乙女ゲームの攻略キャラに転生したけど、他の攻略キャラ達の好感度が上がる一方で……!?

隍沸喰(隍沸かゆ)

文字の大きさ
25 / 52
第一章

5話 ③添い寝

しおりを挟む

「暗い顔してどうしたのリリア」
「……アイちゃんはもう俺のことリリアって呼ぶ気なのね」
「仲良しって感じだろ! ザイドもリリアって呼ぶ気みたいだし」
 ちら、とザイドのことを見るアイン。ザイドは頭を掻いてそっぽを向く。こいついつの間にか親密度20%超えてたけど、そんなに仲良くなったっけ? 周囲を常に警戒しているザイドの場合判定が甘いのかもしれない。
 甘いと言えば……さっきのキスは随分と……って考えるな考えるな。
「あのさリリア……ずっと聞きたいことがあったんだけど」
「ん?」
「その……」
 アインは眉を下げて目をウロチョロさせる。言いづらいことなのか?
「SSクラスの……オロクくんとはどう言う関係なの?」
 飲み物を飲んでいたら噴き出していたことだろう。まあ飲めないけど。
「な、何でそんなこと聞くんだよ……?」
 まさかさっきの見てたとか……。
「だって教室でキスしてただろ?」
 そんなことあったな!
「あ、あの野郎……」
 みんなの前で……あの時は教室にいづらかったなあ。そして三人衆がうざかった。
「付き合ってるの?」
「んなわけねえだろ!」
 思わず叫んでしまう。
「じゃあアキヅキ先生とは?」
「もっとない」
 きっぱりと言ってやる。
「まずせんやは先生だろ」
「まあ。でも仲良しみたいだし……。シーシェン先生とは?」
「え。いや……あいつは……」
「なんでそこではっきり否定しないんだ?」
 じーっと見つめられ、思わず目を逸らす。
「あり得ないのでは?」
「なんで疑問形? 好きなの?」
「い、いや。まさか」
 どうしてシーシェンだけ否定できないんだ。確かに嫌いよりは好きな方だけど、好きってそういう意味の好きじゃないし……!
 シーシェンのことなんて聞かれるまで考えてなかったし。なんならオロクのことばっかり考えてたし!
「好きなわけがない」
 今度こそきっぱりと言葉が出ていく。
「俺のことは?」
「え?」
「俺のことは好き?」
 かつて聞いた言葉をそのまま聞かれるなんて……。
「もちろんアイちゃんのことはだ~い好きだぞ!」
「そ、そっか……俺も好き」
 顔を赤くして見つめられながら言われる。アイちゃんかわいい!
「一緒に寝ようよアイちゃん」
「ちょ、ちょっと」
 アインの布団にもぐり込み、アインの体を抱きしめる。
 すりすりとほっぺたに頬擦りしていると、アインは真っ赤になって震えだした。かわいい~。
「おい。そこまでにしておけ」
「なんだよザイド。またアイちゃんは俺のだとか言い出すのか?」
 不機嫌になって睨み付ければ、ザイドは目を逸らし、頭を掻く。
「ザイドは嫉妬してるだけだよな~」
 アインが俺の胸に擦り寄り、ザイドにニヤついた顔を見せる。
「だ、誰が……!」
 バチッと目が合い、ザイドの顔は真っ赤に染まり上がる。ザイドはそれを隠すかのように布団にもぐり込んだ。
 本当に分かりやすい奴だったんだな。
「俺達も眠ろうリリア」
 もぞもぞと胸で動き、顔を上げて目を合わせてくるアイン。上目遣いが自然で可愛い。せんやとは大違い。
「アイちゃん……」
「え」
 ペットにするようにちゅっと頬にキスをする。複数の悲鳴が周りから上がった。三人衆だな。
「り、リリア!」
「アイちゃんかわいい、かわいい。癒される~」
 ちゅ、ちゅと顔中にキスしていたらアインは顔を背け、しまいには胸に顔を埋めた。
「り、リリア。恥ずかしいから」
「その反応も他と違ってかわいい!」
「――……ヴォンヴァートくん?」
 突然低い声が上から落ちてきて、顔を上げる。
「せ、せんや……」
 なんだその笑顔は。いつもより圧が増してないか? シ-シェンもなぜか不機嫌そうだし。
「生徒同士とはいえセクハラは良くないなあ。今日は先生の部屋においで」
「え、なんで……」
「いいからおいで」
 笑顔の圧には勝てなかった……。
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない

砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。 自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。 ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。 とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。 恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。 ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。 落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!? 最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。 12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生

魔王に転生したら、イケメンたちから溺愛されてます

トモモト ヨシユキ
BL
気がつくと、なぜか、魔王になっていた俺。 魔王の手下たちと、俺の本体に入っている魔王を取り戻すべく旅立つが・・ なんで、俺の体に入った魔王様が、俺の幼馴染みの勇者とできちゃってるの⁉️ エブリスタにも、掲載しています。

転生したらスパダリに囲われていました……え、違う?

