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リリーside
11 運命の日
しおりを挟む卒業式の日は大荒れだった。突然の突風が起こって、会場がぐちゃぐちゃ。けが人もいっぱい。でも、悪役令嬢がサクッと元通りにしてなかったことになってた。
流石に魔力切れを起こして倒れてたけど。
でも、私はそれどころじゃなくて、ユージのことで頭がいっぱいだった。明日にはゲームの世界に帰る。そうしたら二度と会えなくなる。
卒業式の後、ユージと最後のデートをしたとき。告白された。
自分は愛人の息子で、父親は大きな会社を経営してる。父親は子供がいなくて自分が後を継ぐ予定だったけど、事情があって後継者から外されてしまった。でも、資産の一部は引き継ぐから、決して苦労はさせない。
だから真剣に付き合って欲しい、と。
本当はもっと早く告白したかったけど、色々と事情があって言い出せなかった。でも、今伝えないときっと後悔する。このまま、会えなくなるのは嫌だ――。
そんな風に真剣に言われ、胸がいっぱいになった。告白してくるユージはどこかまだ迷いがあって、苦しそうで、放っておけなかった。
私も、ユージが好き。大好き。離れたくないずっと一緒にいたい!!でも、明日には――帰ったら二度と会えないの?そんなの嫌よ……っ!
思いを伝えあって、抱き合って。
気がついたら、一線を越えていた。
起きたらユージの部屋で。昨日の行為の影響か体にだるさが残っていたので、いつも通り癒しの力を使おうとして――ようやく過ちに気が付いた。
純潔でなければ使えない、聖女の力が消えていた。
私は慌てて身支度をすると、ユージの家から飛び出した。既に朝に近い時間。今日には帰らなきゃいけないのに。
どうする?残る?でも、そうしたら王子のことはどうしよう。聖女の仕事は?ああ、そもそも力を失ってしまった。なんて言い訳しよう。逃げる?でも、あっちには両親もいるし、築き上げた財産も……。そもそも、帰らない、なんてできるんだろうか。
焦りから考えがまとまらない。もっと、先に考えておくべきだった。考えて考えて――。
出した結論。
「つい流されて力を失ってしまったの。お願い、聖女の力で治して! このままじゃラストイベントが……魔物の襲撃から国民を救うためなのよ。国のためにも聖女は多い方がいいでしょう? ね?」
悪役令嬢に頼ることにした。
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