【完結】悪役令嬢と自称ヒロインが召喚されてきたけど自称ヒロインの評判がとんでもなく悪い

堀 和三盆

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リリーside

5 これからってときの異世界召喚

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 二年の二学期になって、ようやくゲームのシナリオが現実に追いついた。

 悪役令嬢と私。どちらがより聖女としてふさわしいか、第一王子の婚約者としてふさわしいか。あらためて決め直すために、二人とも王宮に住むことになった。まあ、私は既に住んでるんだけど。

 しばらくして呼び出された王宮の謁見室で、初めてまともに悪役令嬢と顔を合わせた。なにせこの悪役令嬢、魔物討伐に大忙しでほとんど学園に来なかったのだ。私のレベルが上がるまで魔物討伐を一人でやらせていたせいでもあるんだけど。

 ゲーム通りの奇麗な顔だった。

 ゲームではあまりその人となりは出てこない。だからどんな人なのかはよく分からない。でも、私はこのキャラが嫌いだった。

 だって。

 ヒロインには逆ハ―レムルートがないのに、なぜか悪役令嬢にはそれが存在するのだ。

 断罪の段階で王子の悪役令嬢への好感度が著しく低く、尚且つヒロインと悪役令嬢の好感度が著しく低いときに、彼女は隣国へと追放される。聖女の血を引く彼女は隣国で優遇され、イケメン貴族達と一妻多夫の婚姻をすることになるのだ。

 エンドロールで軽く出てくるだけでその心境を推し量ることはできないけど、そんなのただの逆ハ―じゃん。私は王子を攻略するために他の攻略対象者を全て諦めたっていうのにそんなのずるくない?

 悪役令嬢の「その後」は好感度によって分岐する。

 一つは国外追放。からの逆ハーレム。
 もう一つは神殿預かり……からの、神官長との幸せエンド。

 神官長はイケメンだけど結構年上。攻略対象ですらない。悪役令嬢のくせに逆ハ―とかムカつくから、この女の末路はこっちにしたい。

 だから、これから起こるイベントを駆使して、王子から悪役令嬢への好感度をギリギリまで下げつつ、私はほんのちょっとだけ仲良くなろう!それで幸せエンドに進むハズ!

 そう決意したところで。

 ヒロインである私と、悪役令嬢。
 二人して異世界に召喚されてしまったのだ。



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