コーヒーとチョコレート

ユーリ

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後編

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このアザはなんだろう。
クロエは服の裾をめくった。
腹の左側に、クロエの小さめの手のひらほどのアザがある。
「さっきぶつかったからかなあ…」
先ほど外へ出たときに人とぶつかってしまった。その時にできたのだろうと思うけれど、そんなに勢いよくぶつかっただろうか?
「??」
首を傾ぐと玄関で音がしたので向かう。ジェットが帰ってきたのだ。
「おかえりなさい」
ひょこ、と顔を出すとジェットが笑う。
「家に帰ったらお前が出迎えてくれるっていいな。おいで、クロエ」
とことこ向かうとひょいと抱っこされる。
「なんでいつも僕を抱っこするんですか?」
「お前がちょうどいいサイズなのと、常に触っていたいから」
頬にキスをされ、くすぐったさに目を細めてしまう。
でも…。
「なんで…なんでキスするんですか?」
「お前が好きだから」
「…」
「納得いかねえって顔してんな。どした?」
リビングのソファーへ座り、そのまま抱え込まれる。その腕に擦り寄りながらクロエは口を開いた。
「僕はあなたに好きになってもらえる権利はあるのですか?」
これにはジェットが目を丸くする。
そんなに驚くことだろうかと、クロエの目も丸くなる。
「権利? 権利ってどういうことだ?」
前髪をかき上げられる。ちょっとくすぐったい。でもこうやって大きな手で撫でられるのは大好きだ。
「だって僕は悪魔として未熟で…羽根だってむしられすぎて飛べないし、魔法だって使えないし…」
「だから?」
「えっと、その…だから…っ」
「じゃあお前が悪魔として成熟していて、大きな羽根が存在して空を飛べて、魔法だって使えてたらその権利はあるのか?」
まさかそんな返しが来るとは思ってもいなかったため、クロエは考える。
「果たしてそれはクロエなのか? 俺は今のお前が好きなんだ。これから先、お前が悪魔として成熟して空を飛べて魔法を使えても、それは今のお前と地続きのクロエだから好きだ。でも、ここにそれらができる全く同じクロエが存在したとしても、俺はそいつを好きにはならない。お前じゃないからな」
「僕がふたりいるの…?」
「例えばの話だ。今のお前と、それらができる全く同じクロエがいたとしても、俺はお前を選ぶ」
ジェットが笑う。
「自信を持てってことだよ」
「自信…」
「そ。お前には自信が足りない。俺に愛される自信」
指先を取られ、口付けられる。
「でもなあ、なんでもいいんだよ。とにかく俺のそばにいてくれ。あ、俺がお前を買ったんだから一生そばにいろって言ったら言うこと聞いてくれる?」
「う…うん…?」
「はは、それは違うよな。わかってるわかってる。ーーじゃあもう一つ。俺がお前を好きになった瞬間を教えてやろう。まあかわいいから好きになったのもあるけどな。お前の声を取り戻しに行くとき、喋れないお前が紙になんて書いた覚えてるか? 『あなたが怪我をしないように祈ります』って書いたんだよ。俺はさ、取り戻せるように祈っとけって言ったんだぜ? それなのにお前は俺のために祈ってる。恋に落ちたね。完全に落ちた」
ははっ、と笑ってクロエの頬を撫でた。
大きな手のひら。
ひんやりとした、でも安心する手。
「僕は…」
クロエはジェットから目を逸らした。
「僕はあなたを好きになる権利はありますか?」
ジェットが微笑む。
「あるに決まってんだろ」
ぎゅっと抱きしめられた。
ジェットの言葉が心の奥底まで染み渡る。まるでコーヒーを飲んだ時のようにあたたかく全身が包まれる。
クロエが目をつむってもたれかかっていると、すんすんすんすん、とジェットがクロエの匂いを嗅ぎ始めた。
「なんだこの匂い。お前もしかして…」
服の裾を捲られアザが露わとなる。またもやジェットの目が丸くなった。
「お前…」
「はい」
「死神にマークされてるぞ。これ、死神に狙われる目印」
「へ?」
「悪魔に追いかけられ死神に狙われるのかー。いやあお前はホントに次から次へと事件を持ってくる」
ケラケラ笑われながらさらに抱きしめられた。
どういうことだろう?
意味がわからず首を傾いでいると、両手で頬を包まれた。
ジェットに見つめられ、クロエは恥ずかしくてつい目を泳がせてしまう。
「安心しろ。責任持って俺が守ってやる」




