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第2話 異世界召喚
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「陛下成功いたしました、召喚が成功したのです!」
女性は、荘厳な椅子に座る男性へと向かって興奮を隠しきれずに報告する。
金髪の長い髪を美しくなびかせ、幻想的な白いドレスを纏った彼女は、見る者を魅了するほどの美しさを誇っている。
その完璧なスタイルと美貌は、街を歩けば誰もが振り返るほどだった。
「素晴らしい! 活気あふれる若者たちを大勢召喚できたか!」
男性は、その口元に赤髭を蓄え、頭にはきらびやかな冠を輝かせている。
ローブのような華やかな衣装を身に纏い、そのふるまいからは自然と威厳が漂っている。
周りには俺たちを取り囲むように兵士が配置されている。
地面は石畳になっており、石造りの建物のようだ。
俺たちはほんの数秒前まで教室にいたはずだった。
ドッキリか? なら一体どんなトリックを使ったんだ?
これほどの演出を可能にする技術がこの世に存在するのか?
「これでようやく戦力強化が見込めるな。そなたには苦労かけた。だがこれから先が重要だ。引き続き、我が国のために尽力をよろしく頼むぞ」
「勿体ないお言葉。必ずや我が国を勝利へと導くべく、全力を尽くします!」
女性は片膝を地につけて深く頭を垂れた。
男性は陛下と呼ばれていた。
であれば、あれは王座で男性は国王ということなのだろうか。
「おい、ふざけんじゃねえぞ、てめぇらぁ! なんのドッキリだこれは?」
黒崎がひどい剣幕で、前方の女性と男性に詰め寄っていく。
「許可なく陛下に近づくな!」
血相を変えた兵士たちが何人か、前に進み出るが、王は片手を上げてそれを制する。
王は視線を女性に向けると、女性は頷き前に歩み出て黒崎と対峙し、鋭い視線を向け、黒崎は身構える。
なにが起こるのかと息を呑んだ、その時――
女性は頭を深く下げた。
「この度は突然の召喚、誠に申し訳ございません。私、エスペリア王国の宮廷魔術師筆頭、セリーナ・エリザベータと申します」
身構えていた黒崎は拍子抜けしたように肩の力が抜ける。
「お目にかかっているのがエスペリア王国のアルドリック・エスペリア陛下でございます。今回は皆さま方のお力添えをいただきたく、異世界召喚をさせていただきました」
「異世界召喚? なんだよ漫画かよ。いいからさっさとネタバレしろ! たいして面白くもねえんだよ!」
「冗談だとお考えですか? ですが、残念ながらこれはれっきとした事実でございます」
「いいから、さっさと元に戻せよ!」
「異世界召喚は一方通行です。元の世界へ戻ることはできません」
「はあ、ふざけんじゃねえぞてめぇ!!」
瞬間湯沸かし器のような黒崎が、セリーナに掴みかかろうとした、その瞬間――
突如、閃光が走り、爆発音が響き渡る。
黒崎とセリーナの間の地面が一瞬にして黒焦げになり、その場には焦げた匂いが立ち込める。
黒崎は衝撃と驚きで地に尻餅をつく。
「て、てめぇ」
わなわなと怒りに震えながら黒崎が立ち上がる。
クラス内にどよめきが走る。
「今、元の世界に戻れないって言ったよな」
「えっ、ドッキリじゃないのこれ。異世界から戻れないって本気?」
「もう止めるんだ、黒崎君」
そこにクラスメイトの風間 翔太が割って入ってきた。
「うるせぇてめぇは引っ込んでろよ!」
「そういう訳にはいかない。君の行動はクラスのみんなを危険にさらしている」
黒崎は嘲笑う。
「ああ、危険だあ? こんなドッキリになんの危険があるんだよ」
風間は落ち着いて反論する。
「ほんとにドッキリだと思ってるのか? 僕たちは強い光で目を閉じてはいたけど、それはほんの数秒のことだった。そんな短い間にこんなにも多くの人々を配置し、環境を変えるなんて、ドッキリでは不可能だ」
