49 / 59
第七章 招かれざる訪問者
08.貴方の腕の中で3
しおりを挟む
アーフェンはそんな真柴の気持ちも知らぬまま汚れを掬い指に絡めると、その奥の秘かな蕾へと先を挿れた。
「いたいっ!」
悲鳴が上がる。そこを弄られたことなんてない真柴はさすがに足をバタつかせた。
「すまない……だがここを許してくれ。お前と一つになりたいんだ、真柴」
「こ……わい、です……」
「本当にここを使ったことがないのか。嬉しいと言ったら困るか?」
やはり、ずるい人だ。
幸福を前面に押し出した笑みで訴えられたら拒みたいのに拒めなくなってしまう。これが惚れた弱みというものか。
「頼む、もう少しだけ……それでも嫌だったら止める」
チュッと頬に、唇に口付けを落とされた。
年下だというのに真柴よりもずっとしっかりしている彼が初めて見せる甘えた仕草にまたしても絆されてしまう。
舌が唇をノックし、先を促してくる。僅かに開けばぬるりと潜り込み、またあの甘い痺れを起こさせるように絡めてきた。覚えたばかりの刺激はすぐに真柴を虜にする。舌を伸ばして自分から熱を貪りにいけば、愉悦を覚えたばかりで耐性のない身体はすぐにのめり込んでしまう。
恥ずかしくてあまり口にできない分、好きだ好きだと舌を伸ばした。擦り合わせては噛まれてと甘い痺れに翻弄されていく。秘かな蕾に指が挿っている違和感すら忘れてしまうほど口付けにのめり込むと、ぬくっと指が動いた。
「ん!」
怯めばこちらに集中しろと口付けが深くなる。囚われた舌を甘く噛まれ擽られるだけでなく、解放されても真柴の口内を蹂躙するかのようにどこもかしこも舌で擽られる。
歯列を辿られた擽ったさ、肉の薄い頬の内側を擦られて生まれる甘さ。何よりも上顎を舌の先で舐められた時に湧きあがった痺れは大きく、真柴の身体を溶かしまたしても下腹部に熱を溜めていく。
キスがこんなにもバリエーションに富んだものだったなんて……。真柴は戸惑いながらもすべてを甘受していくしかなかった。
口付けに溶けている合間を縫って、秘かな蕾に潜り込んだ指が僅かに動く。違和感しかなかったはずなのに、痛みすら起こすのに、愉悦を大量に浴びせられながらまさぐられると、怖がっていたはずの行為に次第と馴れていく。
痛みも違和感もそこにあるはずなのに、口付けに酔っている真柴は弛緩した身体をアーフェンへと委ねてしまうのだ。指が抜かれ、汚れを纏ってまた挿り塗り広げられるのを繰り返されると、ぬめりをまぶされた中はスムーズにアーフェンを受け挿れていく。
徐々に身体が作り替えられていく。
同時に恥ずかしいのに溺れてしまう感覚のむず痒さと求められる心地よさ、合わさった肌の温もりに酔っては、自分の中に生まれる様々な感情を処理しきれず沈んでいくのだ、愉悦の沼の中へ。
きっと人は、その感覚に溺れのめり込むのだろう。
恥ずかしい自分を晒しても受け入れてくれる相手に出会えた幸福を実感するために。
今、真柴はどれだけ恥ずかしい様をアーフェンに見せても、彼から浴びせられるのは悦びと快楽と、愛情だけ。否定されることも笑われることも、ましてや罵声を浴びることもない。ただありのままの自分を露わにしては、喜ぶ彼を受け入れる甘さにまた酔うのだ。
人がこの行為に溺れる理由を肌で感じ、真柴は身体を震わせた。
抜いては挿れるだけだった指がある程度まで潜り込むと、アーフェンは指を動かし始めた。軽く振動を与え裡を解していく。その頃には痛みはないが、むず痒さが沸き起こる。僅かに腰を揺らめかせれば褒美とばかりにアーフェンの舌が真柴の覚えたての官能を引きずり出すように舐めてくる。
少しずつ秘めた蕾への刺激に馴れていくと、アーフェンが指を僅かに折り曲げ中にある一点を押した。
「ひゃっ! ……えっなに?」
あまりにもの衝撃に口付けを外して怯えを訴える真柴に、アーフェンは柔らかい笑みを湛えたままもう一度指を動かした。
「いやっ」
「ここがお前の感じる場所だ」
「うそ……あっやめて!」
「弄られたら出したくてたまんなくなるだろう、それでいいんだ。もっと感じてくれ」
アーフェンがノックするようにそのポイントを指先で叩くたびに、僅かに力を持った真柴の分身が跳ね、そのたびに硬さを増していく。急激に押し上げられ、真柴は戸惑うしかなかった。
「ベルマンさん、ベルマンさんっ! やだそこ……変、変です!」