米山のら
BL
王子悠里。苗字のせいで“王子さま”と呼ばれ、距離を置かれてきた、ぼっち新社会人。 ストーカーに追われ、車に轢かれ――気づけば豪奢なベッドで目を覚ましていた。 隣にいたのは、氷の騎士団長であり第二王子でもある、美しきスパダリ。 「愛してるよ、私のユリタン」 そう言って差し出されたのは、彼色の婚約指輪。 “最難関ルート”と恐れられる、甘さと狂気の狭間に立つ騎士団長。 成功すれば溺愛一直線、けれど一歩誤れば廃人コース。 怖いほどの執着と、甘すぎる愛の狭間で――悠里の新しい人生は、いったいどこへ向かうのか? ……え、違う?

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

ヤリチンクズが異世界転生先で愛ある総受けになりました

紅葉煎餅
BL
来るもの拒まず去るもの追わずの荒れた生活をしていた。 そのせいで恨みを買い、愛のない人生に幕を落とした。 生まれ変わった世界は乙女ゲームの世界だった。 ヒロインは双子の妹の悪役令嬢で、彼も強制的に悪役令息になった。 前世のように気持ちいい人生を送りたいだけなのに… 愛はいらない、バリタチだった主人公は何故か神の目を持つ特殊能力者の男達に愛を与えられる。 知らない快楽に知らない目を向けられて、愛が溢れて止まらない。 窒息するほどの愛を孤独な少年に… 神の目を持つ15人の攻略キャラクター×愛を知らない元バリタチ転生悪役令息 この世界は愛でいっぱいになる。 ※発言のみで転生で主人公攻め要素はありません

平凡なぼくが男子校でイケメンたちに囲まれています

七瀬
BL
あらすじ 春の空の下、名門私立蒼嶺(そうれい)学園に入学した柊凛音(ひいらぎ りおん)。全寮制男子校という新しい環境で、彼の無自覚な美しさと天然な魅力が、周囲の男たちを次々と虜にしていく——。 政治家や実業家の子息が通う格式高い学園で、凛音は完璧な兄・蒼真(そうま)への憧れを胸に、新たな青春を歩み始める。しかし、彼の純粋で愛らしい存在は、学園の秩序を静かに揺るがしていく。 **** 初投稿なので優しい目で見守ってくださると助かります‼️ご指摘などございましたら、気軽にコメントよろしくお願いしますm(_ _)m

転生悪役令息、雌落ち回避で溺愛地獄!?義兄がラスボスです!

めがねあざらし
BL
人気BLゲーム『ノエル』の悪役令息リアムに転生した俺。 ゲームの中では「雌落ちエンド」しか用意されていない絶望的な未来が待っている。 兄の過剰な溺愛をかわしながらフラグを回避しようと奮闘する俺だが、いつしか兄の目に奇妙な影が──。 義兄の溺愛が執着へと変わり、ついには「ラスボス化」!? このままじゃゲームオーバー確定!?俺は義兄を救い、ハッピーエンドを迎えられるのか……。 ※タイトル変更(2024/11/27)

【本編完結】転生したら、チートな僕が世界の男たちに溺愛される件

表示されませんでした
BL
ごく普通のサラリーマンだった織田悠真は、不慮の事故で命を落とし、ファンタジー世界の男爵家の三男ユウマとして生まれ変わる。 病弱だった前世のユウマとは違い、転生した彼は「創造魔法」というチート能力を手にしていた。 この魔法は、ありとあらゆるものを生み出す究極の力。 しかし、その力を使うたび、ユウマの体からは、男たちを狂おしいほどに惹きつける特殊なフェロモンが放出されるようになる。 ユウマの前に現れるのは、冷酷な魔王、忠実な騎士団長、天才魔法使い、ミステリアスな獣人族の王子、そして実の兄と弟。 強大な力と魅惑のフェロモンに翻弄されるユウマは、彼らの熱い視線と独占欲に囲まれ、愛と欲望が渦巻くハーレムの中心に立つことになる。 これは、転生した少年が、最強のチート能力と最強の愛を手に入れるまでの物語。 甘く、激しく、そして少しだけ危険な、ユウマのハーレム生活が今、始まる――。 本編完結しました。 続いて閑話などを書いているので良かったら引き続きお読みください

処理中です...