異世界転生した時に心を失くした私は貧民生まれです

ぐるぐる

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オペはいります

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□ちょっと痛い表現あり□


午前中少しシートでお昼寝していたルドが、昼近くになってぐずりだした。

授乳か。

そういえば、私も喉乾いたな。
ルドも喉乾いたよね。

ルドに飲ませるものがなかったから一旦帰ることになった。

ギルドへも買い取りをお願いしに行ってバケツを空にする。
鑑定してみると採取した薬草の鮮度は落ちてなかったので、ほんの気持ち買取額が上乗せされてて、半日でこれまでの1日分の稼ぎになっていた。
午後もやれば2日分の稼ぎになるだろう。

バケツは今後も採用で。

私の収納魔法に入れてしまえば持ち運びもしなくて済むんだけど、人の目があるから便利だけど気軽に使えないのだ。

授乳をお願いしにおばちゃんの所まで行って、また東へ行くとなるとちょっと採取時間が短くなってしまうから、なるべくなら丸一日東に行っていたいと思う。

でもルドの飲み物の問題を解決せねばならない。
私は水筒持って行けばいいし、無くても自分で水を魔法で出せるから困らない。
ルドはまだコップ使えないし、スプーンしかないかな?

前世で子育てした記憶を懸命に思い出す。


閃きました!!!


マグがこの世界にもあれば・・・・・・

どんな形にするか頭の中で模索しながら、倒木でマグを切り抜く。


ちょうど良い大きさに。

両手で持てる取手。

パッキンがないので蓋はできないから、コップの口半分をマグの口に作る。

半分は飲み物を注げるように開けておく。

マグを倒しすぎると中身が溢れちゃうけど、そばにいれば良いし、クリーン魔法で一瞬で綺麗になるから大丈夫だ。

これなら水分補給ができる。

そんで、ヤギミルクでも収納魔法に入れておけばいいよね。

完成!

このマグも商業ギルドに持っていこう。


商業ギルド用にまたいくつか作る。
さっきは考えながら作ったから時間がかかったけど、次からはあっという間に出来上がっていった。


授乳の後、また東へ行くつもりがマグの製作に集中してしまったので、採取の時間が微妙になったので今日はもうやめることにした。

そのかわり、商業ギルドへ売り込みに行ったよ。
1番最初の商品販売も、ある程度数が揃ったから、そろそろ店頭に出すということを聞いた。
発売日は後日連絡してくれるって。



それからは、マグとヤギミルクを持って東へ1日採取に行って、買取額がいつもの2.5倍になり、まともに稼げるようになったかなと、充実した日々を送っていたんだけど・・・・・・

ある日、いつものようにギルドで買い取りをお願いしている時に、ちょっと騒がしくなって、振り向いたら、兄ズたちだった。

レオが上腕を抑えながらギルドに入ってきた。
抑えてるところは包帯が巻かれて血で真っ赤になり、止血ができていないようだった。

「これくらい自然治癒でいいんだって!」

「せめて低級ポーションは使えよ!」

「にーちゃん・・・・・・」

どうやら怪我をしてポーションを使わずに治したいらしいレオ。

いつもなら低級ポーションは使うのに、なぜ今回は頑なに使わないと言っているのだろうか。

せめて止血できてから自然治癒にすると言ってくれ。

まだピークを迎えていない時間だけどザワザワするギルド。
スタッフさんもみんなで説得しているが駄々をこねてる。
ギルマスも出てきそうな雰囲気である。

もう誰かポーションぶっかけちまえよ!って思うところだが、本人の意思がないと使ってはいけないと言われているのだ。

みんなの説得もきかない・・・・・・一体レオはどうしちゃったのか?
うん?
ユーリが事情を知っていそうな悲痛な顔をしている。

あとでゆっくり事情聴取だ。


私はこの場を収めるべく兄ズの元へ行った。

偉そうに片手を腰にあて、兄ズのパテメンを指さした。

「あなた!このギルドで1番度数の高い酒をコップ一杯もらってきて!」

幼い5才児が急に偉そうに人を指差して叫ぶので、周りは圧倒されて周囲も静かになった。
指示されたパテメンは急いで走っていった。

「床に座らせて、腕を椅子に乗せて!」

「お、おう」

何が始まるのかわからないまま動いてくれるスタッフさんたち。

私は収納魔法に入れていた糸と針を出して、みんなに見えないように隠しながら針を釣り針のように魔法で曲げた。

「酒だ!」

「ありがと!」

コップを持っただけでアルコール臭がすごい。

包帯を解いて、傷の上あたりでキツく縛ってもらうと、少し出血が弱まった。

そして躊躇いなく傷に酒をかけた。

「うわぁああああああ!」

指示しなくてもみんなが気をきかせて暴れるレオを抑えてくれていた。

「ポーション使わないんでしょ。これくらい我慢してね」

それからクリーン魔法でさらに除菌して、いざ!

糸を通した釣り針、いや、縫い針で寸分の狂いも迷いもなく傷口を縫っていく。
サクサクチクチク縫っていく。

かわいい悲鳴が聞こえた気がした。
誰かが倒れたかも。

レオはわーわー叫んでいる。
男なら堪えろよ。

心がないからこそ迷いなく恐れることなくチクチクできる・・・・・・

前世の私だったら泣いてただろうな。

周囲は私を、エラを、化け物だと思っているだろうか。

まあ、どうでもいいけど。


傷口の端から端まで縫い終わり、未だ完璧ではないヒールも数回かけてやって、やっと完全に止血できた。

包帯も解いて全部クリーン。
血で汚れた包帯も服も、床や手を貸してくれたみんなの汚れも綺麗さっぱり。

綺麗な布を押し当てて丁寧に包帯を巻いて、三角巾で腕を吊って終了。

コップに残ったお酒はいつの間にか来ていたギルマスに進呈した。

「レオに飲ませたら良いのに」

痛みを誤魔化すために飲酒する人が多いようだけど、飲酒は血液循環が良くなってさらに出血しちゃうからね。
ダメですよ。

大量出血と過ぎ去った痛みにほっとしてか、ぐったりした様子で静かにボーとしたレオ。
周囲の人も力が抜けたのか、緊急オペ室となっていたギルドに拍手が。
不思議な一体感に包まれていた。


その後、ギルマスにこっそり金貨を渡して、お酒の支払いと、ギルド内にいたみんなに一杯奢るようにお願いして、私たちは帰ることにした。

カートには、ルドと荷物置き場の仕切りを外して、ルドとレオを寝かせて運んだ。
ルドがいつも乗らない人が乗ってきて何やら嬉しかったのかキャッキャ喜び、レオの青い顔をペシペシ容赦なく叩いていた。
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