テキトーすぎな《ユグドラシル》の皆さん

ミケとポン太

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日向荘にて(第27話)

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「それじゃあそろそろとどめを刺しちゃおうかな」

 ・・・なぜかやたらと楽し気な口調の早苗に対し、杏里は苦笑いするしかなかった。

「むきー!!いったいどれが本物の扇女でやんすか!!こうもいっぱいいると煩わしいでやんすよ!!」

 本物の早苗とは明後日の方向に攻撃し続けている憤ドラゴラに対し、早苗は魔力の渦を差し向けた。

「・・・早苗さん、それは・・・」

「ふふふ・・・私も実はんだよね、まだ。年齢制限があるから」

 年齢制限という言葉を強調しながら、早苗が憤ドラゴラに差し向けた魔力の渦を巧みにコントロールし始める。それは、憤ドラゴラに纏わりつくように流れていき、彼の全身を満遍なく包み込んだ。そしてー。

「あ、あれ・・・?」

 憤ドラゴラの足の動きがなんだかおかしい。いや、足ばかりではなく、

「こ、これは・・・なんらか気持ちがいいでやしょ・・・」

 呂律も回っていない喋り方となっていた。当然、彼の動きは次第に緩慢になっていくー。

「まあ、咲那さんがしょっちゅう呑んでいるから、味わったことはないんだけど、大体どうなるかはわかるんだけどねぇ・・・」

「これは・・・お酒の匂い?」

 杏里も気が付いたようだ。父がしょっちゅう呑んでいるのでわかったのだろう。

「その通り、これはお酒の成分を疑似的に再現しているんだよ。憤ドラゴラ君を酔っぱらわせるのにはこれで十分かな」

 憤ドラゴラの様子を見ると、既に彼は千鳥足となっており、もはやまともに戦える状態ではなかった。

「うーん、憤ドラゴラ君、意外とお酒に弱いんだねぇ・・・」

「あ、あのう、早苗さん。私たちには影響はないんでしょうか・・・?」

 杏里が心配そうに尋ねてくる。

「ああ、その辺は大丈夫だよ。今回影響が出るのは、まともに私の魔法を食らっちゃった憤ドラゴラ君だけだし・・・お酒の匂いだけじゃ、さすがに酔っぱらったりはしないでしょ?」

「は、はあ・・・」

 既にぐでんぐでんの状態となった憤ドラゴラがその場に倒れこみ、ぐおーぐおーといびきをかいている。よほどアルコールが効いたと見える。

「さあ、杏里ちゃん!!憤ドラゴラ君が眠っているうちに拘束しちゃおうよ!!」

「ええと・・・しかし、憤ドラゴラさんは縄を解いて脱出したんですよね?普通の縄で拘束しようとしても、また逃げられてしまうのでは?」

 杏里の指摘も尤もだった。先ほど、憤ドラゴラは縄から力づくで抜け出していたのだ。

「それなら大丈夫!!この日向荘には拘束具があるから、今度は逃げられることはないよ!」

 早苗は自信満々に語ったー。
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