今までアーフェンから与えられた愉悦とは確実に異なる明確な快楽に翻弄されていくのを止められず、怯えるしかなかった。
「怖がるな、真柴。男同士で一つになるにはここで感じることを覚えないと、お前が辛いんだ」
「そ……なんですか?」
「ああ、だから怯えるな。頼む」
もう一度そこをノックされ、ビクリと身体が跳ねた。
「悦いようだな」
ふわりと笑うとアーフェンは身体を起こし、ベッドの横にある小さなテーブルへと身体を伸ばした。ずっとそこに置いてあるが何に使うのかわからない小瓶を手に取ると、たっぷりと中身を掌に落とし指を濡らした。
「これは男同士が家族でい続けるために必要なものだ。だから怖がらないでくれ」
とろりと粘度の高い液体と纏って指は再び秘かな蕾へと伸ばされ、窄んだ周囲をゆっくり撫でてから潜り込んできた。先程とは違い、突っかかりがない分すぐさまに深くまで挿っていく。
「あっ」
「痛くないようだな……良かった。もっと感じてくれ、俺の手で」
ぐるりと中で動いてからまたあの場所をノックし始めた。
「だめっ……ああ、変っ……変になる!」
「それでいい。俺だけを感じていろ。お前を愛している俺のことだけを考えていてくれ」
逼迫した声の中の甘さを汲み取り、真柴は再び心と身体を震わせ、アーフェンから与えられるすべてに翻弄された。ノックが抉るような動きに変わって指が抽挿を始める。それにすら心地よくて内腿を震わせ間にある頑強な身体を締め付けた。
もう口付けで誤魔化さなくても明確にそこから湧きあがる愉悦は真柴を虜にする。
この男同士で家族になることが異様ではない世界では、同性同士での交わりを助ける術が教えられているのかと訝しむくらい、アーフェンの手は的確に真柴を追い上げていく。
三十代も後半で何度も遂情できない身体となったはずなのに……いや、それ以前にもう何年も快楽を忘れるくらいストレスで機能不全となっていたはずの分身が、はち切れんばかりに猛り、下腹に堆積した熱も出口を求めて暴れ回っては真柴から理性を奪っていく。
見つけ出した愉悦の源を指で擦られ、アーフェンの下でひたすら身悶えるしかなかった。
一度解放した分身も透明の蜜を幾度と零してはもう我慢できないと震えている。
「もぉ……達きたいっ」
解放の瞬間を切望してアーフェンの空いている腕に縋り付いた。その手が真柴の頬を撫で無意識に浮かんだ汗を、涙を拭う。
「達っていい。好きなだけ達け」
「やだっ……も……一人で達くのは嫌ですっ!」
これは二人で想いを交わす行為なのだから。
あれほど痛みを感じていた場所ですら、アーフェンの優しさでこんなにも感じてしまうのだ。もっと確かな触れあいがその先にあり、真柴はその瞬間を欲した。
もしかしたら……最後かもしれない。
彼らの言葉を借りれば自分はもう命の灯火が潰えようとしている、らしい。実感はない、けれど納得する部分があった。
深すぎる眠り。
気怠い身体。
どれほど食べても太らない肉体。
病魔に冒された人と同じだ。
あと一人救ったその瞬間、真柴は潰えるかもしれない。それでも成し遂げたい。同時にアーフェンの愛情をどこまでも貪りたい。理性と本能が鬩ぎ合い、どちらとも選ぶことができないまま両方を内包しようとしている。矛盾だらけの感情、けれどそれが真柴のすべてだ。
頬に当たっているアーフェンの手を両手で包み、目を閉じてじっくりとその大きさと温かさを味わってから両手を伸ばした。見下ろす彼の身体が近づいてくる。逞しい首に両手を回して無骨な頬にまろみのない己の頬を擦り付けた。
「一人は、嫌です……今だけは一緒に……」
自分だけが愉悦を追いかけて終わるのは嫌だ。
もっと彼の愛情を感じていたい。感じて覚えて忘れないまま、全うするのだ、自分の使命を。
「バカッ煽るな……」
「煽られてください……好きです」
アーフェンのように「愛してる」と伝えたくて、慣れない言葉が口を突くこともできず逃げるような単語を並べる。けれど、心は誰よりも愛しているこの人のすべてを感じたかった。
「……痛いかもしれないが、いいんだな」
「はい……」
「なるべく優しくする。だが、辛いなら言え。お前はいつも我慢してしまうから、本当に辛いときは口にしないから、なんでもいい、教えてくれ」
その優しさが嬉しいのだと回した腕に力を込めた。
