勇者パーティーを追放された俺は辺境の地で魔王に拾われて後継者として育てられる~魔王から教わった美学でメロメロにしてスローライフを満喫する~

一ノ瀬 彩音

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恥ずかしさのためか顔を真っ赤にして俯いていたり、
するがそれどころではないだろう。
なにせ今の自分の姿はどう見ても女性にしか見えないのだから、
無理もないと言えるだろうが、それよりも問題なのは、
どうしてここに居るんだということなんだが、
それについては後で説明すると言われたので取り敢えず、
納得することにした。
それにしても凄い格好してるなぁと思っていると、
「あの、あんまりじろじろ見られると困るんだけど」
と言われてハッと我に帰るとすぐに目を逸らそうとして
気がついた。
(あれ、ちょっと待て、もしかしてこれまずいんじゃないか)
と思ったが既に遅かったようで、次の瞬間には視界が、
真っ暗になり何も見えなくなっていた。
どうやら目隠しされてしまったらしい。
だが、それだけではなかったようだ。
次に感じた違和感によって自分が何をされているのかを、
理解する事になった。
というのも、首筋に何かが触れたような感触がしたのだ。
同時にゾクッとした感覚が背筋を走るような感覚に、
襲われたことで確信した。
間違いないく今自分は舐められている。
しかも、首筋を舐められているのだと確信するまで、
時間は掛からなかった。
「ちょっ、やめてよっ、気持ち悪いってば!」
と叫んでみたけれど、やめる気配は全く感じられない。
それどころか余計に激しくなる一方だった。
このままじゃダメだと思った瞬間、ある考えが浮かんだ。
それは、このままされるがままになっている事だ。
そうすれば少なくとも、相手が飽きるまで耐える事が
できるからだ。
どうせ逃げられないのなら無駄な抵抗はしない方が、
いいに決まっている。
そう思って大人しくしていると、急に動きが止まったかと思えば、耳元で囁かれた。
「……おい、いい加減目を覚ませ」
と言われ、ビクッとして飛び起きた。
見れば、心配そうに顔を覗き込んでいる。
リリアーネの顔がある。
どうやら膝枕されていたようだが、起き上がると周りを、
見渡せば知らない部屋だった。
「ここは何処なんだ?」
俺は尋ねたが答えは返ってこないかわりに別の答えが
聞こえた来た。
そちらを向くとその少女は言った。
「目が覚めたみたいね、よかったわ」
とほっとした様子であった彼女だが、
俺は疑問を投げかける事にした。
まず、ここはどこなのかという問いに対して彼女は答えた。
曰く、街外れにある小屋だとのことだった。
なんでも、以前旅をしていた時に使っていたものだそうだ。
なるほど、通りで生活感がないわけだ。
そう思いながら部屋の中を見回していると、
不意に扉が開いて誰か入ってきた。
その人物は銀髪の女性であり、手には料理を持って
いるようだった。
そしてその女性は俺達を見ると驚いた様子で駆け寄ってきた。
「大丈夫でしたか?! 心配したんですよ?」
と言って抱きつかれた時は焦ったものだが、
幸いにも彼女は気づいていなかったようなので助かった。
「すみませんご迷惑をおかけしてしまって……それに助けていただいたみたいでありがとうございます!」
お礼を言うと、いえいえ気にしないでくださいと言いながら微笑んだ後自己紹介を始めた。
「初めまして私の名前はリリィと言いますよろしくお願いしますね♪」
そう言ってお辞儀をする姿はとても可愛らしく見えたが、
それと同時にとても儚げな印象を受けた気がしたのは、
俺の考えすぎだろうか?
いや多分気のせいではないだろうと思うことにすることにしよう。
とりあえず俺も名乗ることにしたんだが、
「俺はリュートって言うんだ、よろしくな!
それでこっちがリリアーネさんで、あっちがフィリアっていうんだ、仲良くしてくれると嬉しいかな」
と言うと二人とも笑顔で答えてくれた。
その様子を見て安心したところで本題に入ることにした。
いつまでも雑談ばかりしている場合ではないからな。
さて、まずは何から話そうかと考えていると、
先に口を開いたのは、意外なことに彼女たちの方からだった。「それで、貴方様は一体どちら様なんですか?」
その問いにどう答えたものか迷っていると、助け舟を出してくれたのは、意外にもリリアーネの方だった。
「この人は私の命の恩人なのよ、だからあまり虐めないで
あげてくれるかしら?
ほら、怖がっているじゃない、可哀想でしょう、ごめんなさいねこの子ったら人見知りが激しくて……」
捲し立てるように言うとそのまま押し切ってしまった。
それに対して、渋々といった表情で頷く二人に
安堵しつつ礼を言うと、今度は俺の方から質問させて
貰う事にした。
何故あんな所にいたのかを聞いてみると、
何やら言いづらそうにしていたが、意を決して話してくれた。
その内容は驚くべきものだった。
何でも彼女達は俺が倒した筈の四天王のひとりである。
《不死王》
を名乗る男によって拐われてきたのだという。
つまりその目的は戦力の確保ということだったのだろう。
そのためにわざわざこんな手の込んだ真似をしたのだろうが、
俺にはそんなことは関係無いことだった。
何故なら既に目的を果たした今となってはこれ以上付き合うつもりは無いからである。
というかさっさと帰りたいという気持ちの方が
大きかったので無視を決め込むことにしたのだ。
まあ実際は下手に喋ってボロが出るよりは黙っていた方が
いいだろうと判断しただけなんだけどな……。
そんな俺を訝しげに見ていたもののそれ以上の
追及は無かったようだ。
(もっとも最初から聞く気が無かっただけかもしれないが……)それからしばらくの間沈黙が続いたのだが、
やがて痺れを切らしたのか話しかけてきたのだった。
正直面倒臭いと思いつつも一応答えてやるかと思い返事を
することにしたのだ。
「……別に何もないけど何かあるのか?」
そう言うと一瞬言葉に詰まった様子を見せたものの
すぐさま平静を装って答える姿が滑稽に見えるほど
だったため思わず笑いそうになるのを堪えつつ聞き返す
ことにしてみたわけだが果たしてどんな反応を示すの
だろうかと思っていたところ予想外の言葉が返ってきたのである!?
なんと驚きの言葉を口にしたのだ。
その言葉を聞いた途端固まってしまった。
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