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再び、王都へ
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近衛騎士の一団がルーデル公爵邸の前を過ぎてしまうと、コンスタンスは
「は~、行っちゃった」
とため息をついた。
「ねぇお母様。
オレールカッコ良かったでしょう?」
「ええ、そうねぇ」
「パレードを見に来た女の人たち、みんなオレールを見て手を振っていたわよね?
でも残念でしたー。
オレールは私の旦那様なんだから!」
「はいはい」
みんなと言うのは言い過ぎだが、若い女の子たちの多くがオレリアンを見てキャアキャア言っていたのは本当だろう。
「パレードはもういいの?」
「うん」
夫が目の前から去ったら、コンスタンスはすっかりパレードへの興味をなくしてしまったようだ。
その時、沿道の女性たちが
「あ、馬車が来たわ」
と騒ぎ出した。
見れば、豪華な馬車に乗った男女が、沿道に笑顔で手を振っている。
ついさっき式を挙げた、王太子夫妻である。
コンスタンスは特に興味もないような顔で、馬車の方へ目を向けた。
幼馴染で婚約者であった王太子だが、8歳までの彼しか知らないコンスタンスにとっては今や見知らぬ青年と同じである。
しかも先日王太子は、コンスタンスの大事な旦那様に何やら命令して凄んでいた。
なんとなく、手なんか振ってやるもんかと思ってしまう。
だがフィリップはしっかりコンスタンスの姿を見とめ、こちらに向かって手を振ってきた。
一瞬目が合った気がしたので、コンスタンスは小さくお辞儀をした。
貴族の夫人としての礼儀である。
パレードを見ていたのはオレリアンの晴れ姿が見たかったからだ。
別に、フィリップが見たかったわけではない。
まぁ、『結婚おめでとう、良かったね』くらいの気持ちはあるけれど。
ただ、馬車に乗る王太子を見ていたら、なんだかモヤモヤしてムカムカしてきた。
頭も痛くなってきて、なんとなく、手も震えだした。
「奥様?」
コンスタンスの異変に気付いたリアが呼びかける。
「コニー?」
公爵夫人もコンスタンスの背中に触れようとする。
「あたま…、いたい…」
頭が割れるように痛い。
いつもの痛さより、ずっと痛い気がする。
「コニー⁇」
「い…った…っ」
コンスタンスが頭を押さえてしゃがみこんだ。
「コニー?!誰か!誰か、コニーが!」
部屋の外に控えていた騎士や、隣室に待機していた医者が駆け込んできて、コンスタンスの周りを囲んだ。
「私のベッドへ運んで!」
「そっと、そっとよ!」
「だい…、じょ…、ぶ…。
すぐ、なおる…から…」
「ああ、コニー、コニー!
話してはダメよ!コニー!」
コンスタンスは母のベッドに運ばれた。
痛みがだんだん引いてきたので、頭を押さえていた手を外す。
でも相当痛かったのか、額に手に、脂汗をかいていた。
「コニー、かわいそうに」
母が冷たくしたハンカチで汗を拭ってくれるのが気持ちよくて、コンスタンスは静かに目を閉じた。
「眠い…」
「少し眠りなさい」
「でも…、オレール…」
ここで眠ってしまったら、侯爵邸でオレリアンを出迎えてあげられない。
「オレリアンには今日はコニーを泊めると連絡しておくわ」
「でも…」
少し休んだら帰りたいと言いたかったが、言葉にならなかった。
オレリアンが帰って来たら、抱きついて迎えてあげたいのに。
「今日はすごくすごくカッコ良かった」って言ってあげたいのに。
あ、違う、今日もだわ…。
そう伝えたらきっとオレールは笑って、私をギュッとしてくれるー。
だから、帰らないと…。
でも。
コンスタンスはもう、眠くて目を開けることが出来なかった。
「は~、行っちゃった」
とため息をついた。
「ねぇお母様。
オレールカッコ良かったでしょう?」
「ええ、そうねぇ」
「パレードを見に来た女の人たち、みんなオレールを見て手を振っていたわよね?
でも残念でしたー。
オレールは私の旦那様なんだから!」
「はいはい」
みんなと言うのは言い過ぎだが、若い女の子たちの多くがオレリアンを見てキャアキャア言っていたのは本当だろう。
「パレードはもういいの?」
「うん」
夫が目の前から去ったら、コンスタンスはすっかりパレードへの興味をなくしてしまったようだ。
その時、沿道の女性たちが
「あ、馬車が来たわ」
と騒ぎ出した。
見れば、豪華な馬車に乗った男女が、沿道に笑顔で手を振っている。
ついさっき式を挙げた、王太子夫妻である。
コンスタンスは特に興味もないような顔で、馬車の方へ目を向けた。
幼馴染で婚約者であった王太子だが、8歳までの彼しか知らないコンスタンスにとっては今や見知らぬ青年と同じである。
しかも先日王太子は、コンスタンスの大事な旦那様に何やら命令して凄んでいた。
なんとなく、手なんか振ってやるもんかと思ってしまう。
だがフィリップはしっかりコンスタンスの姿を見とめ、こちらに向かって手を振ってきた。
一瞬目が合った気がしたので、コンスタンスは小さくお辞儀をした。
貴族の夫人としての礼儀である。
パレードを見ていたのはオレリアンの晴れ姿が見たかったからだ。
別に、フィリップが見たかったわけではない。
まぁ、『結婚おめでとう、良かったね』くらいの気持ちはあるけれど。
ただ、馬車に乗る王太子を見ていたら、なんだかモヤモヤしてムカムカしてきた。
頭も痛くなってきて、なんとなく、手も震えだした。
「奥様?」
コンスタンスの異変に気付いたリアが呼びかける。
「コニー?」
公爵夫人もコンスタンスの背中に触れようとする。
「あたま…、いたい…」
頭が割れるように痛い。
いつもの痛さより、ずっと痛い気がする。
「コニー⁇」
「い…った…っ」
コンスタンスが頭を押さえてしゃがみこんだ。
「コニー?!誰か!誰か、コニーが!」
部屋の外に控えていた騎士や、隣室に待機していた医者が駆け込んできて、コンスタンスの周りを囲んだ。
「私のベッドへ運んで!」
「そっと、そっとよ!」
「だい…、じょ…、ぶ…。
すぐ、なおる…から…」
「ああ、コニー、コニー!
話してはダメよ!コニー!」
コンスタンスは母のベッドに運ばれた。
痛みがだんだん引いてきたので、頭を押さえていた手を外す。
でも相当痛かったのか、額に手に、脂汗をかいていた。
「コニー、かわいそうに」
母が冷たくしたハンカチで汗を拭ってくれるのが気持ちよくて、コンスタンスは静かに目を閉じた。
「眠い…」
「少し眠りなさい」
「でも…、オレール…」
ここで眠ってしまったら、侯爵邸でオレリアンを出迎えてあげられない。
「オレリアンには今日はコニーを泊めると連絡しておくわ」
「でも…」
少し休んだら帰りたいと言いたかったが、言葉にならなかった。
オレリアンが帰って来たら、抱きついて迎えてあげたいのに。
「今日はすごくすごくカッコ良かった」って言ってあげたいのに。
あ、違う、今日もだわ…。
そう伝えたらきっとオレールは笑って、私をギュッとしてくれるー。
だから、帰らないと…。
でも。
コンスタンスはもう、眠くて目を開けることが出来なかった。
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