悪の策士のうまくいかなかった計画

いつか必ず返り咲く。それだけを目標に、俺はこの学園に戻ってきた。過去に、破壊と使役の魔法を研究したとして、退学になったこの学園に。
今こそ、復活の時だ。俺を切り捨てた者たちに目に物見せ、研究所を再興する。
そのために、王子と伯爵の息子を利用することを考えた俺は、長く温めた策を決行し、学園に潜り込んだ。
これから俺を陥れた連中を、騙して嵌めて蹂躙するっ! ……はず、だった……のに??

王子は跪き、俺に向かって言った。

「あなたの破壊の魔法をどうか教えてください。教えるまでこの部屋から出しません」と。

そして、伯爵の息子は俺の手をとって言った。

「ずっと好きだった」と。

…………どうなってるんだ?
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