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第一章
8話 ②泣く声
オ……ロ、ク? 泣いてるのか?
オロクの叫ぶ声が聞こえる、俺は、拘束されてる?
何も見えない……オロクの泣いてる声だけ聞こえる。
「お前が……泣く、のは……ぃゃ……」
いや、なのに。
何も見えねえ……。
もう何も考えられねえ。
「大丈夫かの?」
見えたと思ったら髭面のヨボヨボ爺さんのドアップだった。
「ぎゃああああああああああああッ!?」
「何じゃあ何じゃあ!? 急に大声出しよって!」
「爺さん!? なんでアンタが……! ってここって……」
見たことがある真っ白な世界……中間ポイント?
爺さんが顎髭を触りながら俺をジロジロと見ている。
「困ったことになったのぅ……」
「一体何が起きてるんだよ」
「お主の転生先のヴォンヴァートはお主がいらんと言っておる。お主が世界一のイケメンと来世ポイントで設定したもんじゃから、アルマタクト実験の成功体という男も混ざったようじゃ」
「え? 待て待て待て!!」
つまり俺が複雑化したのは前世の記憶があるからとかではなく、来世ポイントで調子に乗って世界一のイケメンなんて設定つけたせいかよ!? 設定ありそうだなとは思ってたけどやっぱり設定あるキャラが既にいたのかよおおおおッ!? でもせんやは知らないっぽかったけどぉ!?
「本当にいるのかよその世界一のイケメン!」
「いるぞい」
「アルマタクトの一部から生まれたヴォンヴァートって設定は元々あったのか!?」
「無論じゃ。ヴォンヴァートはアルマタクト実験により生まれたアルマタクトの人格の一つじゃ。しかし、お主はアルマタクトに拒絶されてしまったようじゃ」
「そういや、俺めっちゃ今せんやに会いてえんだけど、それは俺がひ、姫野恋だけの人格だからか?」
「そうじゃな」
「俺って死んだのか?」
「そうじゃ」
……嘘オオオオオオオオッ!?
「ら、来世ポイントでどうにかなるか!?」
「残念ながら来世ポイントは今、12ポイントじゃ」
「12? マイナス1000は超えてたはずだよな?」
「善行を行ったのではないか? ふむ……悪を退治したポイントが加算されておるようじゃ」
闇魔術組織を相手にした時のやつか! 確かに大勢殴ったな。
「死んだなんてどうすりゃいいんだ!? 中間地点ってことは次もあるんだろ!?」
「次は別の世界じゃ」
「え……」
つまり、せんやともう会えないのか? みんなとも? 最後に泣いてたオロクも心配だしよ……。
「な、なあ爺さん、どうにかなんねえのか!? 俺はまたあの世界に戻りてえんだよ!」
爺さんの両肩を掴んで揺する。爺さんはグルグル目を回す、いけねえ、ご老体にはしんどかったか! 手を離すと、爺さんは杖を出して凭れ掛かる。
「ハァ、ハァ……ら、来世ポイントを借りるかの?」
「借りられるのか!?」
「もちろん返済は必要じゃがな、しかしヴォンヴァートの体にはもう戻れん」
「じゃあ姫野恋とヴォンヴァートの記憶と感情を分離して戻せ! そうだ、来世ポイントで姫野恋の体も作ってくれ!」
「本当にいいのじゃな?」
「いい! あ、あと世界一のイケメン設定も消してくれ!」
「世界一のイケメンのポイントを返せば1000ptじゃ、記憶と感情の分離は2000pt、姫野恋の体は500ptよって、お主の今の来世ポイントは-1488ptじゃ!」
「そんくらいどうってことねえぜ! せんやが喜ぶことを姫野恋がやればいいんだからな!」
「魂をふたつに分けるのじゃから、来世ポイントはそれぞれ返済してもらうぞ?」
「え……じゃあ、ヴォンヴァートの方も……?」
「左様。そちらも-1488ptじゃ。ではさらばじゃ、ヴォンヴァート、姫野恋」
——マジかよおおおおおおおおおおおおおッ!?
——また-1488ptから始めろってことおおおッ!?
せんやとまた会える!
——うるせえ勝手に会ってろ、先生のことなんて知らん!
俺のくせに先生とか呼んでんじゃねえ気色悪ぃ!
——もうお前じゃねえっての~! あっかんべ~だ!
誰のおかげで闇魔術組織倒せる力を——来世ポイントを——持ってたと思ってんだ!
——お前が余計なことしなければ、俺は混乱しなかったんだよ!!
で、お前結局誰が好きだったんだ?
——は、はあ!? なんでお前に教えねえといけねえんだよ! つーか好きな奴なんていねえよ!?
マジかよ。
——あはは! お前チヨ先生に心の中でデレデレしててウケたな!
お前も混ざってたんだよそん時は!! 俺はあんなにデレデレしねえ!
——俺だって誰にもデレデレしねえよ!
オロクのことかわいいって思ってたくせに!
