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彼の熱
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想像すらしなかった場所に、指が入ってくる。
俺は四つん這いになって、それを受け入れていた。
ヴェルは俺の体を傷つけないようにじっくりとそこを開いていく。
ヴェルの指が動くたび、ぬちぬちと粘性のある音が響いた。
初めは違和感しかなかった。
背筋がやたらとぞくぞくするし、変な汗が吹き出す。
張り詰めていたはずの場所が、ちょっと縮んじゃったほどだ。
俺は無意識に、お気に入りの布を引き寄せ、そこに鼻を突っ込んだ。
服の代わりに体に巻き付けていたあの布だ。ヴェルからの初めてのプレゼントで、今ではすっかり毛布になっている。
これに包まれていると、ヴェルの羽の中にいる――よりは劣るけど、かなり安心できるはずだった。
だけど今はそれでも足りなくて、少しでも気をそらそうと俺は自分の腕に嚙みついた。ヴェルがそれに気づいて、お互いの顔が見えるように体の向きを変えた。そして、こちらにしろというように手の甲を差し出す。
だけど、ヴェルの手に傷をつけるのは嫌だ。
するとヴェルは自分の髪をつまんで俺の口元でひらひらさせた。
巣材を運ぶ鳥の気分で、ぱくっと唇でくわえると、不思議なことに少し安心できた。
ヴェルはふっと笑って「可愛い」とつぶやくと、額にキスをした。赤い宝石が出来ているところに。
「ふぁっ!」
変な声が出てしまった。
「気持ちいいのか?」
ヴェルに尋ねられて、あとからその感触の意味を理解する。
「……そう、みたい」
ヴェルは感嘆するように深くため息をついて、少し荒っぽく、俺の口の中を舐め上げた。
舌を絡めあう間に、俺の中をいったりきたりする指は、いつの間にか三本に増えていた。
なんとなく、ではあるけれど、感触が変わってきたように思う。
「そっちも、気持ちいいみたい……」
するとヴェルはごくんと唾をのみ、珍しく急いた様子で帯を解き、全身をあらわにした。
無駄のない美しい筋肉の中心で、こちらを見ろと言わんばかりに立ち上がったそれを見て、俺は内心ちょっと心配になった。
大きすぎるんじゃないかな?
「ヴェル、それ……」
「ルアーカ、受け入れてくれるな?」
断れるわけがなくて、俺はうなずいた。
彼は俺の片足をやすやすと持ち上げて、彼のものを窄まりに押し当てる。
緊張で息を止めた俺を宥めるように、腹と足首にできた宝石を指先でなでた。ふわっと熱くなったから、多分魔力をくれたんだと思う。
ちょっとずるいような気もするけど、おかげで体から余計な力が抜けた。
ヴェルが中に入ってくる。
「は……んっ!」
体がビクンと跳ねた。
もう一度疑問に思う。入るのかなって。
ヴェルも苦しそうだ。
うめくような声を立て、額に汗が浮き出している。
それでもゆっくりと、じっくりと、ひだをかき分け中へ入ってくる。
ヴェルの吐息が、胸にかかって、俺は呼吸を思い出す。
「……はいった、の?」
「まだ。今、このあたりだ」
俺の薄い腹には、彼の形がはっきりと浮き出ていた。
今、俺、ヴェルとつながっているんだ。
そう思ったとたん、ずるりと引き抜かれる。
「え……、あ!」
違った。完全に出ていく前に、また戻ってきた。
ちゅぷちゅぷと浅いところを出入りして、また奥へ進んで。
彼が動くたび、俺ののどから甘えたような声が出る。
苦しいようなくすぐったいような感覚なのに、自分の声と彼の息遣いに興奮してくる。
その時、ヴェルが萎えかけた俺のものをぎゅっと掴んだ。熱く長い指で包み込むようにして、上下にしごかれて、あっという間に血が集まった。
「そ、そんな……こと、したら」
彼の指が先端をなぞる。
そこからは透明なしずくがあふれ出ていて、長い指を汚してしまった。
「私も、もう限界だ」
彼は悩ましい溜め息をつき、眉根を寄せた。
色っぽい雰囲気にぞくっとした。
快感の波がずくんずくんとこみ上げてきて、自然と目に涙が浮かんだ。
そのうちに、前を触られているせいなのか、後ろにみっちりと埋め込まれた杭のせいなのかわからなくなってきた。
怖い――。
短い呼吸を繰り返すことしかできなくて、彼の名を呼びかけたくとも声にならなかった。
だけど、ヴェルは答えてくれた。
「ルアーカ」
吐息交じりに名を呼ばれ、すこしホッとした。
俺に触れているのは、他でもない、ヴェル。
だから、何があっても大丈夫。
「あっ、んっ……んんっ――!」
彼に身をゆだねると、全身が粟立つような瞬間が訪れた。
腹に白濁が飛び散った。
「ぐっ――」
ヴェルも短くうめいて、彼のものを奥へ奥へと押し込める。
熱いものが放たれて、じわじわと腹の中を満たした。
それは解き放つとは違う強烈な快感で、思わず目を見開いた。腰はがくがくと震え、つま先が勝手に丸まる。
「……うっ……ん……ぁあっ!」
収まらない、全然収まらない。
怖いくらい気持ちいい。
それなのに、腹の中で彼の熱がまた膨らんだ。
「ヴェル、待って……」
彼の目がギラリと光っていた。
全然、満たされていない、そんな顔つきだった。