指が抜かれ僅かにズボンをずらすと、すぐに硬く熱いものが宛がわれる。真柴は深く息を吐いてその瞬間を待ち受けた。できる限り身体から力を抜くが、長大なアーフェンの分身が塗り込められた液体のぬめりを借りて挿っただけで悲鳴を上げそうになるくらいの痛みが沸き起こった。
(声を出しちゃダメだ……弱音を吐いたらすぐに止められる)
優しいアーフェンは己の欲望を堪えてしまうだろう。それがどれだけ辛いか、同じ男である真柴にはわかる。だからグッと奥歯を噛み締め、辛い表情を隠すように硬い肩に己の顔を押しつけた。
「止めるか……?」
いやだ、このままひと思いに奥まで蹂躙してくれ。
真柴は小さく首を横に振ると、無理矢理に大きく息を吸い込んでゆっくりと吐き出した。何度も、時間を掛けて。
「そうだ、そうやって力を抜くんだ。もう少しだけ挿れる、痛かったらすぐに言え」
頷くが、決して言葉にするつもりはない。
彼の臭いを肺いっぱいに吸い込んで次の衝撃に備える。
奥へと進むたびに強張る身体にアーフェンも気付いているだろうに、真柴の気持ちを優先してくれるのがただただ嬉しかった。時間を掛けゆっくりと、時折その場所で僅かな抽挿を繰り返しながら、愛しい人の身体の一部が自分の中へと挿ってくる感覚をじっくりと味わった。
ただ痛みに耐えるだけの行為になっても良い、彼を感じられるなら。
そう覚悟をしていたはずなのに、先程まで執拗に弄られた一点を太い部分が押したその瞬間、真柴はアーフェンにしがみ付いたまま仰け反った。
「あっ!」
痛みに力を弱めた分身がまた硬くなってアーフェンの下肢を叩いて跳ねる。
「ぐ……そんなに締め付けるな!」
「あ……あっ! やめっ、擦らないで!!」
アーフェンが軽く真柴の身体を揺らすのでまたしてもそこが抉られ、強烈な快感がドクリと下腹部へと流れ込んできてはその中で暴れ回る。
それだけじゃない。
指では感じなかった痺れが背筋を駆け上がっていき身体を震わせる。
(なに、これ……さっきよりも、強いのがくるっ!)
指とは比べものにならないくらい、分身で擦られると我慢できないほどの快楽が湧きあがり真柴を翻弄していった。知識も経験もないから理由なんてわからない。でも怖いのにもっと味わいたくなる。
アーフェンもそんな真柴の感情を手に取るようにわかっているのか、そこばかりを執拗に太い部分で擦り続ける。
「やーっ! やめっ……ああ!」
「痛いんじゃないんだろ……くそ、そんなに締め付けたら我慢するのがやっとだ……ここをこうするのが気持ちいいのか?」
「いい……やだっやだ! いく、またいく!」
「一回達け……今お前を抱いて感じさせてるんだって教えてくれっ」
アーフェンが腰を掴み抽挿を激しくした。浅い場所でのそれは、入り口ギリギリまで抜いては愉悦をもたらす一点を抉ってくる。そのたびに分身の先端が頑強な腹筋に擦られ、中との愉悦と相まってもう堪えることはできなかった。
「ひっ……ああ、も……でるっ!」
身体を強張らせ、その瞬間を迎える。
きつく抱きつき、腰を振ってアーフェンの腹に白濁を撒き散らす。
まさか自分が中の刺激だけで遂情するとは思わなかった真柴が放心している間に、アーフェンが腕の力だけで痩身を抱き起こした。自分の膝に乗せまだ惚けた顔に口付けを落とす。
「嬉しいぞ……ありがとう、真柴。だが……もう少しだけ付き合ってくれ」
ぼんやりとした頭ではアーフェンがなにを言っているのかわからない。乞われていることだけを認識し小さく頭を縦に振ると、逞しい彼へと身体を預けた。
緩く身体が揺らされ少しずつ遂情の後の泥濘んだ秘かな蕾にアーフェンの長大な分身が挿っていくのを感じるがもう痛みはそこになく、中で得られる愉悦を覚えた真柴は緩く感じる場所を擦られるたびに小さく甘い声を上げ続けた。
彼に身体を預けて感じるすべてが愛おしくて、逞しい腕に抱かれてただただ与えられる心地よく優しい快感を貪っていく。真柴の鼓膜を震わす荒い息すらそれを増幅させた。
こんなみっともない身体にすら彼は悦んでくれているのがただただ嬉しかった。
「真柴……真柴っ…………愛しているんだ、お前だけを」
切迫した想いが心地よくて、酩酊したように何度も頷いては彼の肌に顔を擦り付けた。
「ベルマンさん……ああまたっ……」
「だから締め付けるなって……お前が大事なんだ」
