テキトーすぎな《ユグドラシル》の皆さん

ミケとポン太

文字の大きさ
376 / 464

続・モリガン一人旅(第8話)

しおりを挟む
 モリガンは「秋の領域最大の魔女」である。

 そして、彼女は実母であるエレオノーラより「魔女の叡智」を受け継いでいる。

 それは、先代までの魔女の力や記憶を継承したものだー。

「ゆえに、わしの魔力は実は無尽蔵なんじゃよ」

 楓に対して得意げに説明するモリガン。

「・・・しかし、だったらなんでお前、さっきはバテてたんだよ?」

 先ほど、カイトたちを転送魔法陣で大樹に送り届けた後、モリガンはソファの上にへたり込んでいたのだ。

「無尽蔵の魔力を持つなら、どれだけ高等な魔法を使おうが大丈夫なんじゃないのか?」

 楓の疑問も尤もである。無尽蔵の魔力ーすなわち、ゲームキャラに例えるなら、どれだけ魔法を使用してもMPはMAXのままのはずだ。

 楓の疑問に対して、頭を掻きながらモリガンが答える。

「いや、確かに魔力容量自体は無尽蔵なんじゃがな・・・一度に取り出せる魔力の量は制限があるし、何よりやはり肉体には高等な魔法を使えば使った分だけの疲労は生ずる。じゃから、まあフリーエネルギー機関みたいなもので、魔力そのものは永遠でも、一度に取り出せるエネルギー量は制限があるし、当然、大きなエネルギーを使えば、その分媒体にも負荷がかかるというわけじゃ」

「なるほど・・・」

「そのために休息自体は必要ということになる」

 確かに、フリーエネルギー機関と同じだ。永久機関と類似して語られるフリーエネルギー機関ではあるが、一応エネルギー保存則には抵触しないということで、小規模ながらこの世界にも存在している。魔力の出現がそれを可能にしたのだった。

 前文明時代にもフリーエネルギー機関を名乗るものは多く出回っていたが、その多くは実際にはフリーエネルギーとは呼べない代物ー例えば、永久磁石を活用したものとか(永久と銘打っているからと言って、実際に永久な磁石というわけではないのだが)、作成者自身がエネルギー量を計算していく過程で計算結果を間違えた挙句、入力より出力の方が大きくなってしまったものとかーであった。つまりは、作成者自身が物理学に詳しくなかったり、勘違いをしている場合も多々見受けられる。

「まあ、転送魔法陣を使った後に、少しは休憩したからのう・・・こやつがこのアトリエに到着するまでにはお主の言うところの「イタズラ魔法」を使えるくらいには体も持ち直しておったということじゃ」

 右手の人差し指をぴんと立て、口角を釣り上げながら、それこそイタズラ小僧のような笑みを浮かべるモリガンだったー。


しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)

MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

異世界亜人熟女ハーレム製作者

†真・筋坊主 しんなるきんちゃん†
ファンタジー
異世界転生して亜人の熟女ハーレムを作る話です 【注意】この作品は全てフィクションであり実在、歴史上の人物、場所、概念とは異なります。

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~

ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。 王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。 15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。 国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。 これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。  

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...