恐れの中に一粒、零れ落ちた喜びが、俺の心を塗り替えていく。
俺ももっと――もっと、彼が欲しい。
俺は四つん這いになって、それを受け入れていた。
ヴェルは俺の体を傷つけないようにじっくりとそこを開いていく。
ヴェルの指が動くたび、ぬちぬちと粘性のある音が響いた。
初めは違和感しかなかった。
背筋がやたらとぞくぞくするし、変な汗が吹き出す。
張り詰めていたはずの場所が、ちょっと縮んじゃったほどだ。
俺は無意識に、お気に入りの布を引き寄せ、そこに鼻を突っ込んだ。
服の代わりに体に巻き付けていたあの布だ。ヴェルからの初めてのプレゼントで、今ではすっかり毛布になっている。
これに包まれていると、ヴェルの羽の中にいる――よりは劣るけど、かなり安心できるはずだった。
だけど今はそれでも足りなくて、少しでも気をそらそうと俺は自分の腕に嚙みついた。ヴェルがそれに気づいて、お互いの顔が見えるように体の向きを変えた。そして、こちらにしろというように手の甲を差し出す。
だけど、ヴェルの手に傷をつけるのは嫌だ。
するとヴェルは自分の髪をつまんで俺の口元でひらひらさせた。
巣材を運ぶ鳥の気分で、ぱくっと唇でくわえると、不思議なことに少し安心できた。
ヴェルはふっと笑って「可愛い」とつぶやくと、額にキスをした。赤い宝石が出来ているところに。
「ふぁっ!」
変な声が出てしまった。
「気持ちいいのか?」
ヴェルに尋ねられて、あとからその感触の意味を理解する。
「……そう、みたい」
ヴェルは感嘆するように深くため息をついて、少し荒っぽく、俺の口の中を舐め上げた。
舌を絡めあう間に、俺の中をいったりきたりする指は、いつの間にか三本に増えていた。
なんとなく、ではあるけれど、感触が変わってきたように思う。
「そっちも、気持ちいいみたい……」
するとヴェルはごくんと唾をのみ、珍しく急いた様子で帯を解き、全身をあらわにした。
無駄のない美しい筋肉の中心で、こちらを見ろと言わんばかりに立ち上がったそれを見て、俺は内心ちょっと心配になった。
大きすぎるんじゃないかな?
「ヴェル、それ……」
「ルアーカ、受け入れてくれるな?」
断れるわけがなくて、俺はうなずいた。
彼は俺の片足をやすやすと持ち上げて、彼のものを窄まりに押し当てる。
緊張で息を止めた俺を宥めるように、腹と足首にできた宝石を指先でなでた。ふわっと熱くなったから、多分魔力をくれたんだと思う。
ちょっとずるいような気もするけど、おかげで体から余計な力が抜けた。
ヴェルが中に入ってくる。
「は……んっ!」
体がビクンと跳ねた。
もう一度疑問に思う。入るのかなって。
ヴェルも苦しそうだ。
うめくような声を立て、額に汗が浮き出している。
それでもゆっくりと、じっくりと、ひだをかき分け中へ入ってくる。
ヴェルの吐息が、胸にかかって、俺は呼吸を思い出す。
「……はいった、の?」
「まだ。今、このあたりだ」
俺の薄い腹には、彼の形がはっきりと浮き出ていた。
今、俺、ヴェルとつながっているんだ。
そう思ったとたん、ずるりと引き抜かれる。
「え……、あ!」
違った。完全に出ていく前に、また戻ってきた。
ちゅぷちゅぷと浅いところを出入りして、また奥へ進んで。
彼が動くたび、俺ののどから甘えたような声が出る。
苦しいようなくすぐったいような感覚なのに、自分の声と彼の息遣いに興奮してくる。
その時、ヴェルが萎えかけた俺のものをぎゅっと掴んだ。熱く長い指で包み込むようにして、上下にしごかれて、あっという間に血が集まった。
「そ、そんな……こと、したら」
彼の指が先端をなぞる。
そこからは透明なしずくがあふれ出ていて、長い指を汚してしまった。
「私も、もう限界だ」
彼は悩ましい溜め息をつき、眉根を寄せた。
色っぽい雰囲気にぞくっとした。
快感の波がずくんずくんとこみ上げてきて、自然と目に涙が浮かんだ。
そのうちに、前を触られているせいなのか、後ろにみっちりと埋め込まれた杭のせいなのかわからなくなってきた。
怖い――。
短い呼吸を繰り返すことしかできなくて、彼の名を呼びかけたくとも声にならなかった。
だけど、ヴェルは答えてくれた。
「ルアーカ」
吐息交じりに名を呼ばれ、すこしホッとした。
俺に触れているのは、他でもない、ヴェル。
だから、何があっても大丈夫。
「あっ、んっ……んんっ――!」
彼に身をゆだねると、全身が粟立つような瞬間が訪れた。
腹に白濁が飛び散った。
「ぐっ――」
ヴェルも短くうめいて、彼のものを奥へ奥へと押し込める。
熱いものが放たれて、じわじわと腹の中を満たした。
それは解き放つとは違う強烈な快感で、思わず目を見開いた。腰はがくがくと震え、つま先が勝手に丸まる。
「……うっ……ん……ぁあっ!」
収まらない、全然収まらない。
怖いくらい気持ちいい。
それなのに、腹の中で彼の熱がまた膨らんだ。
「ヴェル、待って……」
彼の目がギラリと光っていた。
全然、満たされていない、そんな顔つきだった。
恐れの中に一粒、零れ落ちた喜びが、俺の心を塗り替えていく。
俺ももっと――もっと、彼が欲しい。
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