大事にされてます、これ以上ないほど。わかっているから首に回したままの腕を放さずしがみ付いた。隙間なく合わさった肌から感じる彼のすべてを味わい尽くすように。
緩やかな抽挿は真柴から甘い声が上がれば少しずつ加速し、今までずっと我慢し続けたアーフェンの限界が迫る頃には膝立ちになった彼が自ら腰を打ち付けてきた。深い場所まで潜り込んできた灼熱のような塊が真柴の中を穿っていく。けれど感じるのは愉悦と彼らしい真っ直ぐな愛情だ。
真柴を愛していると身体でも訴え、ぶつけてくる。
(嬉しい……でもこの一夜だけかもしれない……)
臆病だった自分が悔しい。
卑屈だった自分が悲しい。
もっと早くにアーフェンに己の気持ちをぶつけていたなら、もっと長い時間彼から愛されているのだと感じられただろう。けれど、どこまでも矮小になった心は己を晒し出すことができなかった。
後悔しても、時間は戻ってこない。
(もっと、愛されたい……)
初めて欲が真柴の中へと宿った。
いつからか諦めるのが当たり前になり、自分の心にすら諦観をもって見つめるだけだった心が、諦めたくないと暴れ始める。
それは恐ろしいほどに真柴を支配していく。
言葉よりも視線よりも、こうして思いの丈をぶつけてくれるのが嬉しくて、このままずっと一緒にいたいと切望する一方で、このままじゃダメだと警鐘を鳴らす自分がいる。
このままただアーフェンの傍にいるだけなら、真柴は卑屈なまま隣に立つことができなくて一歩も二歩も下がって着いていくだけになる。家族という対等な立場でなく、今と変わらない居候のままだ。おんぶに抱っこで情けない自分をいつ彼が空くのかと怯える日々をきっと過ごすのだ。
そんな未来を望んでいるわけではない。
アーフェンとともに歩ける自分でありたいんだ。
逼迫した声が荒々しくなるにつれ、真柴の決意は固くなる。
(貴方の傍にいられる僕にならなくちゃ……)
耳に吹きかけられる熱い吐息がグッと途切れ、強く腰を押しつけられた。
「うっ……」
「あ……」
熱い飛沫が迸るのを感じてまた胸が熱くなった。
嬉しい。
こんな自分にこれほどまで熱い想いをぶつけてくれたのが。
嬉しくて嬉しくて、溢れる涙をこっそりとアーフェンの肩で拭った。
幸せだ。
だからこそ、前を向いて抱いた信念を貫かないと。アーフェンに貰った勇気を抱えて、そして再びここに戻ってこないと。帰ってきたら今度こそ、家族になるんだ。そして彼に「愛している」と言える自分に。
「いたいっ!」
悲鳴が上がる。そこを弄られたことなんてない真柴はさすがに足をバタつかせた。
「すまない……だがここを許してくれ。お前と一つになりたいんだ、真柴」
「こ……わい、です……」
「本当にここを使ったことがないのか。嬉しいと言ったら困るか?」
やはり、ずるい人だ。
幸福を前面に押し出した笑みで訴えられたら拒みたいのに拒めなくなってしまう。これが惚れた弱みというものか。
「頼む、もう少しだけ……それでも嫌だったら止める」
チュッと頬に、唇に口付けを落とされた。
年下だというのに真柴よりもずっとしっかりしている彼が初めて見せる甘えた仕草にまたしても絆されてしまう。
舌が唇をノックし、先を促してくる。僅かに開けばぬるりと潜り込み、またあの甘い痺れを起こさせるように絡めてきた。覚えたばかりの刺激はすぐに真柴を虜にする。舌を伸ばして自分から熱を貪りにいけば、愉悦を覚えたばかりで耐性のない身体はすぐにのめり込んでしまう。
恥ずかしくてあまり口にできない分、好きだ好きだと舌を伸ばした。擦り合わせては噛まれてと甘い痺れに翻弄されていく。秘かな蕾に指が挿っている違和感すら忘れてしまうほど口付けにのめり込むと、ぬくっと指が動いた。
「ん!」
怯めばこちらに集中しろと口付けが深くなる。囚われた舌を甘く噛まれ擽られるだけでなく、解放されても真柴の口内を蹂躙するかのようにどこもかしこも舌で擽られる。
歯列を辿られた擽ったさ、肉の薄い頬の内側を擦られて生まれる甘さ。何よりも上顎を舌の先で舐められた時に湧きあがった痺れは大きく、真柴の身体を溶かしまたしても下腹部に熱を溜めていく。
キスがこんなにもバリエーションに富んだものだったなんて……。真柴は戸惑いながらもすべてを甘受していくしかなかった。
