくん……」
「オロク、大好きだったよ」
言ってはいけないって分かってたのに、いつの間にか口に出てた。ああ、そうか。前の俺は、オロクのことが好きだったのか。そう納得する。
オロクはそれを察したのか、黙ってただ俺の胸で泣き続けた。そんなオロクを見ながら、いつか、オロクが前の俺以上に好きだと思う相手に出会って欲しいと思った。
俺も、いつか、こんな風に誰かを好きになりたいと思った。
オロクの涙を、とても綺麗だと思ったからだ。
***
俺は約束通り学園に帰された。オロクとは別れたけど、あいつはまだ学園に帰ってきてないみたいだった。シェルターへ向かうと俺を見つけた生徒がチヨ先生を呼んでくれたらしい。
「ヴォンヴァートくん、大丈夫!? すごく心配したんだよ……! 本当によかった、無事でよかった……」
ヴォンヴァートの顔は変わっているはずなのに、神の力なのか誰も違和感を持っていないみたいだった。
チヨ先生が泣きながら俺の両肩を掴んで揺する。不思議なことに前までかわいいと思っていたチヨ先生を少しもかわいいと思えねぇ。オロクのこともそうだったな……。オロク、これがお前がくれた俺の意思ってやつか? 確かにすごく、気が楽だけどさ……。なんか、すごくぽっかり穴が空いたみたいな喪失感があるんだ。
「……秋月?」
「え?」
チヨ先生が振り返った先には、見知らぬ顔の男性が立っていた。先生と同い年くらいか? あ、この懐かしい感じ、もしかして……
「ひ、姫野……くん? どう言うこと? なんで君が……」
やっぱり。
「秋月……っ!」
金髪で割と整った顔の不良——姫野恋がチヨ先生を抱きしめる。チヨ先生は理解が追いつかないみたいだ。そりゃそうだよな、今までは前のヴォンヴァートが姫野恋だったんだから。
「先生、俺とその人、来世ポイントで分離したんです」
「え、じゃあ、ほ、本当に姫野くんなの? 幻じゃなくて?」
「ああ、そうだよ。なんだその顔ウケるな」
これ以上イチャイチャを見てても、ゾワゾワするし退散するか。そう思って「先生、俺空気を読んで大部屋に帰ります」と伝えてから踵を返す、返したとたんにしつこそうなリップ音が聞こえてきた。
姫野恋……我慢してたんだな。
大部屋に入るとクラスメイトたちに囲まれる。みんなが「よかった」と言うたびに、少しずつこれで良かったんだと思えてきた。
「ヴォンヴァートくん、ちょっといいかい?」
「シロくん……」
姫野恋の記憶はもうないけど、前の俺として過ごした記憶はある。姫野恋が飼っていた兎に似ているから、シロくんと呼んでいたのは知ってる。俺も今更キリクゥとは呼べそうにねぇ。
シロくんと誰もいない広間のベンチに座る。
「君が無事で良かったよ。攫われてる間、オロクとは会ってない?」
「会ったよ。でもしばらくは帰ってこないと思う」
「どう言うこと?」
シロくんに真剣な目で見つめられる。そうだった、オロクがスパイだとか、あそこで生まれたとか知らねえんだ。
「詳しくは話せねぇ。シロくんに隠し事はしたくねぇんだけどさ、オロクの口から言うべきだと思うんだよ。あいつのこと、勝手に話していいかも分かんねぇし」
「そっか。ありがとうヴォンヴァートくん、君も大変だったのにオロクのことまで気にかけてくれて」
「そりゃまあ……友達だからな」
シロくんと気まずい空間を過ごしていると、小さなため息が隣から聞こえた。
「シロくん? 悩み事?」
「まあね、少し気になることがあって。大変な目にあった君にこんなこと聞くのは失礼かもしれないけど聞いてもいいかい?」
「お、おぅ? いいけど……」
「好きなのはオロク? それともシーシェン先生?」
「どっちもちげえけどなんで?」
つい最近まで答えが出なかったんだけどな。前の俺の気持ちは伝える必要はねえよな。いや、もうおれが実験体だってクラスメイトたちまで知ってるんだし、言ってもいいか?
