五十嵐三兄弟の爛れた夏休みの過ごし方

ユーリ

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それは今年の春の出来事だった。
五十嵐空(いがらし・そら)は正座をして双子の義弟の前に座っていた。
大事な話があると、一歳年下の双子の義弟である夏都(なつと)と冬都(ふゆと)は言った。
『高校一年生になりました』
『俺たちふたりも立派な大人です』
一体何の話をするのかよく分からず空が首を傾いでいると、双子は声を合わせてこう言った。
『俺たちの童貞を兄さんがもらってください』
気付けば兄弟で爛れた関係になってしまっていた。



「明日から夏休みかー」
「楽しみだなー、ね、兄さん」
背も高く体格も良い双子の義弟である夏都と冬都に挟まれて座る空は、ははは、と力無く笑った。
「僕は怖いよ…だって24時間キミたちといるんだからね…」
「え、それって期待されてる? ヤッバ、兄さんエロ」
「兄さんのために頑張って腰振るわー」
「ははは…」
やはり想像した通りである、この一ヶ月とちょっとのこれから始まる夏休みが怖くてしょうがない。
空は一応提案してみた。
「えーっと、期間長いし一旦父さんと母さんの所に帰るってのは…」
「は? 何言ってんの?」
「三人で遊ぼうぜえ兄さん」
べろんと冬都に頬を舐められると「俺も」と夏都からも舐められる。
「バイトは…」
「なし」
「あ、でも僕友達と遊びに行く約束してて、ほらっ」
スマホのメッセージアプリを見せて、友達数人といくつかの約束をしている画面を見せた。
「ふーん」
「ふーん」
頭の上からの同じ声同じトーンでの「ふーん」が怖い。
「兄さんよく見せて。どれ?」
「この人とこの人と…」
「オーケー。夏」
「はいよー」
夏都が空の体をしっかり抱き抱えてホールド。
「へ? なに? んっ、んむぅうっ」
突然唇を塞がれて、慌てて抜け出そうと夏都の厚い胸板をドンドンと叩いてみるもどこ吹く風。
無理矢理口をこじ開けられ舌が侵入、引っ込む空の舌を引っ張り出しては絡め取られた。
「はぅ、っん、んっ……」
「はい、できた。これでいいっしょ」
「へ? なに…」
スマホ画面を見せられ空が固まる。
遊ぶ約束をした友達全員に、夏休みは弟の面倒見なくちゃいけないんだ、という内容のメッセージを送っている。
「ちょっ!? 何してんの!? しかも僕のなりすましうまくない!?」
「兄さんの文章の書き方把握済み。つか、夏とちゅーしたんだから俺ともしようね」
「んんんーっ!」
今度は冬都に唇を奪われた。
大男ふたりに挟まれた空は顔を真っ赤にして小さくなる。
「さーて、俺たちのかわいい兄さん」
「三人で楽しい楽しい夏休みを過ごそうなあ」
両隣から、かぷ、と頬を噛まれた空は叫んだ。
「あついっ!!」



空が中学三年生の時、父親が再婚した。新しい母親の元には一歳年下の当時中学二年生の双子の兄弟がいた。
夏都と冬都という双子は、出会った時からすでに空より大きかった。そしてびっくりするほど見た目がそっくりだった。
家族五人の暮らしは楽しかった。父と母はすごく仲が良く、息子たちの前でも終始ラブラブだった。
と同時に空は異変に気づく。少しずつ少しずつ、自分を見る双子の目線が変わっていくことを。
最初は普通だった。しかし途中からじっと見つめられたり上から下までジロジロ見られたり、そして双子が中学を卒後する頃には超至近距離で見つめられたり。
そんな時だった。両親がにこにこ笑いながらこう言った。
『双子の義務教育も終わった。父さんと母さんは新婚に戻ります』
『というわけで三人で住んでね。もちろん生活費は出すわ。ねえあなた! 新婚旅行にも行きましょう!』
『もちろんだ。とりあえず新婚期間は決めません。飽きたらまた五人で暮らしましょう。たぶん飽きないと思うけどね! はははっ!』
多感期である三兄弟を前に濃厚なキスを繰り広げた両親は新婚生活を取り戻すために出て行った。
両親はマンションの一室を借りてくれた。
なぜか1Rだった。
風呂もトイレも別で1Rにしてはすごく広い部屋ではあるが、空は絶望した。
なぜ三人で1R。
なぜ高校生三人を仕切りのない部屋で過ごさせるのだ。
