勇者パーティーを追放された俺は辺境の地で魔王に拾われて後継者として育てられる~魔王から教わった美学でメロメロにしてスローライフを満喫する~

一ノ瀬 彩音

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突然のことで頭が真っ白になる。
しばらくして唇を離すと、少女は微笑んで言った。
「えへへ、しちゃったね」
その仕草はとても可愛らしく、思わず見惚れてしまうほどだった。
(あれ……?)
気がつくと俺は少女を抱きしめていた。
そして、唇を重ねてしまう。
お互いに舌を絡ませ合う濃厚な口づけを交わすと、やがて息が苦しくなってきたのか少女が唇を離した。
二人の唾液が混ざり合い糸を引いている光景を見て興奮していると、今度は反対側から抱きしめられてしまう。
そちらを見るともう一人の少女がいて、俺の唇に吸い付いてくる。
こちらも舌を入れてきて激しく求めてきたため、それに応えるように俺も絡めていく。
「んっ……ちゅっ……」
可愛らしい声を漏らしながら、何度もキスを交わしている内に段々と気持ちが昂ぶってきた。
そして、ついに我慢できなくなった俺は彼女を押し倒して覆い被さってしまう。
彼女は抵抗する素振りも見せず、むしろ受け入れるかのように両手を広げていた。
それを見て安心した俺は、ゆっくりと顔を近づけていきキスをする。
最初は軽く触れるだけのつもりだったが、次第にエスカレートしていき最終的には舌を絡めるような激しいものになっていった。
お互いの口から透明な液体が流れ落ち、それが首筋を伝って胸元へ落ちていく。
それを目で追っていると、自然と視線が下の方へ向いてしまう。
すると、それに気づいた彼女が恥ずかしそうに身を捩らせた。
その様子を見ていたら我慢できなくなってしまい、服の中に手を入れようとしたところで我に返った。
(何をしているんだ、僕は……!)
正気に戻った僕は慌てて手を離すと彼女から離れた。
すると、彼女が不思議そうな顔で見つめてくる。
その視線から逃れるように顔を背けると、話題を変えるために質問をすることにした。
「魔王の妻候補なんて嫌じゃないのか? 無理やり連れてこられたんだろ?」
その問いかけに彼女は少し考えた後、答えた。
「確かに、無理矢理連れて来られたけど、私は別に気にしてないわ」
それを聞いて、ますます疑問に思う。
「どうして?」
問いかけると、彼女は真剣な表情のまま話し始めた。
「だって、あの人たちには感謝してるし、それに……」
そこで一旦言葉を切ると、顔を赤らめてモジモジしながら続きを話す。
「私、あなたに一目惚れしてしまったみたいなの」
その言葉に驚いてしまった。
(え、今なんて……)
戸惑っていると、さらに追い打ちをかけてくる。
「だから、簡単には諦めないからね、魔王・リュート様♡」
そう言ってウインクしてくる。
(くっ……可愛い……)
不覚にもときめいてしまい、顔が熱くなるのを感じた。
そんな俺を見て、彼女がクスクスと笑う。
その笑顔を見てドキッとしてしまう。
(本当に、こいつは一体何者なんだ……)
俺は不思議に思いながらも、とりあえず話を戻すことにした。
「とにかく、そういうことなら仕方がないな」
俺はため息をつくと、仕方なく承諾する事にした。
「ただし、条件がある」
「何?」
首を傾げる彼女に、俺は告げた。
「俺の事は、ちゃんと名前で呼ぶこと良いな」
それを聞いた彼女は驚いた様子だった。
しかし、
「ふーん」
と挑戦的な視線で下から見上げてくると、そのまま腕を組んでくる。
そのせいで胸が押し当てられてしまいドキドキしてしまう。
そんな俺の様子を見て満足したのか微笑むと離れていった。
それから二人で並んで歩いていると、ふと気になったことを尋ねてみる。
それは何故この姿になったのかということだ。
しかし、彼女は何も答えてくれない。
それどころか逆に質問されてしまったくらいだ。
「そんなことより、あなたこそ何者なのですか?」
そう言われて戸惑う俺だったが、すぐに答えることにした。
「俺は人間だよ、ただちょっと特殊な体質ってだけでな」
そう答えると彼女は訝しげな視線を向けてきたが、それ以上追及されることはなかった。
どうやら信じてくれたようだ。
(よかった……)
内心ホッとしていると、彼女が口を開く。
どうやら自己紹介してくれるようだ。
「私の名前はニーナと申します」
そう言って頭を下げると、続けて話しかけてきた。
どうやら彼女もニーナという名前らしい。
(なるほど……やっぱりそうなのか……)
予想はしていたが、やはり本人だったことに驚くと同時に嬉しくなる。
「で、俺は魔王・リュートだ」
そう名乗ると、ニーナは驚いていた。
「ま、魔王様!?」
信じられないといった様子でこちらを見つめてくる。
俺は苦笑いしながらも話を続けることにした。
「まぁ、そういうわけだからよろしくな」
それだけ伝えると、俺はその場を後にした。
自分の部屋に戻ると、ニーナの姿のままでベッドに寝転がる。
(はぁ……疲れたなぁ……)
ため息をつきながら天井を見上げていると、不意にドアをノックされた。
(誰だ?)
起き上がってドアを開けると、そこにはニーナが立っていた。
彼女は微笑みながら話しかけてくる。
「ニーナです、入ってもいいですか?」
「ああ、構わないよ」
そう言うと、部屋の中に入ってきた。
「あの、追放された元パーティーメンバーが今は立派に魔王に成っている、何があったの?」
興味津々と言った表情で聞いてくる。
俺は正直に話して聞かせた。
「お前らと別れた後、転々として一つの村で休んでいた、長期滞在したのはそこだけで、そこには魔王軍の領地だった」
俺の話を聞いている間ずっと頷いているニーナは、時折メモを取っていたりするが、邪魔にならないようにか小声でぶつぶつと言っているだけだった。
そして、一通り話し終えると最後にこう言ったのだ。
「それで、その後はどうなったの?」
ニーナが聞いてきたので、俺が知っている限りの事を話した。
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