83 / 98
暗闇の中
しおりを挟む
イヴをいつものように見送って、掃除をしようとドアに背を向ける。
昨日イヴは何かを隠して、俺には何も見せてくれなかった。
イヴが見せないのにはなにか理由があるんじゃないかとは思うが、気になってしまう。
家の前になにかあったみたいだから、家から出なければ許してくれるかな。
そう思ってドアに近付いて、開けようとしたが全然開かなかった。
あれ?さっきイヴ、普通にドアを開けていたよな。
俺、ドアに嫌われているのかな。
開かないんじゃ仕方ない、諦めて仕事に戻ろうと足元にいるクロと一緒にドアから離れた。
掃除をしていると窓の外に立っている人がいて、今度はウロウロしていない。
ただ立っている、一つの場所をただ見つめているだけだった。
イヴは知らない人だと言っていたが、毎日なんで来るんだろう。
こんなに毎日来るならイヴが目当てなんだろうけど…
ふと見上げて、俺のいる窓の方に目線を向けていた。
口パクでなにか言っていて、俺には遠いし窓が開かないから聞く事すら出来ない。
いつもは睨んでいるだけだったのに、今日は口元に笑みを浮かべていた。
なんか楽しそうというより不穏な感じがして、背筋がぞくりとした。
クロは威嚇をしているのか、毛を逆立たせていだ。
視線を一瞬外して、また窓を見るともう誰もいなかった。
だんだん彼が怖い存在のようになっていっているような感じがする。
最初に見た時はあんな感じじゃなかった筈なのに、外見が同じだけの別人のようだった。
まだクロは窓の向こうを睨んでいて、クロの体の毛が伸びていた。
驚いてクロの名を呼ぶけど、クロには届いていないのか体も変化している。
大きな体の猫に変身したクロは雄叫びを上げていた。
「く、クロ…どうしたんだ?クロッ!!」
クロはずっと窓を見ていて、俺はイヴにどうしたらいいか聞こうと思った。
歩き出した時、家が薄暗くなって足を止めて窓の方を見る。
さっきは太陽の光で照らしていた室内は明かりを消していた。
窓が真っ暗だ、外が突然暗くなったのかと窓に近付く。
無数の目が俺を見つめていて、驚いて尻餅を付いた。
嫌だ、怖い……見るな…またあの暗闇のように視界が真っ暗になる。
ガタガタと窓を揺らしていて、外から入って来られないのだろう。
俺はクロの大きな体にしがみついて、目玉が居なくなるように心の中で何処かに行けと追い払おうとした。
クロは俺の方を見つめて、スリスリと体を擦らせていた。
だんだんクロの体は小さくなり、元のサイズに戻った。
俺は逃げるようにクロを抱き寄せて、部屋に逃げ込んだ。
部屋も暗くて、目玉が俺を見つめていてカーテンを思いっきり引っ張った。
イヴ、仕事中なのかな…水晶型の通信魔導機に触れる。
仕事中だとしてもこれは知らせなくてはいけない。
でも、通信魔導機はイヴに繋げてくれなくて何の反応もしなかった。
「なんで、どうして…まさかイヴにもなにかあったのか?」
「にゃー」
「クロ、イヴの事なにか知らない?」
イヴは俺を見上げているだけで、知っているわけないかとベッドに上がり頭から布団を被る。
この家にいれば何もされない筈だ、大丈夫だ…大丈夫。
そう思って、このまま寝てしまおうと思ったが急に腕が痛くなった。
刃物で切り裂かれるような、鋭い痛みに腕を掴んで爪を立てる。
痛い痛い痛い!!痛みで涙が流れて、腕が熱くなる。
布団から顔を出して、腕を見ると唖然として目を見開いた。
「なに、これ…」
俺の手は黒く汚れていて、見間違えかと思って小さな炎を出して手を確認する。
見間違えだと思った、見間違えであってほしかった。
でも俺の手はやっぱり黒くなっていて、さっきまで触っていた腕を見つめた。
袖に黒い染みのようなものがあり、慌てて服を脱いだ。
包帯を黒く染めていて、明らかに俺の血ではないなにかがそこにあった。
包帯を外そうとしたら、激しい痛みと痙攣でベッドに倒れた。
ベッドを黒く染めて、シーツを掴むとクロは俺の目の前で姿がドロドロに溶けてしまった。
クロ、そんな…まさか死んでしまったのか?俺を一人にしないで…
俺の味方がいないこの場所で、未知なる黒いものが体から流れて痛みで死んでしまうのかと恐怖した。
包帯がするすると解けていて、刺青が伸びて俺の首にまで伸ばされた。
締めるように苦しくなり、息もしづらくなってきた。
短い息を繰り返して、イヴが帰ってくるまで耐えようと思った。
大丈夫、俺なら出来る…こんな痛み…あの頃と比べたら全然痒くもない!