「実は俺、前の俺じゃねえんだ。闇魔術組織で実験されてさ、前の俺は俺とあと二人の感情が混ざってたんだけど、今は俺だけになったから……言ってる意味分かるか?」
「ある程度は。そんな目に遭ってたんだ……良かったよ、命に関わることじゃなくて」
「オロクにとっては命に関わってたみたいだ。前の俺が好きだったのはオロクだよ。あいつ、泣きじゃくって大変だったんだ」
「……じゃあ、俺が知りたかった君の気持ちは、それだったんだね。そうか、オロクが好きだったんだ……」
「シロくんもまさか前の俺を好きだったとか言わねぇよな~?」
ニヤニヤと笑いかけると、シロくんはにこっと微笑んでこちらを見る。
「ずっと好きって伝えてるつもりだったんだけど伝わってなかったのかな?」
うわ、イケメンすげえ。率直に言ってきやがった。
「し、シロくんまで泣き出さないでくれよ? 俺本当にこれで良かったのかって思っちまって……オロクは後悔してたし」
「そりゃ、好きな人が自分を好きだったのにいなくなったら泣くよ」
「……でも、俺はあのままだとあいつのこと好きだってことにも気づけなかったんだぞ?」
「……それは、残酷だね」
——ヴォンヴァートくんってたまに残酷だよね
オロク? もしかしてお前、俺の気持ち、分かってたのか?
「ヴォンヴァートくん?」
「……俺が、オロクを好きだったら違ってたのかな」
「…………。違わないさ。オロクが好きなのは前の君なんだから、今の君に好かれたって困るだけだよ」
「シロくん流石にオロクのこと分かってるな~」
「オロクのことも大好きだからね」
「え?」
「ん?」
「その好きは、友達の好きだろ~!? び、びっくりしただろ!」
「ん? 恋愛の好きだけど?」
「…………はい? え、じゃあ俺のことは友達として……」
「恋愛の好きだよ?」
「…………」
俺今すごいショック受けてんだけど? な、なんでだ? シロくんが意外と悪い子だったからか? いや、それもなんだけど……すっげえモヤモヤする!
「お、オロクと俺どっちが——」
「君だよ。違いをつけるなら、オロクの方は過去形ってことかな。君に恋してるんだって気づいてから、オロクへの感情も恋愛だったんだって気づいたって話だよ」
そう聞いてほっとした。や、やっぱりシロくんが二人を同時に好きかもしれねぇってことにモヤっとしてたんだな。
「今のヴォンヴァートくんには好きな人いないの?」
「お、おぅ。今のところは」
「ふぅん。今のところはってことは、もうすぐ俺のことを好きになるかもね」
「え」
「楽しみにしてるよ。前の君はオロクに取られちゃったけど、今の君は絶対に俺のものにして見せる。覚悟してて」
つん、と額を人差し指で突かれる。そのまま俺は後ろに倒れてベンチに寝そべってしまう。シロくんが去っていく足音が聞こえる。
マジかよ……。恋愛云々からはしばらく離れられると思ってたのに……。
ん? オロ……ク?
泣いているオロクの声にフッと意識が戻って、目をぱちぱちと瞬かせる。あの真っ白天幕のベッドの上か?
俺の胸に縋り付いているオロクの頭を撫でると、ビクッと震えてバッとオロクが顔を上げた。
「ゔぉ、ゔぉんゔぁーと……く?」
「おぅ、どうした? そんなに泣きじゃくってよ」
目を真っ赤に腫らしたオロクが額を合わせてくる。何も言わずにぽろぽろ俺の上に涙を降らせるのをじっと見つめ返す。
泣くほど悲しんでくれて嬉しいとは思うけど、ほんとにかわいいって思うことねえな……。姫野恋でもねえなら誰の感情だったんだ?