「僕これからどうなるんでしょう…」
ベランダで星を見上げながらぽつりとクロエが呟いた。
ちゅ、とジェットに頭にキスをされる。
「ん? これからって?」
「悪魔に追いかけられて死神に狙われて…僕はどうすれば…」
「俺がいるから大丈夫」
柵にもたれかかりながらジェットが笑った。
この人がいるなら大丈夫かな、とクロエが笑顔を見せかけた時だった。
目の前に、鈍く光る鎌を手にした男たちが現れた。
全員がフードを深く被るも顔の中身が見えない…ゆらりゆらりと浮かぶ総勢十人の死神たちだ。
さっそく腹の目印を目標に命を狩りに来たーークロエが顔を真っ青にさせる。
「あ…」
どうしよう。どうすれば…。
思わずクロエが後ずさると、ぽんと背中を押され咄嗟に顔を上げるとジェットが笑っていた。
その笑顔のまま、死神たちに向かって喋る。
「俺が誰だかわかってんのか? お前らを統率する者のひとりだ」
死神たちがたじろぐ。
「お前らがクロエに手え出したらどうなるかわかってんの? なんとか言ってみろよ」
ゆらゆら揺れながら慌てて死神たちが姿を消す。はは、とジェットが笑った。
「根性ねえなー」
「笑い事じゃないと思うけど…」
「クロエ、アザは? 消えてねえな。つーことはアイツらの中にはクロエのアザをつけたものはいない、と。このまま情報伝達されてアザが消えりゃあいいが、さて、俺はどう出ようかな」
「ジェットさん、なんか楽しそう」
思わず声に出してそう言って、しまった! と口元を手で押さえるももう遅い。
見上げた先のジェットは笑っていた。
「うん、すげー楽しい。クロエのおかげで人生楽しくなってきた」
「…さっきの死神とか他の悪魔に勝つ自信あるんですか?」
「自信しかねえよ?」
「……なんでそんなに自信あるんですか?」
「クロエを守り切る自信があるから」
そう言ってクロエを抱きしめた。
ーーどこからそんな自信が湧いてくるのか教えてほしい。
でもクロエは聞けなかった。
この人が好き。
自分の内側から湧いて出てきた感情の出どころも分からなかったからだ。
「星空キレイだなー。クロエは星座とかわかるか?」
「全くわかんないです」
「俺も。じゃあ適当に作るか。アレとアレとアレ繋げてー、コーヒーのマグカップ」
「じゃあ…アレとアレ繋げて丸いチョコレート」
「あ、コーヒーの話してたらサイフォン欲しくなってきた」
「サイフォン?」
「コーヒーをもっとおいしく淹れられるアイテムだ」
「?? 今のままで十分おいしいですよ?」
「ははっ、お前は嬉しいこと言ってくれるなー。ありがとな、クロエ」
そう言って頬を撫でられ、クロエはくすぐったそうに目を細めた。