口付けに溶けている合間を縫って、秘かな蕾に潜り込んだ指が僅かに動く。違和感しかなかったはずなのに、痛みすら起こすのに、愉悦を大量に浴びせられながらまさぐられると、怖がっていたはずの行為に次第と馴れていく。
痛みも違和感もそこにあるはずなのに、口付けに酔っている真柴は弛緩した身体をアーフェンへと委ねてしまうのだ。指が抜かれ、汚れを纏ってまた挿り塗り広げられるのを繰り返されると、ぬめりをまぶされた中はスムーズにアーフェンを受け挿れていく。
徐々に身体が作り替えられていく。
同時に恥ずかしいのに溺れてしまう感覚のむず痒さと求められる心地よさ、合わさった肌の温もりに酔っては、自分の中に生まれる様々な感情を処理しきれず沈んでいくのだ、愉悦の沼の中へ。
きっと人は、その感覚に溺れのめり込むのだろう。
恥ずかしい自分を晒しても受け入れてくれる相手に出会えた幸福を実感するために。
今、真柴はどれだけ恥ずかしい様をアーフェンに見せても、彼から浴びせられるのは悦びと快楽と、愛情だけ。否定されることも笑われることも、ましてや罵声を浴びることもない。ただありのままの自分を露わにしては、喜ぶ彼を受け入れる甘さにまた酔うのだ。
人がこの行為に溺れる理由を肌で感じ、真柴は身体を震わせた。
抜いては挿れるだけだった指がある程度まで潜り込むと、アーフェンは指を動かし始めた。軽く振動を与え裡を解していく。その頃には痛みはないが、むず痒さが沸き起こる。僅かに腰を揺らめかせれば褒美とばかりにアーフェンの舌が真柴の覚えたての官能を引きずり出すように舐めてくる。
少しずつ秘めた蕾への刺激に馴れていくと、アーフェンが指を僅かに折り曲げ中にある一点を押した。
「ひゃっ! ……えっなに?」
あまりにもの衝撃に口付けを外して怯えを訴える真柴に、アーフェンは柔らかい笑みを湛えたままもう一度指を動かした。
「いやっ」
「ここがお前の感じる場所だ」
「うそ……あっやめて!」
「弄られたら出したくてたまんなくなるだろう、それでいいんだ。もっと感じてくれ」
アーフェンがノックするようにそのポイントを指先で叩くたびに、僅かに力を持った真柴の分身が跳ね、そのたびに硬さを増していく。急激に押し上げられ、真柴は戸惑うしかなかった。
「ベルマンさん、ベルマンさんっ! やだそこ……変、変です!」
今までアーフェンから与えられた愉悦とは確実に異なる明確な快楽に翻弄されていくのを止められず、怯えるしかなかった。
「怖がるな、真柴。男同士で一つになるにはここで感じることを覚えないと、お前が辛いんだ」
「そ……なんですか?」
「ああ、だから怯えるな。頼む」
もう一度そこをノックされ、ビクリと身体が跳ねた。
「悦いようだな」
ふわりと笑うとアーフェンは身体を起こし、ベッドの横にある小さなテーブルへと身体を伸ばした。ずっとそこに置いてあるが何に使うのかわからない小瓶を手に取ると、たっぷりと中身を掌に落とし指を濡らした。
「これは男同士が家族でい続けるために必要なものだ。だから怖がらないでくれ」
とろりと粘度の高い液体と纏って指は再び秘かな蕾へと伸ばされ、窄んだ周囲をゆっくり撫でてから潜り込んできた。先程とは違い、突っかかりがない分すぐさまに深くまで挿っていく。
「あっ」
「痛くないようだな……良かった。もっと感じてくれ、俺の手で」
ぐるりと中で動いてからまたあの場所をノックし始めた。
「だめっ……ああ、変っ……変になる!」
「それでいい。俺だけを感じていろ。お前を愛している俺のことだけを考えていてくれ」
逼迫した声の中の甘さを汲み取り、真柴は再び心と身体を震わせ、アーフェンから与えられるすべてに翻弄された。ノックが抉るような動きに変わって指が抽挿を始める。それにすら心地よくて内腿を震わせ間にある頑強な身体を締め付けた。
もう口付けで誤魔化さなくても明確にそこから湧きあがる愉悦は真柴を虜にする。
この男同士で家族になることが異様ではない世界では、同性同士での交わりを助ける術が教えられているのかと訝しむくらい、アーフェンの手は的確に真柴を追い上げていく。
三十代も後半で何度も遂情できない身体となったはずなのに……いや、それ以前にもう何年も快楽を忘れるくらいストレスで機能不全となっていたはずの分身が、はち切れんばかりに猛り、下腹に堆積した熱も出口を求めて暴れ回っては真柴から理性を奪っていく。