「……ヴォンヴァートくん、もう前のヴォンヴァートくんとは違うの?」
「…………ああ。お前にくっつかれてもドキドキしねぇし」
「もう、いないんだね」
潤んだ声にハッとする。俺はオロクとまた会ったような気がしてるけど、向こうにとっては俺はもう別人なんだ。
「ヴォンヴァートくん……ヴォンヴァートくんっ」
分離する前の俺を呼ぶ声と同じ声で名前を呼び続ける。意識が薄れる前に聞こえた泣き叫んでいた声とこの声が重なる。
「いやだよ……ヴォンヴァートくん、消えないで……戻ってきてよ、ごめん、ごめん……ヴォンヴァートくんっ、ヴォンヴァートく……」
「オロク、あいつが誰を好きだったかは俺も分からねぇけどさ……これだけは分かってる。あいつはお前が泣くのは嫌だった」
オロクの涙を拭ってやるけど、オロクは目も鼻も頬も真っ赤にして泣きじゃくる。俺の胸に縋ってくるオロクの背中を、ぽんぽんと叩き続ける。
「ヴォンヴァートくん、大好きだよ……ヴォンヴァートくんっ、好きなんだ……愛してるんだ……っ」
「きっと戸惑うよ」
「好きだ……好き、ヴォンヴァートくん……」
「オロク……泣かないでくれよ」
こいつが求めるヴォンヴァートが分からねぇけど、前の俺だったらどう答えるのか想像しながら答えてやる。
「ごめんね、ヴォンヴァートくん……俺が、俺が止めてれば……わがまま、もっと……言ってれば……君はいなくならなかったのに……っ」
「オロク……俺は責めてねぇよ」
「もっと、一緒にいたかった……愛してるんだ、ヴォンヴァートくん」
オロクの悲痛な声の振動が胸に伝わってくると、ぎゅっと胸が締め付けられて涙が溢れてくる。そんなに好きでいてくれてたのか、オロク……。
「ありがとう、オロク。お前が好きになってくれて嬉しかった」
「ヴォンヴァートくん……」
「オロク、大好きだったよ」
言ってはいけないって分かってたのに、いつの間にか口に出てた。ああ、そうか。前の俺は、オロクのことが好きだったのか。そう納得する。
オロクはそれを察したのか、黙ってただ俺の胸で泣き続けた。そんなオロクを見ながら、いつか、オロクが前の俺以上に好きだと思う相手に出会って欲しいと思った。
俺も、いつか、こんな風に誰かを好きになりたいと思った。
オロクの涙を、とても綺麗だと思ったからだ。
***
俺は約束通り学園に帰された。オロクとは別れたけど、あいつはまだ学園に帰ってきてないみたいだった。シェルターへ向かうと俺を見つけた生徒がチヨ先生を呼んでくれたらしい。
「ヴォンヴァートくん、大丈夫!? すごく心配したんだよ……! 本当によかった、無事でよかった……」
ヴォンヴァートの顔は変わっているはずなのに、神の力なのか誰も違和感を持っていないみたいだった。
チヨ先生が泣きながら俺の両肩を掴んで揺する。不思議なことに前までかわいいと思っていたチヨ先生を少しもかわいいと思えねぇ。オロクのこともそうだったな……。オロク、これがお前がくれた俺の意思ってやつか? 確かにすごく、気が楽だけどさ……。なんか、すごくぽっかり穴が空いたみたいな喪失感があるんだ。
「……秋月?」
「え?」
チヨ先生が振り返った先には、見知らぬ顔の男性が立っていた。先生と同い年くらいか? あ、この懐かしい感じ、もしかして……
「ひ、姫野……くん? どう言うこと? なんで君が……」
やっぱり。
「秋月……っ!」
金髪で割と整った顔の不良——姫野恋がチヨ先生を抱きしめる。チヨ先生は理解が追いつかないみたいだ。そりゃそうだよな、今までは前のヴォンヴァートが姫野恋だったんだから。
「先生、俺とその人、来世ポイントで分離したんです」
「え、じゃあ、ほ、本当に姫野くんなの? 幻じゃなくて?」
「ああ、そうだよ。なんだその顔ウケるな」
これ以上イチャイチャを見てても、ゾワゾワするし退散するか。そう思って「先生、俺空気を読んで大部屋に帰ります」と伝えてから踵を返す、返したとたんにしつこそうなリップ音が聞こえてきた。
姫野恋……我慢してたんだな。
大部屋に入るとクラスメイトたちに囲まれる。みんなが「よかった」と言うたびに、少しずつこれで良かったんだと思えてきた。
「ヴォンヴァートくん、ちょっといいかい?」
「シロくん……」
姫野恋の記憶はもうないけど、前の俺として過ごした記憶はある。姫野恋が飼っていた兎に似ているから、シロくんと呼んでいたのは知ってる。俺も今更キリクゥとは呼べそうにねぇ。
シロくんと誰もいない広間のベンチに座る。
「君が無事で良かったよ。攫われてる間、オロクとは会ってない?」
「会ったよ。でもしばらくは帰ってこないと思う」
「どう言うこと?」
シロくんに真剣な目で見つめられる。そうだった、オロクがスパイだとか、あそこで生まれたとか知らねえんだ。
「詳しくは話せねぇ。シロくんに隠し事はしたくねぇんだけどさ、オロクの口から言うべきだと思うんだよ。あいつのこと、勝手に話していいかも分かんねぇし」
「そっか。ありがとうヴォンヴァートくん、君も大変だったのにオロクのことまで気にかけてくれて」
「そりゃまあ……友達だからな」
シロくんと気まずい空間を過ごしていると、小さなため息が隣から聞こえた。
「シロくん? 悩み事?」
「まあね、少し気になることがあって。大変な目にあった君にこんなこと聞くのは失礼かもしれないけど聞いてもいいかい?」
「お、おぅ? いいけど……」
「好きなのはオロク? それともシーシェン先生?」
「どっちもちげえけどなんで?」
つい最近まで答えが出なかったんだけどな。前の俺の気持ちは伝える必要はねえよな。いや、もうおれが実験体だってクラスメイトたちまで知ってるんだし、言ってもいいか?