クロエはぱちりと目を開けた。
「あ、そっか…。ジェットさん夜勤だ」
昨夜は招集がかけられ死神退治に駆り出された。
スマホを見ると午前六時だ。クロエは着替えてリビングへと向かう。
「…苦い」
コーヒーの淹れ方を何度もジェットから聞くのに、どうやってもおいしいコーヒーに仕上がらない。
苦かったり酸っぱかったり、そもそも味が安定しない。
「?? コーヒーって難しいなあ…」
ずずず、と啜りながら冷蔵庫のチョコレートを取ろうとして、ジェットが帰ってきた音が玄関から聞こえた。
「おかえりなさい、ジェットさん」
「ああ、ただいま。俺もコーヒー欲しいな」
「ジェットさん今から眠りますよね…? たぶん飲まないほうが…」
「今日はチョコレートの新作の発売日だろ? 朝から並ぶって言ってただろ。俺も行く」
「ダメですよ、寝ててください。夜勤明けなんだから」
「別に大丈夫なのに」
ーー小さな寝息を立てて眠るジェットの頭を、クロエはそっと撫でた。
(すぐに眠ったから、やっぱり疲れてるんだろうな)
できれば一緒にチョコレートを買いに行きたかったけれど、寝かせて正解だった。
「…」
招集。人間にとって命を狩られるので死神は退治される。ジェットは命を狩らなくても生きてゆけるらしいからその対象には当てはまらないだろうけど…果たして人間はそこら辺の選別はしているのだろうか。
魔法省には身分を隠して悪魔としてジェットは働いている。
頬に、そっと触れた。
「好き、です…」
まだ伝えられる自信はないけれど、眠っているあなたになら伝えられる。
ぽつりと呟いた言葉にクロエの顔が真っ赤に染まり、慌てて寝室を飛び出した。
スマホを見ると少し早いけれど、チョコレートの新作販売に並びたいので外へ出た。
(は、恥ずかしい…)
誰かに好意を伝えるなんて初めてだ。眠るジェットに対してこれなのだから、起きている本人にちゃんと言えるのだろうか?
ぽぽぽ、とクロエの顔がさらに赤く染まる。
「まだ自信ないけど…いつかちゃんと伝えたい…」
悪魔として未熟で空も飛べず魔法も使えない、でもそれでいいとジェットは言ってくれている。
自信を持て、と。
前を向いて歩こうと顔を上げた時だった。
すれ違った男の顔を、知っている。別室のモニターに映し出された三人の男のうちのひとりだーーそう認識するより早くクロエは走り出した。
咄嗟に振り返る。男の唇が、見つけた、と動いた。
(どうしようどうしようどうしよう…っ)
とにかくクロエは走った。
足だって決して早くない。せめて羽根が機能して飛べれば、魔法が使えれば…そんなたらればを今想像してもどうしようもない。
クロエの細い手首を、男に掴まれる。
抵抗するより先に口元に手を当てられた瞬間に急激な眠気に襲われたクロエは目を閉じた。




