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第1話 日常の終わり
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「おい、小日向。ちょっとパン買ってきてくれよ」
「う、うん、わかった」
黒崎 陸斗が俺に小銭を差し出す光景は、もはや日常の一部となっていた。
「ありがと。いつものでよかった?」
「ああ、いつもの焼きそばパンな」
我ながら何がありがと、だと思う。
パシリで買いにいかされるのに何もありがたくない。
全く奴隷根性を染みついてしまっている自分が嫌になる。
俺の名前は小日向 悠。
趣味のゲームや漫画、小説が生きがいの高校2年生だ。
2年になって黒崎と同じクラスになってからは、いじめターゲットにされて日常的にパシらさせている。
最初こそ拒否していたが、機会を見て人気のないところに連れ込まれ、そこでぼこぼこにされて心をへし折られてからは黒崎のいいなりの従順な奴隷になっている。
「ちょっと止めなさいよ、黒崎君。毎日毎日小日向君をこき使って。お昼くらい自分で買いに行ったら?」
クラスの学級委員長の大村 香織が黒崎を咎める。
「別に命令してるわけじゃねえんだ。お金は渡してるし、小日向は俺の友達で、ついでに買いに行ってくれるんだよ。なあ、お前もパン食いたかったんだよなあ、小日向」
黒崎は俺と肩を組み、肩を組んだその腕に力を入れる。
「う、うん」
「ほらみろ」
大村は納得していなさそうだったが、黒崎の言葉にしぶしぶ引き下がる。
黒崎の気性は荒く、些細なことで怒りを爆発させ、問題になることもしばしばだ。
だが、恐喝にならないよう、パシらせる時にクラスのみんながいる場合、必ずお金を握らせる。
彼が停学や退学に至らないのは凶暴な反面、このような狡猾な振る舞いもできるところが大きい。
大村は正義感で言ってくれているのだろう。
だがその程度の指摘で黒崎のいじめが止まることはない。
逆にいじめを助長させているともいえる。
はっきり言って大村の善意はありがた迷惑だった。
「嫌なら嫌ってはっきり言えばいいのにね」
「しょうがないじゃん、意気地なしのヘタレなんだからさ」
女生徒たちはそう言った後、俺の方を向いてクスクスと笑っている。
彼女たちは黒崎と仲良くしている、所謂不良グループの一員であった。
その様を見て、ニヤニヤとする黒崎。
「おいおい、あんま俺の友達を悪く言ってくれるなよ。なあ、小日向」
「な、なんのこと?」
俺は聞こえないふりをする。
これでもプライドの一欠片は持ち合わせているのだ。
「どーん!」
「ゔっ!」
黒崎はなんの脈絡もなくいきなり俺に腹パンをしてきた。
腹を押さえて苦しんでる俺を残して、友達の方へと去っていく。
「じゃあ、頼むぜマイフレンド」
「ゔっ、だって、だっさ笑」
「な、なんのこと~、だって笑。黒崎さあ、ほんとに小日向のこと友達だと思ってるの?」
「思ってる訳ねえだろ、あんなゴミ。奴隷だよ奴隷。ギャハハハハッ!」
クラス内に黒崎たちの笑い声が響く。
他の生徒たちから憐れみの視線が向けられているがわかる。
ああ、またやられてるよ可哀想、という憐れみの視線だ。
こんな地獄のような日常がずっと続いている。
最近では精神が摩耗し、食欲もどんどんなくなってきていた。
俺が逃げるように教室を離れようとした時のことだった。
教室内が突如として眩しい光に包まれる。
女子たちの悲鳴が響き渡り、パニックが広がる。
光が強まり、目も開けていられなくなって数秒後。
俺たちの周りの世界は一変した。
「う、うん、わかった」
黒崎 陸斗が俺に小銭を差し出す光景は、もはや日常の一部となっていた。
「ありがと。いつものでよかった?」
「ああ、いつもの焼きそばパンな」
我ながら何がありがと、だと思う。
パシリで買いにいかされるのに何もありがたくない。
全く奴隷根性を染みついてしまっている自分が嫌になる。
俺の名前は小日向 悠。
趣味のゲームや漫画、小説が生きがいの高校2年生だ。
2年になって黒崎と同じクラスになってからは、いじめターゲットにされて日常的にパシらさせている。
最初こそ拒否していたが、機会を見て人気のないところに連れ込まれ、そこでぼこぼこにされて心をへし折られてからは黒崎のいいなりの従順な奴隷になっている。
「ちょっと止めなさいよ、黒崎君。毎日毎日小日向君をこき使って。お昼くらい自分で買いに行ったら?」
クラスの学級委員長の大村 香織が黒崎を咎める。
「別に命令してるわけじゃねえんだ。お金は渡してるし、小日向は俺の友達で、ついでに買いに行ってくれるんだよ。なあ、お前もパン食いたかったんだよなあ、小日向」
黒崎は俺と肩を組み、肩を組んだその腕に力を入れる。
「う、うん」
「ほらみろ」
大村は納得していなさそうだったが、黒崎の言葉にしぶしぶ引き下がる。
黒崎の気性は荒く、些細なことで怒りを爆発させ、問題になることもしばしばだ。
だが、恐喝にならないよう、パシらせる時にクラスのみんながいる場合、必ずお金を握らせる。
彼が停学や退学に至らないのは凶暴な反面、このような狡猾な振る舞いもできるところが大きい。
大村は正義感で言ってくれているのだろう。
だがその程度の指摘で黒崎のいじめが止まることはない。
逆にいじめを助長させているともいえる。
はっきり言って大村の善意はありがた迷惑だった。
「嫌なら嫌ってはっきり言えばいいのにね」
「しょうがないじゃん、意気地なしのヘタレなんだからさ」
女生徒たちはそう言った後、俺の方を向いてクスクスと笑っている。
彼女たちは黒崎と仲良くしている、所謂不良グループの一員であった。
その様を見て、ニヤニヤとする黒崎。
「おいおい、あんま俺の友達を悪く言ってくれるなよ。なあ、小日向」
「な、なんのこと?」
俺は聞こえないふりをする。
これでもプライドの一欠片は持ち合わせているのだ。
「どーん!」
「ゔっ!」
黒崎はなんの脈絡もなくいきなり俺に腹パンをしてきた。
腹を押さえて苦しんでる俺を残して、友達の方へと去っていく。
「じゃあ、頼むぜマイフレンド」
「ゔっ、だって、だっさ笑」
「な、なんのこと~、だって笑。黒崎さあ、ほんとに小日向のこと友達だと思ってるの?」
「思ってる訳ねえだろ、あんなゴミ。奴隷だよ奴隷。ギャハハハハッ!」
クラス内に黒崎たちの笑い声が響く。
他の生徒たちから憐れみの視線が向けられているがわかる。
ああ、またやられてるよ可哀想、という憐れみの視線だ。
こんな地獄のような日常がずっと続いている。
最近では精神が摩耗し、食欲もどんどんなくなってきていた。
俺が逃げるように教室を離れようとした時のことだった。
教室内が突如として眩しい光に包まれる。
女子たちの悲鳴が響き渡り、パニックが広がる。
光が強まり、目も開けていられなくなって数秒後。
俺たちの周りの世界は一変した。
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