勇者パーティーを追放された俺は辺境の地で魔王に拾われて後継者として育てられる~魔王から教わった美学でメロメロにしてスローライフを満喫する~

一ノ瀬 彩音

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廊下を進み、一つの部屋の前で立ち止まった。
扉を開けると、中には一人の少女が待っていた。
少女は俺たちに気づくと立ち上がり近づいてくる。
彼女はぺこりとお辞儀をすると自己紹介を始めた。
「初めまして、私はルミナスと申します。これからよろしくお願いします」
そう言って笑顔を見せる。
とても可愛らしい笑顔だった。
(これはまた……すごい美少女だな……)
そう思いながらも挨拶をすることにする。
「こちらこそよろしくお願いいたします」
そう言って頭を下げると彼女も頭を下げた。
そんなやり取りが終わると、俺は早速質問することにした。
まずはこの屋敷の主について尋ねることにする。
すると、意外な答えが返ってきた。
なんと、この屋敷には彼女一人しかいないらしい。
それを聞いて俺は驚いた。
てっきり他に誰かいるのかと思っていたからだ。
彼女は苦笑しながら教えてくれた。
なんでも両親はすでに亡くなっており、兄弟もいないそうだ。
だから、ずっと一人で暮らしているのだという。
俺は同情するとともに、こんな小さな女の子を残して亡くなった両親のことを不憫に思った。
それと同時に、これからは自分がこの子を守ってあげなければという使命感に駆られるのだった。
こうして、俺の新しい生活が始まった。
最初は戸惑うことも多かったが、次第に慣れてくると楽しくなってきた。
今では毎日が充実しており、充実した日々を送ることができている。
そんなある日のこと、俺に来客があった。
その人物はエルフのエルナだ。
彼女は緊張した面持ちで部屋に入ってくると、こう言った。
「実はあなたに頼みたいことがあるのよ」
真剣な表情を見て、俺も真面目な表情になる。
いったい何の用だろうかと思いながらも続きを促すと、彼女は話し始めた。
「私の妹を助けてほしいの」
詳しく話を聞いてみると、どうやら彼女には妹がいるらしい。
名前はルナリスと言い、年齢は10歳だという。
しかし、生まれつき病弱であまり外に出ることができないそうだ。
そんな妹のことを心配してか、いつも両親の顔色を窺っているらしい。
そんなルナリスの様子に心を痛めていた母親はある時、こんなことを言い出した。
『ねぇあなた、あの子を引き取ってくれないかしら?』
その言葉に父親は激怒する。
当然だろう、自分の娘を他人に預けるなど考えられないことだからだ。
だが母親も引かなかった。どうしても娘が心配なのだと言う。
そこで父親が折れて話し合いの結果、二人で話し合って決めることになった。
そして後日、二人は話し合うために家を訪れたのだが……そこには誰もいなかった。
いや、正確には違う。
そこには誰もいないように見えたが実際は違ったのだ。
「ふふふ……」
部屋の中にいたのは妖艶な笑みを浮かべる少女だった。
その姿を見た瞬間に、父親の顔が青ざめる。
「お、お前は誰だ!?」
そう叫ぶと、慌てて逃げ出そうとするが、背後から声をかけられる。
振り返るとそこには笑みを浮かべた少女が立っていた。
その手にはナイフが握られており、その先端からは血が滴り落ちている。
「どこに行くんですか?」
問いかけられた瞬間、背筋が凍りつくような恐怖に襲われた。
目の前にいるのは本当に娘なのかと疑いたくなるほどの威圧感だ。
まるで別人のような雰囲気に戸惑いを覚える。
すると、今度は別の方から声をかけられた。
そちらを見ると、妻である女性が立っている。
手には血に濡れた包丁が握られていて、足元には死体が転がっていた。
「殺したのですか……?」
思わず問いかけると女性はニヤリと笑った。
そして、笑いながら言った。
「ええそうよ! あなたの大切な仲間を殺したわ!」
その言葉を聞いた瞬間に目の前が真っ暗になった気がした。
もう、何も考えることができない。
ただ呆然と立ち尽くすだけだ。
そんな俺を見て満足そうに笑うと部屋から出ていった。
しばらくして我に帰ると、ふらふらとした足取りで部屋を出た。
向かう先は仲間たちの元だ。
彼女たちならきっと助けてくれるだろうと思って向かった先には無残にも殺された3人の姿があるだけだった――。
3人の死体を前に崩れ落ちそうになるが何とか堪える。
ここで諦めるわけにはいかないと思ったからだ。
(俺がしっかりしていればこんなことにはならなかったはずだ……!)
「俺がもっとちゃんとしていれば……!」
悔しさのあまり唇を噛み締めていると後ろから声がかけられた。
振り向くとそこにいたのはニーナたちだった。
どうやら騒ぎを聞きつけてやってきたようだ。
ニーナたちは俺のことを見つめると何があったのか尋ねてきた。
俺は正直に話すことにした。
もちろん、秘密にしている部分は伏せているが……。
それを聞いた彼女たちは一瞬驚きの表情を見せた後、すぐに真剣な顔つきになり考え始める。
しばらく悩んだ末に結論を出したのかこちらに視線を向けてくると言った。
「……分かったわ、私たちが助けてあげる」
そう言って手を差し伸べてくるので握り返す。
すると力強く引っ張って立たせてくれた。
そのまま屋敷を出ると森の中へと入っていく、しばらくすると小屋が見えてきたので中に入ると椅子に座るように言われたので従うことにする。
(一体、何をする気なんだ?)
疑問に思っているとニーナが話しかけてきた。
内容は今後どうするかについてだった。
まず、これからの方針について話し合う必要があると言われたので言われた通りにする。
今後の方針としては、このままこの村に留まるのではなく別の場所に移動しようという話だった。
その理由は村人たちからの視線だ。
あの一件以来、村人たちからの視線が明らかに変わったような気がすると言っていた。
確かにその通りだと思う。
以前は遠巻きに見られていたような感じだったが、今は違うのだ。
その視線には明らかな敵意が込められているのが分かる。
それも当然だ。
「お前なんかいらない」
と言われて、素直に納得する人などいないだろう。
しかも、それが実の父親の言葉であれば尚更だ。
ニーナたちも同じ気持ちらしく、その表情は険しいものだった。
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