「だったら……」
「セリーナさんが言った通り、これは異世界召喚だ。信じ難いが、僕たちが今置かれている状況から、それを受け入れるしかない。そして、この事実を受け入れるなら我々の運命はここにいる最も権力のある者、すなわち陛下の手中にある。軽はずみな行動は控えてくれ」
「そうよ、風間君のいう通りよ」
「そうよ、そうよ」
黒崎は風間の取り巻きの数人の女生徒たちに睨みをきかせる。
女生徒たちはすぐさま風間の背後に隠れる。
「ちっ、仕方ねぇわかったよ……」
黒崎は最終的には渋々引き下がった。
その様子を見たエスペリア王は満足そうに微笑みを浮かべる。
風間は優れた学業成績に、スポーツの才能を誇っている。
おまけにイケメンで名門の家柄ときている。
クラス内では当然のように複数人の女性ファンが形成され、素行もいいので次期生徒会長の最有力と目されていた。
世の中は平等でないとその存在で体現してくれている完璧超人。
それが風間 翔太という男であった。
もちろん彼はクラスのヒエラルキーの最上位に属している。
だから先ほどは黒崎も風間の言うことに渋々ながら従ったのだ。
先ほどまではクラスの雰囲気はどちらかと言えば黒崎寄りだった。
エリーナや国王に向かって、黒崎と同じように怒気とヤジを飛ばしていた生徒もいた。
だが風間の登場と説得により完全に空気が変わる。
風間は国王に対し、一礼をする
「陛下、この度の突然の召喚で起こった混乱につきまして、心よりお詫び申し上げます」
随分と大人びた話し方をする奴だ。
「よい、突然の召喚に混乱が発生するのは無理のないこと。気にするでない」
「感謝いたします。では、我々をここへ召喚した目的について、伺ってもよろしいでしょうか?」
「ここから先は私から説明させていただきます」
エリーナが話を引き取る。
「我々が皆様を召喚したのは、召喚された者が特別なスキルを獲得する可能性が格段に高いためです。中には、数万人に一人という確率で、非常に強力なレアスキルを授かる方もいます。これらのスキルを持つ者は、戦場で圧倒的な力を発揮することができます。現在、我が国は周辺国のある国と緊張状態にあり、これからの戦争において皆様の力を借りたいと考えています」
その言葉に部屋内は一時の静寂を迎えたが、その後ざわめきが広がった。
顔を青くしているものも多い。俺たちは平和な日本の高校生だ。
いきなり戦争だなんて言われても、引いてしまうのは当然だった。
「しかし、まずは皆さんがこの世界でどのような立場にあるのか、自身のスキルとステータスを確認していただきたいのです」
セリーナは穏やかに続けた。
「ステータスオープンと唱えていただけますでしょうか? それによって各人のステータスウィンドウが表示されますので、各自でステータスとスキル欄をご確認ください」
生徒たちの間からはじめはためらいがちに確認の声が上がり、次第にその数を増やしていった。
「ステータスオープン」という言葉と共に、空中に浮かぶ透明なウィンドウが一つ、また一つと現れては消えていった。
女性は、荘厳な椅子に座る男性へと向かって興奮を隠しきれずに報告する。
金髪の長い髪を美しくなびかせ、幻想的な白いドレスを纏った彼女は、見る者を魅了するほどの美しさを誇っている。
その完璧なスタイルと美貌は、街を歩けば誰もが振り返るほどだった。
「素晴らしい! 活気あふれる若者たちを大勢召喚できたか!」
男性は、その口元に赤髭を蓄え、頭にはきらびやかな冠を輝かせている。
ローブのような華やかな衣装を身に纏い、そのふるまいからは自然と威厳が漂っている。
周りには俺たちを取り囲むように兵士が配置されている。
地面は石畳になっており、石造りの建物のようだ。
俺たちはほんの数秒前まで教室にいたはずだった。
ドッキリか? なら一体どんなトリックを使ったんだ?
これほどの演出を可能にする技術がこの世に存在するのか?