見つけ出した愉悦の源を指で擦られ、アーフェンの下でひたすら身悶えるしかなかった。
一度解放した分身も透明の蜜を幾度と零してはもう我慢できないと震えている。
「もぉ……達きたいっ」
解放の瞬間を切望してアーフェンの空いている腕に縋り付いた。その手が真柴の頬を撫で無意識に浮かんだ汗を、涙を拭う。
「達っていい。好きなだけ達け」
「やだっ……も……一人で達くのは嫌ですっ!」
これは二人で想いを交わす行為なのだから。
あれほど痛みを感じていた場所ですら、アーフェンの優しさでこんなにも感じてしまうのだ。もっと確かな触れあいがその先にあり、真柴はその瞬間を欲した。
もしかしたら……最後かもしれない。
彼らの言葉を借りれば自分はもう命の灯火が潰えようとしている、らしい。実感はない、けれど納得する部分があった。
深すぎる眠り。
気怠い身体。
どれほど食べても太らない肉体。
病魔に冒された人と同じだ。
あと一人救ったその瞬間、真柴は潰えるかもしれない。それでも成し遂げたい。同時にアーフェンの愛情をどこまでも貪りたい。理性と本能が鬩ぎ合い、どちらとも選ぶことができないまま両方を内包しようとしている。矛盾だらけの感情、けれどそれが真柴のすべてだ。
頬に当たっているアーフェンの手を両手で包み、目を閉じてじっくりとその大きさと温かさを味わってから両手を伸ばした。見下ろす彼の身体が近づいてくる。逞しい首に両手を回して無骨な頬にまろみのない己の頬を擦り付けた。
「一人は、嫌です……今だけは一緒に……」
自分だけが愉悦を追いかけて終わるのは嫌だ。
もっと彼の愛情を感じていたい。感じて覚えて忘れないまま、全うするのだ、自分の使命を。
「バカッ煽るな……」
「煽られてください……好きです」
アーフェンのように「愛してる」と伝えたくて、慣れない言葉が口を突くこともできず逃げるような単語を並べる。けれど、心は誰よりも愛しているこの人のすべてを感じたかった。
「……痛いかもしれないが、いいんだな」
「はい……」
「なるべく優しくする。だが、辛いなら言え。お前はいつも我慢してしまうから、本当に辛いときは口にしないから、なんでもいい、教えてくれ」
その優しさが嬉しいのだと回した腕に力を込めた。
指が抜かれ僅かにズボンをずらすと、すぐに硬く熱いものが宛がわれる。真柴は深く息を吐いてその瞬間を待ち受けた。できる限り身体から力を抜くが、長大なアーフェンの分身が塗り込められた液体のぬめりを借りて挿っただけで悲鳴を上げそうになるくらいの痛みが沸き起こった。
(声を出しちゃダメだ……弱音を吐いたらすぐに止められる)
優しいアーフェンは己の欲望を堪えてしまうだろう。それがどれだけ辛いか、同じ男である真柴にはわかる。だからグッと奥歯を噛み締め、辛い表情を隠すように硬い肩に己の顔を押しつけた。
「止めるか……?」
いやだ、このままひと思いに奥まで蹂躙してくれ。
真柴は小さく首を横に振ると、無理矢理に大きく息を吸い込んでゆっくりと吐き出した。何度も、時間を掛けて。
「そうだ、そうやって力を抜くんだ。もう少しだけ挿れる、痛かったらすぐに言え」
頷くが、決して言葉にするつもりはない。
彼の臭いを肺いっぱいに吸い込んで次の衝撃に備える。
奥へと進むたびに強張る身体にアーフェンも気付いているだろうに、真柴の気持ちを優先してくれるのがただただ嬉しかった。時間を掛けゆっくりと、時折その場所で僅かな抽挿を繰り返しながら、愛しい人の身体の一部が自分の中へと挿ってくる感覚をじっくりと味わった。
ただ痛みに耐えるだけの行為になっても良い、彼を感じられるなら。
そう覚悟をしていたはずなのに、先程まで執拗に弄られた一点を太い部分が押したその瞬間、真柴はアーフェンにしがみ付いたまま仰け反った。
「あっ!」
痛みに力を弱めた分身がまた硬くなってアーフェンの下肢を叩いて跳ねる。
「ぐ……そんなに締め付けるな!」
「あ……あっ! やめっ、擦らないで!!」
アーフェンが軽く真柴の身体を揺らすのでまたしてもそこが抉られ、強烈な快感がドクリと下腹部へと流れ込んできてはその中で暴れ回る。
それだけじゃない。
指では感じなかった痺れが背筋を駆け上がっていき身体を震わせる。
(なに、これ……さっきよりも、強いのがくるっ!)
