乙女ゲームの攻略キャラに転生したけど、他の攻略キャラ達の好感度が上がる一方で……!?

隍沸喰(隍沸かゆ)

文字の大きさ
24 / 52
第一章

5話 ②好感度0%

しおりを挟む

 やっと動いた体でぎゃああああと胸を突き放せば、オロクはにこっと笑って離れてくれる。
「どうしていつも最初には受け入れるの? 期待しちゃうな」
「へ、変な期待をするな! 俺はただお前の目が苦手で……」
「酷いな。どの辺が苦手?」
「その……光も吸収しちゃうくらいの黒さが……蛇に睨まれてるような気がして……動けなくなると言うか」
「へえ」
「ち、近い……」
「答えは出た?」
「そもそも……なんでそんなこと聞くんだよ」
「君が好きだから」
 それは知ってたけど。
「どの辺が?」
「え?」
「どこを好きになったんだよ」
「……さあね。どうしてだろう。最初はただの興味だったけど、君といると、俺が俺じゃない気がして楽でいられるんだ。君の前だと自分でいられる気がする。生きているって感じがする」
「それって……」
「君は俺の生きがいなんだよ」
「……っ」
 顔に熱が集まる気がして、慌ててかぶりを振って振り払う。
「それで? 答えは出たの?」
「お前がどれだけ頑張ろうと無理だ」
「…………そんなにはっきり言われるとさすがに傷つくな」
 気まずくて目を逸らす。
「諦めてくれるか?」
「いやだよ」
「な、なんで」
「愛してるから」
「なっ……」
 相手の顔を見ようと目を合わせれば、何を考えているか分からなかった瞳にじんわりと涙が浮かんでいた。
 寄せられた眉とその涙の浮かぶ瞳に目が釘付けになる。
「…………」
 なんだ、これ。
 ざわざわと胸の内側から熱い感覚が湧き出てくる。
 きっかけはオロクの瞳に感情を見たからだ。感情を見せないオロクの目が、目の前で、俺の影響で、歪んだ。
 ……これは、優越感か?
「愛してるんだ」
「…………ご、ごめん」
 今まで一度も閉じられなかったオロクの目が閉じられる。目が開かれた次の瞬間、オロクの涙は引っ込み、いつもの感情の消えた黒い瞳に戻っていた。
「俺は諦めないよ」
 にこりと笑って、後退する。オロクとの間に距離が出来て、少しホッとする。
 でもすごく気まずい。フったらプロフィールにどう影響するんだろう……。

オロク・セン・デン・ポル
 誕生日8/3 年齢16歳 趣味観察 魔法闇魔法 寮キリクゥと同室
親密度 4%
好感度 0%

 おいいいいいいいいいい!?
 好感度ゼロ!? さっきまで好きとか愛してるとか言って色々してきたくせにフられたとたんにこれ!? ちょっと気まずくなってた俺は何だったんだよ! こいつ意味わかんねえええええ!
 諦めないんじゃなかったのか、諦めてんだろこれ‼︎
「どうする? 部屋に来る?」
「い、いや。みんな待ってると思うし、先生が帰ってきたらこいつらがいない理由も説明しないといけねえから」
 オロクは黒い瞳を動かして、地面に寝転んでいる5人を見渡す。
「そうか。残念。キリクゥもきっと残念がるよ」
「その時はごめんって伝えててくれ」
「うん。分かった」
「じゃ、じゃあ俺はこれで」
「俺も帰るよ。途中まで一緒に行こう」
「お、おう」
 Aクラスに用意された大部屋の前へ着くと、オロクと別れ、大部屋の中へと入っていく。扉が開いた際オロクの姿を見たらしい好感度15%以上勢からは今までどこにいたんだ、オロクと何をしていたんだと問いただされたが、キスされて好きとか愛してるとか言われてフったなんて言えるわけがない。
 取り敢えず勝手に決められていた自分の寝る場所を無視し、アインの隣の布団に寝転ぶ。隣が一つとなったため、三人衆はまた喧嘩をし始め、その間にルシフェルを呼んで隣に寝させた。本人は嫌々だったが「俺の隣じゃ寝られねえってのか?」と聞いたら何故か泣きながら布団に潜り込んだ。
「アイちゃん、アイちゃん、一緒の布団で寝よ~ぜ」
 掛け布団を開いておいでおいでと手を招けば、布団の上に座り隣のザイドと話していたアインは顔を真っ赤にして「ひ、一人で寝るから!」と首を振った。
「お前分かりやすいやつだな……」
 とザイドがアインに向かって呆れたように言う。
「何が? 代わりにザイドが一緒に寝るの?」
「何でそうなるんだよ……」
 ザイドはそっぽを向く。耳が赤い。
「ザイドだって分かりやすいだろ!」
 何なんだこのやりとりは、こいつらこんなに仲良くなって顔を赤くしたり耳を赤くしたりし合って……まさか!
 ザイドとアインの間にマーカーを引くべき説明文が追加されているのではないかと、俺はプロフィールを確認する。