俺は一度死んだんだ、記憶もちゃんと残っている…病院で一人死んでいったあの時と比べたらこんなもの大した事じゃない。
今までいろんなピンチを回避してきたんだ、弱気になってどうするんだ俺!
昨日イヴは何かを隠して、俺には何も見せてくれなかった。
イヴが見せないのにはなにか理由があるんじゃないかとは思うが、気になってしまう。
家の前になにかあったみたいだから、家から出なければ許してくれるかな。
そう思ってドアに近付いて、開けようとしたが全然開かなかった。
あれ?さっきイヴ、普通にドアを開けていたよな。
俺、ドアに嫌われているのかな。
開かないんじゃ仕方ない、諦めて仕事に戻ろうと足元にいるクロと一緒にドアから離れた。
掃除をしていると窓の外に立っている人がいて、今度はウロウロしていない。
ただ立っている、一つの場所をただ見つめているだけだった。
イヴは知らない人だと言っていたが、毎日なんで来るんだろう。
こんなに毎日来るならイヴが目当てなんだろうけど…
ふと見上げて、俺のいる窓の方に目線を向けていた。
口パクでなにか言っていて、俺には遠いし窓が開かないから聞く事すら出来ない。
いつもは睨んでいるだけだったのに、今日は口元に笑みを浮かべていた。
なんか楽しそうというより不穏な感じがして、背筋がぞくりとした。
クロは威嚇をしているのか、毛を逆立たせていだ。
視線を一瞬外して、また窓を見るともう誰もいなかった。
だんだん彼が怖い存在のようになっていっているような感じがする。
最初に見た時はあんな感じじゃなかった筈なのに、外見が同じだけの別人のようだった。
まだクロは窓の向こうを睨んでいて、クロの体の毛が伸びていた。
驚いてクロの名を呼ぶけど、クロには届いていないのか体も変化している。
大きな体の猫に変身したクロは雄叫びを上げていた。
「く、クロ…どうしたんだ?クロッ!!」
クロはずっと窓を見ていて、俺はイヴにどうしたらいいか聞こうと思った。
歩き出した時、家が薄暗くなって足を止めて窓の方を見る。
さっきは太陽の光で照らしていた室内は明かりを消していた。
窓が真っ暗だ、外が突然暗くなったのかと窓に近付く。
無数の目が俺を見つめていて、驚いて尻餅を付いた。
嫌だ、怖い……見るな…またあの暗闇のように視界が真っ暗になる。
ガタガタと窓を揺らしていて、外から入って来られないのだろう。
俺はクロの大きな体にしがみついて、目玉が居なくなるように心の中で何処かに行けと追い払おうとした。
クロは俺の方を見つめて、スリスリと体を擦らせていた。
だんだんクロの体は小さくなり、元のサイズに戻った。