指とは比べものにならないくらい、分身で擦られると我慢できないほどの快楽が湧きあがり真柴を翻弄していった。知識も経験もないから理由なんてわからない。でも怖いのにもっと味わいたくなる。
アーフェンもそんな真柴の感情を手に取るようにわかっているのか、そこばかりを執拗に太い部分で擦り続ける。
「やーっ! やめっ……ああ!」
「痛いんじゃないんだろ……くそ、そんなに締め付けたら我慢するのがやっとだ……ここをこうするのが気持ちいいのか?」
「いい……やだっやだ! いく、またいく!」
「一回達け……今お前を抱いて感じさせてるんだって教えてくれっ」
アーフェンが腰を掴み抽挿を激しくした。浅い場所でのそれは、入り口ギリギリまで抜いては愉悦をもたらす一点を抉ってくる。そのたびに分身の先端が頑強な腹筋に擦られ、中との愉悦と相まってもう堪えることはできなかった。
「ひっ……ああ、も……でるっ!」
身体を強張らせ、その瞬間を迎える。
きつく抱きつき、腰を振ってアーフェンの腹に白濁を撒き散らす。
まさか自分が中の刺激だけで遂情するとは思わなかった真柴が放心している間に、アーフェンが腕の力だけで痩身を抱き起こした。自分の膝に乗せまだ惚けた顔に口付けを落とす。
「嬉しいぞ……ありがとう、真柴。だが……もう少しだけ付き合ってくれ」
ぼんやりとした頭ではアーフェンがなにを言っているのかわからない。乞われていることだけを認識し小さく頭を縦に振ると、逞しい彼へと身体を預けた。
緩く身体が揺らされ少しずつ遂情の後の泥濘んだ秘かな蕾にアーフェンの長大な分身が挿っていくのを感じるがもう痛みはそこになく、中で得られる愉悦を覚えた真柴は緩く感じる場所を擦られるたびに小さく甘い声を上げ続けた。
彼に身体を預けて感じるすべてが愛おしくて、逞しい腕に抱かれてただただ与えられる心地よく優しい快感を貪っていく。真柴の鼓膜を震わす荒い息すらそれを増幅させた。
こんなみっともない身体にすら彼は悦んでくれているのがただただ嬉しかった。
「真柴……真柴っ…………愛しているんだ、お前だけを」
切迫した想いが心地よくて、酩酊したように何度も頷いては彼の肌に顔を擦り付けた。
「ベルマンさん……ああまたっ……」
「だから締め付けるなって……お前が大事なんだ」
大事にされてます、これ以上ないほど。わかっているから首に回したままの腕を放さずしがみ付いた。隙間なく合わさった肌から感じる彼のすべてを味わい尽くすように。
緩やかな抽挿は真柴から甘い声が上がれば少しずつ加速し、今までずっと我慢し続けたアーフェンの限界が迫る頃には膝立ちになった彼が自ら腰を打ち付けてきた。深い場所まで潜り込んできた灼熱のような塊が真柴の中を穿っていく。けれど感じるのは愉悦と彼らしい真っ直ぐな愛情だ。
真柴を愛していると身体でも訴え、ぶつけてくる。
(嬉しい……でもこの一夜だけかもしれない……)
臆病だった自分が悔しい。
卑屈だった自分が悲しい。
もっと早くにアーフェンに己の気持ちをぶつけていたなら、もっと長い時間彼から愛されているのだと感じられただろう。けれど、どこまでも矮小になった心は己を晒し出すことができなかった。
後悔しても、時間は戻ってこない。
(もっと、愛されたい……)
初めて欲が真柴の中へと宿った。
いつからか諦めるのが当たり前になり、自分の心にすら諦観をもって見つめるだけだった心が、諦めたくないと暴れ始める。
それは恐ろしいほどに真柴を支配していく。
言葉よりも視線よりも、こうして思いの丈をぶつけてくれるのが嬉しくて、このままずっと一緒にいたいと切望する一方で、このままじゃダメだと警鐘を鳴らす自分がいる。
このままただアーフェンの傍にいるだけなら、真柴は卑屈なまま隣に立つことができなくて一歩も二歩も下がって着いていくだけになる。家族という対等な立場でなく、今と変わらない居候のままだ。おんぶに抱っこで情けない自分をいつ彼が空くのかと怯える日々をきっと過ごすのだ。
そんな未来を望んでいるわけではない。
アーフェンとともに歩ける自分でありたいんだ。
逼迫した声が荒々しくなるにつれ、真柴の決意は固くなる。
(貴方の傍にいられる僕にならなくちゃ……)
耳に吹きかけられる熱い吐息がグッと途切れ、強く腰を押しつけられた。
「うっ……」
「あ……」
熱い飛沫が迸るのを感じてまた胸が熱くなった。
嬉しい。
こんな自分にこれほどまで熱い想いをぶつけてくれたのが。
嬉しくて嬉しくて、溢れる涙をこっそりとアーフェンの肩で拭った。
幸せだ。
だからこそ、前を向いて抱いた信念を貫かないと。アーフェンに貰った勇気を抱えて、そして再びここに戻ってこないと。帰ってきたら今度こそ、家族になるんだ。そして彼に「愛している」と言える自分に。
165
あなたにおすすめの小説
虚ろな檻と翡翠の魔石
篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」
不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。
待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。
しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。
「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」