アイン・ロゼルア
 誕生日5/1 年齢16歳 趣味友達作り 魔法火魔法 寮ザイドと同室
 ヴォンヴァート・リリア・インシュベルンに好意を持つ(好感度15%以上)。
親密度 34%
好感度 21%

ザイド・スターク
 誕生日12/27 年齢16歳 趣味なし 魔法火魔法 寮アインと同室
 ヴォンヴァート・リリア・インシュベルンに好意を持つ(好感度15%以上)。
親密度 21%
好感度 15%

 な、何だこれえええええええええええええええええ!?
 え、いつの間に好感度上がってたんだ!?
 通知切っとくのやめた方がいいのかな……。
 と考えつつ通知を開く。

 《おめでとうございます! アイン・ロゼルアとの親密度が20%になりました!》
 《おめでとうございます! キリクゥ・ザ・ジィドとの好感度が20%になりました!》
 《おめでとうございます! オロク・セン・デン・ポルとの好感度が10%になりました!》
 《おめでとうございます! オロク・セン・デン・ポルとの好感度が20%になりました!》
 《おめでとうございます! オロク・セン・デン・ポルとの好感度が30%になりました!》
 《おめでとうございます! オロク・セン・デン・ポルとの好感度が40%になりました!》
【おめでとうございます! オロク・セン・デン・ポルとの好感度が50%になりました!】
 《おめでとうございます! オロク・セン・デン・ポルとの好感度が60%になりました!》
 《おめでとうございます! オロク・セン・デン・ポルとの好感度が70%になりました!》
 《おめでとうございます! オロク・セン・デン・ポルとの好感度が80%になりました!》
 《おめでとうございます! オロク・セン・デン・ポルとの好感度が90%になりました!》
【おめでとうございます! オロク・セン・デン・ポルとの好感度が100%になりました!】
 《おめでとうございます! オロク・セン・デン・ポルとの愛が10%になりました!》
 《おめでとうございます! ザイド・スタークとの親密度が10%になりました!》
 《おめでとうございます! アイン・ロゼルアとの親密度が30%になりました!》
 《おめでとうございます! アイン・ロゼルアとの好感度が20%になりました!》
 《おめでとうございます! ザイド・スタークとの親密度が20%になりました!》
 《おめでとうございます! ザイド・スタークとの好感度が10%になりました!》

 いつの間にかみんなの親密度も好感度も増えてたんだなぁ。
 にしてもオロク・セン・デン・ポルが非常に多い。今は好感度0%のくせに……。本当にバグだった可能性があるぞ……。
 プロフィールをオロクのところまでスクロールする。

オロク・セン・デン・ポル
 誕生日8/3 年齢16歳 趣味観察 魔法闇魔法 寮キリクゥと同室
親密度 4%
好感度 0%

「………………」
 分からねえ。コイツに何が起きてるのか……。
 俺が俺じゃない気がして楽でいられる。自分でいられる気がする……。どっちなんだ。自分じゃない気がするのに自分でいられる気がするって。闇魔術組織のスパイなことと関係してるのか?
 俺が生きがいとか……意味分かんないこと言うし。
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

転生したらBLゲームのホスト教師だったのでオネエ様になろうと思う

ラットピア
BL
毎日BLゲームだけが生き甲斐の社畜系腐男子凛時(りんじ)は会社(まっくろ♡)からの帰り、信号を渡る子供に突っ込んでいくトラックから子供を守るため飛び出し、トラックに衝突され、最近ハマっているBLゲームを全クリできていないことを悔やみながら目を閉じる。 次に目を覚ますとハマっていたBLゲームの攻略最低難易度のホスト教員籠目 暁(かごめ あかつき)になっていた。BLは見る派で自分がなる気はない凛時は何をとち狂ったのかオネエになることを決めた オチ決定しました〜☺️ ※印はR18です(際どいやつもつけてます) 毎日20時更新 三十話超えたら長編に移行します メインストーリー開始時 暁→28歳 教員6年目 凛時転生時 暁→19歳 大学1年生(入学当日) 訂正箇所見つけ次第訂正してます。間違い探しみたいに探してみてね⭐︎ 11/24 大変際どかったためR18に移行しました 12/3 書記くんのお名前変更しました。今は戌亥 修馬(いぬい しゅうま)くんです