そして毎月の生活費とは別でありがたいことに準備金も渡してくれた。大体のものは前の家から持ち運べるなあとのんびり思っていたが、双子はなぜかキングサイズのベッドを注文していた。
広いけれど1Rの部屋に大きなキングサイズのベッド。
というわけで高校生三人1R生活が始まった初日に冒頭の出来事が起こったのだった。
「ーーはあ!? 今日の最高気温35度!? うっそだろ…」
スマホを見る夏都が叫んだ後、ばたりとベッドに倒れる。
チッ、と冬都が舌打ちをした。
「夏休み初日でコレかよ…。毎日こうも暑けりゃマジで干からびるな…」
「……キミたちがくっつかなかったらもっと涼しいと思うよ」
キングサイズのベッドの上、真っ裸の夏都と冬都に抱きつかれる空ももちろん真っ裸だった。
「兄さん暑いの? エアコンの温度下げようか?」
「サーキュレーターも回すか」
「そういうことじゃなくてね…うん、なんか通じない…」
「兄さーん、朝からかわいいねー」
「兄さんはいつだってかわいい。ちゅーする」
夏都が太ももにキスをし、冬都が首元にキスをする。
「んっ…」
ついでとばかりに強く吸われてキスマークの出来上がり。
夏都が空の下半身にくっつき、冬都が空の上半身にくっついた。しかし。
「…あっつい!!」
三人は勢いよく飛び上がる。双子はそれぞれエアコンとサーキュレーターのリモコンを取って操作する。
「マジかー、朝でこれかー。マジで干からびる。兄さんちゃんと水分摂れよ」
「毎日暑いということで、夏休みの制服はこれにしました」
五十嵐家では家着のことを制服と呼んでいる。出かける外着とは別で、コーデを考えるのが面倒なためいつも同じ服を着用していた。
夏都と冬都がパンツの上に黒のタンクトップを着た。
「短パンいるか?」
「いらねえだろ。あちい」
「パンツだけでいいよな。兄さんもこれね」
そう言ってブカブカの黒のタンクトップを着させられた。
「兄さんエッロ。脇のところ開きすぎ」
「うわー、これ手ぇ突っ込むのハマりそう」
そう言って伸びる双子の手を叩き落とした。
「僕のサイズのタンクトップはどこ!?」
「そんなもん俺らが用意してると思う?」
「ただでさえ黒一色なんだからサイズ統一しねえと着るの手間取るだろうが」
正論なのか異論なのかよくわからない。
「…パンツは?」
「あ、パンツいる? じゃあ俺のあげる」
「脱ぎたていらない!」
「じゃあ俺の」
「だから脱ぎたていらない! どっちのパンツも結局は一緒! 僕の! 僕のサイズのパンツ!」
「だからサイズ統一しねえと着るの手間取るって言ってるだろ」
「…僕のは用意されてないのね」
どうやらこの夏休みはパンツなしで過ごさなければならないようだ。…なぜ!
「あっちー。俺シャワー浴びてくるわ。ついでに風呂掃除してくる」
「じゃ俺は洗濯機回すわ。洗濯物あったら出せ」
そう言って夏都と冬都が動き始める。もう少しダラダラしていたいが、義弟二人が働いて兄の自分がラクするわけにもいかず「じゃあ僕は朝ごはんの用意する」とベッドから出た。
腰回りがスースーする。パンツがないせいだ。しかもタンクトップもブカブカでスースーする。
上下スースーなので、案外夏向きかもしれないと思いながら冷蔵庫を開けた。
「何にしよう…ていうか今日は買い出しに行かないとだねぇ。夜行こうかなぁ」
朝でさえすでに暑いのだ、日中の移動は恐ろしい。
一番近いスーパーが24時間スーパーなので、日が沈んだ真夜中に行くこともできる。
何を作ろうか冷蔵庫の中身を確認していたときだ。もっ、と尻に衝撃が走る。
「ふゆくん…キミ何してんの?」
「いやー、目の前に兄さんのかわいい尻があったもんで」
タンクトップの裾に隠れる尻に、冬都の顔が埋もれていた。
「あー、なんか楽しいことしてるー。俺も俺も」
風呂場から出てきた夏都もこちらへ来る。
「半分どうぞ」
「どうも」
双子の顔が空の尻に埋もれる。
「癒される…」
「一時間ぐらいこうしてたいわあ…」
「兄さんって細いのに尻はムチムチなんだよなあ」
「それな。あー癒される…」
「いや、あの、ね? どいてくれる? 朝ごはん…」
ちら、と後ろを見たときだった。双子のパンツに変な膨らみが見える。途端に空の顔が真っ赤に染まった。
