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4 黄身は愛の女神
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「――お嬢様……お嬢様! 起きてください!」
「む~……」
眠い……眠すぎる、ですわ……二度寝してしまいたいですわぁ……。
「遅刻しますよ」
「い、今何時なんですの?!」
優雅さの欠片もない動きで起き上がってしまいましたわ。
お恥ずかしいこと。
「七時です」
か、完全に寝過ごしましたわ!
レアがカーテンを手早く開け始め――眩しいですわね。
あら、窓の向こうで、いつもより高い位置にあるお日様がギランギランと光っていらっしゃいますわ。
「進学予定の高等学園でも寝坊なさるおつもりですか? 完全平等主義で全寮制ですから、お嬢様一人で生活しなければならないんですよ、しっかりしてください」
「はい、わかりましたわ……」
レアが持ってきてくださったヴェルサイユ中等学園の制服にささっと着替えますわ。
意外と口厳しいレアの手によって、学園に出かける支度があっという間に整えられましたわ。
「早く食堂に行ってください、ほんとに遅刻しますよ」
「はい……」
もう二度と寝坊なんてしたくないですわ。
せっかく作ってくださった美味しい朝食も味わって食べられませんでしたし、いつもはご一緒する家族の皆様とは会うことすらできませんでしたもの。
「行ってらっしゃいませ」
「ええ、行ってまいりますわ」
バリバリ仕事のできる侍女のレアに最大級の感謝を捧げつつ、既に用意の整っていた馬車に乗り込みましたわ。
遅刻しないようにと気を利かせてくれたのか、いつもは安全運転が過ぎるほど慎重な御者の方もペースを早めてくださいましたわ。
皆さんの温かい心に朝から触れられて、わたくし、もう涙が出てきそうですわ……。
「お嬢様、学園に着きました」
御者の方の一人が御者台から飛び降りて、わたくしが馬車から出るのを毎日助けてくださるんですの。
「ありがとう存じますわ」
感謝しかございませんわ。
廊下を進んでいると、ふと、あるお方が目に入りましたわ。
「アリア、おはよう」
「ごきげんよう、ラフィ殿下っ」
朝から麗しのラフィ殿下に会えるだなんて、もうハイテンションの極みですわね。
あぁ、またそんな美しい笑顔を浮かべなさって……わたくし、本当に土に埋もれてしまいますわよ?
「今日も黄身はかわいいんだな」
ふいっと視線をわたくしからそらし、また黄身のことをおっしゃりましたわ。
「そうでしょうか?」
わたくしには一生理解できない感覚ですわね……。
せめて、ラフィ殿下の黄身に対しての愛を理解したいですわ……。
「ああ、黄身はこんな朝からですら僕の心を捉えて離さないんだ。黄身は残酷な愛の女神なのだろうか?」
いくら卵の一部とはいえ、黄身がちょっと羨ましいですわ。
このような愛を、わたくしもラフィ殿下からいただきた――い、いけませんわ。
なんて恥知らずで欲張りさんなんでしょう、わたくしは。
烏滸がましいですわ。
婚約者としてラフィ殿下の隣にいられることだけで、満足しなければ……。
「わたくしにはわかりかねますわね」
あら、タイミングよく予鈴が鳴り始めましたわ。
「では、ラフィ殿下、しばしのお暇を。ごきげんよろしゅう」
「ああ、また昼に……」
わたくしも黄身になりたいですわぁ……。
「む~……」
眠い……眠すぎる、ですわ……二度寝してしまいたいですわぁ……。
「遅刻しますよ」
「い、今何時なんですの?!」
優雅さの欠片もない動きで起き上がってしまいましたわ。
お恥ずかしいこと。
「七時です」
か、完全に寝過ごしましたわ!
レアがカーテンを手早く開け始め――眩しいですわね。
あら、窓の向こうで、いつもより高い位置にあるお日様がギランギランと光っていらっしゃいますわ。
「進学予定の高等学園でも寝坊なさるおつもりですか? 完全平等主義で全寮制ですから、お嬢様一人で生活しなければならないんですよ、しっかりしてください」
「はい、わかりましたわ……」
レアが持ってきてくださったヴェルサイユ中等学園の制服にささっと着替えますわ。
意外と口厳しいレアの手によって、学園に出かける支度があっという間に整えられましたわ。
「早く食堂に行ってください、ほんとに遅刻しますよ」
「はい……」
もう二度と寝坊なんてしたくないですわ。
せっかく作ってくださった美味しい朝食も味わって食べられませんでしたし、いつもはご一緒する家族の皆様とは会うことすらできませんでしたもの。
「行ってらっしゃいませ」
「ええ、行ってまいりますわ」
バリバリ仕事のできる侍女のレアに最大級の感謝を捧げつつ、既に用意の整っていた馬車に乗り込みましたわ。
遅刻しないようにと気を利かせてくれたのか、いつもは安全運転が過ぎるほど慎重な御者の方もペースを早めてくださいましたわ。
皆さんの温かい心に朝から触れられて、わたくし、もう涙が出てきそうですわ……。
「お嬢様、学園に着きました」
御者の方の一人が御者台から飛び降りて、わたくしが馬車から出るのを毎日助けてくださるんですの。
「ありがとう存じますわ」
感謝しかございませんわ。
廊下を進んでいると、ふと、あるお方が目に入りましたわ。
「アリア、おはよう」
「ごきげんよう、ラフィ殿下っ」
朝から麗しのラフィ殿下に会えるだなんて、もうハイテンションの極みですわね。
あぁ、またそんな美しい笑顔を浮かべなさって……わたくし、本当に土に埋もれてしまいますわよ?
「今日も黄身はかわいいんだな」
ふいっと視線をわたくしからそらし、また黄身のことをおっしゃりましたわ。
「そうでしょうか?」
わたくしには一生理解できない感覚ですわね……。
せめて、ラフィ殿下の黄身に対しての愛を理解したいですわ……。
「ああ、黄身はこんな朝からですら僕の心を捉えて離さないんだ。黄身は残酷な愛の女神なのだろうか?」
いくら卵の一部とはいえ、黄身がちょっと羨ましいですわ。
このような愛を、わたくしもラフィ殿下からいただきた――い、いけませんわ。
なんて恥知らずで欲張りさんなんでしょう、わたくしは。
烏滸がましいですわ。
婚約者としてラフィ殿下の隣にいられることだけで、満足しなければ……。
「わたくしにはわかりかねますわね」
あら、タイミングよく予鈴が鳴り始めましたわ。
「では、ラフィ殿下、しばしのお暇を。ごきげんよろしゅう」
「ああ、また昼に……」
わたくしも黄身になりたいですわぁ……。
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