平凡なぼくが男子校でイケメンたちに囲まれています

七瀬
BL
あらすじ 春の空の下、名門私立蒼嶺(そうれい)学園に入学した柊凛音(ひいらぎ りおん)。全寮制男子校という新しい環境で、彼の無自覚な美しさと天然な魅力が、周囲の男たちを次々と虜にしていく——。 政治家や実業家の子息が通う格式高い学園で、凛音は完璧な兄・蒼真(そうま)への憧れを胸に、新たな青春を歩み始める。しかし、彼の純粋で愛らしい存在は、学園の秩序を静かに揺るがしていく。 **** 初投稿なので優しい目で見守ってくださると助かります‼️ご指摘などございましたら、気軽にコメントよろしくお願いしますm(_ _)m

悪役令嬢のモブ兄に転生したら、攻略対象から溺愛されてしまいました

藍沢真啓/庚あき
BL
俺──ルシアン・イベリスは学園の卒業パーティで起こった、妹ルシアが我が国の王子で婚約者で友人でもあるジュリアンから断罪される光景を見て思い出す。 (あ、これ乙女ゲームの悪役令嬢断罪シーンだ)と。 ちなみに、普通だったら攻略対象の立ち位置にあるべき筈なのに、予算の関係かモブ兄の俺。 しかし、うちの可愛い妹は、ゲームとは別の展開をして、会場から立ち去るのを追いかけようとしたら、攻略対象の一人で親友のリュカ・チューベローズに引き止められ、そして……。 気づけば、親友にでろっでろに溺愛されてしまったモブ兄の運命は── 異世界転生ラブラブコメディです。 ご都合主義な展開が多いので、苦手な方はお気を付けください。

穏やかに生きたい(隠れ)夢魔の俺が、癖強イケメンたちに執着されてます。〜平穏な学園生活はどこにありますか?〜

春凪アラシ
BL
「平穏に生きたい」だけなのに、 癖強イケメンたちが俺を狙ってくるのは、なぜ!? トラブルを避ける為、夢魔の血を隠して学園生活を送るフレン(2年)。 彼は見た目は天使、でも本人はごく平凡に過ごしたい穏健派。
なのに、登校初日から出会ったのは最凶の邪竜後輩(1年)!? 
他にも幼馴染で完璧すぎる優等生騎士(3年)に、不良だけど面倒見のいい悪友ワーウルフ(同級生)まで……なぜか異種族イケメンたちが次々と接近してきて―― 運命の2人を繋ぐ「刻印制度」なんて知らない! 恋愛感情もまだわからない! 
それでも、騒がしい日々の中で、少しずつ何かが変わっていく。 個性バラバラな異種族イケメンたちに囲まれて、フレンの学園生活は今日も波乱の予感!? 
甘くて可笑しい、そして時々執着も見え隠れする 愛され体質な主人公の青春ファンタジー学園BLラブコメディ! 月、水、金、日曜日更新予定!(番外編は更新とは別枠で不定期更新) 基本的にフレン視点、他キャラ視点の話はside〇〇って表記にしてます!

転生したらスパダリに囲われていました……え、違う?

米山のら
BL
王子悠里。苗字のせいで“王子さま”と呼ばれ、距離を置かれてきた、ぼっち新社会人。 ストーカーに追われ、車に轢かれ――気づけば豪奢なベッドで目を覚ましていた。 隣にいたのは、氷の騎士団長であり第二王子でもある、美しきスパダリ。 「愛してるよ、私のユリタン」 そう言って差し出されたのは、彼色の婚約指輪。 “最難関ルート”と恐れられる、甘さと狂気の狭間に立つ騎士団長。 成功すれば溺愛一直線、けれど一歩誤れば廃人コース。 怖いほどの執着と、甘すぎる愛の狭間で――悠里の新しい人生は、いったいどこへ向かうのか? ……え、違う?

転生悪役弟、元恋人の冷然騎士に激重執着されています

柚吉猫
BL
生前の記憶は彼にとって悪夢のようだった。 酷い別れ方を引きずったまま転生した先は悪役令嬢がヒロインの乙女ゲームの世界だった。 性悪聖ヒロインの弟に生まれ変わって、過去の呪縛から逃れようと必死に生きてきた。 そんな彼の前に現れた竜王の化身である騎士団長。 離れたいのに、皆に愛されている騎士様は離してくれない。 姿形が違っても、魂でお互いは繋がっている。 冷然竜王騎士団長×過去の呪縛を背負う悪役弟 今度こそ、本当の恋をしよう。

強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない

砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。 自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。 ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。 とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。 恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。 ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。 落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!? 最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。 12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生

処理中です...