ゆっくり目を開けるとモニターに映っていたあの男が立っていた。
ここはどこだろう…どこかの部屋だ。小部屋にいる。
クロエはたじろぐ。
「あんたが死神に買われた悪魔か? 俺も同じ悪魔だ」
なぜジェットに買われたことを知っているのだろう?
「お前の仲間が知らせてくれたんだよ。高値で売れた、って。まあもうそいつ死んだっぽいけどな」
悪魔同士である、情報は筒抜けかもしれない。
「なん、で…ジェットさんが死神って…」
「その悪魔に教えてもらった。まさか魔法省に死神が潜んでいるとはなあ。しかも悪魔のフリをして」
クロエはゾッとした。
まさかここまで知っているとは。
(僕が悪魔にさえ騙されなかったらこんなことにはならなかった…)
今更悔やんでもしょうがないけれど、発端は全部自分だ。
男が笑う。
「なあ、取引しねえ?」
「…?」
「お前を助ける代わりにあの死神を眠らせてくれ。顔を持つ知能の高い死神なんて高値で売れる。死神を統率する者のひとりだ、魔法省なんか喜んで買うだろうな。何も殺せとは言ってない。それを飲ませるだけでいい。あとは俺がどうにかする」
そう言って液体の入る小瓶を渡された。
クロエは投げ捨てた。小さく音がして、割れる。
「絶対に嫌だ」
ギッと睨みつけた。
「お金が欲しいんだったら僕を売ればいい。天使にでも魔法省にでもどこにでも売ればいい!」
男が眉間に皺を寄せながらナイフを転がしてきた。
「じゃあ羽根を切り落とせ」
クロエは目を見開く。
「悪魔も天使も命より羽根が大事だろ? だったら切り落とせ。それを売る。両翼だ」
震える手でクロエはナイフを掴んだ。
ーー羽根を、羽根を切り落とす。それも両翼。
心臓が嫌な音を立てる、冷たいのか熱いのかよくわからない汗が噴き出る、見開いた目に涙が溜まる。
クロエは羽根を出した。
黒い、羽根。どんなに小さくても悪魔の証である命よりも大事な羽根。
ーーこれを切り落とせば。
そのままでいいとジェットが言ってくれたこの羽根さえ切り落とせばーークロエの手の中のナイフが、羽根の付け根に触れる。
ぎゅ、っと目を閉じて手に力を入れた時だった。
腕が動かない。右へ左へ揺らすのに全然動かない。
「お前はかっこいいなあクロエ。俺のために大事なもんを捧げようとするなんて。守ってくれてありがとうな」
目を開けて顔を上げるとジェットがいた。
ジェットが笑いながらクロエの腕を掴んでいる。
これには男が目を丸くして「どうやって入った!」と叫ぶ。
「お前知らないのか。死神って壁を通り抜けられるんだぜ? 壁から手を生やすことだってできる」
そう言ってジェットが壁に触れると、吸い込まれるようにして腕が消えた。
「それに俺は死神だ。誰かが目印さえ付けてりゃ簡単にターゲットを探せる」
咄嗟にクロエは腹を見た。アザだ。
ジェットがナイフを手に立ち上がる。男が咄嗟に逃げようとするもジェットが手の中のナイフを投げると男の喉に命中した。
「俺は殺さねえよ? だってお前、魔法省の人間じゃん。ここで俺が殺したら足がつく」
男が崩れ落ちる。呼吸ができないのだろう、喉から変な音が聞こえる。
「だから面白いやつらを連れてきた」
ジェットが笑うと小部屋のドアが開いて男が数人現れた。
「どうも、死体処理課です。死体があるって聞きました」
「まだ死体じゃないけどいいか?」
「その方が新鮮な肉が手に入るから助かる。貰って行くわ」
ゾロゾロと入ってきた男たちが楽しそうに喉にナイフを刺された男を連れて行く。
あっという間に連れ出して、小部屋にはクロエとジェットのふたりが残った。
再びジェットが膝をつき、クロエの顔を覗き込んだ。
「クロエ、大丈夫か?」
「だい、じょう、ぶ…」
「全然大丈夫な顔してねえな。ははっ」
そう言って前髪をかき上げられ、汗が出ていることを思い出した。ぽたぽたと顎から伝っている。
両手で汗を拭かれ、ジェットが微笑む。
「ありがとうな、クロエ。愛してる」
広げられたジェットの腕に、クロエは迷うことなく飛び込んだ。
顔を上げて目を見つめる。
ーー自信を持とう。
そのままでいいと、あなたが教えてくれた。
だから、少しだけ勇気を出してーークロエはまっすぐ目を見つめ、微笑んだ。
「ジェットさん、あなたが好きです」




クロエが眉間に皺を寄せる。
「苦すぎる…」
「どれ。結構うまいぞ?」
「やっぱり僕が淹れたコーヒーはおいしくない…」
何が悪いんだろうなあと首を傾ぐと、口の中にチョコレートを入れられた。コロコロ転がすと口いっぱいにとろける甘さが広がり、苦いコーヒーにはちょうどよかった。
「チョコレートと食べたらおいしいんですけどね」
「じゃあお前はチョコレート専用のコーヒーを作るということで」
「物は言いようですね」
ふふ、と笑うとジェットにひょいと抱っこされる。
ジェットより少し高い目線から、愛しい人を見つめた。
「ちゃんと俺の目をまっすぐ見られるようになったな」
「僕はもう迷わないし、あなたが好きだと自信を持って言えます」
手を伸ばして頬に触れる。ひんやりとした死神の体温。僕が好きな、体温。
ふと、クロエが腹に目線を落とした。
「アザ…まだ消えないです」
「このままでいいだろ。死神に狙われるかわいい悪魔を生涯かけて守り通りしてやる。ーーお前を買ったという出会いはお前にとって最悪だろうけど、俺はクロエに会えてよかったと思ってる」
「僕も…ジェットさんに出会えました」
「これからも一緒にいような」
「はい」
そう言ってクロエは大好きな死神に抱きついた。
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