記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。
-----------------------------------------
0時,6時,12時,18時に2話ずつ更新
新年に余り物でおせちを作ったら、冷酷と噂の騎士団長様に「運命の番」だと求婚されました
水凪しおん
BL
料理人だった俺が転生したのは、男性オメガというだけで家族に虐げられる不遇の青年カイ。
新年くらいはと前世の記憶を頼りに作ったのは、この世界にはない『おせち料理』だった。
それを偶然口にしたのは、氷のように冷酷と噂される最強の騎士団長リアム。
「お前は俺の運命の番だ」
彼の屋敷に保護され、俺の作る料理が彼の心を溶かしていく。
不器用で、だけどまっすぐな愛情を注いでくれる彼と、美味しい料理で紡ぐ、甘くて温かい異世界スローライフ。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
自己肯定感低めの不幸な義弟が完璧な義兄と大揉めに揉める話
あと
BL
「こんな僕をお兄ちゃんは嫌ってるだろうな」
トップ俳優な完璧超人の義理の兄×不幸な自己肯定感低めのネガティブ義理の弟です。
お金ない受けが追い詰められて変なアルバイトしようとしたら、攻めと再会して……?みたいな話です。
攻めがヤンデレ気味で、受けがマジで卑屈なので苦手な人はブラウザバックで。
兄弟は親が離婚してるため、苗字が違います。
攻め:水瀬真広
受け:神崎彼方
⚠️作者は芸能界にもお葬式ににもエアプなので、気にしないでください。
途中でモブおじが出てきます。
義理とはいえ兄弟なので、地雷の人はブラウザバックで。
初投稿です。
初投稿がちょっと人を選ぶ作品なので不安です。
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
内容も時々サイレント修正するかもです。
定期的にタグ整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
あなたと過ごせた日々は幸せでした
蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。
隠れオメガの整備士は自由になりたい。なのに暴走する最強騎士を身体を張って止めたら、運命の番だとバレて過保護な専属契約を結ばされました
水凪しおん
BL
※オメガバース設定。激しい戦闘描写や、執着攻めによるマーキング描写、軽度の性的な接触の描写がありますので、15歳未満の方の閲覧はご遠慮ください。
汚染された惑星を浄化する生体兵器『機装(ギア)』。
その搭乗者は優れた能力を持つ『アルファ』に限られ、彼らの精神を安定させる鎮静剤として『オメガ』が存在する世界。
整備士のエリアンは、オメガであることを隠し、ベータと偽って軍の最前線で働いていた。
オメガは道具のように扱われるこの社会で、自由を守るための必死の嘘だった。
だがある日、軍最強のエリートパイロット・クレイドの機装が暴走する事故に遭遇する。
死を覚悟して止めに入ったエリアンだったが、暴走する機体はなぜか彼にだけ反応し、沈静化した。
それは、隠していたオメガのフェロモンが、クレイドと強烈な『共鳴』を起こした瞬間だった。
「見つけた。俺の対になる存在を」
正体がバレたと戦慄するエリアンに対し、冷徹なはずのクレイドが向けたのは、処罰ではなく執着に満ちた熱い視線で……?
孤独なエリート騎士×身分を隠した健気な整備士。
星の命運と本能が交錯する、近未来SFオメガバース!
売れ残りオメガの従僕なる日々
灰鷹
BL
王弟騎士α(23才)× 地方貴族庶子Ω(18才)
※ 第12回BL大賞では、たくさんの応援をありがとうございました!
ユリウスが暮らすシャマラーン帝国では、平民のオメガは18才になると、宮廷で開かれる選定の儀に参加することが義務付けられている。王族の妾となるオメガを選ぶためのその儀式に参加し、誰にも選ばれずに売れ残ったユリウスは、国王陛下から「第3王弟に謀反の疑いがあるため、身辺を探るように」という密命を受け、オメガ嫌いと噂される第3王弟ラインハルトの従僕になった。
無口で無愛想な彼の優しい一面を知り、任務とは裏腹にラインハルトに惹かれていくユリウスであったが、働き始めて3カ月が過ぎたところで第3王弟殿下が辺境伯令嬢の婿養子になるという噂を聞き、従僕も解雇される。
ぼくの婚約者を『運命の番』だと言うひとが現れたのですが、婚約者は変わらずぼくを溺愛しています。
夏笆(なつは)
BL
公爵令息のウォルターは、第一王子アリスターの婚約者。
ふたりの婚約は、ウォルターが生まれた際、3歳だったアリスターが『うぉるがぼくのはんりょだ』と望んだことに起因している。
そうして生まれてすぐアリスターの婚約者となったウォルターも、やがて18歳。
初めての発情期を迎えようかという年齢になった。
これまで、大切にウォルターを慈しみ、その身体を拓いて来たアリスターは、やがて来るその日を心待ちにしている。
しかし、そんな幸せな日々に一石を投じるかのように、アリスターの運命の番を名乗る男爵令息が現れる。
男性しか存在しない、オメガバースの世界です。
改定前のものが、小説家になろうに掲載してあります。
※蔑視する内容を含みます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる