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陶器屋カリーナと大工カルロ
陶器屋カリーナと大工カルロ⑤
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さっそく荷下ろしして、部屋も決まっていないからとカリーナは外で長持ちを開けて服を出してくれた。促されるまま空き部屋で借りた服を着たアデリーだが、やはりブカブカ過ぎて裾を引きずってしまう。
「やっぱり大きいわよねぇ。じゃあ、紐で調整しましょう」
カリーナは荷を縛っていた麻紐をアデリーの腰に回すとそれを縛り、引きずらないように調整していく。
「母さん、ダグマが陶器用の窯があるって言ってるけど」
空き部屋の外からカルロが声を掛けてきた。
「そりゃ見せてもらうけど、それより住む部屋が先だわね」
「ああ、部屋は窯のある真上はどうかって。今からベッドを組み立てるよ。ベッド二つ置いてもまだ空きスペースがあるから悪くないと思う」
「とりあえず見てみるわ」
脱いだ服を拾い上げてアデリーは思い切ってカリーナに服の洗い方を教えてくれないかと尋ねてみた。服は自分で洗わないとならないことは察していた。ただ、やり方を知らないので聞かなければならない。
「そりゃ、お安い御用さ。その服、とってもいい生地だねぇ。気を悪くしないでもらいたいけど、服がないならそれを売っちまって普段着を二着用意するといい。いや、三着くらいになるかもね」
一緒に部屋を出るとカルロが改めてアデリーと顔を合わせ、笑顔で握手を求めてきた。
「アデリーだったね。君も昨日ここに辿り着いたと聞いたよ。よろしく」
「はい。お二人に巡り会えて本当に嬉しく思います」
カルロとカリーナは顔を見合わせてちょっぴり笑い合った。
「あ……私、変なことを言いましたか?」
意味ありげな二人の雰囲気にアデリーは不安になった。またなにかおかしなことを言ってしまったのかもしれない。
「いや、君は本当に素敵だと思っただけさ。僕らは丁寧な物言いはできないけど許してくれよな」
カルロが言う事にカリーナは頷いて「貴婦人のようなアデリーに心惹かれちゃうってことよ! アタシたちには真似できないから」と、心遣いを見せてくれた。
「私、浮いてしまいますね……」
みんなのようにざっくばらんに話をしたいが、慣れないのですぐには無理そうだ。つい気落ちすると、バンと勢いよくカリーナに背を叩かれた。
「クヨクヨしなさんな。ご両親が一生懸命丁寧に育ててくれたんだ。誇りに思いなさいって!」
唐突に鼻の奥がツンとして、涙が込み上げてきた。そうだ。両親に大切に育ててもらったことは間違いない。ここでクヨクヨしていても仕方がないのだ。アデリーは慌てて顔を拭った。
「あら……泣かせちまったかい」
カリーナの心配顔に、アデリーは顔を左右に振って答えた。
「違います、違います。あの、私は川へ行ってますからお二人は部屋の相談をしてきてください。とりあえず、服をお水に漬けて待ってます」
「川に落ちるなよ、アデリー!」
カルロの気遣いに「はい!」と、返事をするものの振り返らずに一目散に川を目指して下りていった。
「あの子の服を見たろ? あんな立派な刺繍初めて見たよ。きっとここに居るのは訳ありなんだろうね……」
アデリーの背を見つめカリーナが言う。
「母さん。部屋を見てくれよ。そしたら荷物や何かは俺がやるからアデリーが川に落ちないようについててやって」
カルロも二人の視線の先でつまずいたアデリーに不安そうな顔をして言った。
「なんとなくお前がまだヨチヨチ歩いていた時のことを思い出すねぇ」
二人は同時に苦笑し、足元がおぼつかないアデリーから視線を引き剥がすと、部屋を見に背を向けた。
「やっぱり大きいわよねぇ。じゃあ、紐で調整しましょう」
カリーナは荷を縛っていた麻紐をアデリーの腰に回すとそれを縛り、引きずらないように調整していく。
「母さん、ダグマが陶器用の窯があるって言ってるけど」
空き部屋の外からカルロが声を掛けてきた。
「そりゃ見せてもらうけど、それより住む部屋が先だわね」
「ああ、部屋は窯のある真上はどうかって。今からベッドを組み立てるよ。ベッド二つ置いてもまだ空きスペースがあるから悪くないと思う」
「とりあえず見てみるわ」
脱いだ服を拾い上げてアデリーは思い切ってカリーナに服の洗い方を教えてくれないかと尋ねてみた。服は自分で洗わないとならないことは察していた。ただ、やり方を知らないので聞かなければならない。
「そりゃ、お安い御用さ。その服、とってもいい生地だねぇ。気を悪くしないでもらいたいけど、服がないならそれを売っちまって普段着を二着用意するといい。いや、三着くらいになるかもね」
一緒に部屋を出るとカルロが改めてアデリーと顔を合わせ、笑顔で握手を求めてきた。
「アデリーだったね。君も昨日ここに辿り着いたと聞いたよ。よろしく」
「はい。お二人に巡り会えて本当に嬉しく思います」
カルロとカリーナは顔を見合わせてちょっぴり笑い合った。
「あ……私、変なことを言いましたか?」
意味ありげな二人の雰囲気にアデリーは不安になった。またなにかおかしなことを言ってしまったのかもしれない。
「いや、君は本当に素敵だと思っただけさ。僕らは丁寧な物言いはできないけど許してくれよな」
カルロが言う事にカリーナは頷いて「貴婦人のようなアデリーに心惹かれちゃうってことよ! アタシたちには真似できないから」と、心遣いを見せてくれた。
「私、浮いてしまいますね……」
みんなのようにざっくばらんに話をしたいが、慣れないのですぐには無理そうだ。つい気落ちすると、バンと勢いよくカリーナに背を叩かれた。
「クヨクヨしなさんな。ご両親が一生懸命丁寧に育ててくれたんだ。誇りに思いなさいって!」
唐突に鼻の奥がツンとして、涙が込み上げてきた。そうだ。両親に大切に育ててもらったことは間違いない。ここでクヨクヨしていても仕方がないのだ。アデリーは慌てて顔を拭った。
「あら……泣かせちまったかい」
カリーナの心配顔に、アデリーは顔を左右に振って答えた。
「違います、違います。あの、私は川へ行ってますからお二人は部屋の相談をしてきてください。とりあえず、服をお水に漬けて待ってます」
「川に落ちるなよ、アデリー!」
カルロの気遣いに「はい!」と、返事をするものの振り返らずに一目散に川を目指して下りていった。
「あの子の服を見たろ? あんな立派な刺繍初めて見たよ。きっとここに居るのは訳ありなんだろうね……」
アデリーの背を見つめカリーナが言う。
「母さん。部屋を見てくれよ。そしたら荷物や何かは俺がやるからアデリーが川に落ちないようについててやって」
カルロも二人の視線の先でつまずいたアデリーに不安そうな顔をして言った。
「なんとなくお前がまだヨチヨチ歩いていた時のことを思い出すねぇ」
二人は同時に苦笑し、足元がおぼつかないアデリーから視線を引き剥がすと、部屋を見に背を向けた。
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