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336 二人で飲めるもん 後編
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「召喚主、本気でやる気か……!?」
「もちろん! 物は試しよ。ホラ、早くあの眼鏡をかけて! わぁー、王子、やっぱその眼鏡すっごく似合う!! カッコいい!!」
「そ、そうか」
前から似合う、似合うと思っていたけれど、今日の王子はひと際輝いて見えますね! 眼鏡に度が入っていない養殖物なのは知っているけれど、今日の王子はまるで天然物の眼鏡男子のよう……!!
おっと、よく見ると王子の顔がちょっぴり赤いですよ。
僕はお酒強いみたいなこと言っていたけど、王子だって人のこと言えないじゃ~ん。私とお揃いだ~。ふふふ~。
「!? す、既に召喚主は結構酔っているだろう……!??」
「えぇー、どうだろう? よく判らないけど、検証するのはこれからよ。では、早速いつも通りくっついて、っと」
「あ、ちょ……っ」
ゴク……ッ。
「あ……普通に飲める。美味しいかも」
「そっ、そうか、良かったな! じゃあ検証はこれで終わり……っ」
ゴクゴクゴク……
「あ、コラ召喚主、そんなにいっぱい飲んだら……」
「うぅ~……頭痛い~気持ち悪いぃ~……」
「だから言ったじゃないか。僕に触れている間は平気でも、召喚主の身体にはお酒が残っているから、離れればそこで効果が消えてしまうのだからな。飲めないなら無理はしない方がいい」
「そんなぁ~……うぅ……頭が痛い……」
検証の結果、王子に引っ付いている間は私もお酒が飲めることが判明したが、王子から離れた途端に地獄の苦しみが待っていることが判った。私のお酒に対する弱さは変わっていないので、その時点で体内に残っているアルコール分の影響を受けてしまうらしい。
せっかくこれでお酒が飲めると思ったのに、まさかこんなトラップが待っていたとは……。
吐くほどではないけれど、気持ち悪いし、身体が熱いし、頭痛がするしで、ちょっと泣きそう。
あ。でも、さっきまでは平気だったってことは、アルコールが消えるまで王子にくっついていれば、とりあえずこの苦しみからは解放されるんじゃないの?
そ・れ・だ!
がし……っ!
「ちょちょちょ、召喚主いったい何を……!?」
「あ、やっぱり。王子とくっついている間は身体が少し楽になる!」
しかも、お似合いの眼鏡がよく見える。
これは……絶・対・に・手・放・せ・な・い!!(ぎゅうぅぅ)
「あああ、あのだな。今日の僕は飲酒をしているし、だからえっと、その……っ」
「あ、ちょっ、王子どこ行くの!? お願い! 身体が楽になるから、今は私から離れないでええぇ……!!!!(ぎゅううううううぅ!!!!)」
「……や……でも……………………っ、……わ……かった…………」
最初は困惑した様子で抵抗されたものの、腕にしがみついて必死に訴えた結果、どうにか王子様がお薬役を了承してくれました。
「やった! 大丈夫、こうやってくっついていればそのうちアルコールも消えるから。あ、私はもうお酒は懲りたからジュースにするけど、王子は何も気にしないで好きなだけ飲んでいいからね。ハイ、どーぞ。ついであげるね」
王子にはとんだ迷惑をかけましたからね(現在進行形で)。せめて楽しみにしていたお酒でも飲んで、しっかりとストレス解消をしてもらわなければ。
「……あ……ぃや……今日はもうお酒は……その……理せ…い、いや、そそそ、そうだこの眼鏡かけている間はどうせ酔わないし、飲むのがもったいない……から、だから……」
「あー、分かった。そんなこと言って、王子も実は結構酔っているんでしょ? 隠したって顔に出てるわよ?」
「……あ……うん。……実は、そう……なんだ……」
「あはは、やっぱり?」
見破られたのが堪えたのか、ガックリとうなだれてしまった王子様。
――ま、いくら王子がお酒に強くても、幽閉生活ではお酒なんてそうそう飲めないだろうし、塔で規則正しい生活を送っている間に弱くなっちゃったのかな?
そうとなればアルハラはいけませんね!
……ってことで王子にもジュースを注いであげたんだけど、おつまみで喉が渇くのかやたらジュースを飲む王子がトイレに立つたびに酔った不快感がじわじわと襲ってきて、王子が部屋に戻ると待ってましたとばかりにしがみついて――の、その繰り返し。
気が付いたら私はしっかりと寝支度を整えて、王子の眼鏡をかけたクマちゃんと一緒にベッドで眠っていました。王子はいつの間にか塔に帰ったらしい。
起きた時に二日酔いは残っていたけれど、昨夜ほどの体調不良はない。眼鏡のお陰で無事に悪酔い状態を乗り越えられたようだ。
……うん……何ていうか、あれだ。
『二十歳を過ぎてもお酒はほどほどに』
ってことですね。反省!!
