勇者パーティーを追放された俺は辺境の地で魔王に拾われて後継者として育てられる~魔王から教わった美学でメロメロにしてスローライフを満喫する~

一ノ瀬 彩音

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とりあえず、当たり障りのない答えを言っておくことにした。
「うーん、そうだなあ……やっぱり生活のためっていうのが大きいかな」
そう答えると、彼女はこくりと頷いた後でさらに問いかけてきた。
「では、ご主人様はお金を稼ぐために仕事をされているのですか?」
その言葉に一瞬ぎくりとしたが、平静を装って答えた。
「そうだよ。他にやることもないしね」
そう答えると、彼女は納得したようだった。
どうやら納得してくれたようだと安心したのだが、なぜか悲しそうな表情をしていたような気がしたので気になったもののあえて聞かなかった。
(まあいいか)
そう思いながら先へ進むことにした。
しばらく歩いていると、不意にルミナスが俺の腕を掴んで立ち止まった。
何事かと思って彼女の方を見ると、険しい表情を浮かべていたので何かあったのかと身構えたのだが、
どうやらそうではないようでほっとした。
「どうしたんだい?」
そう聞くと、彼女は緊張した面持ちである方向を指差した。
そちらに目を向けると、何かが動くのが見えた気がした。
どうやら魔物のようだ。
「あれは……ブルーラビットだな」
そう呟くと、俺は剣を抜いて駆け出した。
確か、S級の大変珍しい肉が取れるモンスターである、
「グギャアッ!」
そして俺の一撃を受けて断末魔を上げると、そいつは地面に倒れ伏した。
俺が剣を鞘に収めると同時に、背後からパチパチという音が聞こえてきた。
振り向くと、ルミナスとアリアが笑顔で拍手をしていた。
どうやら褒めてくれているらしい。
ちょっと照れくさかったが、悪い気はしなかった。
その後も順調に狩りを続けていき、あっという間に目標の数に達したため、街に戻ることにした。
帰り際、ふと空を見上げると、夕日で赤く染まっていた。
その美しさに目を奪われていると、突然隣を歩いていたルミナスに手を握られた。
驚いて彼女の顔を見ると、頬を赤く染めながら微笑んでいた。
「ブルーラビットの肉とれませんでしたね」
そう、倒したのに、取れていたのはウサギの肉だったのだ。
「なんか悔しい」
「また狩ればいいじゃないですか」
そう言われてもなんだか腑に落ちない気分だ。
「レア上級モンスターだぞ、そんなにお目に掛かったらN級モンスターだろうに」
そう言いながらマーケットを見ると他の冒険者がブルーラビットの肉をを売っていた。
「それどうやったんだ」
「ああ、教えれないよ50万コインがするモンスターの肉だぜ」
「なんだと」
悔しいがそんなの、レアハンターでも無い限り無理だろう。
「ま、まあ次頑張ればいいじゃないか」
そう慰めてくれた。
そして俺達はギルドに戻った。
「え? レア級モンスターにあった?」
「はい、そうなんですが、その、倒してもレア食材が出なくて」
「あらら、それは災難でしたね」
受付嬢が気の毒そうに言ってくれる。
だが、問題はここからだ。
「レアドロップってどうっているんですか」
「ええと、ごく稀に、高ランクのアイテムを低確率で落とすんですよ」
「確定にする事は出来ませんか」
「短剣スキルのキラーハントなら、ヒットでレア率の倍率を上げれますが」
「お願いします!」
早速やってみると、確かに少し増えたような気がする。
しかしそれでも足りない。このままではいつまでたっても帰れないぞと頭を抱えた時、ふと思いついた。
「そうか、魔族になればいいんだ」
そうと決まれば善は急げとばかりに魔族領へと向かうことにした。
幸い、この辺りには危険な魔族はほとんどおらず、いてもせいぜいオーク程度だ。
俺はそいつらを倒しながらひたすら進んだ。
そしてついに、目的地へとたどり着いたのだ。
魔王城である、
「リュート様どうされましたか?」
「いや、なんでもないよ」
慌てて取り繕うと、俺は目の前の扉を開いて中に入った。
そこは謁見の間になっており、玉座には一人の男性が座っていた。
「お前がここに戻るとは珍しい」
「父さんも魔族に戻してよ」
「ならん、人間のままでいるべきだ」
と言ってそっぽを向いてしまった。
「どうしてもダメなのか?」
「ダメだ」
こうなったら仕方がない、実力行使しかないと覚悟した時、
「どうせ、お前の事だ、魔族の力でレア食材を食べたいのだろう? もっと効率的なやり方があるぞ」
「え?」
まさか、俺は城の貯蔵庫に向かうとブルーラビットの肉が大量にあった。
「これで好きなだけ食べろ」
そう言って差し出してくる。
嬉しいけど素直に喜べなかった。
すると、その様子を見て察したのか、呆れた顔で言われた。
結局、その日は諦めて部屋に戻ったのだった。
翌朝、朝食を済ませた後、昨日と同じように街を散策していると、不意に声をかけられた。
振り返るとそこにはアリアが立っていた。
「こんにちは、リュートさん」
相変わらず元気いっぱいという感じだった。
そんな彼女を見ていると自然と笑みが溢れてしまう。
それからしばらく話をした後、別れ際にアリアはこう言った。
「今度、私の家でお茶会を開くんです、よかったら来ませんか?」
もちろん断る理由など無かったので、快諾した。
「はい、楽しみにしています」
そうして彼女と別れた後で、再び探索を始めることにした。
途中、屋台に立ち寄って買い物をしていると、店主から声をかけられた。
「おや、見ない顔だね。旅人かい?」
どうやら俺のことを覚えていてくれたようだ。
「ええ、そんなところです」
そう言うと、彼は少し考えた後でこう提案してきた。
「もし良かったらうちの商品を買っていかないか?  安くしておくよ」
どうしようか迷ったものの、今日は特に予定もなかったし、せっかくだから買っていくことにした。
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