世話好きな不死鳥に拾われました!

のは(山端のは)

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好きに触れていい

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 小精霊のいなくなった洞窟内は薄暗かった。
 ヴェルだけが、淡い光をまとっている。
 彼は俺を寝床に下してそのまま抱きしめ、匂いを確かめるように耳から首筋にかけて、鼻先で触れた。
 彼から漂う果実のような甘い香りに満たされて、頭の芯までしびれるようだった。

 さらりと髪をなでられて顔を上げると、ヴェルは微笑んで頬ずりした。
「ルアーカ、触れたい」
「もう触ってる」
 笑ってしまったけれど、ヴェルの口元からは笑みが消え、まなざしに熱がこもった。
「もっと、奥深くまで」
 
 軽口を叩こうとした俺は、つかの間彼から目をそらし、ぎこちなくうなずいた。
 ヴェルは俺の服に手をかけ、むき出しになった肩を優しくなでる。俺も……、と思って彼のローブをすとんと寝床に落としたところで、困り果てた。
 暗くて手元がよく見えないのだ。

 察してくれたのか、ヴェルが魔法で明かりを生み出した。俺たち二人の周りだけ、柔らかに照らしだす。
 ところが明るくしても無駄だった。ボタンが多くてどれを外せばいいのか。

「ヴェル、この服、脱がし方がわからない」

 リィの用意した服は、装飾が多い。ヴェルにはとても似合うが、こういう時に困るのだと知った。
 もたもたする俺のために、ヴェルはいつものように魔法で早着替えしてくれた。
 泉で水浴びしたときに着ていた、薄い布地の簡素な服だ。
 胸元から左右にそっと引っ張るだけで、彼のたくましい胸元や腹筋があらわになる。

 自分でひん剝いたんだけど、目のやり場にすごく困った。
「ルアーカ、好きなように触れていい。私もそうする」
 そう言って、ヴェルは俺に口づけた。つつくような触れ方をしたかと思えば、時にぺろりとなめてみたり。俺が動こうとすると、気を引くように唇をくわえて引っ張ったりする。
 
 ヴェルに触れる暇なんてないまま、俺だけどんどん無防備な姿にされていく。
 せめて、すでに兆してしまったことくらいは、隠しておきたいんだけど……。
 彼の視線が俺の体に向けられているようで、ますます落ち着かない。

「きれいだ、ルアーカ」
「うそだ。俺の裸なんて、見飽きてるんじゃないの?」
「まさか。それに、見ていいのと触れていいのとではかなり違う」

 ヴェルはそう言って、俺の手を取り、自分のみぞおち辺りに触れさせた。
 しっとりと熱を持つ、ヴェルの素肌。

「……ヴェル、なんか、慣れてない?」
「そうか?」
「俺以外とも……よく、こういうことするの?」
「いいや、初めてだ」
「初めて!?」
「不死鳥は生殖を必要としない。だが、いまは、おまえに触れたい」

 ヴェルの手が俺の背骨をたどり、腰へ至る。
 
「うん、俺も……」

 吸い寄せられるように、目の前の汗ばんだ胸板に口づけした。
 でこぼこした腹筋の固さを確かめ、さらに視線を下げたとき、ハッと気づいた。
 薄い布地に隠されてなお、彼の男の印は、はっきりと存在を主張していた。
 俺はごくりと唾をのみ、熱く湿ったそこを布越しになでてみた。
 ピクリと反応したのが嬉しくて、さらに触れようとしたところ、彼は俺をひょいと持ち上げて寝床に押し倒した。

 顔中にキスが降ってくる。
 彼が次に触れたのは俺の薄っぺらい胸で、そんなところに触れて楽しいはずもないのに、彼はさもうまそうにピンク色のつぼみを舌で転がした。
 空いた右側には、彼の指が這った。二本の指でつまむようにして、こねられる。
 小さなつぼみは赤く腫れあがるころには、俺の体も彼のくれる刺激の、味わい方を覚えてしまっていた。

「……は……んっ!」

 戸惑いも恥じらいも、薄い膜のようなもので仕切られたかのようにどこか遠くなり、気持ちいいことだけに敏感になっていく。
「ヴェル……出したい……」
 懇願したとき、ヴェルは俺の足を持ち上げ、太ももを舐めていた。
 オレンジの瞳がこちらを見る。燃えるようなまなざしに、さらに体が高ぶった。

 だけどヴェルは、いたずらを思いついたみたいに目を細め、あろうことか窄まりに指を添えた。
「え、ちょっ、ヴェル!」
「また、目の前で眠られてしまっては切ないからな」
 俺はいろんな意味で真っ赤になって、声なき悲鳴を上げた。
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