「これでようやく戦力強化が見込めるな。そなたには苦労かけた。だがこれから先が重要だ。引き続き、我が国のために尽力をよろしく頼むぞ」
「勿体ないお言葉。必ずや我が国を勝利へと導くべく、全力を尽くします!」
女性は片膝を地につけて深く頭を垂れた。
男性は陛下と呼ばれていた。
であれば、あれは王座で男性は国王ということなのだろうか。
「おい、ふざけんじゃねえぞ、てめぇらぁ! なんのドッキリだこれは?」
黒崎がひどい剣幕で、前方の女性と男性に詰め寄っていく。
「許可なく陛下に近づくな!」
血相を変えた兵士たちが何人か、前に進み出るが、王は片手を上げてそれを制する。
王は視線を女性に向けると、女性は頷き前に歩み出て黒崎と対峙し、鋭い視線を向け、黒崎は身構える。
なにが起こるのかと息を呑んだ、その時――
女性は頭を深く下げた。
「この度は突然の召喚、誠に申し訳ございません。私、エスペリア王国の宮廷魔術師筆頭、セリーナ・エリザベータと申します」
身構えていた黒崎は拍子抜けしたように肩の力が抜ける。
「お目にかかっているのがエスペリア王国のアルドリック・エスペリア陛下でございます。今回は皆さま方のお力添えをいただきたく、異世界召喚をさせていただきました」
「異世界召喚? なんだよ漫画かよ。いいからさっさとネタバレしろ! たいして面白くもねえんだよ!」
「冗談だとお考えですか? ですが、残念ながらこれはれっきとした事実でございます」
「いいから、さっさと元に戻せよ!」
「異世界召喚は一方通行です。元の世界へ戻ることはできません」
「はあ、ふざけんじゃねえぞてめぇ!!」
瞬間湯沸かし器のような黒崎が、セリーナに掴みかかろうとした、その瞬間――
突如、閃光が走り、爆発音が響き渡る。
黒崎とセリーナの間の地面が一瞬にして黒焦げになり、その場には焦げた匂いが立ち込める。
黒崎は衝撃と驚きで地に尻餅をつく。
「て、てめぇ」
わなわなと怒りに震えながら黒崎が立ち上がる。
クラス内にどよめきが走る。
「今、元の世界に戻れないって言ったよな」
「えっ、ドッキリじゃないのこれ。異世界から戻れないって本気?」
「もう止めるんだ、黒崎君」
そこにクラスメイトの風間 翔太が割って入ってきた。
「うるせぇてめぇは引っ込んでろよ!」
「そういう訳にはいかない。君の行動はクラスのみんなを危険にさらしている」
黒崎は嘲笑う。
「ああ、危険だあ? こんなドッキリになんの危険があるんだよ」
風間は落ち着いて反論する。
「ほんとにドッキリだと思ってるのか? 僕たちは強い光で目を閉じてはいたけど、それはほんの数秒のことだった。そんな短い間にこんなにも多くの人々を配置し、環境を変えるなんて、ドッキリでは不可能だ」
「だったら……」
「セリーナさんが言った通り、これは異世界召喚だ。信じ難いが、僕たちが今置かれている状況から、それを受け入れるしかない。そして、この事実を受け入れるなら我々の運命はここにいる最も権力のある者、すなわち陛下の手中にある。軽はずみな行動は控えてくれ」
「そうよ、風間君のいう通りよ」
「そうよ、そうよ」
黒崎は風間の取り巻きの数人の女生徒たちに睨みをきかせる。
女生徒たちはすぐさま風間の背後に隠れる。
「ちっ、仕方ねぇわかったよ……」
黒崎は最終的には渋々引き下がった。
その様子を見たエスペリア王は満足そうに微笑みを浮かべる。
風間は優れた学業成績に、スポーツの才能を誇っている。
おまけにイケメンで名門の家柄ときている。
クラス内では当然のように複数人の女性ファンが形成され、素行もいいので次期生徒会長の最有力と目されていた。
世の中は平等でないとその存在で体現してくれている完璧超人。
それが風間 翔太という男であった。
もちろん彼はクラスのヒエラルキーの最上位に属している。
だから先ほどは黒崎も風間の言うことに渋々ながら従ったのだ。
先ほどまではクラスの雰囲気はどちらかと言えば黒崎寄りだった。
エリーナや国王に向かって、黒崎と同じように怒気とヤジを飛ばしていた生徒もいた。
だが風間の登場と説得により完全に空気が変わる。
風間は国王に対し、一礼をする
「陛下、この度の突然の召喚で起こった混乱につきまして、心よりお詫び申し上げます」
随分と大人びた話し方をする奴だ。
「よい、突然の召喚に混乱が発生するのは無理のないこと。気にするでない」
「感謝いたします。では、我々をここへ召喚した目的について、伺ってもよろしいでしょうか?」
「ここから先は私から説明させていただきます」
エリーナが話を引き取る。
「我々が皆様を召喚したのは、召喚された者が特別なスキルを獲得する可能性が格段に高いためです。中には、数万人に一人という確率で、非常に強力なレアスキルを授かる方もいます。これらのスキルを持つ者は、戦場で圧倒的な力を発揮することができます。現在、我が国は周辺国のある国と緊張状態にあり、これからの戦争において皆様の力を借りたいと考えています」
その言葉に部屋内は一時の静寂を迎えたが、その後ざわめきが広がった。
顔を青くしているものも多い。俺たちは平和な日本の高校生だ。
いきなり戦争だなんて言われても、引いてしまうのは当然だった。
「しかし、まずは皆さんがこの世界でどのような立場にあるのか、自身のスキルとステータスを確認していただきたいのです」
セリーナは穏やかに続けた。
「ステータスオープンと唱えていただけますでしょうか? それによって各人のステータスウィンドウが表示されますので、各自でステータスとスキル欄をご確認ください」
生徒たちの間からはじめはためらいがちに確認の声が上がり、次第にその数を増やしていった。
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