——それは俺の感情じゃねえ。
え? じゃあ誰の——
ぷつん
オロクの叫ぶ声が聞こえる、俺は、拘束されてる?
何も見えない……オロクの泣いてる声だけ聞こえる。
「お前が……泣く、のは……ぃゃ……」
いや、なのに。
何も見えねえ……。
もう何も考えられねえ。
「大丈夫かの?」
見えたと思ったら髭面のヨボヨボ爺さんのドアップだった。
「ぎゃああああああああああああッ!?」
「何じゃあ何じゃあ!? 急に大声出しよって!」
「爺さん!? なんでアンタが……! ってここって……」
見たことがある真っ白な世界……中間ポイント?
爺さんが顎髭を触りながら俺をジロジロと見ている。
「困ったことになったのぅ……」
「一体何が起きてるんだよ」
「お主の転生先のヴォンヴァートはお主がいらんと言っておる。お主が世界一のイケメンと来世ポイントで設定したもんじゃから、アルマタクト実験の成功体という男も混ざったようじゃ」
「え? 待て待て待て!!」
つまり俺が複雑化したのは前世の記憶があるからとかではなく、来世ポイントで調子に乗って世界一のイケメンなんて設定つけたせいかよ!? 設定ありそうだなとは思ってたけどやっぱり設定あるキャラが既にいたのかよおおおおッ!? でもせんやは知らないっぽかったけどぉ!?
「本当にいるのかよその世界一のイケメン!」
「いるぞい」
「アルマタクトの一部から生まれたヴォンヴァートって設定は元々あったのか!?」
「無論じゃ。ヴォンヴァートはアルマタクト実験により生まれたアルマタクトの人格の一つじゃ。しかし、お主はアルマタクトに拒絶されてしまったようじゃ」
「そういや、俺めっちゃ今せんやに会いてえんだけど、それは俺がひ、姫野恋だけの人格だからか?」
「そうじゃな」
「俺って死んだのか?」
「そうじゃ」
……嘘オオオオオオオオッ!?
「ら、来世ポイントでどうにかなるか!?」
「残念ながら来世ポイントは今、12ポイントじゃ」
「12? マイナス1000は超えてたはずだよな?」
「善行を行ったのではないか? ふむ……悪を退治したポイントが加算されておるようじゃ」
闇魔術組織を相手にした時のやつか! 確かに大勢殴ったな。
「死んだなんてどうすりゃいいんだ!? 中間地点ってことは次もあるんだろ!?」
「次は別の世界じゃ」
「え……」
つまり、せんやともう会えないのか? みんなとも? 最後に泣いてたオロクも心配だしよ……。
「な、なあ爺さん、どうにかなんねえのか!? 俺はまたあの世界に戻りてえんだよ!」
爺さんの両肩を掴んで揺する。爺さんはグルグル目を回す、いけねえ、ご老体にはしんどかったか! 手を離すと、爺さんは杖を出して凭れ掛かる。
「ハァ、ハァ……ら、来世ポイントを借りるかの?」
「借りられるのか!?」
「もちろん返済は必要じゃがな、しかしヴォンヴァートの体にはもう戻れん」
「じゃあ姫野恋とヴォンヴァートの記憶と感情を分離して戻せ! そうだ、来世ポイントで姫野恋の体も作ってくれ!」
「本当にいいのじゃな?」
「いい! あ、あと世界一のイケメン設定も消してくれ!」
「世界一のイケメンのポイントを返せば1000ptじゃ、記憶と感情の分離は2000pt、姫野恋の体は500ptよって、お主の今の来世ポイントは-1488ptじゃ!」
「そんくらいどうってことねえぜ! せんやが喜ぶことを姫野恋がやればいいんだからな!」
「魂をふたつに分けるのじゃから、来世ポイントはそれぞれ返済してもらうぞ?」
「え……じゃあ、ヴォンヴァートの方も……?」
「左様。そちらも-1488ptじゃ。ではさらばじゃ、ヴォンヴァート、姫野恋」
——マジかよおおおおおおおおおおおおおッ!?
——また-1488ptから始めろってことおおおッ!?
せんやとまた会える!
——うるせえ勝手に会ってろ、先生のことなんて知らん!
俺のくせに先生とか呼んでんじゃねえ気色悪ぃ!
——もうお前じゃねえっての~! あっかんべ~だ!
誰のおかげで闇魔術組織倒せる力を——来世ポイントを——持ってたと思ってんだ!
——お前が余計なことしなければ、俺は混乱しなかったんだよ!!
で、お前結局誰が好きだったんだ?
——は、はあ!? なんでお前に教えねえといけねえんだよ! つーか好きな奴なんていねえよ!?
マジかよ。
——あはは! お前チヨ先生に心の中でデレデレしててウケたな!
お前も混ざってたんだよそん時は!! 俺はあんなにデレデレしねえ!
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——それは俺の感情じゃねえ。
え? じゃあ誰の——
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