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モリガン一人旅(第31話)
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その後、しばらくしてからカイトと杏里が楓のアトリエを訪ねてきたー。
初の顔合わせとなるモリガンは自信満々に「秋の領域最大の魔女」として自己紹介するが、この浮遊大陸から出たことのない杏里や、そもそも今まで大樹を訪れたこともないカイトから怪訝そうな顔を向けられただけであった。
そんな彼女たちの姿を見て、思わず笑い転げる楓。話はそこから始まるー。
ーー
モリガンと楓は事情を説明し、今すぐカイトがこの場を離れるべきだと進言した。何せ、相手は邪術師とも互角にやり合った東方の凄腕剣士だ。なるべくならことを構えたくはない相手である。
尤も、いざ彼女と遭遇し、戦いとなった場合、モリガン自身は勝てるとは思っている。魔力の絶対量ならこちらの方がはるかに上だからだ。ただ、さすがに無傷となると難しいだろう。こちらの方が「量」で優っているとは言っても、「質」の面では相手の方が上手である可能性もあるからだ。
何より、カイトや杏里を守りながらの戦いとなるので、分が悪いのも確かである。
「というわけで、じゃ」
状況を改めて説明し終えてから、モリガンが提案する。
「あの女は間違いなくカイトを狙っておる・・・したがって、カイトには一旦大樹に避難してもらおうかと思っておるのじゃが」
その時、それまで黙って話を聞いていたカイトが、ぽつりと零した。
「・・・いやだ」
「え?」
「なんじゃと・・・?」
楓とモリガンが思わず腰を浮かせる。
「モリガンさん・・・その東方の女剣士ってのが、先輩たちを斬ったんでしょう?」
「・・・ああ、そうじゃな」
大事なことだった。あの紫の機体が、カイトの先輩たちが乗る飛空鎧を瞬く間に撃破していったのだ。考えてみれば、カイトにとっては先輩たちの仇ともいうべき相手である。そんな相手を前に自分だけ逃げるというのは、カイトからしてみればとても許容できる話ではないだろう。
できることなら、先輩の仇を討ちたいと考えるはず・・・。
「ああ・・・」
しまった・・・、今はまだ、あの二人のことを話すべきではなかった。
モリガンと楓が互いに顔を見合わせ、沈黙する。
「僕は・・・逃げないよ。あいつを倒す、必ず!」
カイトは、先ほどまで俯けていた顔を静かに上げた。そこには彼の硬い決意が現れており、とてもではないが、それを覆すことはできそうになかったー。
初の顔合わせとなるモリガンは自信満々に「秋の領域最大の魔女」として自己紹介するが、この浮遊大陸から出たことのない杏里や、そもそも今まで大樹を訪れたこともないカイトから怪訝そうな顔を向けられただけであった。
そんな彼女たちの姿を見て、思わず笑い転げる楓。話はそこから始まるー。
ーー
モリガンと楓は事情を説明し、今すぐカイトがこの場を離れるべきだと進言した。何せ、相手は邪術師とも互角にやり合った東方の凄腕剣士だ。なるべくならことを構えたくはない相手である。
尤も、いざ彼女と遭遇し、戦いとなった場合、モリガン自身は勝てるとは思っている。魔力の絶対量ならこちらの方がはるかに上だからだ。ただ、さすがに無傷となると難しいだろう。こちらの方が「量」で優っているとは言っても、「質」の面では相手の方が上手である可能性もあるからだ。
何より、カイトや杏里を守りながらの戦いとなるので、分が悪いのも確かである。
「というわけで、じゃ」
状況を改めて説明し終えてから、モリガンが提案する。
「あの女は間違いなくカイトを狙っておる・・・したがって、カイトには一旦大樹に避難してもらおうかと思っておるのじゃが」
その時、それまで黙って話を聞いていたカイトが、ぽつりと零した。
「・・・いやだ」
「え?」
「なんじゃと・・・?」
楓とモリガンが思わず腰を浮かせる。
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「・・・ああ、そうじゃな」
大事なことだった。あの紫の機体が、カイトの先輩たちが乗る飛空鎧を瞬く間に撃破していったのだ。考えてみれば、カイトにとっては先輩たちの仇ともいうべき相手である。そんな相手を前に自分だけ逃げるというのは、カイトからしてみればとても許容できる話ではないだろう。
できることなら、先輩の仇を討ちたいと考えるはず・・・。
「ああ・・・」
しまった・・・、今はまだ、あの二人のことを話すべきではなかった。
モリガンと楓が互いに顔を見合わせ、沈黙する。
「僕は・・・逃げないよ。あいつを倒す、必ず!」
カイトは、先ほどまで俯けていた顔を静かに上げた。そこには彼の硬い決意が現れており、とてもではないが、それを覆すことはできそうになかったー。
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