俺は逃げるようにクロを抱き寄せて、部屋に逃げ込んだ。
部屋も暗くて、目玉が俺を見つめていてカーテンを思いっきり引っ張った。
イヴ、仕事中なのかな…水晶型の通信魔導機に触れる。
仕事中だとしてもこれは知らせなくてはいけない。
でも、通信魔導機はイヴに繋げてくれなくて何の反応もしなかった。
「なんで、どうして…まさかイヴにもなにかあったのか?」
「にゃー」
「クロ、イヴの事なにか知らない?」
イヴは俺を見上げているだけで、知っているわけないかとベッドに上がり頭から布団を被る。
この家にいれば何もされない筈だ、大丈夫だ…大丈夫。
そう思って、このまま寝てしまおうと思ったが急に腕が痛くなった。
刃物で切り裂かれるような、鋭い痛みに腕を掴んで爪を立てる。
痛い痛い痛い!!痛みで涙が流れて、腕が熱くなる。
布団から顔を出して、腕を見ると唖然として目を見開いた。
「なに、これ…」
俺の手は黒く汚れていて、見間違えかと思って小さな炎を出して手を確認する。
見間違えだと思った、見間違えであってほしかった。
でも俺の手はやっぱり黒くなっていて、さっきまで触っていた腕を見つめた。
袖に黒い染みのようなものがあり、慌てて服を脱いだ。
包帯を黒く染めていて、明らかに俺の血ではないなにかがそこにあった。
包帯を外そうとしたら、激しい痛みと痙攣でベッドに倒れた。
ベッドを黒く染めて、シーツを掴むとクロは俺の目の前で姿がドロドロに溶けてしまった。
クロ、そんな…まさか死んでしまったのか?俺を一人にしないで…
俺の味方がいないこの場所で、未知なる黒いものが体から流れて痛みで死んでしまうのかと恐怖した。
包帯がするすると解けていて、刺青が伸びて俺の首にまで伸ばされた。
締めるように苦しくなり、息もしづらくなってきた。
短い息を繰り返して、イヴが帰ってくるまで耐えようと思った。
大丈夫、俺なら出来る…こんな痛み…あの頃と比べたら全然痒くもない!
俺は一度死んだんだ、記憶もちゃんと残っている…病院で一人死んでいったあの時と比べたらこんなもの大した事じゃない。
今までいろんなピンチを回避してきたんだ、弱気になってどうするんだ俺!
20
あなたにおすすめの小説
元執着ヤンデレ夫だったので警戒しています。
くまだった
BL
新入生の歓迎会で壇上に立つアーサー アグレンを見た時に、記憶がざっと戻った。
金髪金目のこの才色兼備の男はおれの元執着ヤンデレ夫だ。絶対この男とは関わらない!とおれは決めた。
貴族金髪金目 元執着ヤンデレ夫 先輩攻め→→→茶髪黒目童顔平凡受け
ムーンさんで先行投稿してます。
感想頂けたら嬉しいです!
ヤリチン伯爵令息は年下わんこに囚われ首輪をつけられる
桃瀬さら
BL
「僕のモノになってください」
首輪を持った少年はレオンに首輪をつけた。
レオンは人に誇れるような人生を送ってはこなかった。だからといって、誰かに狙われるようないわれもない。
ストーカーに悩まされていたレある日、ローブを着た不審な人物に出会う。
逃げるローブの人物を追いかけていると、レオンは気絶させられ誘拐されてしまう。
マルセルと名乗った少年はレオンを閉じ込め、痛めつけるでもなくただ日々を過ごすだけ。
そんな毎日にいつしかレオンは安らぎを覚え、純粋なマルセルに毒されていく。
近づいては離れる猫のようなマルセル×囚われるレオン
普通の男の子がヤンデレや変態に愛されるだけの短編集、はじめました。
山田ハメ太郎
BL
タイトル通りです。
お話ごとに章分けしており、ひとつの章が大体1万文字以下のショート詰め合わせです。
サクッと読めますので、お好きなお話からどうぞ。
異世界転移して美形になったら危険な男とハジメテしちゃいました
ノルジャン
BL
俺はおっさん神に異世界に転移させてもらった。異世界で「イケメンでモテて勝ち組の人生」が送りたい!という願いを叶えてもらったはずなのだけれど……。これってちゃんと叶えて貰えてるのか?美形になったけど男にしかモテないし、勝ち組人生って結局どんなん?めちゃくちゃ危険な香りのする男にバーでナンパされて、ついていっちゃってころっと惚れちゃう俺の話。危険な男×美形(元平凡)※ムーンライトノベルズにも掲載
悪役未満な俺の執事は完全無欠な冷徹龍神騎士団長
赤飯茸
BL
人間の少年は生まれ変わり、独りぼっちの地獄の中で包み込んでくれたのは美しい騎士団長だった。
乙女ゲームの世界に転生して、人気攻略キャラクターの騎士団長はプライベートでは少年の執事をしている。
冷徹キャラは愛しい主人の前では人生を捧げて尽くして守り抜く。
それが、あの日の約束。
キスで目覚めて、執事の報酬はご主人様自身。
ゲームで知っていた彼はゲームで知らない一面ばかりを見せる。
時々情緒不安定になり、重めの愛が溢れた変態で、最強龍神騎士様と人間少年の溺愛執着寵愛物語。
執事で騎士団長の龍神王×孤独な人間転生者
学園一のスパダリが義兄兼恋人になりました
すいかちゃん
BL
母親の再婚により、名門リーディア家の一員となったユウト。憧れの先輩・セージュが義兄となり喜ぶ。だが、セージュの態度は冷たくて「兄弟になりたくなかった」とまで言われてしまう。おまけに、そんなセージュの部屋で暮らす事になり…。
第二話「兄と呼べない理由」
セージュがなぜユウトに冷たい態度をとるのかがここで明かされます。
第三話「恋人として」は、9月1日(月)の更新となります。
躊躇いながらもセージュの恋人になったユウト。触れられたりキスされるとドキドキしてしまい…。
そして、セージュはユウトに恋をした日を回想します。
第四話「誘惑」
セージュと親しいセシリアという少女の存在がユウトの心をざわつかせます。
愛される自信が持てないユウトを、セージュは洗面所で…。
第五話「月夜の口づけ」
セレストア祭の夜。ユウトはある人物からセージュとの恋を反対され…という話です。
被虐趣味のオメガはドSなアルファ様にいじめられたい。
かとらり。
BL
セシリオ・ド・ジューンはこの国で一番尊いとされる公爵家の末っ子だ。
オメガなのもあり、蝶よ花よと育てられ、何不自由なく育ったセシリオには悩みがあった。
それは……重度の被虐趣味だ。
虐げられたい、手ひどく抱かれたい…そう思うのに、自分の身分が高いのといつのまにかついてしまった高潔なイメージのせいで、被虐心を満たすことができない。
だれか、だれか僕を虐げてくれるドSはいないの…?
そう悩んでいたある日、セシリオは学舎の隅で見つけてしまった。
ご主人様と呼ぶべき、最高のドSを…
平凡なぼくが男子校でイケメンたちに囲まれています
七瀬
BL
あらすじ
春の空の下、名門私立蒼嶺(そうれい)学園に入学した柊凛音(ひいらぎ りおん)。全寮制男子校という新しい環境で、彼の無自覚な美しさと天然な魅力が、周囲の男たちを次々と虜にしていく——。
政治家や実業家の子息が通う格式高い学園で、凛音は完璧な兄・蒼真(そうま)への憧れを胸に、新たな青春を歩み始める。しかし、彼の純粋で愛らしい存在は、学園の秩序を静かに揺るがしていく。
****
初投稿なので優しい目で見守ってくださると助かります‼️ご指摘などございましたら、気軽にコメントよろしくお願いしますm(_ _)m
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる