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その結果、大量の荷物を抱えることになったのだが、不思議と気分は悪くなかった。
その後、家に帰ると早速買ったものを試してみることにした。
俺は魔力を込めてみるとウサギの人形が出来た。
「なんだこれ? ただのぬいぐるみじゃないか」
そう呟いた瞬間、突然動き出したのだ。驚いたが、よく見ると作り物だということがわかる。
しかも動くたびにカサカサと音がするので正直気持ち悪いと思った。
そこで魔法で凍らせて粉々に砕いてやることにした。
という音と共に砕け散ったそれを見て満足していると、俺はそのままではよくないので片付けてから、
「よし!今度こそ行こう!」
と言いながら意気揚々と出発したのである。
しばらく歩いているうちに森を抜けて街道に出ることができたのだが、ここで問題が発生したのだ。
なんと道に迷ってしまったのである。
それもそのはずでいくら地図を持っているとはいえ森の中を通ってきたわけだから当然といえば当然だと言えるだろう。
どうしたものかと思っていると、ふいに声を掛けられた。
振り返るとそこにいたのは少女だった。
年齢は15歳くらいだろうか?金髪碧眼で顔立ちは非常に整っており、胸の大きさはやや控えめといったところだったがそれでも十分に魅力的であった。
服装はかなり質素なものではあったが清潔感があり決して貧相な感じはしなかったし何よりスタイルが良いため非常に
似合っていたといえるだろう。
「おはようございます、私は今日からお世話になることになりましたルミナスと申します」
そう言ってぺこりとお辞儀をする彼女を見ながら思ったことはただ一つだけだった。
(この子可愛すぎるだろ!)
俺は思わず見惚れてしまっていたのだがすぐに我に帰ると慌てて取り繕うように言った。
すると彼女は不思議そうな顔をしながらこちらを見つめてきたので、誤魔化すように咳払いをすると話題を変えることにした。
まずは挨拶からだと考え、自己紹介を行うことにした。
「俺はリュート、冒険者をやっている者だ」
そう名乗ると彼女もまた名乗り返してくれた。
「はじめまして、私はルミナスといいます。これからよろしくお願いしますね」
そう言ってにっこりと微笑む姿はまるで天使のように美しく見えた。
「あ、ああよろしくな」
彼女の微笑みを見て思わずドキッとしたがなんとか平静を装って答えることに成功した。
それにしても本当に可愛い子だなと思いながら見つめていると、視線に気づいたのかこちらを見てきたので慌てて目を逸らした。
なんだか顔が熱い気がする……きっと赤くなっているのだろうと思い恥ずかしくなったがそれ以上に嬉しさの方が勝っていた。
(この娘をずっと眺めていられるだけでも幸せだろうな)
そんなことを思いながらしばらくの間眺めていると、
不意に話しかけられたことで我に返った。
そうだ、今はそんなことを考えている場合ではないと思い直すと改めて尋ねた。
返ってきた答えを聞いて納得したと同時に安堵した。
「そっか、じゃあ行こうか」
と言って歩き出すと、ルミナスもついてきたようで足音が後ろから聞こえてきた。
街を出てからもしばらくは一緒だったが、途中から分かれ道になったところで立ち止まった。
俺はこのまま真っ直ぐ進むつもりだったが、彼女は違うようだった。
おそらく南へ行くつもりなんだろうと思ったが敢えて口にはしなかった。
それよりも気になっていたことがあったのだ。
それは彼女の服装である。
明らかに旅支度をしたものではないことは明らかだったからだ。
どう見ても普通の村娘にしか見えない格好なのだ。
これではモンスターに襲われた時に対応できないだろう。
そう思って忠告しようとしたがやめた。
(余計なお世話だろうし、お節介かもしれないしな)
そう思ったからである。
そして無言のまま歩き出そうとした時だった。
「ねえ、ちょっといいかしら?」
不意に声をかけられて振り向くと、そこには二人の女性が立っていた。
一人は20代前半くらいの黒髪の女性でもう一人は10代後半くらいの金髪の女の子だった。
どちらも美人だが年齢的には大学生くらいに見える。
彼女たちは俺のことを知っているようだが一体誰なのだろうかと考えていると、黒髪の女性が話しかけてきた。
「初めまして、私はアリサよ、よろしくね」
笑顔で挨拶をしてくる彼女につられてこちらも笑顔になりながら返事をした。
「ああ、こちらこそよろしく」
すると今度は金髪の女の子が話しかけてきた。
「あの、私も一緒に行ってもいいですか?」
そう言われて一瞬戸惑ったが、断る理由もなかったので了承することにした。
「もちろん構わないよ」
そう言うと嬉しそうな表情を浮かべるのだった。
そして三人で並んで歩き出したのだが、なぜか途中で方向を変えてしまったので不思議に思っていると、
突然腕を掴まれた。
驚いて振り返るとそこに立っていたのはアリアだった。
どうやら走ってきたらしく息を切らしていた。
そして呼吸を整えるとこう言った。
「間に合って良かったぁ……」
そこまで言うと安心したのかその場に座り込んでしまった。
その様子を呆然と見ていると、彼女がこちらを見上げてきたので目が合った。
その瞬間、胸が高鳴るのを感じた。
それと同時に顔が熱くなるのを感じて慌てて目を逸らすと顔を背けるのだった。
しかし、その程度で落ち着くはずもなく心臓はバクバクと激しく脈打っているのがわかった。
「ねぇ、どうしたの? 大丈夫?」
心配そうな声で聞いてくる彼女に対して大丈夫だと答えることしかできなかった。
それからしばらく沈黙が続いた後で、意を決して話しかけることにした。
「なぁ、どうしてここにいるんだ?」
そう尋ねると彼女は答えた。
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