テキトーすぎな《ユグドラシル》の皆さん

ミケとポン太

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続・モリガン一人旅(第16話)

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「ガレスとやら、黙って言わせておけば、先ほどから我らに対する侮蔑ばかり・・・許さぬぞ!」

 アサギが、ついに堪忍袋の緒が切れたと言わんばかりに、上空にいるガレスめがけて斬りかかった。およそ、人間とは思えない跳躍力に、さすがのガレスも苦笑してしまった。

「・・・さすが、東方の未開人は人間離れしておりますね・・・これでははっきりと猿とお呼びした方がいいかもしれません」

 だが、相変わらずの余裕ぶりである。アサギの刀を難なくと回避しながら、後方へと逃れ、術式を構築し始めた。

「まあいいでしょう。気が済むまでお相手して差し上げます・・・そちらのお嬢さんたちと共に」

 ガレスは、アサギだけでなく、モリガンの方も見下ろしながら、複数の魔法術式を展開した。

「ほう、そこの女剣士だけでなく、わしともやり合うつもりか、お主。大した自信じゃのう」

 実際、プライドの高そうなやつである。そして、そのプライドに見合うだけの実力も、当然ながら兼ね備えているーそれは、今、彼が構築している術式の数々を見れば明らかだった。

「まあ、わしの位相操作を開示するくらいじゃからな・・・少しばかりは楽しめそうじゃ!!」

 だがモリガンも恐れるようなことはない。むしろ、これから思いっきりぶっ放すことができるのかと思うと、楽しくて仕方がない。

「おい、モリガン・・・」

 その傍らで、楓が心配そうに声をかける。モリガンが、当初の目的を忘れてはいないかと心配になったのだ。

「大丈夫じゃよ、楓。やつの挑発には乗らん」

 モリガンが、軽くウィンクしながら、小声で楓に応えた。

「ある程度は、やつの相手をして、スキを見て逃げる手はずを整える。この方針に変わりはないのじゃ」

 そして、今度はアサギの方に向き直り、

「紫の乗り手よ」

「む」

「どうじゃ、少しの間、わしと手を組まんか。こやつ、かなりの使い手じゃぞ」

 アサギは、小柄なモリガンを小ばかにしたように眺め、

「いらん、こんな奴、私一人だけで十分だ」

「まあ、そう言うな・・・そもそも、そのガレスとやらが、わしとお主を同時に相手したがっておるようじゃしのう」

 ガレスの展開している攻撃魔法術式は、明らかに多重攻撃型。一度に複数の相手をするときに活用されるものだった。

「見たところ、お主は闘気の扱いには長けておるようじゃが、魔法そのものは専門外じゃろ?なら、魔女であるわしと手を組んだ方がいいのではないか?」

 だが、モリガンからの申し出に、自身の矜持ゆえか、当のアサギは頑として応じない。

「いらんと言っている!!貴様は、そこで黙ってみているがいい!!」

 言い終わらないうちに、再び上空のガレスめがけて斬りかかっていくアサギ。

 そんな彼女を、ガレスの魔法術式から放たれた複数の魔法の矢が襲い掛かったー。
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