「見たね兄さん」
ニヤリと笑われた双子にあっという間にベッドへ沈められタンクトップを剥ぎ取られる。
「黒地にせーえきついたら目立つから遠くに投げて、と」
「そんでもって兄さんを四つん這いにさせて、と。はーい兄さんお口開けようねー」
「んぐっ、ぅうう…っ」
勃起した夏都の性器を口に押し込められる。逃げようにも頭を固定されて無理だった。
仕方ないので舌で全体を舐め上げ、口を窄めて先端を吸い上げてやる。溢れた汁は全部飲み込んだ。
「気持ちい…。兄さん上手くなったねえ」
「兄さんこっちも挿れるよー」
腰を抱えられ、コンドームを付けた冬都の性器がずぶずぶと挿入される。ふたりに毎晩のように抱かれているからだろうけれど、想像以上にスムーズに入る自分が怖い。
「ふううっ、んっんんっ、ふ…、うぅ」
「兄さんの中気持ちいい…。あっつ、中あっつ」
「うわー、いいなー。俺も後で挿れるー。兄さんは? 気持ちい?」
こくこく、と頷くと夏都には顎を撫でられ、冬都には背中を撫でられた。
その指先で、つつつ、と引っ掻くように愛撫され「んううぅっ!」とまだ触られてもいないのに誰よりも早く射精してしまった。
「うわっ、締まる」
「待って待って待ってヤバい」
空がビクビク体を震わせると、その衝撃がふたりにも届いたらしく同時に射精。口内に溜まる精液の苦味に空の目に涙が浮かぶ。
口から性器を取り出され、苦いからどうにかして、と夏都に目で訴えるものの、いつもなら素早くティッシュを出してくれるのに今日はそれがない。
にまあ、と夏都が笑う。
「兄さん、飲んで?」
「…!」
「飲めるよねえ? ほら、鼻と口押さえててあげるから」
「うっ、うっ…」
どうすることもできずごくりと飲み込むと「うわあ」と夏都と冬都から楽しそうな声が上がる。
「マジで飲んだ?」
後ろから冬都に口を開けられ確認される。
「お、全部飲んでる。兄さん精液飲めるんだあ。へー」
「夏休み初日でいいこと知れたー」
「夏、場所代われ。俺のも飲ませたい」
そう言って冬都は性器を引き抜き、場所を入れ替えた。
「ほら兄さん、今度は俺の咥えて」
ベッドに転がる空の顔にぺちぺちと性器を当てている。空はふるふると手を上げた。
「ま、待って、休憩、を…」
「へ? 休憩!?」
「そんなのいる!?」
双子はワザとらしく大声を上げて楽しそうだ。
「水分、補給を、お願いします…僕は干からびそうです…」
「俺ので我慢しましょう」
「俺のもあげますので」
そう言って冬都に口へ性器を突っ込まれ、夏都には尻へ性器を突っ込まれた。
ーー午後十時を回った頃、空はぼんやりと目を覚ました。
(夏休み初日でコレか…)
結局、朝から晩までセックス三昧。途中、腹が減りごはん休憩を取れはしたものの、カップラーメン等簡単なものしか食べさせてくれなかった。
「お肉とか野菜とかちゃんとしたものが食べたい…」
「あー…なに…」
「兄さん起きたのお…?」
両隣の双子が眠そうな目をこすりながら話しかけてきた。
そして三人の腹がぐうううと盛大に鳴る。
「腹減った…」
「食料もほとんどなかったよな…」
「買い出し行こう。ごはんだけ炊いとくから」
外着に着替えた所で夏都と冬都にじっと見られた。
「え、なに?」
「兄さんちゃんとパンツ履いた?」
「…しまった!」
「やっぱり。さすがにノーパンで外出るのはやめようね」
「元はと言えばなつくんとふゆくんのせいでしょ!」
「えー、俺らのせいですかー?」
「人のせいにしないでくださーい」
ふたりの頭を叩いてからきちんとパンツを履いて外へ出た。
「あっつ!」
「この時間でこんな暑いのか!?」
「わー…アイス大量に買おうねー…」
確か冷凍庫のアイスもすっからかんである。
空は月を見上げながら両隣の双子の手を取った。
「手繋いでい?」
「もちろん」
「兄さんの甘えんぼ」
「ふふ、僕ね、三人でこうやって手繋いで歩くの結構好きなんだ」
「わかる。結構好き」
「俺も」
三人で月を見上げながら、暑い中おしくらまんじゅうのようにぎゅむぎゅむ寄り合いながらスーパーまで歩いた。
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