「もちろん! 物は試しよ。ホラ、早くあの眼鏡をかけて! わぁー、王子、やっぱその眼鏡すっごく似合う!! カッコいい!!」
「そ、そうか」
前から似合う、似合うと思っていたけれど、今日の王子はひと際輝いて見えますね! 眼鏡に度が入っていない養殖物なのは知っているけれど、今日の王子はまるで天然物の眼鏡男子のよう……!!
おっと、よく見ると王子の顔がちょっぴり赤いですよ。
僕はお酒強いみたいなこと言っていたけど、王子だって人のこと言えないじゃ~ん。私とお揃いだ~。ふふふ~。
「!? す、既に召喚主は結構酔っているだろう……!??」
「えぇー、どうだろう? よく判らないけど、検証するのはこれからよ。では、早速いつも通りくっついて、っと」
「あ、ちょ……っ」
ゴク……ッ。
「あ……普通に飲める。美味しいかも」
「そっ、そうか、良かったな! じゃあ検証はこれで終わり……っ」
ゴクゴクゴク……
「あ、コラ召喚主、そんなにいっぱい飲んだら……」
「うぅ~……頭痛い~気持ち悪いぃ~……」
「だから言ったじゃないか。僕に触れている間は平気でも、召喚主の身体にはお酒が残っているから、離れればそこで効果が消えてしまうのだからな。飲めないなら無理はしない方がいい」
「そんなぁ~……うぅ……頭が痛い……」
検証の結果、王子に引っ付いている間は私もお酒が飲めることが判明したが、王子から離れた途端に地獄の苦しみが待っていることが判った。私のお酒に対する弱さは変わっていないので、その時点で体内に残っているアルコール分の影響を受けてしまうらしい。
せっかくこれでお酒が飲めると思ったのに、まさかこんなトラップが待っていたとは……。
吐くほどではないけれど、気持ち悪いし、身体が熱いし、頭痛がするしで、ちょっと泣きそう。
あ。でも、さっきまでは平気だったってことは、アルコールが消えるまで王子にくっついていれば、とりあえずこの苦しみからは解放されるんじゃないの?
そ・れ・だ!
がし……っ!
「ちょちょちょ、召喚主いったい何を……!?」
「あ、やっぱり。王子とくっついている間は身体が少し楽になる!」
しかも、お似合いの眼鏡がよく見える。
これは……絶・対・に・手・放・せ・な・い!!(ぎゅうぅぅ)
「あああ、あのだな。今日の僕は飲酒をしているし、だからえっと、その……っ」
「あ、ちょっ、王子どこ行くの!? お願い! 身体が楽になるから、今は私から離れないでええぇ……!!!!(ぎゅううううううぅ!!!!)」
「……や……でも……………………っ、……わ……かった…………」
最初は困惑した様子で抵抗されたものの、腕にしがみついて必死に訴えた結果、どうにか王子様がお薬役を了承してくれました。
「やった! 大丈夫、こうやってくっついていればそのうちアルコールも消えるから。あ、私はもうお酒は懲りたからジュースにするけど、王子は何も気にしないで好きなだけ飲んでいいからね。ハイ、どーぞ。ついであげるね」
王子にはとんだ迷惑をかけましたからね(現在進行形で)。せめて楽しみにしていたお酒でも飲んで、しっかりとストレス解消をしてもらわなければ。
「……あ……ぃや……今日はもうお酒は……その……理せ…い、いや、そそそ、そうだこの眼鏡かけている間はどうせ酔わないし、飲むのがもったいない……から、だから……」
「あー、分かった。そんなこと言って、王子も実は結構酔っているんでしょ? 隠したって顔に出てるわよ?」
「……あ……うん。……実は、そう……なんだ……」
「あはは、やっぱり?」
見破られたのが堪えたのか、ガックリとうなだれてしまった王子様。
――ま、いくら王子がお酒に強くても、幽閉生活ではお酒なんてそうそう飲めないだろうし、塔で規則正しい生活を送っている間に弱くなっちゃったのかな?
そうとなればアルハラはいけませんね!
……ってことで王子にもジュースを注いであげたんだけど、おつまみで喉が渇くのかやたらジュースを飲む王子がトイレに立つたびに酔った不快感がじわじわと襲ってきて、王子が部屋に戻ると待ってましたとばかりにしがみついて――の、その繰り返し。
気が付いたら私はしっかりと寝支度を整えて、王子の眼鏡をかけたクマちゃんと一緒にベッドで眠っていました。王子はいつの間にか塔に帰ったらしい。
起きた時に二日酔いは残っていたけれど、昨夜ほどの体調不良はない。眼鏡のお陰で無事に悪酔い状態を乗り越えられたようだ。
……うん……何ていうか、あれだ。
『二十歳を過ぎてもお酒はほどほどに』
ってことですね。反省!!
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