「実は俺、前の俺じゃねえんだ。闇魔術組織で実験されてさ、前の俺は俺とあと二人の感情が混ざってたんだけど、今は俺だけになったから……言ってる意味分かるか?」
「ある程度は。そんな目に遭ってたんだ……良かったよ、命に関わることじゃなくて」
「オロクにとっては命に関わってたみたいだ。前の俺が好きだったのはオロクだよ。あいつ、泣きじゃくって大変だったんだ」
「……じゃあ、俺が知りたかった君の気持ちは、それだったんだね。そうか、オロクが好きだったんだ……」
「シロくんもまさか前の俺を好きだったとか言わねぇよな~?」
ニヤニヤと笑いかけると、シロくんはにこっと微笑んでこちらを見る。
「ずっと好きって伝えてるつもりだったんだけど伝わってなかったのかな?」
うわ、イケメンすげえ。率直に言ってきやがった。
「し、シロくんまで泣き出さないでくれよ? 俺本当にこれで良かったのかって思っちまって……オロクは後悔してたし」
「そりゃ、好きな人が自分を好きだったのにいなくなったら泣くよ」
「……でも、俺はあのままだとあいつのこと好きだってことにも気づけなかったんだぞ?」
「……それは、残酷だね」
——ヴォンヴァートくんってたまに残酷だよね
オロク? もしかしてお前、俺の気持ち、分かってたのか?
「ヴォンヴァートくん?」
「……俺が、オロクを好きだったら違ってたのかな」
「…………。違わないさ。オロクが好きなのは前の君なんだから、今の君に好かれたって困るだけだよ」
「シロくん流石にオロクのこと分かってるな~」
「オロクのことも大好きだからね」
「え?」
「ん?」
「その好きは、友達の好きだろ~!? び、びっくりしただろ!」
「ん? 恋愛の好きだけど?」
「…………はい? え、じゃあ俺のことは友達として……」
「恋愛の好きだよ?」
「…………」
俺今すごいショック受けてんだけど? な、なんでだ? シロくんが意外と悪い子だったからか? いや、それもなんだけど……すっげえモヤモヤする!
「お、オロクと俺どっちが——」
「君だよ。違いをつけるなら、オロクの方は過去形ってことかな。君に恋してるんだって気づいてから、オロクへの感情も恋愛だったんだって気づいたって話だよ」
そう聞いてほっとした。や、やっぱりシロくんが二人を同時に好きかもしれねぇってことにモヤっとしてたんだな。
「今のヴォンヴァートくんには好きな人いないの?」
「お、おぅ。今のところは」
「ふぅん。今のところはってことは、もうすぐ俺のことを好きになるかもね」
「え」
「楽しみにしてるよ。前の君はオロクに取られちゃったけど、今の君は絶対に俺のものにして見せる。覚悟してて」
つん、と額を人差し指で突かれる。そのまま俺は後ろに倒れてベンチに寝そべってしまう。シロくんが去っていく足音が聞こえる。
マジかよ……。恋愛云々からはしばらく離れられると思ってたのに……。
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